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「家を購入して終わりではなく、その後も、なにか手伝えることがあれば相談してほしい。僕らが一番やりたいのは、長くお客さんとの関係性を続けていくことなんです」
人生のなかで、「住まい」はとりわけ大きな買い物。
だからこそ、買う前も買った後も、気軽に相談できる人が身近にいたら、どんなに心強いだろう。
不動産の売買に加え、リフォームやリノベーション、相続の相談など。東京・深川に根づき、さまざまな暮らしの相談に乗っているのが、株式会社トラストリー。
今回は、不動産売買やリノベーションの提案などを主に担当する営業スタッフを募集します。
相談対応から内覧案内、契約までの基本業務のほか、リノベーション会社のコーディネートや、ファイナンシャルプランナーと連携した資金相談など。
売り込み営業は一切せず、じっくりとお客さんに寄り添い、ともに納得できる住まいを探していきます。
本業のかたわら、深川エリアの情報を発信するWebメディア「深川くらし」を運営したり、地域のイベントに参加したり。
お客さんの多くはご近所さん。顔の見える関係性のなかで、「この人たちの力になりたい」という想いが、この会社の原動力です。
東京でありながら、どこかローカルな雰囲気も感じられる、まちの不動産屋さんを紹介します。
東京の下町・深川エリア。
清澄白河駅から門前仲町方面に10分ほど歩いていく。
お菓子屋さん、眼鏡屋さん、ギャラリーなど。お寺も多い住宅街に、こぢんまりとした雰囲気のいいお店が馴染んでいる。
ブルーボトルコーヒーの先にある橋を渡ったところ、中学校の向かいに、トラストリーが運営する「リフォーム不動産 深川studio」がある。
取材をするのは3回目。ガラス扉を開けると、馴染みのみなさんが迎えてくれた。
カフェカウンターと大きなソファのある打ち合わせスペースには、大きなクマのぬいぐるみや子ども用のおもちゃが置いてある。
机を挟んで1対1で向き合う、いわゆる不動産屋さんのイメージとは違う、温かい雰囲気が落ち着くお店だ。
最初に話を聞いたのは、代表の柴田さん。後ろの壁にはお祭りの写真が飾ってある。
「昨年は久しぶりにお祭りが開催されてうれしかったですね。スタッフみんなでお神輿を担いだんですよ」
会社員時代にたまたま赴任したこのエリアで、富岡八幡宮の例大祭を目にした柴田さん。ここでお神輿を担いでみたいと思ったのも、深川で会社を立ち上げた理由のひとつだそう。
トラストリーは、今年で創業8年目。
「深川くらし相談所」の看板を掲げ、住まいにまつわることならなんでも気軽に相談してほしい、と伝え続けてきた。
「今『正直不動産』っていうドラマがやっているの、知ってます? 不動産って、“正直”ってことがクローズアップされるような業界なんですよね。でも、うちは真っ当に、正直に仕事をして、お金を稼ぐだけじゃなく、お客さんに喜んでもらいたいっていう想いが根本にある」
「前職は管理職だった期間が長かったので、独立したばかりのころ、最初から最後まで直接お客さんを担当するのが新鮮で。その人たちと、いまだに飲みに行ったり、いい関係性が持てているんですよね。それが何より楽しくて、長く頼ってもらえる存在でありたいとずっと思っているんです」
柴田さんが一人で運営していた時期もあったトラストリー。「スタッフを増やして、自分は新しい仕事に取り組みたい」という言葉を、過去の取材で耳にしたこともあった。
今は、スタッフの草薙(くさなぎ)さん、谷口さんとの3人体制。
不動産仲介の事業は任せることも多くなり、柴田さんは新たに「深川たてもの相談所」という事業を立ち上げた。
マンションの管理組合向けに資金繰りなどの相談に乗るほか、将来的には大規模修繕も請け負っていく。
お話していたことが現実になっていますね。
「本当に少しずつですけどね」
「購入後の住まいの管理は社会問題化していて、うちのお客さんでも困っている人がいたんです。この狭い深川エリアのなかでも、まだまだ僕らに手伝えることがある。家を売って終わりじゃなくて、その先まで考えた付き合いを深めていきたいと思っています」
目の前の人の役に立ちたい。新しい事業でも、そんな想いが根本にある。
「事業の幅は広がっても、会社の軸はまったく変わっていません。お客さんに寄り添って、お客さんを一番に考えた対応ができる人と働きたい。そこはずっと変わらないですね」
柴田さんと一緒に働く、スタッフのお二人にも話を聞く。
マネージャーの谷口さんは、昨年同じ不動産業界から転職してきた。
「不動産売買って、当然リピーターが少ない分野なので、購入後までお付き合いが続くことはあまりないんです」
「でも柴田さんがやろうとしている事業は、別の不動産分野で長く付き合っていくことができる。そこに私も共感していて。家を買ってもらった後でもお客さんが困ることがないように、いつでもご相談いただける関係になれたらいいなと思いますね」
もともと近所に住んでいたという谷口さん。ポストに投函されるリフォーム不動産のチラシをよく目にしていた。
「以前の職場は渋谷や恵比寿で、子どもを保育園に送ってから通勤するにはちょっと遠くて。自宅の近くで働くキャリアもいいなと思いはじめて、チラシの番号に直接問い合わせたんです」
「そんな人はこれまでいなかったから半信半疑だった」と笑う、柴田さんたち。
家の近くで働くって、どんな感覚なんでしょう。
