小学校、中学校、高校。日本の教育のなかで、子どもにとって学びは「しなければならない」ものになりがちだと感じます。
義務感からではなく、「好き」「やってみたい」という純粋な気持を出発点に学びができたら、子どもたちにとってより豊かな教育になるかもしれない。
そんな機会を提供しているのが、夢見る株式会社です。

夢見る株式会社は、ロボットプログラミング教育事業をおこなっている会社。「ロボ団」というプログラミング教室を、全国100教室以上で展開しています。
目指しているのは、子どもたち自身の「好き」を「学び」につなげること。身の回りにあるプログラミング技術をテーマとした授業内容で、将来社会で必要とされる力を身に付ける機会を提供しています。
今回は、このロボ団で講師として働く人を募集します。
経験は問いません。プログラミングの知識もなくて大丈夫。経験を積みながら、ゆくゆくは教室長として一つの教室全体の運営を担っていってほしいです。
子どもたちの気持ちに寄り添い、成長をサポートすることに喜びを感じられる。そして子どもたちの未来を育みたいという気持ちがあれば、自分自身も成長できる仕事だと思います。
本店があるのは、大阪府堺市の中百舌鳥(なかもず)駅の目の前。中百舌鳥駅は有名な大山古墳のすぐ近くで、堺市の中でも特に交通アクセスが良い地域だ。ビルの5階が本店 兼教室となっている。

エレベーターを降りると、受付とエントランスが。奥にはいくつかの教室が並んでいる。
教室にはレゴのロボットが置いてあって、なんだか好奇心をくすぐられる。

「レゴでロボットをつくるっていうのが面白いですよね。しかもそれを動かすことができる。僕自身、これができたら楽しいなって感じたのもあって、夢見るに入社したんですよ」
そう話してくれたのは、取締役を務める清水さん。2015年に入社したそう。

夢見る株式会社は、現代表の重見さんが2012年に立ち上げた会社。
設立当初から掲げているミッションが「好きを学びに、社会とつながる機会を提供する」。
受け身ではなく、好きという純粋な気持ちを出発点にする。そうした学びが広がっていくことで、より良い社会が紡がれていく。
そんな想いがミッションに込められているそう。

もともとシステムエンジニアとして働いていた清水さん。友人の紹介で重見さんに出会ったのが、入社するきっかけだった。
「当時はロボ団をフランチャイズで展開し始めているタイミングでした。実際レッスンを担当したときに、自分がつくったものに対する子どもたちの反応が全部ダイレクトに返ってくるのがすごくうれしかったんですよね」
たとえばロボットを動かすのにも、数字や理論で子どもたちに理解してもらうのは難しい。
けれど、自分の手に実際のロボットがあって、部品が回転することで、タイヤが動き出すのを見たら、仕組みを直感的に理解できる。

「たとえば水泳とかって自分の体で覚えていくじゃないですか。一方でプログラミングやロボットは体だけでは覚えられない。どうしてこうなるのか、言語化してアウトプットしないといけないのが難しいところです」
「なのでロボ団では、一人ではなく二人ペアで作業して、ああでもないこうでもないって話し合いながら進める形をとっています。工夫次第で、小学生でも議論しながらものづくりすることができるんですよね」

清水さんは現在、取締役としての仕事をしながら、フランチャイズの開発などにも携わっている。
教室の現場で会うことは少ないかもしれないけれど、設立初期からいるメンバーなので、何か困ったときには頼りになる存在だと思う。
「教室長として来てもらうのであれば、主語を自分ではなく子どもたちに置いて物事を考えられる人がいいのかなと」
「世の中には知らないことがたくさんあるということを、子どもたちと一緒に楽しむ。そして子どもたちからも学んでいけるような人と一緒に働きたいなと思いますね」
まだまだ成長段階の事業のなかで、自分が主となって一つの教室を任され、さらには今後の会社の発展にも伴走できるのは、貴重な機会だと思う。
続いて話を聞いたのは、大阪のもりのみや校で教室長を務める石田さん。2022 年に入社した。

「前職では、大学生を相手にしたキャリアコーチングをしていたんですよ。レールが敷かれた道をがんばって生きてきて、大学で急に『あなたはこれからどんな仕事したいですか、どう生きていきたいですか』って、放り出されたように感じる。自分には強みがないって悩んでいる子が多かった」
「本人たちもがんばる必要があるけれど、一方で日本の教育システムとか、小学校からの学び方みたいなものが変わらないと、これって続いていくんだろうなって感じたんですよね」
そんなときに出会ったのがロボ団。当時の石田さんに響くものがあった。
「ロボットづくりを通して、ヒントをもらいながら自分の頭で考えて、試して、違ったらまたやってみて。何度でもトライしていく。その過程で、前向きにチャレンジしていこうっていうマインドが育まれる」
「プログラミングにも完成像はあるけれど、そこに辿り着くまでのプロセスはいろんな考え方があって、どれも間違いじゃないっていうのが、子どもたちにとっていい学びになるんだろうなって。『うん、これかも』と思ったんですよね」

