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指先に宿る、繊細な手仕事。
一つひとつ丁寧に彫られた和彫の結婚指輪、江戸切子のピアスや蒔絵をまとったパールのイヤリング。
日本の伝統工芸を、日々の暮らしのなかで楽しめるジュエリーに仕立てているのがKARAFURU(カラフル)です。商品数も絞り、長く愛用されるものづくりを続けてきました。

今回募集するのは、店舗運営スタッフ。接客から生産管理まで、一通りの仕事を担います。興味や得意なスキルを活かして、SNSでの情報発信やデザインを担当している人も。
また、今年の秋冬にオープンを予定している京都店舗の立ち上げスタッフも募集します。
伝統工芸が好き、人と話すのが好き。海外からもお客さんが訪れるので、海外志向の方にもぴったりの仕事です。
向かったのは代官山。
お洒落なカフェやレストラン、高級ブティックなどが点在する、上品で洗練された街。自然や街並みに溶け込むようにデザインされた、代官山T-SITEやヒルサイドテラスなどの商業施設もあり、落ち着いた雰囲気だ。
駅からほど近いKARAFURUのお店も、そんな街の雰囲気と調和しているように思う。

白を基調にした店内には、籐で編まれた椅子とアンティーク調の木製テーブル、それからモダンなラウンドカウンターが置かれているのみ。商品を飾る什器は見当たらず、買うための場所というより、安心して話せる場所のような印象を受ける。
いったいどんなブランドなんだろう。
まずは代表の黒田さんに話を聞く。

「KARAFURUの創業は14年前。前職で伝統工芸に携わることがあって、その技術力の高さや工芸品の奥深さにすごく惹かれたんですね。それで自分も何か工芸にまつわる仕事をしてみたいって思ったのがきっかけです」
アパレルや雑貨など試行錯誤し、辿り着いたのがジュエリーだった。
「蒔絵パール」は、KARAFURUを象徴する商品のひとつ。

「蒔絵は黒い漆器に施してあることが多いですけど、黒にゴールドの組み合わせは、日常使いしづらい。色のコントラストを考えたときに、パールであれば白くて柔らかい印象になるし、日本を象徴するような素材でもあるから、工芸とも親和性が高いと思ったんです」
パールに蒔絵を塗るのは、職人さんも初めて。漆の種類や筆致、乾燥タイミングを徹底的に研究し、試作と検証を重ねた。
また、日常使いしやすいように、和柄のなかでも幾何学的な模様を入れていくことに。
何度も相談を重ねてつくりあげた蒔絵パールは、オンライン限定の取り扱いにも関わらず、今も人気の商品だという。
8年前に代官山にお店を構えてからは、ブライダルリングの依頼が大半を占めるように。
とくに人気があるのは、和彫の技術を用いたカスタムメイドの結婚指輪。植物や星、動物をあしらった模様を、お客さんの希望に応じて職人が一つひとつ丁寧に手彫りしている。

「最近は韓国からお客さまが来てくださって。ここで結婚指輪をオーダーしたお友だちに勧められて来店してくださったんです。そうやってKARAFURUが広がっていくのはうれしいですね」
ここ2年間は、関西方面で年に5回のポップアップを開催。毎回満席という反響を受けて、今年の秋冬には関西に新しくお店をオープンする予定だ。
今回募集するのは代官山スタッフと、京都の新店舗立ち上げスタッフ。店頭での接客をはじめ、職人さんとのやりとり、生産管理まで、仕事内容は幅広い。
「接客は最大でも1日4組。常に2〜3人体制でお店を運営しているので、ひとりのスタッフが担当するのは1日1〜2組くらい。仕事の割合としては接客3割、プラスアルファの仕事が7割ぐらいかな」
「カメラが得意だったら指輪の制作事例を撮る担当とか、絵が描けるようだったらオーダーのデザインの清書を担当してみるとか。いろいろと挑戦してもらえるといいと思います」
後藤さんも、自身の得意を活かして働いている方。
もともとネイリストの仕事をしていて、接客のスキルを活かし、新しいことに挑戦したいと思うように。前回の日本仕事百貨の記事を読んで入社した。

「柔らかい状態から、お客さまの要望をどうやって形にしていくのか。そこはネイリストの仕事とも通じるところがあって面白いですね」
ブライダルリングをつくるときは、まずベースを選んでもらい、そこにどのような加工やデザインを施すか、お客さんと相談していく。具体的なイメージやモチーフがある場合は、そこから話を膨らませていくこともある。
「指輪の半周を魚1匹で仕上げる人もいれば、ワンポイントでペンギンやアザラシを入れるとか。最近は動物のモチーフを入れたいお客さまが多いんですよ」
「ただ、デザインが固まってきても、実際はどう見えるのか、お客さまからすると想像しづらい。私たちは毎日指輪と対峙しているからわかることも多いんですけど、それを端的にわかりやすく説明する必要がありますね」

数mm幅の指輪に和彫を入れる場合、モチーフの大きさにはどうしても制限がある。
要望を丁寧に汲み取りつつ、最終的な仕上がりを想像して、お客さんに納得してもらう。
はじめは先輩スタッフに聞きながら、模様がきれいに見えるポイントを掴んでいけると良さそうだ。
成約後は、デザイン画を作成して職人さんへ送る。以前は黒田さんが担当していたけれど、現在は後藤さんも週に20件ほど作成をしている。
「ご希望の植物がこれまでの制作事例になかった場合は、自分なりに調べて『こんな感じでしたらイメージと近いかもしれません』とか。花びらの1枚をうさぎの耳に見立ててみるとか。自分の提案がお客さまに刺さったときは、すごくうれしいですね」

