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愛犬と里山でゆっくり過ごす
育てる宿のおもてなし

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

田植えを待つ田んぼにはきれいに水が張り、青い空を映している。

目を瞑ると、水の流れる音と鳥たちの鳴く声だけが耳に届いてくる。

山深い地域でもなく、かといって人工物がノイズになっているわけでもない。自然と人の暮らしのバランスが心地よい里山。

兵庫・丹波に、愛犬とゆっくり過ごせる古民家宿があります。

昨年4月にオープンした「里山ホテル かねのね丹波」。

空き家になっていた築100年を超える古民家をリノベーション。さらには、犬と一緒に泊まれるコテージを古民家風に新築。

敷地内で育てた野菜などをふんだんに使い、シェフがつくる本格的な料理を愛犬と一緒に楽しむことができます。

今回募集するのは、ホテリエとして宿泊の受付や食事の際のサービスに携わる人。SNSやホームページを使った宿のPRや情報発信も仕事の一つです。

経験は問いません。

里山の美しい環境で、愛犬とゆったりと過ごしてもらう。そんな場づくりに加わる人を求めています。

 

新大阪駅から特急こうのとりで1時間20分ほどの柏原(かいばら)駅。そこから車で10分ほど走ると、かねのねに到着する。

大阪、神戸、京都からでも、車で1時間程度。程よい田舎、という距離感だ。

リノベーションした古民家と蔵、新築した古民家風のコテージ2棟が並んでいて、客室は全部で5室ある。

すぐ近くには小川が流れていて、田んぼと畑、裏にはドッグランも。

田んぼにはいっぱいの水が張られていて、空の青と森の緑をきれいに映し出している。

「ちょうど数日後に田植えをする予定なんです。希望されるお客さまにも加わってもらおうと思っていて」

母屋のレストランでそう話してくれたのが、トゥルースの代表である笹西さん。

ちょうどランチタイムの終わりごろ。少し離れた場所からはお客さんと一緒にいる犬の鳴き声もする。

トゥルースは今年で創業20年目を迎える会社。大阪と東京に拠点があり、全国でサービス業やホテル業を営む会社向けの教育研修事業をおこなっている。

笹西さん自身、CAとして働いていた経験を持っていて、退職後に接客の作法や、宿やお店のオペレーションづくりをサポートするトゥルースを立ち上げた。

トゥルースが宿泊業をはじめたきっかけは、笹西さんのおじいさんが昔住んでいた古民家を4年前に引き継いだこと。

笹西さんとお母さんの想いもあり、取り壊さずに宿として生まれ変わらせる道を選んだ。

オープンして1年。ホテル業にチャレンジしてみてどうでしょう?

「里山の古民家という場所に、わんちゃんと来られるのが一番の売りで。今もきゃんきゃん鳴いてはったでしょ(笑)? リピートで何回も来てくれる人もいて、ありがたいことやと思ってます」

「いざやってみると、大変なこともあるんですけど、すてきなお客さまが多くて。価格帯も決して安くないので、それなりに余裕のあるお客さまが来てくれている。それもあってか、お客さまとトラブルになることって全然ないんですよ」

犬や猫などを飼っている人は、SNSを通じてつながっていることが多い。

犬友さんのあの人が行っているから行ってみよう、というきっかけで来てくれる人もたくさんいるのだとか。

「私も犬を飼ってるので、気持ちがすごくわかるんです。わんちゃんと一緒にどこでも行ける宿ってなかなかないんですよね。グランピングやキャンプなら連れて行けるけど、私なんかは旅行先でなにもしたくない人なので(笑)。バーベキューとかも自分で焼かなあかんし、片付けもやらなあかんし、面倒だと思っちゃう」

「うちは食事や飲み物もお出しするフルサービスなので、自由にわがままに過ごすことができる。そういうところを気に入ってもらっているのかなと」

丹波は温泉などがあるわけではないので、そのぶん食事にこだわっている。

かねのねでも、腕のあるシェフがフレンチ中心の料理を提供している。もちろん犬用の料理もある。

「お子さん連れのご家族も一定数いて。お部屋は独立しているところが多いので、小さい子どもさんと一緒でも、変に気にしなくていいのが理由なのかなと」

今回募集するホテリエは、ホテル業やサービス業未経験でも構わないとのこと。

「うちのスタッフには、お客さまと仲良くなってほしいんですよ。それをよしとしているので」

「ものすごく丁寧な接客というよりは、親しみやすく、お客さまに寄り添って、こうしてほしいんじゃないかなって先回りして動く。そんな接客をしてほしい」

そういえば取材前も、小雨が降っていることに気づき、ランチ帰りのお客さんにいち早くお店の傘を持って行っていた。

お客さんへの細やかな対応から、口コミでは、「スタッフさんが優しい」という温かい言葉が多いそう。

「いわゆるCAみたいな接客を教えることもできるけど、それはこの宿に合っていない。お客さまと仲良く喋って楽しく過ごしてほしいんです。それはスタッフとしての楽しさにもなるんじゃないかな」

