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箸やお皿、花器に傘。

機能だけを並べたら単なる日用品かもしれない。でもこのお店に並ぶものたちはどれもデザインが個性的で、見ているとなんだか笑顔になる。

アッシュコンセプトが生み出す生活用品は、デザイナーの想いが込められた、ちょっと日常が楽しくなるようなものばかりです。

そんな商品の魅力をバックグラウンドまで含めてお客さんに伝えていく、直営店「KONCENT」。今回は、浅草にある駒形本店と東京ミッドタウン店のアルバイトスタッフを募集します。

デザインが好きで、仕事として取り組んでみたいという人は、ぜひ読み進めてみてください。



取材に訪れたのは、東京駅を出てすぐの場所にある商業施設・KITTE。広い吹き抜けの空間をぐるっと囲むように、雑貨やアパレルのお店が並んでいる。

エスカレーターで3階に上がると、すぐ目の前にあるお店がKONCENT。

さまざまな種類の生活用品が並ぶ店内は、カラフルで楽しい雰囲気だ。

オープンは11時。少しずつ賑わいはじめたお店の一角で最初に話を聞いたのは寺内さん。スーパーバイザーとしてKONCENTの全5店舗を統括している。

冗談を交えながら話してくれるので、ついこちらも笑ってしまう。こんな上司がいたらきっと楽しいだろうな。

「週のほとんどは各店舗をまわっています。スタッフと一緒にどうお店を良くしていくか考えたり、接客で悩んでいることがあればアドバイスしたり、あとは恋愛相談に乗ったりね(笑)。日々そんな感じです」

デザイナーと共同での商品開発やものづくりのコンサルティングを手がけてきたアッシュコンセプト。

代表の名児耶(なごや)さんが19年前に会社を立ち上げたときから、「デザインを活用して世の中を元気にする」というコンセプトを掲げてきた。

寺内さんは、実店舗であるKONCENTが立ち上がった9年前にアルバイトとして入社し、中核メンバーの一人としてお店を育ててきた。

「入ったときは店舗も本店だけだったし、販売スタッフもたった3人。毎日文化祭みたいで楽しかったですよ。ここ数年で一気に店舗が増えたので、自分の役割はアッシュコンセプトの血が薄くならないように、スタッフに伝えていくことかなと思っています」

アッシュコンセプトの血、ですか?

「一つひとつの商品への思い入れっていうんですかね。自分たちがこの商品をつくっているんだって感覚を、スタッフみんなにも持っていてほしい。だけど、ものづくりの現場から離れている店舗スタッフは実感しにくいと思うんです」

「なので会社の歴史を話すのはもちろん、どうやってその商品がつくられたのか、一つひとつのエピソードを伝えるようにしていますね。そこが一番お客さんに伝えてほしい部分ですから」

たとえば人気商品のカオマル。これはもともと芸大の卒業制作展で名児耶さんが見つけたものだった。

握ってストレス発散ができるし、飾っても可愛らしいオブジェ。人の顔に興味があり、大学では顔のモチーフばかり制作していたというデザイナーが、さまざまな表情を生み出した。

家業の青果店の仕事から着想し、最新シリーズはフルーツの形をしているんだとか。

一つひとつにストーリーがあるのが、アッシュコンセプトの商品の特徴。

お店には、ぱっと見ただけでは用途がわからない、でもなんだか気になって家に連れて帰りたくなるような商品が並ぶ。

それぞれのバックストーリーを伝えていくのが、販売スタッフの役割になる。

「販売スタッフにはまず楽しく働いてほしくて。お店の顔となるその人たちが商品を楽しんでいないと、お客さんにも伝わらないと思うんです。KONCENTを訪れたお客さんには、面白いな、楽しいなって思ってほしいから」

あらためてお店のスタッフのほうを見てみると、お客さんに商品を実演していたり、親しげに話していたり。丁寧に説明するというよりは、「こんな面白いものがあって」と紹介するような感覚なのかもしれない。



まさにそんな接客をしているのが、高橋さん。取材時はKITTE店、現在は東京ミッドタウン店の店長を務めている。みんなからは、下の名前で「晃太郎さん」と呼ばれていた。

「これ、ぜひやってみてくださいよ」

ニコニコしながら案内してくれたのは、お店のなかでも通路に面した特に目立つ場所。

砂が敷き詰められたスペースには、寝そべった猫型のオブジェが並んでいる。

“Neko Cup”という商品だそう。

「この商品は、デザイナーの森井ユカさんがうちに試作品を持ってきてくださったことからはじまりました。カップの中に砂を詰めて、ネコが“量産”できるんです。癒されませんか?」

「森井さんはめちゃめちゃネコが好きなんですけど、飼うと仕事が手につかなくなっちゃうから自分では飼えないらしくて。でもこれなら、ネコの存在を常に感じていられるって」

もともとは砂を詰める用途のみを想定していたものの、打ち合わせを重ねるなかでオブジェとして家の中に置いておくだけでも楽しいものになる、というアイデアも生まれた。

話を聞いてつい試してみたくなって、私もカップに砂を詰めてみる。押し込みが足りずにちょっと不恰好になった自分のネコも、なんだか愛らしい。

接客を受けているお客さんも、きっとこんな気持ちになるんだろうな。

「やっぱりね、どれもいい商品なんですよ。それを伝えたくてお客さんとコミュニケーションをとるんですけど、うまくいく確率ってそんなに高くないんです」

そんなときは、どんな対話の仕方が良かったのか、話しかけるタイミングはどうだったのかなど、理由をちゃんと考えて次に活かしていく。

「大事にしているのは、お客さんに『この人と話せて楽しかった』と思ってもらえるように接客をすること。そうすれば、今回は購入につながらなかったとしても、また訪れてくれるかもしれませんから」

