※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。
岐阜県・飛騨高山で、注文家具工房として創業したオークヴィレッジ。
約50年にわたり、国産の無垢材と伝統的な木組みの技術を活かし、積み木やおもちゃから家具、木造建築まで、暮らしに寄り添うものづくりを続けています。

今回は、東京・青山にある店舗スタッフと、飛騨高山の工房で生まれた製品を首都圏へと広める営業職を募集します。
どちらも、木の温もりと「森と共生する暮らし」という理念をお客さんに届け、広げていく仕事。
店舗では接客やイベントを通じて、営業では取引先との橋渡しを通じて、オークヴィレッジの想いを丁寧に伝え、人の暮らしを豊かにする役割を担います。
どんな仕事か、どんな想いで働いているのか。まずは、青山店の日常を覗いてみてください。
表参道駅から外苑前方面へ歩くこと5分。
ごつごつとしたコンクリートのビル群を抜けると、突然、緑豊かな森のような空間が現れる。
ここは「ののあおやま」と呼ばれる複合施設。

約3,500㎡の敷地に、マンションや保育園、カフェのカウンターテラス、芝の広場が広がる。
小さな森のようにナラ、ケヤキ、サクラの木々が茂り、小川が流れ、ビオトープやウッドデッキが点在。その一角にあるのが、オークヴィレッジ青山店だ。
お店で迎えてくれたのは、首都圏での営業を統括する清川さん。
2001年に入社し、17年間制作部で働いた後、関西での営業を経て現在の職務に。

「僕らは、木でできるものをつくって、お客さまにお届けする会社です」
「1974年に飛騨高山で創業し、『森と共生する暮らし』をテーマに、日本の無垢材を使ったものづくりを続けてきました」
「お椀から建物まで」を理念に、積み木など玩具や食器、家具、木造建築まで、暮らしに寄り添うものならなんでもつくる。
店内には、ナラやケヤキの無垢材でつくられたテーブルや椅子が並び、やわらかな木の香りが漂う。

棚には、ウサギやイノシシをモチーフにした積み木、どんぐり型のカードスタンド、クロモジやニオイコブシから抽出したエッセンシャルオイルが並ぶ。
どれも飛騨高山の工房で丁寧につくられ、永く愛されるものばかり。自然の温もりと職人の手仕事が息づき、心が落ち着く空間だ。
「私はこれまで、木が苦手という人に会ったことがないんです。人間は木のある空間にいると、どこか安心する。樹脂やプラスチックが使われる場面も多いけど、『ここは木がいいよね』と感じる瞬間は、絶対にあると思うんです」
この想いを、より多くの人に届けるために、オークヴィレッジは持続可能なものづくりに力を入れている。
たとえば、群馬県みなかみ町と結んだ包括的連携協定に基づく取り組み。
ユネスコエコパークに指定されたみなかみ町では、「自伐型林業」で伐採された広葉樹をオークヴィレッジが家具や小物に加工し、製品として販売。
このサイクルを通じて、森の整備を進め、木材の地産地消を実現している。

また、地元の子どもたち向けに木を使ったワークショップを開催し、森の大切さを伝える木育活動も展開。
これらの活動は、地域住民や林業者と協働し、森林の健全化と地域経済の活性化を目指す共創のかたちだ。
ほかにも、2026年にみなかみ町に開校予定の新校舎では、地元のナラやクリを使った机や椅子を製作中。
青山店では、こうしたみなかみ町の木材を使ったダイニングテーブルやチェアを展示・販売し、来店者に地域の森とつながる暮らしを提案している。
「木材の調達から販売、木育まで、みなかみ町と一緒に地域の未来を育む仕事。それに関われるのは、僕らにとっても誇りです」

オークヴィレッジにとって、青山店は関東唯一のフラッグシップストア。
「青山は家具店が集まる場所。ブランドの顔として、オークヴィレッジのものづくりや理念を広める役割を担っています。まだまだ知ってもらう余地があるし、可能性は無限大です」
その一環として、青山店では定期的にトークイベントやワークショップなども開催。
最近開催した、「椅子」をテーマに専門家を招いたトークイベントでは、約50人が集まったそう。
「家具のお店って、目的があって訪れるイメージがあるけど、私たちは『ふらっと立ち寄りたくなるお店』を目指しています。お店のスタッフとは、いろいろと試行錯誤しながらも、そんな場所を一緒につくっていきたいですね」
店舗スタッフは、接客やイベントを通じて、オークヴィレッジの「木と共生する暮らし」を翻訳し、お客さんに伝える役割。
製品の背景にある職人の想いや森の物語を届け、お客さんの暮らしを豊かにするための提案をしていく。ものづくりの価値を伝えることに喜びを感じるなら、この仕事はきっとやりがいになると思う。
「キャリアの選び方はひとつではない」と清川さん。
「オークヴィレッジは、意志があれば挑戦を後押しする社風があります。店舗で接客を学び、営業や商品開発に進んだスタッフもいる。やりたいことを吸い上げて、『やってみなよ』と背中を押してくれる。どんな経験も無駄にならない会社ですよ」
そんな青山店の店長として働くのが、吉﨑さん。清川さんが話していたイベントの企画や運営も、任されている。

