求人 NEW

日常をちょっと豊かに
会話で届ける
ものづくりのストーリー

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

セルフレジや、インターネット通販など。

便利さを追い求める世の中で、接客を受ける機会が減ったように感じます。

それでもやっぱり、人にしか伝えられないものがある。

「KONCENT(コンセント)」は、そんな人と人とのコミュニケーションを大切にしているデザインギフトショップ。デザインカンパニーのアッシュコンセプトが運営しています。

扱う商品に共通するのは「デザインで社会を元気にしたい」という想い。

日常をそっと支えてくれたり、ふとした瞬間にクスッと笑わせてくれたり。かゆいところに手が届く便利なものから、何に使うかわからない不思議なものまで。毎日がちょっと豊かになる、そんな商品が揃っています。

今回募集するのは、浅草、丸の内、渋谷のいずれかの店舗で働くスタッフ。

お客さんとの会話を通じて、商品に込められたストーリーを届ける。対面だからこそできる、温かみのある仕事だと思います。

 

東京都・台東区。

都営浅草線の浅草駅の改札を出て、歩くこと約2分。

下町情緒あふれる店舗が並ぶ道沿いにあるのが、KONCENT駒形本店。

ショーウィンドウには、もふもふの毛に覆われたぬいぐるみや、尻尾のついた椅子が置いてある。

いったい何を売っているんだろう? と、思わず立ち寄りたくなるような雰囲気。

中をのぞいていると、「日本仕事百貨さんですか?」と伊藤さんが声をかけてくれた。

伊藤さんは日本仕事百貨の記事をきっかけに、5年前に入社。店舗スタッフや店長を経て、昨年から店舗の運営を担当している。

「アッシュコンセプトは、『デザインで社会を元気にする』というコンセプトでものづくりをしている会社。KONCENTはそんなアッシュコンセプトがつくった商品をお客さまに届ける、タッチポイントとしての場所なんです」

KONCENTで扱う商品は、一つひとつにつくり手の想いやストーリーが込められている。ただ、なかには見た目と説明文だけでは込められた想いや使い方がわからないものも。

だからこそ、大切にしているのがお客さんとのコミュニケーション。スタッフが自分の言葉で魅力を語るからこそ、良さが伝わる。そんな商品が多いのだそう。

たとえば、と言って伊藤さんが紹介してくれたのは手のひらサイズの円柱の台。上に小さな球体が乗っていて、その球体が不規則にゆらゆらと転がる。

一体何に使うものなんだろう?

素直に疑問を投げかけると、「それがこの商品のポイントなんです!」と伊藤さん。

「HATENALABO(ハテナラボ)」というブランドの「ティッキングバグ」という商品で、見た人の頭に「?」を浮かばせることを目指しているのだとか。

ぼーっとしたり、取りとめのないことを考えたり。効率化された世の中で、意味もなくただ立ち止まる時間を提供したい、というつくり手の想いが込められている。

「この球は炎のように不規則に揺れるので、焚き火を見ているときみたいに癒されるんです。わたしも店舗で働いていたときは、よくこの商品を眺めていました」

暇さえあれば携帯で動画を見たり、ラジオを聴いたり。たしかに、ただぼーっとするだけの時間って貴重だな。

伊藤さんの説明を聞いていると、最初はよくわからなかった商品が魅力的に見えてくる。

「生活になくても困らないから、すごく売れるわけじゃないんです。でも、対面で伝えるからこそ魅力が伝わる。それを体現できるお店って、なかなかないなって思います」

スタッフが自分の言葉で商品のストーリーを話せるよう、メーカーから話を聞く時間や、展示会に足を運ぶ機会もつくっている。

「接客マニュアルとかはないんです。まずは商品を知って、使ってみる。そのうえで、何に魅力を感じて、どう伝えたいかは人それぞれ違っていいと思っています」

接客の仕方に限らず、お店のつくり方や商品の売り方についても、スタッフの裁量が大きいのがKONCENTの特徴。

「店舗スタッフをしていたときも、自分たちでフェアを企画して開催したり、お店にあったらいいなと思う商品を仕入れたり。新型コロナウイルスが流行していたときは、店舗にいらっしゃるお客さんが減ったので、SNSの投稿に力を入れました」

「自発的に挑戦してね、っていうのがうちのスタイル。指示を待つとか、マニュアル通りにやりたい人よりも、自分で考えていろいろ挑戦したい人の方が合っているのかなと思います」

 

伊藤さんの隣で頷きながら聞いていたのは、駒形本店で店長をしている赤坂さん。

「伊藤さんの言うとおり、商品の見せ方はお店によって自由で。わたしたちは販売のスタッフだけど、自分たちでお店をデザインできるのが面白いなと思っています」

商品をどんな風に置いたら、魅力が伝わるか。店舗ごとに考えて、展示方法も工夫している。

「最初のころは、自分だけで展示方法を考えていたんです。でも、最近はスタッフそれぞれがどう伝えたいかを聞くのが大事だなと感じていて。みんなの意見を聞いて、取り入れるようにしています」

