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最近、ペンダントライトを買いました。
ダイニングテーブルの上につけてみると、柔らかい光がテーブルの上をやさしく照らす。光が変わるだけで、夕食の時間がいつも以上に心地よいものに感じます。
そんな温かい雰囲気を、デンマーク語では「Hygge(ヒュッゲ)」と表現するのだそう。
デンマーク出身のオアトフトさんが代表を務める、株式会社ロイヤルファニチャーコレクションは、インテリアを通して「ヒュッゲ」なひとときを提案している会社。
デンマークやヨーロッパなど、世界中から照明や家具、雑貨を輸入して、日本で販売しています。
有名デザイナーの商品から、まだ知られていない新しいブランドまで、扱うのは40ブランド。生活を彩る商品が数多くそろっています。
今回は、営業サポートと受発注事務の両方を担当するスタッフを募集します。事務や営業サポートの経験のある方はこれまでの経験を活かせる環境。未経験の方でも挑戦できます。
世界中のインテリアを間近で見られる、刺激的な環境です。
銀座線の外苑前駅を出ると、目の前には青山通り。
路地に入り、カフェやアートギャラリーが並ぶ道を進むこと数分。ロイヤルファニチャーコレクションのショールーム兼オフィスに到着した。
中には、美しい照明や椅子などが空間を埋め尽くすように飾られている。
「こんなにたくさんのブランドの商品を扱っているのはうちだけ。だからお客さまもすごく喜んでくれるんですよ」
笑顔で迎えてくれたのは、代表のニールス・オアトフトさん。
故郷のデンマークから日本に移り住み、ロイヤルファニチャーコレクションを立ち上げて36年。流暢な日本語で店内の商品を説明してくれる。
「これはね、ダンボールでできているんですよ。面白いでしょう」
「オランダのブランド。小さい穴がたくさん空いているから、立ったときと座ったときで光の見え方が全然違う。真下から覗いても眩しくないのもグッドポイントね」
商品はすべて、オアトフトさんが海外の展示会などを巡って見つけてきたもの。
「ソー・ビューティフルね!」と言いながら、愛情たっぷりに一つひとつのインテリアの背景や魅力を語ってくれる。
石を削ってつくった照明や、「バランスチェア」と呼ばれる姿勢を整える椅子など。どの商品もユニークでデザイン性の高いものばかり。
「型も素材も珍しいものが多いでしょう。私たちが狙うのは、日本のマーケットに少ないニッチな商品。競争相手が少ないから、商品も扱ってもらいやすいんです」
現在、商品を卸しているのは全国のインテリアショップやショールームなど約400店舗にのぼる。
さらに自分たちでブランドとコラボレーションして商品をつくることも。
その一つが、バタフライチェアを手掛けるスウェーデンのブランド「CUERO(クエロ)」とつくった革素材の照明。
「『革を使った照明はまだ世界中の誰もつくっていないから、どうですか』って提案したんです。実際販売してみたら、レストランとかでたくさん使われて、ブランドの担当者も喜んでくれましたね」
「ちなみに今はデンマークの職人さんと、太い木の板を使った照明ができないか考えてます。つくってみたらちょっと重たく見えるかもだけど。チャレンジね」
世界中のインテリアを日本に広めてきたオアトフトさん。どんな想いを持って日本でインテリアを販売しているでしょう。
「一番伝えたいと思っているのはヒュッゲ・ライティングという考え方ね」
「ヒュッゲは古いデンマーク語で、心地いい雰囲気を表す言葉ですね。暖炉の前のあたたかい灯りとか、そういう心地のよい時間に欠かせないライティングを広めていきたいです」
日本では、シーリングライトで部屋全体を明るく照らすのが一般的。一方、デンマークでは過ごす場所や時間に合った光を灯すのだそう。
ダイニングにはペンダントライトを吊るし、ソファの近くにはフロアランプを立てる。そんなふうに、ちょうどいい灯りが近くにあると心が落ち着く。
生活に合った照明を選ぶことが、居心地のいい暮らしにつながっていくんだろうな。
オアトフトさんは、どんな人と働きたいですか?