吉﨑さんは体育大学を卒業後、消防官や警察官を目指したが、公務員試験の厳しさに直面。その後、アルバイトとして働いていたアパレルショップに就職し、15年間、販売員から管理職まで経験した。
「アパレル時代、最初はノルマに追われて売り場がギスギスすることもありました。でも管理職になってからはノルマがなくなり、お客さまのためだけを考えた接客ができて。それが私の接客スタイルの原点になりました」
結婚と子どもが産まれたことを機に転職を決意し、コールセンターや木のおもちゃを扱う会社を経て、2019年にオークヴィレッジへ。現在は、店舗運営や接客、イベント企画などを担当している。
オークヴィレッジの家具はフルオーダーやセミオーダーが中心。
お客さんの家の間取りや家族構成を丁寧にヒアリングし、一人ひとりに寄り添った提案をする。月に1回、飛騨高山の本社スタッフとともに、一緒に家具を納品する業務も。
「最初にお客さまをお迎えし、聞き取りや提案から設計、納品まで関われる。その一瞬一瞬が、本当に幸せなんです」
たとえば、最近納品したフルオーダーの本棚。
去年10月に来店したお客さんと半年間やりとりし、お宅を訪れて実測し、窓のサンシェードにぴったり収まるよう高さをミリ単位で調整。カタログと実物の色味の違いを伝えるため、塗装済みの板を送ることも。
そんな丁寧なやりとりを重ね、完成した本棚の設計図を見せてくれた。何度も手描きでスケッチしたという。

「絵を描くのが好きで、スケッチでイメージを伝えます。ちゃんとした設計図じゃないですけどね(笑)。でも、お客さまにはわかりやすいみたいで、喜んでいただけるんです」
「納品の日、部屋にぴったり収まった本棚を見て、お客さまが『色もつくりも思い通り』と見惚れている姿が忘れられない。じっくり寄り添ったぶん、喜びもひとしおです」

その後、お客さんが出産を迎えた際には、オークヴィレッジの木のおもちゃをファーストトイとしてプレゼント。
「家具やおもちゃを通じてお客さまの暮らしに長く寄り添うことができる。それがオークヴィレッジの仕事の醍醐味です」
ときには接客の仕方について、社内の仲間たちから刺激を受けることも。
「たとえば大阪店の店長は元職人で、現場でものづくりをしてきた人。お客さまからの『こんなのできる?』という質問に即答し、自分でパースを描いて特注家具を次々と形にする。その安心感ある接客は、私の目標です」

「飛騨高山の工房とのつながりも深く、ものづくりの現場に近い環境がやりがいにつながる。仲間と刺激し合ったり、職人がつくる作品の良さをさらに理解していきながら、まだまだ成長したいです」
青山店は、吉﨑さんを含め3名のスタッフで運営。最後に話を聞いたのは、パートスタッフの匝瑳(そうさ)さん。

匝瑳さんは以前、イランの絨毯を扱う自由が丘のお店で働いていた。
「絨毯を通じてイランの文化や遊牧民の暮らしを知り、知らない世界に触れる楽しさに目覚めて。お客さま一人ひとりの好みは本当に多様で、お話をじっくり伺いながらぴったりのものを提案することにやりがいを感じました」
そのお店が閉まるタイミングでオークヴィレッジと出会い、木のおもちゃや家具の販売、森を守る活動に惹かれた。
「ののあおやまの緑に囲まれた空間、木の香りに包まれた店内で働くのは、自分も落ち着くし、お客さまにもその心地よさを伝えられそうだと感じました」
「入社後、飛騨高山の本社で研修を受けさせてもらいました。職人が適材適所で木目を吟味して、お客さまの要望に全力で応じる。一つひとつの品ができあがるまでに、そんな丁寧な仕事が積み重なっていることに感動しました」
これから入る人も、研修を通じてものづくりの背景を知ることで、接客に活かせる気づきがあるはず。

匝瑳さんの普段の仕事は、接客のほか、入庫連絡や在庫確認といった店舗運営の下支え。
青山店には、じっくり比較検討して戻ってくる年配のお客さんが多いものの、ののあおやまにがふらっと訪れる20~30代の若い世代が訪れることも。
「とくに心に残っているのは、病院で治療を終えた女性のお客さま。『やっと治ったから、自分にご褒美を』と来店されて。もともと5,000円ぐらいの時計を考えていたけど、1万円の時計を選ばれました。『ちょっと高いけど、頑張った自分と一緒に時を刻みたい』と買ってくれて、そのときの笑顔が忘れられなくて」

「オークヴィレッジでは、『100年かかって育った木は、100年使えるものに』という理念を大切にしています。想いを込めて買い、使い続けることで、暮らしが豊かになる。私自身でも、自社の家具『kigumiシェルフ』を買ったら、息子が率先してお茶を淹れてくれるようになって、生活に余裕が生まれたんですよ」
今は3人で運営しているから、忙しいときもある。これから入る人は、一緒に働く人の状況を察知して動くなど、チームで協力して仕事を進められるといい。
「なにより、木が好きな人にも来てほしい。木の表情が楽しい、落ち着くと感じる。そんな人であれば、きっとこの仕事を楽しめると思います」
取材を終えてお店を出ようとすると、入り口のマットに、ひっそりと蝉が止まっていた。
「この時期、よく見かけるんですよ」と、吉﨑さんがそっと手に取り、近くのケヤキの木にうつす。

都会の真ん中にありながら、ささやかな森の息づきを感じるオークヴィレッジ青山店。ここでの仕事は、まるで木とともに生きるような、おだやかな時間が流れています。
惹かれるものがあれば、まずはお店を訪れてほしいです。
木と人とのつながりと、暮らしを豊かにするものづくりの価値。じっくり話をしてみてください。
(2025/08/05 取材 田辺宏太)


