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湖に張った薄い氷のようなキラキラとした結晶模様に、鮮やかな色彩。
SUSgalleryのテーブルウェアは、シンプルでありながらも唯一無二の美しさがあります。
手に取ってみると、驚くほど軽やか。
魔法瓶のノウハウを応用した真空二重構造でつくられているから、温かいものは温かいまま、冷たいものも冷たいままの状態で楽しめる。
硬くて錆びにくいチタン製で、何十年も使い続けることができます。
美しさ、機能性、耐久性。そのすべてを兼ね備えたSUSgalleryのプロダクトは、金属加工で有名な新潟県燕市の職人さんの高い技術によって支えられています。
そんなSUSgalleryが今年4月、名古屋駅前のジェイアール名古屋タカシマヤに3店舗目となる直営店を出店しました。
今回は、名古屋店での販売スタッフを募集します。
経験は問いません。本当にいいと思えるものだからこそ、自信を持ってお客さんにおすすめしたくなる。無理のない、すこやかさがある仕事だと思います。
名古屋駅直結のジェイアール名古屋タカシマヤ。
JRや近鉄、名鉄、東山線、桜通線と多くの路線が通っているから、通勤にも便利そう。
さっそく、キッチン用品や家具などの販売店が立ち並ぶ9階へ。
黒とシルバーで統一された高級感のある空間が、SUSgalleryの店舗だ。
シンプルな店内に、キラキラと輝く商品が映えている。
まずは、3代目社長の渋木あき恵さんからお話しを聞く。
SUSgalleryの本社は新潟県燕市にあるから、今回はオンラインで取材をすることに。
「SUSgalleryは、2007年に設立して17年間育ててきたブランドです」
もともとは、ステンレス製の業務用厨房商品の製造・販売していた会社。チタン製のタンブラーを手掛けたのは、2代目社長である父の「チタン製の酒器をつくりたい」という想いがきっかけだったそう。
「父はお酒好きで。ステンレスや銅は独特の金属臭さがあるし、グラスを持つ手が冷たくなってしまう。匂いもなく、人体にも優しいチタンを使えば、おいしくお酒が飲めるタンブラーがつくれるんじゃないかって」
チタンは強度が高く、加工が難しい素材。試行錯誤を繰り返し、約6年をかけて世界で初めて真空二重構造のタンブラーの製造に成功した。
「とくに今の時期は、このタンブラーが欠かせないんですよ」とあき恵さん。
「結露が出にくいから、テーブルも手も濡れる心配がなくて。それに、冷たいものがずっと冷たい状態で楽しめる。タンブラーに氷を入れておくと常温でもかなり長い時間、溶けずに残っているんです」
「チタンは丈夫だから、落としても割れないし長持ちする。私も、20年近く愛用しています」
一般家庭はもちろん、海外の3つ星レストランなど、こだわりの強いプロからも質の高さを認められている。
そんな商品を支えているのが、新潟県燕市の本社ではたらく職人さんたちの高い技術。
SUSgalleryの商品は真空二重構造のため、2枚の板を成形して飲み口を溶接してつくる。本来なら、溶接した部分に段差ができてしまい口当たりが悪くなるけれど、職人の技術によって溶接していることがわからないほど薄い飲み口を実現できているんだそう。
ほかにも、薄く張った氷のような表面の美しさは、職人が一つひとつ手作業で研磨し、独自の技術で熱することではじめて表現できるもの。
「日本を代表する金属加工のまち新潟・燕三条で60年間、職人さんと二人三脚で技術を磨いてきました。SUSgalleryのタンブラーは、その技術力を存分に活かしたプロダクトなんです」
「一方で、日本のものづくりは岐路に立たされているとひしひしと感じていて。そんなときだからこそ、しっかりとものづくりに向き合って、日本人が日本のものづくりにプライドを持てるようなブランドであり続けたい」
そのためにも、思い切った舵切りをしていく、とあき恵さん。
2021年に社長に就任してから、新商品の開発や、リブランディングなどさまざまなチャレンジを重ねてきた。
名古屋への進出もその一つ。5年以内には、全国で8店舗を運営する予定だ。
「直営店を増やすことで、つくり手からしっかりお客さまに想いを届けられる場をつくっていきたいと思っています」
直営店の販売スタッフは、入社後に必ず一度は新潟の本社工場を見学しているんだそう。
「一つの商品をつくるまでに、本当に多くの時間と手間がかかっていて。そういうプロセスを実際に見て、職人さんたちと会話をすることで、店舗でお客さまと話すときの熱量は変わる」
「まずは、私たちの商品を好きになっていただけたら。そのうえで、人が好きで、お客さまとの関係性を丁寧につくってくださるような方が来てくれたらとてもうれしいですね」
実際、店舗ではどんな接客をするんだろう。
続いてお話を伺うのは、名古屋店で責任者を務める白井さん。
新しく入る人は、まずは白井さんから接客や商品のことなどを教わることになる。
「名古屋では、まだブランドの知名度が低いなと感じています。だからこそ、まずは商品の特徴をわかりやすくお伝えするよう心がけています」
