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世のため
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地域のための産業振興

「土をひねる、金型を削る、生地を染める、味噌を仕込む、鯖寿司を握る、舞いを舞う。まちにはいろんな仕事があって、それぞれの最前線で誰かが汗をかいています。ひざを突き合わせ、話しあうことが産業振興の一段目です」

まちの設計図を描こうとする市民や事業者たち。だけど、自分たちだけで描ききるのはなかなか難しい。

そこで一緒に設計する。ときに一緒に資源を集め、くみたて、ととのえる。そんな地域づくりのエキスパートが、株式会社 地域計画建築研究所の地域産業イノベーショングループ。

英語表記の頭文字をとった略称ARPAK(アルパック)の名前で親しまれています。

今回募集するのは、「地域産業イノベーション」グループではたらく人。

行政や経済団体との仕事を中心に、事業者目線で産業振興に取組むプロジェクトマネージャーを募集します。具体的には、企画から調査・計画立案、事業化支援まで行います。

社会人経験があれば、業種職種は問いません。企業で培った経験を、地域に活かしてみませんか。



アルパックの本社は、多くの人が行き交う京都のメインストリート四条通に面している。

会議室では、地域産業イノベーショングループの3人が迎えてくれた。左から山口さん、山部さん、そしてリーダーとして、グループをとりまとめる高野(こうの)さん。

「アルパックは1967年に京都で生まれたんです」と高野さん。

きっかけは、1970年の大阪万博だった。

「京都大学の西山 夘三(にしやま うぞう)教授のもとに、会場プランニングの相談があったそうです」

西山夘三さんは、戦後日本の住宅設計の基本ともいえる「食寝分離」を唱えた建築家。3人の教え子が、会場プランニングに取組んだ。

そのあとも、関西を中心に日本各地の地方自治体からまちづくりを引き受けるように。

たとえば本社のある京都では、京都駅ビルや駅前広場、四条通の歩道拡幅などにも関わっている。

「仕事を通じて信頼関係を築き、きちんと納品していく。先輩たちのそうした積み重ねのなかで、アルパックが頼りにされていったんです」

現在は全社で100人、京都では半数近くが働く。より専門性の高い提案を行えるよう、分野ごとにエキスパートグループが設置された。その一つが、今回募集する地域産業イノベーショングループ。

取組むのは、産業振興。

「仕事内容は、製造業や都心商業の振興、地域資源を活かした第6次産業や着地型観光など幅広いです。調査計画にとどまらず、事業運営まで手がける仕事も増えています」

産業振興って、工場を誘致するとか?

「アルパックの考える産業振興は、地域に『働きたくなる仕事』を増やすことなんです」

働きたくなる仕事を増やす。

「子どもたちが『うちのママ、こんな仕事してるんだよ』と誇らしくなり、同級生からも『あんたんとこのお父さんすごいなあ』って尊敬される。そして、いつか自分もそんな大人になりたいと思う。そんな“うねり”を地域に起こすことです」

産業振興をシンプルにいうと「地域に雇用を生み、まちの税収を上げることなです」とも高野さん。高度経済成長をふりかえると、全国各地で工場誘致にやっきになった時期もあった。その頃は、お父さんお母さんが一生懸命働いて、子どもを都会へ送り出す流れがあった。

だけど、それだけではまちが歳老いていき、やがて使い捨てられてしまう。

だからアルパックは「まちの雇用」に「未来の子ども」という視点を加えて産業振興を設計する。

「2024年にこのまちで働いている大人も、2044年にこのまちで働く未来の大人も。みんなが誇りを持てる生業を育んでいく。それがこれからの産業振興ではないでしょうか」



まさに今、「オープンカンパニー」という取組みを進めているのが、3年目の山口さん。

アルパックには新卒で入社。産業や観光の調査計画から事業の企画運営まで、幅広い仕事を担当している。

学生時代、まちづくりの活動に関わるなかで「住み続けたいまちには、働きたい仕事が欠かせない」と考えるように。そんな想いから担当したのが「ワークワクワク河内長野」というプロジェクト。

舞台は大阪府の河内長野(かわちながの)市。

2022年にはじまり、板金工場からスーパーやまちのクリニックまで大小27の事業所が集い、市民向けに仕事をひらく取組み。

ある金属加工の工場では、子どもたちがブックスタンドづくりを体験した。

「ワークワクワクを機に、下校中の小学生が工場を通りがかって『おじちゃんさよなら』『おう、気をつけてな』と声をかけあう。そんなつながりが生まれたら」

互いにふれあう機会が増えれば、仕事に対しての捉えかたも変わるし、新しい事業に取組むモチベーションにもつながる。まちに暮らす子どもが、この仕事をしたいと継ぐ未来も生まれるかもしれない。