デザインに関わる仕事がしたいと入社した晃太郎さん。もともと売る仕事よりもつくる仕事に興味があった。

販売スタッフとして働きつつ、商品開発の部署に移りたいと思っていたこともあったそう。

「もちろん今もやりたいとは思っています。最近は店舗スタッフが商品開発会議に加わって、そこから商品が生まれることもありますし、まったくものづくりに関われないわけではありません」

「ただ今は、売り場づくりやスタッフ教育も、同じように何かをつくり上げていくことだと思っていて。以前とは捉え方が変わりましたね。自分が商品をつくりたいっていう、変なこだわりはなくなりました。純粋にお店の仕事が楽しいから、やりたいんですよ」

実は晃太郎さん、もともと接客は苦手だと思っていたそう。ついさっきも、近くにいた外国人のお客さんに気さくに声をかけていたし、ちょっと意外だった。

「どっちかっていうとコミュニケーションは得意なほうじゃなくて。接客も苦手だと思っていたんですけど、やってみたら楽しく働けているんですよね」

「コミュニケーションが得意じゃないって思っている人、結構いると思うんですけど、意外と思い込みなんじゃないかな。チャレンジしてみたら可能性を広げられるんじゃないかなって思いますね」

販売の仕事は、毎日が出会いの連続。最初からうまくいかなくても、回数を重ねるうちに自分なりのやり方を見つけていけるように思う。



今回新しく入る人の勤務地のひとつが、台東区駒形にあるKONCENTの本店。KITTE 店での取材からおよそ2年後、オンラインで取材をさせてもらった。

もともとは同じ台東区の蔵前で長年営業してきたものの、ビルの建て替え工事にともない、2020年7月に移転してきたという。

話を聞いたのは、伊藤さん。

アルバイトスタッフとして2年前に入社し、KITTE店や東京ミズマチ店で経験を積んだ。今は駒形本店で社員として働いている。

「自分でつくるよりもそれを伝える側として、ものづくりに携わる仕事がしたかったんです。KONCENTの仕事はそれにぴったり当てはまって。実際入ってみたら、商品開発の話を担当者から直接聞けることも多くて、思っていた以上に販売とものづくりとの距離が近かったですね」

もともとは京都に住んでいて、通信業界で働いていた伊藤さん。販売の仕事は今回がはじめて。

「前職が営業だったので、お客さまとお話しすることへの抵抗はありませんでした。ただ、ここは売り込みをするお店ではないので。会話を心地よく感じてもらいながら、どうやって商品のよさをお伝えするか。ちょうどいい具合を見つけるのに最初は苦戦しました」

「商品を見ているお客さんのことをよく観察して、『ここは気づいていないだろうな』って思った商品のいい部分を、横からそっとお伝えする。そんな感覚を少しずつ掴んでいきました」

今では顔なじみのお客さんも多いそう。駒形本店はとくにご近所さんやリピーターが多く、親しくなりやすいんだとか。

「わたしがいない日でも『伊藤さんいる?』って聞いてくれる方もいるらしくて。覚えてくださっているんだなあとすごくうれしいです」

「お客さまと話すなかで、商品の新たな一面に気づかせてもらったこともあります」

それが、”UKIHASHI”という商品。10年以上も販売されているロングセラーだ。

箸を置いたときに先端が浮く仕様で、直接テーブルに触れることがない。

箸を持ち上げる、使う、印を確認して、揃えて置く。一連の動作を意識させるつくりには、美しい所作のきっかけにしてほしいというデザイナーの想いが込められている。

「小さなお子さんがいるお客さまで、UKIHASHIを使ってくださっている方がいて。箸置きのような小さいものは、お子さんが口に入れてしまって危ないので使えない、でも箸をテーブルに直置きはしたくないと」

「そういう意味でも、この商品はうれしいものなんですよと聞いて、それはわたしが感じていなかった側面だなあと勉強になりました。子育てのお話も、わたしは経験がないことなので、聞いていてとても新鮮で楽しいんですよ」

お客さんにとっても、そんな会話はきっと楽しい。

オンラインで当たり前に買いものができるようになったいま、わざわざお店に出向く理由は、実際に商品を手に取ることだけでなく、お店の人と話せることが大きいように思う。

「やっぱり、商品に対する愛情がないと、ここでの仕事を心から楽しむことはむずかしいと思います。まずは何より、うちの商品をいいなって感じてくださる方と一緒に働けたらいいですね。みんな本当に明るくて優しいので、人柄のいい人たちと働きたかったらぜひ(笑)、とおすすめしたいです」

みなさんが生き生きと、商品やお客さんとのことを話してくれたのが印象的でした。

好きなものが集まる空間で仕事ができるって、幸せなことだと思います。スタッフのみなさんの健やかな空気感は、心から好きだと言えるものを扱っているからこそ生まれているものかもしれません。

毎日を、ちょっとおもしろく。デザインの力を信じている人に来てほしいです。

(2019/9/3 取材 2021/10/15 再編集 増田早紀)

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