入社後は研修を経て、もりのみや校の教室長に。現場の授業を担当しながら、他部署業務も担っている。
プログラミング未経験の人でも、入社後1ヶ月間は大阪の本部を中心に配属前研修、2ヶ月目以降は教室配属となり、OJTのなかで学んでいく。教材やカリキュラムは、これまで何千人もの子どもたちが実際に学び、理解し、成長してきたものなので、大人でもしっかり理解できるようになっているそう。
「何を教えるかも大事なんですが、その上で子どもたちにどう接していくか、クラスでどんな雰囲気をつくっていくか。保護者やスタッフを巻き込んで行動していくことも重要で。そこは面白いし、責任も感じます」
教室長という立場のため、まわりのスタッフが石田さんが言ったことや考え方、子どもに対する些細な行動をお手本にすることも多い。それが子どもたちにも伝播して、子どもたちも同じことをするようになる。
ポジティブな言葉をずっと口にしていたら、教室の雰囲気も全体的にポジティブになるし、体が疲れていたり忙しかったりして余裕がないときは、ちょっとした口調の変化も子どもに伝わってしまう。
プログラミングやものづくりを教えるのと同じくらい、雰囲気づくりにも気を遣うことが大事だと石田さん。

授業のなかでは、その日に取り組む内容を簡単に伝えたのち、子どもたち自身がレゴを使ってロボットを組み立て、どう動かすかをプログラミングしていく。
プログラミングも専門用語で伝えることはできないので、わかりやすいキャラクターでたとえたり、図やイラストを描いて説明したり。
清水さんが話していた二人一組のペアワークも、実際やってみると難しいと石田さん。
「話し合いって大人でも難しいじゃないですか。喧嘩することもあるんですけど、それも長い目で見たときにいい経験になるから、まずは見守るようにしています」
「思っていることを自分の言葉で伝えるとか、相手の話を聞くとか。数字では測れないことにも価値があると思うし、数字を提示できないぶん、レッスンでの様子や内面の成長を、保護者にも丁寧に伝えるようにしていますね」

ロボ団には、学校で特別支援学級に通っている子もいる。なかにはロボ団に通うなかでコミュニケーション能力が向上して、普通学級に通うようになった子もいるのだとか。
「その話を保護者経由で聞いて、ある学校の校長先生から直接連絡をもらったこともありました。なかなか馴染めないような子どもに対して、どうやって接しているのかを教えてほしいって」
「人と関わらないと生きていけない社会だから、『なんかうまいことやる力』って絶対必要になると思っていて。それをレゴとかプログラミングを通して面白く育めたらすごくいいと思うんですよね」
石田さんはどんな人に来てほしいですか。
「いずれ教室長としてやっていくなら、行動力とスタッフや仲間を巻き込む力が必要だと思うんです。リーダーシップでもいいし、フォロワーシップでもいい」
「そして行動した結果どうだったか。分析して次に活かすっていうことをちゃんとできる人であれば、いい学びの場をつくっていけるんじゃないかな」
最後に話を聞いたのは、2023年に新卒で入社した小野さん。万博公園の近くにある、少路駅前校で教室長を務めている。

「正直、ロボットもプログラミングにもそこまで興味はなくて(笑)。入社してから勉強しましたけど、今もめっちゃ興味あるわけではないんですよね」
大学時代にボードゲームとか子ども向けのサービス開発などをしていた小野さん。子どもたちの教育に携わりたいと、夢見るへの入社を決めた。
興味がないとなると、どういったことにやりがいを感じているんでしょう?
「仕事全体… ですかね。レッスンを組み立てて実行するというプロセス全体が面白いというか。子どもたちと話すのが楽しいし、子どもたちが面白がってくれたらうれしい」
「レッスン以外にも、イベントの集客をするとか、入会してもらえるようにアピールするとか。そういった仕事も含めてトータルで楽しいです」
基本的なレッスンのカリキュラムは決まっている。そのなかで、担当者ごとにいろいろな工夫を加えていることも多く、そういった各自の情報は社内ツールで共有されている。
「たとえばPythonっていうプログラミング言語を使って、英語をカタカタ書いていくレッスンがあるんです。そこでカリキュラムにはないプログラミングを入れたい先生は、そのための新しいコードを教えるとか」
「あとは子どもたちの習熟度を見て、タイピングの練習をする時間をつくったり。カリキュラムを軸にいろいろと工夫できる余白はあると思います」

小野さんは未経験から学び、スタッフとしてステップを踏んだのち教室長になった。
「スタッフと教室長だと、ぜんぜん違いますね。スタッフは、教室長がある程度レールを敷いてくれているので、その上でレッスンをより良くしていくイメージ」
「教室長になると、自分が1年間の計画を考えないといけないので。4月になにをして、8月にこの企画があるからそれまでにこの部分までは進めないといけない、みたいな。考える幅がかなり広いと思います」
今回新しく入る人も、まずはスタッフとしてどこかの教室で教室長の仕事を学び、独り立ちを目指していく。
カリキュラムは確立されていて、社内でのノウハウ共有も盛んに行われているので、不安なことはすぐに聞くことができる環境だそう。
「すぐに行動することが重要だと思ってます。教室業務って、考えるよりも動かないとわからないことがたくさんあるので」
「その行動って、アイデアベースでもいいんですよ。別に深くロジックがなくても、ちっちゃいことでも試してみる。それくらいフットワークが軽いほうが、自分にとっても、子どもたちにとっても、学びを深められるんじゃないかな」

小さなロボットが動き出す瞬間のように、子どもたちの心にも、大人の心にも、スイッチが入る。
三人の話を聞いていて、その瞬間に立ち会えることが、この仕事の一番の喜びのように感じました。
(2025/10/01 取材 稲本琢仙)