まちの未来を見据えたプロジェクトだからこそ、まちのコミュニティづくりを心がけた。

行政の事業は、年単位での契約が基本。いつか行政の手を離れる日、河内長野のみんなが「自分たちでやっていこう」と自走していけるように。

限られた時間のなかで、出展企業同士のコミュニティをあたためていく仕掛けが必要だった。

その仕掛けのひとつが、相互見学会。

「過去に出展経験のある企業さんから、新規出展者さんへ『うちはこんなふうに出展したよ』と教えあう機会なんです」

2023年度は大盛況のうちに終了。打ち上げ会場でのこと。1年間を走りきった山口さんには忘れられないまちの声がある。

「『ぼくらはこのまちで生きていくから、どうしてもこのイベントにかける思いが強くなってしまうんだけど。最後まで一緒に走ってくれてありがとう!』って」



山口さんを見守る先輩が、山部(やまべ)さん。転職8年目を迎える。

前職は、新卒で入社した大手電機メーカー。大学院時代に途上国の開発問題を研究していたことから、「海外と関わる仕事がしたい」と、海外資材調達や市場調査などを担当。

入社4年目で転職を考えはじめたころ、日本国内では「消滅可能性都市」というニュースが話題になった。

「ぼくは当時30歳で、これからあと30年働くのなら、世のため、人のため、地域のための仕事をしたいと思ったんです」

銀行系シンクタンク、監査法人、大手コンサル… いろいろとある選択肢のなかで、山部さんの目に留まったのが、アルパックの広報誌だった。

「『スポンサーの顔色をうかがう広告記事』ではなく『地域の人の顔を見て書く記事』という印象を受けました。小粒でもキラリと光るものが見えたんです」

転職すると、最初に担当した仕事は、経済産業省から受注した「ものづくり中小企業のベトナム進出に関する調査」。学生時代からベトナムに縁があったことから、この上ない仕事だと思った。

そんな山部さんだけど、入社直後はカルチャーショックも感じた。

「大きな組織にいるとき『仕事は上司がつくるもの』でした。だからアルパックで『やりたい仕事があったら、企画書を書いてみて』と言われたときは、うれしくもどう動いたらよいかわかりませんでした」

もちろん最初は先輩の仕事を手伝いながら、統計データの集めかた、分析方法、ヒアリングの進めかた、そして計画書にまとめるところまで仕事を覚えていく。

けれど、慣れてきたら「仕事は自分でつくること」が求められた。

山部さんが戸惑いつつも思い出したのは、学生時代の感覚だった。「地球の歩き方」を片手に、バックパックを背負い自分の経験と勘でベトナムを鉄道旅行していたころ。



自分なりに手を動かして、わからないことは先輩に聞いて回った。まずは能動的に動いて、前進することにした。

必要とされる知識やスキルの問題にも直面した。担当する案件によっては、一から知識をインプットする場合もある。Amazonで関連書籍を購入したり、関連するレポートを片っ端から読みこんでいった。クライアントとの打合せにおける議論の組み合立て方、資料の見せ方、報告書のつくりこみ方などの技術も。先輩たちを日々観察し、フィードバックをもらいながら、腕を磨いていった。

「ふところの広い先輩たちが大きな『水槽』を用意してくれたので、『作法』を逸脱しない範囲で、自由に泳げたことがよい経験になったと思います。コンサルタントとして自立するためにも、自分らしいスタイルを築いていくためにも、必要な時間だったと思います」

「アルパックに飛びこんでもらい、わからないことがあったら聞いてください。50年以上の積み重ねがあるアルパックは、取組める仕事の幅が広い。これから働く人も、まずは先輩の仕事を手伝うことで仕事を覚え、自分がしていきたい仕事にもだんだんと取組んでもらえたら」

転職して8年目。産業振興の潮目の変化を感じている。

2023年に担当したのが、経済産業省主催の「ローカル X フォーラム」。

地域の特性を活かした産業イノベーションを巻き起こすコミュニティの要素・要件を調査するべく、公開討論会を全国8ヵ所で開催。これからの産業政策につながるエッセンスをまとめあげた。

「かつての計画づくりは、会議室で有識者たちが考案するものが中心でした。その政策が今変わりつつあります。話し合いの場をひらいて、集まった人たちと交わされた議論やつながりを足がかりに、一段ずつ階段をつくっていく時代に移行しています」

1990年代以降、失われた30年ともいわれる日本経済。行政も、地域の企業も、働く人たちも。それぞれの最前線で、それぞれが変わろうとしている。

「そういうなかでコンサルタントとしてどう社会に関わっていくのだろう、と日々考えています」

インタビューのあいだ、ちょうどいい立ち位置で関わってくれた山部さん。後輩の山口さんをサポートしつつ、グループ長の高野さんには冗談を飛ばしつつ、でも、ちゃんと敬意も感じられる。

そんな3人は「上司と部下」という関係にとどまらない何かを共有しているような。おおげさにいうと、戦友のような?

「ああ、仕事ってある意味『戦い』なのかもしれません。ニュースを見て『これでいいのかな』って感じたことも話します。社会がこうあってほしい、って思う気持ちの強い人間の集まりですから」

「暮らしのなかで感じる違和感を、なかったことにしない。アルパックではたらくことは、地域における人々の営みを応援する仕事をつうじて、社会に関わり続けることだと思うんです」

 

最後にもう一度バトンを高野さんへ。

「面白そうと思ったら、気軽に連絡くださいね。『誰もが幸せに暮らせる社会をつくりたいんです』といったゆで卵みたいにツルツルした志望動機よりも、あなたのざらざらした思い、違和感を聞かせて下さい。自分を主語に話すこと。それがこの仕事の一段目です」

(2024/4/19 取材 大越はじめ)

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