百貨店という特性上、SUSgalleryを目がけて来るのではなく、偶然立ち寄るお客さんほとんど。だからこそ、お客さんどのように興味を持ってもらうかが重要になる。
「お客さまによって関心はさまざまで。商品の見た目や保温効果などの機能に興味を持ってくださる方もいれば、技術的な部分のお話に魅力を感じてくださる方もいる。だからこそ、商品の知識や金属加工に対する引き出しをいかにたくさん持っているかが大事になります」
どんなふうに説明をするんだろう。特徴の一つである、鮮やかな色彩について質問してみる。
「実はこれ、着色しているわけじゃないんです」
では、どうやって色をつけているんでしょう。
「シャボン玉って、光の当たり具合でいろんな色になりますよね。あれと同じ原理で、金属の表面にある皮膜の厚みを変えることで色を表現しているんです」
「ちなみに、シルバーの商品の表面の皮膜の薄さは10ナノメートル。ラップを1000枚にスライスしたくらいの薄さなんですよ」
すごく繊細なんですね。
「そうなんです。とっても薄いから、洗うときはスポンジのザラザラした面は使わず、優しく洗っていただいたほうが、色がくすまずに長持ちします」
色を出す仕組みから、お手入れの方法まで。流れるような説明に、聞き入ってしまう。
ほかにも、保温効果などの機能に興味があるお客さんには、おすすめの使い方や、真空二重構造の仕組みを説明したり。
商品自体に特徴がたくさんあるからこそ、いろいろな切り口から説明することができるのもこの仕事の面白さ。
「素材の特性や金属加工に関する技術など、最初はわからないことも多いと思います。でも、しっかりと説明していくので安心してほしいです」
まずは理解するところから。そのうえで、お客さんの興味や関心を見極めて、自分ならではの接客の仕方を工夫していってほしい。
「SUSgalleryの親会社を含めて、30年近くこの会社でいろんな仕事を経験してきました。どの部署にいても感じるのは、自分たちで仕事をつくり上げる面白さと責任がある、っていうことで。そこがうちの会社のいいところだなって思います」
店舗づくりもその一つ。店舗によって特徴や客層が変わるからこそ、本社のトップダウンで指示を出すのではなく、現場で働くスタッフ一人ひとりが意見を出し合って、商品の陳列や接客方法を工夫している。
たとえば、散歩のついでにお店に立ち寄るお客さんが多い青山本店では、夏にSUSgalleryのボウル使ってアイスクリームやかき氷を提供。日本橋にあるコレド室町店ではコーポレートギフトの需要が多いので、オフィスワーカーに寄り添ったきめ細かなサービスをしているんだそう。
名古屋店でも、客層や場所の特性を考えながら、現場のスタッフのアイディアを活かして店をつくっていくことができる。
「失敗してもいい。自分で考えて、積極的に行動してほしいなと思っています」
「自分の好きなものだと、一生懸命相手に伝えたくなる。本当にいいものだと思っているからこそ、それがお客さまに伝わるとすごくうれしいんです」
そう話してくれたのは、店舗スタッフの増岡さん。
商品の企画開発の担当として、新卒で去年の4月に入社。新潟の本社工場や、東京の店舗を経験した後、研修のために7月から3ヶ月間、名古屋の店舗で働いている。
「もともと、コミュニケーションがあんまり得意じゃなくて。でも、本当にいいものだと思っているので、ついついお客さまもおすすめしたくなるというか」
増岡さんは毎晩、晩酌のお供にSUSgalleryのタンブラーを欠かさず使っているんだそう。
「無造作に使っているんですけど、凹んだり、目立った傷もなくて新品同様で。本当に長く使える。口当たりもとても良いし、金属の匂いも一切しなくて」
「コーヒーの紙コップをそのままタンブラーに挿して、保温・保冷用に使っているスタッフもいますよ」
実際に使っているからこそ、使用感や活用方法も、説得力を持ってお客さんに伝えることができる。
「ハイエンドな商品なんで、日常使いしづらいと思っているお客さまも多くいらっしゃいます。でも、自分たちの経験を話すことで、安心して日常生活で使ってもらえるようになるのかなと思っています」
SUSgalleryの商品は、一つあたり数万円と高価。販売する上でのハードルも高そう。
「たしかに、商品の良さをわかってもらっても、価格的にすぐに購入ができないお客さまもいらっしゃいます。そんなお客さまが、家族や友人、お世話になった方へのプレゼントとして数年越しに購入してくれることもあって。」
ひとりひとりのお客さまに時間をかけて丁寧に説明をするからこそ、しっかりと伝わっているなと実感できる。
増岡さんは、どんな人と働きたいですか。
「職人さんも、販売スタッフも営業も。役職を問わずみんなが商品に誇りを持っているのが、この会社のいいところだなと思っていて。だから、この商品をいいなと思った人が来てくれるとうれしいです」
「せっかく売るなら、好きなものを売りたいですよね」という増岡さんのまっすぐな言葉が印象的でした。
日本のものづくりの誇りが詰まったSUSgalleryの商品は、ついつい人におすすめしたくなる、そんな魅力のあるものだと思います。
まずは商品を手にとって。
心惹かれるものがあれば、やりがいを感じて働けると思います。
(2024/7/24 取材 高井瞳 )