もう一つ、宿のコンセプトにしているのが「育てる宿」。

田んぼや畑でつくったものを提供したい、という想いとともに、人を育てるという意味も込めている。

「育てるって楽しいじゃないですか。作物も育てたいし、そのなかでスタッフも育っていけばすごくいい」

「地域を巻き込んで、地域を育てる、みたいなこともしたくて。丹波市は観光面が弱いと言われているので、そういった意味でも、うまくPRできればいいなと思っています」

メディアに取り上げられる機会も増えてきて、大阪万博の映像にも一部使われる予定なのだとか。

注目されつつあるタイミングだからこそ、新しく入る人には、PRやマーケティングの経験があるとうれしい。

「ひとつの目標なんですけど… 私はここでミシュランかゴ・エ・ミヨを取りたいと思っています。厨房の子にもよく言っていて。称号が大切っていうよりは、それくらいのレベルのものを提供したい」

「目標を日々言葉にしていると、働く人のレベルも、生み出すもののレベルも上がる。遠い将来じゃなく、数年でとりたい。それくらいの気持ちで取り組んでいます」

 

続いて話を聞いたのが、サービスのマネージャーを務めている清水さん。

さまざまな経験をしたのち、ここで働いている方。

「昔は新幹線の車内販売の仕事をしていました。あのカートって想像より重くてね。今よりもよく売れる時代だったから、余計に体力が必要な仕事でしたね」

その後はいくつかの飲食店で経験を積み、新店舗の立ち上げを何度か経験。

そのなかでワインに興味を持ち、40歳のときには、1年間働きながら勉強してソムリエの資格を取得。日本では数少ないソムリエ・エクセレンスの保持者でもある。調理師免許も持っていて、企業や学生寮の食堂で働いたこともあった。

「いいことも辛かったことも両方ありましたね」と、懐かしそうに話してくれる清水さん。

かねのねは、求職アプリのスカウトメールで知ったそう。丹波で新しい宿を立ち上げることに興味を持ったのと、立ち上げを多く経験してきた身として、力になれることがあるのでは、と応募した。

勤務時間はシフト制。朝食の対応はパートの方がおこなうため、早番は6時半に出勤し、パートさんと一緒に掃除をしたり、チェックアウト対応をしたり。

その後はランチの接客。ランチが終わると、宿泊のお客さんを迎え、夕食の準備をする。早番は15時半までなので、そのあとは遅番が夕食提供と片付けなどをして終了、といった感じ。

「オープン当初は目の前のことで一杯一杯だったんですけど、最近は地域の人と一緒にイベントもしていて。映画館と組んでお互いのレシートを見せてもらえたら値引きしますよっていうタイアップをしたり。地域と一緒にできることが多くなってきたかなと思っています」

5月には柏原駅内にあるレストランの人に誘われて、マルシェにかねのね特製弁当を提供することに。

「社長も地域を盛り上げることに関しては応援してくれるので。自分も楽しんで、関わった人も楽しんでもらう。そうやって地域との関係も続けていけたらいいなと思っています」

ホテリエとして入る人は、清水さんが直属の上司になる。

どんな人と一緒に働きたいですか?

「知識とか経験はそれぞれでいいと思っていて。教えられたことを貪欲に吸収する姿勢を持っている人だと、僕はすごく素敵だなって思います」

「ここで働いている人はみんな優しいので。ただ、ほわほわした優しいだけのグループじゃなくて、締めるところは締めて、困ったときは助け合う。そんなふうにできたらいいですね」

 

最後に話を聞いたのが、スーシェフの大西さん。和食の料理人として13年ほどのキャリアがある方だ。

小さいころから料理人に憧れを持っていたという大西さん。大学卒業後から、本格的に料理の道に入っていった。

「最初は居酒屋で働いて、そのあとに本格的に和食の店に入ろうと思って、割烹料理店に入りました。1年くらいやって、東京の日本橋にあるお寿司屋さんに行って。厳しかったですが3年ほどいました」

その後は高級旅館で働いたり、フレンチを勉強したいと一ヶ月フランスに行ったりと、さまざまな経験を積んできた。

「行動力はあるんですよ(笑)。日本に帰ってきてから知ったのが、かねのねで。最初の3日間、お手伝いみたいな感じで来たときに『めちゃくちゃええやん!』って」

ええやんっていうのは、どういうところが?

「まずこの里山の雰囲気。あとは人ですね、みんなアットホームで」

「料理を任せてもらえたのもうれしかったです。でも、決定打を考えるとやっぱり人ですね。一緒に働く人が一番大事なんかなって。どれだけ料理が面白くて給料よくても、やりづらい環境だったらできないですから」

今年の3月から正式にかねのねで働いている大西さん。

「休憩のときに外に出るじゃないですか。そしたら自然が気持ちいいなあって。自然好きですねぇ」

「山菜とかも、今までは注文していたものを自分で見つけるのが楽しい。この前はたけのこを掘ったんです。時間があるときにそういうことをすると、ほっとするなぁって。自分で採ったものを料理すると、より愛情が湧きますね」

大西さんは調理をしながら、サービスの仕事を手伝うこともあるため、新しく入る人と関わる機会も多いと思う。

「自然や田舎が好きな人だといいですよね。あとはそうですね… 明るくて協調性がある人かな。仕事はチームでやるものなので」

「いろんな職場を経験して感じたのは、個人能力が高くてもコミュニケーションがうまくできないと、力を活かせない人が多い気がしていて。だから協調性がある人がいいんじゃないかな。あとわんちゃんが好きな人、いいですよ。僕は普通なんですけどね(笑)」

 

丹波の里山に佇む古民家宿。

愛犬と一緒にゆっくりと時間を過ごしたい。そんな人たちの願いが叶う場所が、そこにはありました。

里山で作物も自分自身も育てながら。暮らし、働いてみませんか?

(2024/5/1 取材 稲本琢仙)

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