そう言って、スタッフからの意見をもとにディスプレイしたキッチン用品を紹介してくれた。

「もともとは、ブランドごとに商品をまとめていたんです。でも、別のスタッフに売り場づくりを任せてみたら、『この商品を見るお客さまはきっとサラダをつくりたいだろうから、サラダに使うアイテムを一箇所にまとめるのはどうでしょう?』と提案してくれて」

「その考えはなかった!って感動して。実際、接客をしてみると、おすすめしたくなる商品がすぐ近くにある。『見やすくていいね』とお客さまからも好評でした」

接客の感想をスタッフ同士で共有したり、アイディアを出し合ったり。ただ売るだけではなく、どう見せるか。自分のアイディアを活かしてお店をデザインしていけるのは面白いと思う。

「お店づくりとか、接客はもちろんなんですけれど、ここにある商品を通じて、知らなかった世界とか、モノの考え方をいろいろ知れるのが楽しいなと感じています」

そう言って、赤坂さんが見せてくれたのは、「キノメ」というコーヒーフィルター。

キノメは、植木鉢に見立てたセラミック製のコーヒーフィルター。中には目盛りにもなる新芽のパーツがついていて、フィルターにお湯を注ぐと、植木鉢に水をあげているような感覚になる。

もともとは、コーヒーが苦手だったという赤坂さん。この商品をきっかけに家でもコーヒーを淹れるようになった。

「KONCENTで接客の仕事をしていなかったら、『コーヒーは飲まないから、関係ない』って試さなかったと思う。でも、お客さんに商品の良さを伝えたいって思うからこそ、実際に使ってみて、コーヒーが好きになるきっかけになりました」

「お店にいると、こんな発想があったか!って思える商品に出会えるし、自分の生活もちょっと豊かになる。それってKONCENTならではだなって思うんです」

赤坂さんは、どんな人と働きたいですか?

「まずはコンセントの商品を好きなこと。わたしたちの考えに共感してくれる人と働きたいです。販売経験があればすごくうれしいけど、わたしも初心者だったので。優しい雰囲気で迎えてくれるスタッフも多いので、大丈夫だと思いますよ」

 

最後に話を聞いたのは、アルバイトの瀧川さん。ふんわりとした雰囲気で、話しているとこちらまで笑顔になってしまう方。

エプロンなどを自作して販売するクリエーターとしても活動している。

「お散歩中にたまたまこのお店に入って。そしたら、お客さんみんながすごく楽しそうな様子が伝わってきたんです。わたしもいい気分でお店を出たら、偶然スタッフ募集の貼り紙があって」

「ものづくりって、誰かのためにつくるものだと思っていて。その気持ちがちゃんと届かないと、ただのモノになっちゃう。だから、つくり手の想いと、人をつなげるお店ってすごくいいなって。自分にしかできない伝え方があるんじゃないかと、思わず応募のボタンをポチッと押していました」

瀧川さん自身、クリエーターとして活動しているからこそ、KONCENTの理念に強く共感した。

実際に働いてみて、どうですか?

「お客さんの反応を見る瞬間が楽しいです」

印象に残っているお客さんとの話を教えてくれた。

「緊張気味に店内を見渡している女の子がいて。声をかけてみたら、『これから大阪で1人暮らしをするから、生活がちょっと明るくなるものをお部屋に置きたいんです』と話をしてくれて」

「風を飾るっていうコンセプトのかざぐるま型の小さなマグネットがあるんですけど、『ドアにつけると開ける度にくるくる回るから、家を出るときにちょっとうれしい気持ちになるよ』とか、いろんなお話をしながら一緒に商品を見ました」

最初はこわばっていたお客さんの表情も、だんだんと緩んでいった。

お店を出るころには、2つの商品の購入を決めていたという。

「『いってらっしゃい』と出口で声をかけると、振り返って笑顔で手を振ってくれたんです。前向きになってくれたんだなって、うれしくて。商品を通じて、人の気持ちが変わる。それって、すごいことだなと思います」

「うまくいかなかったと感じる日もあるけど、 それ以上に、今日もいろんな人に出会えたなと思うことのほうが多い。『瀧川さんいるかなって思ってきちゃった』って顔を出してくれるお客さんがいたり、ありがとうって言われたり。そんな積み重ねが楽しいなと思っています」

 

取材のあと、店内を見せてもらいました。

目にとまったのは、「ミチクサ」という小さな花器。

「道端に生えているような、ちょっとした花を生けて楽しんでほしいっていう想いからつくられた商品で。雑草を生けても、すごく綺麗なんですよ」と瀧川さんが教えてくれました。

夏らしい水色の「ミチクサ」を購入した帰り道。

何もないと思っていた道にも、いろんな花が咲いていることに気づきました。

この花とこの草を一緒に飾るときれいかも。

2輪の小さな植物を摘んで、わくわくしながら家に帰る。

いつもの日常が、ちょっとだけ豊かになる。KONCENTは、そんな幸せを届けるお店。人の温かみを大切に働ける仕事です。

(2024/6/20 取材、2024/10/16更新 高井瞳 )

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