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大阪府南部に位置する、泉佐野市。空の玄関口、関西国際空港があることでも知られています。
このまちの特徴は、古さと新しさが共存していること。
まちを少し歩くと、瓦屋根の木造住宅の隣に新築の家が並ぶ。新しい商業施設や観光地が集まるエリアもありつつ、山間部には中世から続く農村景観が広がるなど、時代の変遷を感じられるまちです。

家には暮らしが、そして地域の歴史が刻まれている。大切に暮らしてきた家を、住み継げるように。
そんな想いで空き家の再生に取り組んでいるのが、株式会社情報都市。泉佐野エリアに密着して39年、不動産売買とビル経営事業を軸に、信頼を積み重ねてきた総合不動産会社です。
今回は、空き家の再生事業に取り組む人を募集します。
経験は問いません。まずは土台となる不動産売買のノウハウをしっかり身につけるところから始めます。異業種からの転職や新卒も歓迎。
あわせて、自社で保有・運営する団地や賃貸物件の営業・管理を担う人も募集します。
勉強することは多いですが、地に足をつけて深めていける仕事。なにより、自分たちの仕事がまちの風景を変えていく実感を得られると思います。
泉佐野駅までは大阪市内から特急で30分ほどと、アクセスがいい。
情報都市の最寄り駅は、一駅となりの井原里(いはらのさと)。

オフィスは高架を抜けたすぐ先にある。深い青を基調にした看板が目印だ。
中に入り、迎えてくれたのは代表の吉田さん。

「いろいろやってきたけれど、うちの会社を表すなら『再生デベロッパー』っていう言葉が一番しっくりきますね」
吉田さんが情報都市を立ち上げたのは1986年。バブル崩壊のあおりを受けつつも、仲介、不動産売買、宅地開発、ビル経営など、不動産にまつわるさまざまな仕事に取り組んできた。
「でもね、新築の仕事はあまり好きじゃなかった。人口が減っていくなかで、田んぼを潰したり、家を解体したりしてまで新しいものをつくることに、社会的正義があるんだろうか?と」
古い家も修繕すれば住み続けることができるし、家を壊して新築するよりも安価。収入が多くない人でも暮らしを楽しめるのではないか。
その思いが確信に変わったのが、2015年から取り組んできた「さのみなと団地」の再生事業。

かつてUR都市機構が所有していたさのみなと団地は、築50年弱、いわゆる昔ながらの団地。
情報都市が買い受けたあとは、建物改修のほか、共有部分の整備や、地域づくりの会社と協働して団地内外のコミュニティづくりにも着手。
暮らしやすい団地づくりに成功したことで若い世代の入居が増え、入居率は常時9割を超えるそう。
「家賃収入も当初の5割くらいアップしました。さのみなと団地は会社の収益の一番の柱にもなっていますし、僕らの理念の柱と言える事業でもあります」
古い物件の活用に力を入れようと、産官学を巻き込んで市の未来を考える「まちづくりフォーラム」などのイベントを開催。さまざまなプレーヤーが集う場を通して、地域での基盤をつくってきた。

今年1月には空き家再生を担うチームを発足。ここでは、大きく2つのアプローチを行っている。
ひとつは、オーナーさんから古民家を買い取り、再生する方向。
土壌が優れ、天災も少ない土地柄、かつては立派な家を建てる人が多かった南大阪。専門家によると、「古民家の宝庫」なんだそう。
ただ、築年数も経っているし、暮らしの拠点にするにはちょっと不便。手放したいと考える人が増えつつある。
住居のほか、宿泊施設や別荘など、古民家を購入したいという需要は、国内外に一定数ある。
古民家の活用を進めるうえで重要になるのが、オーナーさんから「この人たちなら任せて大丈夫だ」と思ってもらえること。
「うちでは今、2軒の古民家を所有しています。オーナーさんからは『あんたやから売るで』『思い出の家やから、大事にしてな!』と言われていて。高い価格で売却したいというより、ちゃんとした人に扱ってもらいたいと考える方が多いかもしれません」
信頼を得るには、日常から関係性をつくっていくことが大事になる。そこで取り組んでいるのが、コミュニティ事業。

所有している古民家を舞台に、鑑定や漆喰塗りなど、古民家の再生プロセスを体験してもらうイベントを開いたり。元空き家で事業を行う人に話を聞いて、空き家の活用アイデアを出し合ったり。
「参加者の方と売買の話につながることもあるし、地域を巻き込んで未来を考えていくという点では、まちづくりでもある。そんな取り組みを今後も続けていきたいと思っています」
もうひとつの切り口は、古家(ふるいえ)をリフォームし、賃貸に出したり、販売したりする「家ツナギ事業」。
比較的敷地が広く、意匠的な価値の高い古民家に対して、一般的な住居である古家の価格は低い。見方を変えれば、予算が少ない人でも戸建での暮らしを叶えることができる。