大変に感じるところはありますか。
「ほんとうに業務が多岐に渡るんですね。お客さまの進捗状況もそれぞれ異なるので、納期の管理や、お問い合わせへの返信の仕方は毎日めちゃめちゃ考えます」
カスタムメイドの指輪の製作期間はおよそ2ヶ月。とはいえ、何事もスケジュール通りに進んでいくわけではない。
デザインの修正依頼や、「前撮りの日が早まったため納期を短くできないか」といった急な相談にも対応しつつ、新規のメールやLINEでの問い合わせ対応、仕上がった指輪の発送など。さらにはサイズ直しやクリーニングといったアフターサポートも行っているため、臨機応変に対応していく必要がある。
1組あたり1時間30分ほど接客に時間をかけるというKARAFURU。
じっくりと向き合う姿勢に惹かれて入社したのが、後藤さんと同期入社の関さん。

「前職で、企業さま向けに化粧品の営業をしていたんですけど、たまに消費者の方に直接販売できる機会があって。そこからお客さまに直接魅力を伝えるお仕事もいいなって思うようになったんです」
「もともと伝統工芸にも興味があったので、KARAFURUのジュエリーに惹かれたんですね。一生に一度の大切なものを任せていただけるってすごいお仕事だし、一人ひとりに長時間向き合うことにも興味があって入社することにしました」
接客や問い合わせ対応のほか、指輪の内側に施すレーザー刻印のデータ化や、制作事例の物撮りと画像編集にも取り組んでいるそう。
印象に残っているお客さんとして、あるご夫婦について教えてくれた。
「事前に旦那さんがKARAFURUのBOOKを見ていらして。はじめは実物をさらっと見て検討するイメージだったそうなんですけど、気づいたら3時間も経っていて。その場で婚約指輪も結婚指輪も成約してくださったんです」
両方とも! すごいですね。
「婚約指輪は、奥さまが割と華やかなデザインで、ご主人も奥さまと同じモチーフを入れてペア感を出して。結婚指輪は普段使いしやすいシンプルなデザインになりました」
「帰り際に、関さんでよかったですって言ってくださったときは、泣きそうなぐらいうれしかったですね。お客さまの要望を汲み取る部分はいまもまだまだ勉強中ですが、やっぱり一生に一度のものをつくるところに携われるのが、大きなやりがいです」

KARAFURUらしさってどんなところだと思いますか?
「伝統工芸を取り入れた重厚感のあるイメージ。ジュエリーも流行りを追って毎年新作を出すわけでもないし、数を絞っていて。ブレない良さがあるのかなって」
となりで聞いていた後藤さんが続ける。
「関さんが前に『指輪のなかに物語を感じて、絵本みたい』と言っていたのが素敵だなって」
「季節が流れるようなデザインの方もいれば、ウサギが空を見上げるようにとか。その人なりの思い入れを汲み取って、職人さんがつくってくださる。指輪のなかにある思い出を私たちは知っているから、絵本のように物語性を感じるのかなって」
最後に話を聞いたのは、5年前に入社した長谷川さん。これまではテレビ局での編集や、貸別荘の管理などの仕事をしてきた。

「貸別荘の仕事では、料金形態もバラバラで上司に聞かないと進められないことがたくさんあったんです。KARAFURUの指輪はベースの金額が一律で、そこにカスタムで上乗せしていくだけ。お客さまにも説明しやすいなって思った印象があります」
KARAFURUでは、接客はひとりのスタッフが担当するものの、その後のフォローは全員で行う形をとっている。一人ひとりの裁量もありつつ、抜け漏れがないようチームで支え合う体制があるので、バランスよく働きやすい環境だと思う。
広告出稿やSNSでのリール動画の作成のほか、ベースを一から作成したいお客さんなど、より複雑な案件が長谷川さんの主な担当。職人さんとやりとりする機会も多い。
「以前、結婚指輪をご購入してくださったお客さまで、現在使っていらっしゃるエンゲージリングが太めで日常使いしづらいので、ダイヤモンドだけ残してベースからリメイクしたいとご相談を受けたことがあります」
ベースの形はどうしたいか、ダイヤはあまり高さを出さないほうがいいかなど、お客さんの要望を細かく聞いて、デザインに書き起こしていく。最終的には2本の細いリングでダイヤを挟むような、シャープな形に仕上がった。

「私はちょっとお休みで対応できなかったんですけど、ちょうど昨日が受け取り日で。無事に喜んでいただけたようです。直接お客さまから喜びの声をいただけるのが一番うれしいのですが、ご要望にきちんと応えられたと感じたときは、それだけでも頑張ってよかったなと実感します」
商品数を絞っていたり、お客さん一人ひとりに長い時間をかけて接客したり。経営的な判断もありつつ、流行りに乗ることなく、丁寧にKARAFURUをつくりあげているのが印象的でした。
一生に一度の機会に寄り添いながら、その人の記憶に残るかたちや時間を一緒につくっていく。
そんな仕事を、自分の手で積み重ねていきたい人に出会えたらうれしいです。
(2025/07/07 取材 杉本丞)