「声に出してくれる人がいいですね。そっちのほうが早く仕事に慣れることができるから。わからないことがあれば、私を含め、周りのスタッフにもなんでも聞いてほしいです」
ロイヤルファニチャーコレクションは、社員10人のフラットな雰囲気の会社。
昇給や賞与についても、社長と直接話をして決めていくスタイルだから、物おじせずに、自分の意見やわからないことを伝えていける人が合っていると思う。
新しく入る人は、受発注事務などのバックオフィス業務と営業サポートの両方を担当することになる。それぞれの仕事について、現場のスタッフに話を聞く。
まずは、入社5年目になるバックオフィス担当の村上さん。
学生時代は美術大学でインダストリアルデザインを学び、デンマークに留学。その後、現地のメガネ会社で貿易事務を経験したほか、さまざまな会社でバックオフィスの仕事をしてきた方だから、新しく入る人にとっても頼りになると思う。
「普段の細かな発注業務の先にも、待っていてくれる人がいて。ちゃんと商品が届けられたら、ちょっとは喜んでもらえるのかなって。それがうれしいんです」
バックオフィスの主な仕事は、商品の受発注や輸入業務。
「午前中は発注作業がメインですね。クライアントから届いた発注書を社内のシステムに打ち込んで、翌日の出荷分をまとめて自社倉庫に配送依頼を出します」
午後は、在庫をチェックして少なくなった商品の補充や、クライアントからの電話やメールでの問い合わせに対応。輸入の手続きなどを担当する。
新しく入る人も、これらの業務をバックオフィスのメンバー3人と手分けして行っていく。
海外のさまざまなブランドとのやりとりが多いのも、特徴の一つ。
デンマークやアメリカ、ヨーロッパなどの担当者と日常的にコミュニケーションをとる。
「メールは英語だけど、定型化した内容が多いし翻訳サイトを使えば英語が苦手な人でも大丈夫です」と村上さん。
業務的なやりとりのなかでも、ホリデーシーズンの前には「休暇は旅行に行くの?」と聞いたり、ちょっとした近況報告をしあったり。世界中の担当者とのささやかな交流も面白みなんだそう。
「ブランドや国によって個性がさまざまなのも面白いですよ。急な依頼でもすぐに応えてくれるところもあれば、なかなか返事が来ないところもある。イタリアは、数字関係がかなり大雑把だったりします(笑)」
どれくらいのタイミングで依頼をすれば、クライアントの元に商品を納品できるのか。急な大量発注の依頼にどこまで応えてくれるのか。ブランドごとの特徴は営業をする上でも重要な情報になる。
「営業スタッフとの雑談でも、『このブランドは大量発注にも柔軟に対応してくれるから、大型のプロジェクトに使えないですかね』って提案することもあって。そのあとに大規模な案件が決まると、あのときの会話が役に立ったのかなと思ってうれしいです」
それ以外にも、商品の売り出し方を一緒に話し合ったり、納期のタイミングをアドバイスしたり、情報共有をすることも。
これからはより営業とバックオフィスの連携を強めていきたいので、新しく入る人も橋渡し役として、積極的にコミュニケーションをとっていってほしい。
「今後は、ふたつの部署の間でもっと情報共有を活発にしていきたいと思っていて。今回、新しく両方の仕事を見るポジションをつくって募集することにしました」
そう話してくれたのは、営業担当の柳さん。今回は採用窓口も担当している。
「営業はインテリアショップなどのお客さまを対応するし、バックオフィスは海外のブランドや倉庫とのやりとりが中心。お互いの情報共有が大事なんですけど、なかなか上手くいっていないのが今の課題なんです」
たとえば、クライアントから納品の期日を前倒ししてほしいと営業に依頼があったとき。
バックオフィスを通じて、ブランド側に納品を早めてもらう必要があるけれど、連携がうまくいかないと、希望の納期に間に合わなくなってしまう。
「片方の仕事だけをしていると、お互いにどんな情報がほしいかを理解するのが難しい。両方の動きがわかるポジションをつくることで『これは共有した方がいいんじゃないかな』って気づくことも多いと思っていて」
「両方の視点を持って、部署をつなぐ役割を担ってくれたらうれしいです」
とはいえ、入社後すぐに両方の業務を覚えるのは大変なこと。
最初の数ヶ月はバックオフィスの業務を覚えて、その後に営業サポートをしながら徐々に両部署とのコミュニケーションを増やしていく。
営業サポートはどんな仕事をするんでしょう。
「大きな仕事の一つとして、営業先のリスト化や、電話でのアポ取りをお願いしたいと思っています」
ロイヤルファニチャーコレクションでは、数年前から、照明や家具だけでなく雑貨類の取り扱いも開始。取引のあるインテリアショップなどに加えて雑貨屋さんなど取引先を広げている。
営業サポートの人は、商品を扱ってくれそうな雑貨屋さんをリストアップ。電話でそれぞれのお店に合った商品をおすすめしながらアポをとる。
「クライアントさんもやっぱりインテリアが好きな人が多くて。商品の話で盛り上がることも多いのでそういう時間は楽しいですね」
元々はお菓子メーカーで働いていたという柳さん。5年前に日本仕事百貨の記事を読み、インテリアに関わる仕事に惹かれ入社した。
「昔からインテリアがすごく好きで。学生のころは、なかなかインテリアも買えないので、自分でほしいデザインの椅子をつくったりしていたんですよ」
「この仕事の面白さはやっぱり、新しいブランドとかトレンドを一番に知れるところだと思います。新商品を検討する営業会議では、社長が世界中から見つけてきたインテリアを見ながらどの商品を扱うか意見を出し合うんです」
カタログをみたり、商品のサンプルを取り寄せて実物をチェックしたり。新しい商品を間近で見られるのは楽しそう。
これから入る人も、積極的に営業に関わりたい気持ちがあれば、営業会議から参加することができる。
「うちで扱う商品は数も多いので、自分で調べて、いろんな商品の情報集めることを楽しめる人だとうれしいですね」
取材の最後、オアトフトさんにインテリアが好きな理由を聞くと、こんな答えが返ってきました。
「椅子も、机も、ライトも。全部すごくシンプルでしょう。なのにこんなにたくさんのデザインがある」
「もうこれ以上のアイディアが出ないだろうなって思っても、いつも新しいデザインが生まれてくる。それが面白いところだと思います」
世界中のインテリアを身近で見ながら、だれかのヒュッゲなひとときを支える。そんな仕事はいかがでしょうか。
(2024/11/28 取材 高井瞳 )