「扱うには、手間暇かかるんですよ。人が住んでいないと家は古びていくので、修繕が大変。そのわりに儲かるわけじゃないから、ほかの不動産屋さんはあまり手を出さない領域で」
それでも、取り組むことに意義がある、と吉田さん。
「これまで地域とのつながりの薄かった方が、古家のような地域に根づいた家に住むことで、まわりの人との交流に助けられるなんてこともあると思う。人が増えることで、まちの活性化にもつながっていくと思うんです」
今回メインで募集するのは、古民家・古家、両方の側面から空き家再生事業を推進していく人。いろいろな仕事があるけれど、まずは軸となる不動産売買の仕事をきっちり覚えるところから。
業界未経験の人なら、3ヶ月ほどの営業研修から始め、一通りの仕事ができる状態を目指していく。ゆくゆくは、宅地建物取引士も取得することになる。
空き家を使ってもらう機会が増えれば、きっとまちのあり方も変わっていく。全国的に空き家の問題が広がるなかで、社会的な意義を感じながら取り組める仕事だと思う。
同じチームで働くことになるふたりにも話を聞いてみる。
6年目の河島さんは、人材業界から転職してきた方。不動産売買を学びながら、広報企画室を立ち上げるなど、他業界での視点を活かして仕事に取り組んできた。

「ずっとこの業界にいるという人も多いので。ちがう仕事を経験したからこその強みがあると思いますし、新しく入る人ならでは視点をぜひ活かしてほしいなと思います」
集客の仕方や物件の見せ方など、新鮮な視点でのアイデアや気づきがあれば、どんどんチームに共有していけるといい。
日々の仕事は、7割くらいが古家の仕入れから販売までの企画。残りの2、3割がコミュニティづくりや古民家の仕事だという。
古家再生のポイントは、使えるものは最大限活かし、限られた予算内で丁寧にアップデートすること。
「デザイン性の高いものを新たに取り入れるわけではなくて。販売価格を相場に収めるためにも、あるものを活かして、なるべく費用は抑えています」

生活動線に欠かせない水回りの修繕は必須。加えて、屋根の修理などがあればあっという間に予算を超えてしまう。
収支を見据えながら、最低限やるべきことを見極める必要がある。
言い換えると、相談をもらったものの、収支があわず取り扱えない物件もある。シロアリや雨漏りなど、ときには構造的な問題で解体せざるを得ないことも。
適切なタイミングで相談をもらえることが、不動産の価値を向上にもつながる。チームとして、どんなアプローチをするのがいいか、試行錯誤しているところだそう。

「不動産の仕事をはじめて、今まで足元にあったものが全部、光って見えるようになりました」と、河島さん。
「家を買うにも、銀行や司法書士さん、行政の方々とかいろいろな人が絡んでて。物件ひとつとっても、境界とか水路は誰の管理かとか、見るべきポイントがたくさんある。これを知らずに社会人として過ごしていたかと思うと、おそろしいなって」
「不動産って、深掘っていける面白さがあると思います。新しい技術を学ぶのは果てがないけれど、土地の歴史って変わらないじゃないですか。深めた知見は無駄にならず、むしろ積み重なっていく。ここで実力をつければ、別の地域で困っている人の力にもなれるんだろうなと思います」
同じ部署で働くもう一人のメンバーが、福元さん。なんでも気さくに話してくれる、明るい方。
泉佐野出身で、空き家再生や地域づくりにかかわる仕事がしたいと、昨年、別の不動産会社から転職してきた。

「不動産を売るって、人生のなかでも大きなことなので。そういうときに任せてもらえるよう、もうちょっと情報発信を強化しようとしているところです」
「地域の方に配るニュースレターをつくってみたり、看板のデザインを刷新してみたり。地道な積み重ねでもあるので、新しく入る方とも、いろんなアイデアを出し合えたらいいなと思います」

福元さんが情報都市のことを知ったのは、河島さんが以前企画したまちづくりフォーラムというイベントがきっかけ。
「参加して、いいなと思ってサイトを見たら、いい意味で不動産らしくないというか。よくある『高値で買い取ります!』みたいなフレーズが情報都市にはなくて。地域に腰を据えて事業をしているんだなあと伝わってきたんです」
「まちづくりの仕事に関わるなら、ひとつの地域に思い入れをもって取り組みたい。それに、不動産売買のスキルを身につけたかったので、チャレンジしました」
現在は、古家の売買と並行して、河島さんと協力しながら、コミュニティ事業のイベント企画にも取り組んでいる。
イベントの企画では、古民家を愛する人や、地域づくりのプレイヤーたちとつながっていけるのも魅力、と福元さん。
古民家の再生プロセスを体験してもらうイベントでは古民家鑑定の専門家を。空き家活用について考えるフォーラムでは、大学教授や行政・民間の立場から空き家活用にかかわる人をゲストで招くなど、社外のさまざまな人と関わる機会も多い。
「古民家をたくさん見ている専門家の方々と出会って、見る目が養われたなと思いますし、古いものを愛でることに魅力を感じて関わっている人って、個性があって、おもしろい人が多い。そういう人たちと関わっていけるのが楽しさだと思いますね」
これから入ってくる方に、伝えたいことはありますか?
「不動産の仕事って、ノルマが厳しいとか、激務!ってイメージを持たれてる方も多いと思うんですけど、うちの社員は、みんなわりと顔色いいというのはお伝えしたいです!(笑)」
イベント準備が立て込んで残業になる日もあるけれど、基本的には残業しないスタイル。賃貸の仲介と違って、繁閑の差もあまりないとのこと。
新しい部署だから、いろいろ試して、いいやり方を見つけていく時期でもある。しっかり学びながら、メリハリをもって働くことができる環境だと思う。

空き家にかかわる仕事はいろいろあるけれど、不動産の知識をしっかり持って物件を扱えるスキルがあるというのは、大きな強みになると感じます。
コツコツ、誠実に。でもって、せっかくやるなら、好奇心をもって、おもしろく。
手に職をつけながら、まちの未来をつくっていく仕事。興味がわいたら、挑戦してほしいです。
(2025/8/5 取材 阿部夏海)