「そうですね、休みの日にスーパーとかでお客さんと会うことは、よくあります。でもマイナスに感じたことはないですね。会社の人たちも家族の人となりまで知ってくれているから、子どもが体調不良のときも柔軟に対応してもらったり、働きやすくなりました」
長く不動産業界で働いてきた谷口さん。
「この業界って、結局“人次第”なんですよ。嘘をつかずに正直にやっていると思ってもらえるだけでも、すごい強みになるんです」
「よく柴田さんが言うのは、『逃げも隠れもしません』って。地域に根づいているぶん、いい噂もわるい噂もすぐに広まる。そのなかで続けてきたからこそ、説得力のある言葉になっているんだと思いますね」
お客さんに心から信頼してもらって、この人に任せたいと思ってもらう。
谷口さんも、印象に残るお客さんとの出会いがあった。
「どんな小さな相談でも、まずは気軽に立ち寄ってほしい」と自ら企画した、リノベ喫茶というイベント。
そこに親子で訪れたあるお客さんは、独立する娘さんのマンション購入を検討中。「このイベントなら気軽に相談できるかも」と、足を運んでくれたそう。
家族の仲がよく、愛犬の散歩に引っ越し後も一緒に行きたいこと。実はご両親も今の家に少し不満があり、リフォームを検討していること。そんな話も聞くことができた。
いろいろな可能性を検討した結果、谷口さんの提案で、新しいマンションにご家族みんなで引っ越すことに。同じ建物内に別部屋を購入し、ご両親も娘さんも、思い思いにリノベーションをした。
「具体的なイメージが膨らんでいない状態から、いろんなお話を伺うなかでいいご提案ができて。新しい人生をスタートするきっかけをつくれたことは、よかったなと思いましたね」
納得いく住まいを見つけることができたお客さん。10回以上顔を合わせるなかで関係性が深まり、これ以降も不動産に関する相談をしてくれるようになったという。
「成約までは時間がかかる仕事ですけど、そのぶん大きな提案ができる。お客さまの人生に関わって価値を提供できるのは、不動産売買ならではだと思います」
本当の信頼がなければ、大きな金額のかかることを任せたいとは思えないはず。
谷口さんは、普段どんなことを意識しているんでしょう?
「自分のことは、営業というよりコンサルタントやエージェントだと思っていて。『これがいいと思います』とは、一言も言わないですね。話をじっくり聞いて、お客さまが買いたい、売りたいという気持ちがあるなら、そのための判断材料を揃えて導くのが仕事です」
「うちには大手の看板はないから、なおさら個々の力が求められる大変さはあると思います。もちろんチームで動くんですけど、個人としてお客さまに信頼されることが、ほかの会社以上に大切な環境なんじゃないかな」
谷口さんにどんな人と一緒に働きたいか聞いてみると、「不動産の知識は教えることができるから、それ以上に素直さや誠実さ、人柄のほうが大事」と話していた。
それを体現しているような人が、草薙さん。気づいたら距離が縮まっているような、明るく、コミュニケーションのとり方が素敵な方。
日本仕事百貨の記事をきっかけに未経験から入社して、約2年。一人で担当案件を持つことも増えてきた。
「最近はリノベーションの需要が増えていて。ご購入時にスケルトンにして一からデザインすることもあれば、間取りを一部変えるとか、予算や条件の関係で部分リノベーションになるケースもあります」
リフォーム・リノベーションには、パートナーの工務店と一緒に取り組む。会社ごとに得意分野が異なるので、お客さんの依頼に合わせてコーディネートしていく。
物件の契約までが不動産屋さん、リノベーションは工務店と、別々になるケースも多いものの、すべて一貫して対応できるのがトラストリーの強み。
設計については工務店を交えて打ち合わせていくものの、基本的な知識を持っていないと、うまく提案を進めることができない。
「たとえば内見のときに、『キッチンを少しずらせますか?』とか、質問をいただくこともあって。できる場合とできない場合があるし、工務店の方に現地を見てもらったほうがいいこともある」
「間違った判断をしないよう、自分でわからなければ、すぐに工務店の方に電話して聞きます。普段からパートナー企業さんとの連携の仕組みができているので、気軽に相談できるのがありがたいですね」
工務店のほか、資金相談に乗るファイナンシャルプランナー、相続相談などを担う税理士や司法書士。パートナーとチームとして動けるからこそ、少人数の会社でもできることが限定されない。
この2年間、SNSの更新や販促物作成など、さまざまな仕事にも取り組んできた草薙さん。
「サイトやSNSも少しずつ形になってきて。不動産に限らず、できる仕事の幅が全体的に広がったように思います。大手企業だったら専任の人がやるような仕事まで任せてもらえるのはおもしろいですね。わたし飽き性なので (笑)、いろいろできるのが楽しいです」
銀行とのやりとりのようなかっちりした仕事から、地域のお店を取材して記事を書くような柔らかい仕事まで。
やることは幅広く、それぞれのギャップが大きいのがトラストリーの特徴です。
大変さもあると思うけど、さまざまな仕事に挑戦できるおもしろさを感じられる人なら、きっと楽しいはず。
どの仕事も、根本で大切にしているのは「目の前のお客さんのため」。このあり方に共感できたなら、ぜひ仲間になってみてください。
(2024/1/22取材 増田早紀)