求人 NEW

常識をひっくりかえす
メガネづくり
世界一への挑戦

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ものづくりの仕事と聞いて、どんな場面を想像しますか?

緊張感のある静かな工房で、熟練の職人のとなりで技術を習得する。そんな姿をイメージするかもしれません。

今回紹介したいのは、その真逆の仕事。

賑やかな雰囲気のなかで、新たな価値を生み出すために工夫を積み重ねる。

ものづくり産業のまち福井・鯖江から、世界一を目指してメガネづくりに挑戦する人たちがいます。

国内外のブランド向けに高品質なプラスチック製メガネを製造している、有限会社マーベル。

製品開発から組み立てまで、200以上に及ぶ製造工程の95%を内製化。全国のメガネ工場のなかでも極めて珍しい、一貫した生産体制を持っています。

今回募集するのは、その製造工程を担うスタッフ。

まずは根幹となるメガネの研磨から携わりますが、将来的には営業や生産管理など、幅広いスキルと経験を積むことができます。

いま働いている人たちも未経験から挑戦してきました。

ものづくりに少しでも興味がある人は、ぜひ読み進めてほしいです。

 

福井駅から鉄道に乗り、50分ほど南へ進む。

水落(みずおち)駅で下車し、閑静な住宅街を5分ほど歩くと、マーベルの工場が見えてきた。

まちの雰囲気から素朴な建物を想像していたけれど、モダンでかっこいい。

中に入り階段を上がると、2階にはラウンジスペースが広がり、奥に工場が見える。

白を基調とした空間で、木の温もりを感じるテーブルやソファなどが設置されている。

リラックスできて、つい長居してしまいそうだ。

「マーベルではコミュニケーションを大事にしていて。会話量と働きやすさは比例すると考えています。社員がくつろげて、自然と会話が生まれるオフィスを目指したんですよ」

そう教えてくれたのは、代表の石山さん。

鯖江は国内のメガネ市場において9割のシェアを占めていて、イタリア、中国と並び、世界3大産地のひとつ。

まち全体がひとつの工場となり、プレス、切削、研磨など、200以上にも及ぶ製造工程を専門の職人が分担する「産地内分業」によって発展してきた。

マーベルは、メガネのパーツを扱う商社として30年前に創業。

当時は、安価な中国メーカーの台頭により価格競争力を失い、業界全体が課題に直面していた。

「資金力が低下していたので設備投資も進まず、メガネ業界を長年支えていた職人さんの高齢化や減少も深刻でした。その結果、納期に間に合わないことが業界の当たり前になっていたんです」

「『なんとか納品を早められませんか』と工場に頼み込むものの、どこも技術的に難しいという状況で。自分たちがやるしかないと覚悟を決めて、内製化に踏み切りました」

東京のメガネメーカーから設備を購入したり、業界では導入例のない機械にも投資をしたり。全部で200以上の製造工程を一つひとつ社内に取り込んでいった。

「内製化によって製造工程が可視化されて。納品を待つしかない状況から、目標を定めて改善ができるようになりました。それによって効率化が劇的に進んだんです」

技術やノウハウを社内に蓄積したことで、クライアントからのニーズにも応えやすくなり、「こんなものがつくれないか?」という高度な技術が必要な相談も舞い込むように。

いまでは国内外のブランド向けに、15~20種類のメガネを毎月4000本ほど製造。なかには一つ数十万円もする高級品もあるのだそう。

「ありがたいことに依頼も増えて、1年先まで製造予定が埋まっている状況で。製造量の拡大に向けて、新しい仲間を募集することにしたんです」

5年前、先代の父から引き継ぐ形で代表に就任した石山さん。製造とあわせて力を入れてきたのが、社員が働きやすい環境づくり。

「ぼくが入社したころは、工場は怒号が飛び交うような環境で」

怒号、ですか。今の和やかな雰囲気からはイメージができないです。

「そうですよね。今とは全然違っていて、正直にいうとブラックな職場だったと思います」

前職では広告代理店に勤めていた石山さん。経験を活かして全国から50人ほど採用するものの、1年たたずしてほとんどが辞めていった。

「給料もしっかり払ってるのになんでだろうって。このままじゃダメだと思ったんです」

適正や健康状態を知るためにAI診断を導入。その結果をもとにお互いの考えを知ることからはじめた。

ほかにも、スペシャルティーコーヒーを飲み放題にしたり、どの部署が一番美味しいカレーライスをつくれるか大会を開いたり。自然と会話が生まれる雰囲気づくりにも取り組んで行った。

その結果、当時は30%ほどあった離職率も、いまはほとんどゼロに。

社員数も増え、平均年齢が31歳と、業界では珍しい若手の多い会社になった。

「ものづくりって『良いものを淡々とつくれば良い』って美学もあるじゃないですか。その姿勢も大切だけど、みんな働きたいと思える環境も同じくらい大切だと気づかせてもらいました」

「でも、雰囲気がぬるくなったとは思っていなくて。昔の熱量は高い目標に形を変えて、みんなで仕事を頑張ろうって意識は共有していると思います」

目標を掲げて挑戦してきた石山さん。どうして、そこまで打ち込めるんでしょうか。

「世界一になってみたいんですよ。マーベルには『働くをかっこよく』って理念があって。かっこよさって、自分をよく見せようとすることではなくて、物事に真摯に向き合うことだとぼくは考えていて」

「メガネに向き合って31年。プラスチックのメガネづくりであれば、世界一を本当に目指せるところまで来ている。このチームでどこまで行けるか試してみたいんです」

 

続いて話を聞いたのが、メガネの研磨作業を担当している、入社4年目の石山智規(とものり)さん。

代表の石山さんとは親戚で、周囲からは「とものりさん」と呼ばれている。

「会社は楽しいですが、目標は厳しいですね(笑)。品質を保ちつつ、製造スピードを上げるために試行錯誤する日々です」

「会社としては適材適所を大事にしていて。PCを使ってデザインをつくる仕事から、ぼくらのような手を動かす作業まで幅広くあります」

マーベルでは部署ごとに求められるスキルを習得すれば、他部署に異動できる制度になっている。

メガネの製造は主に「製造」「研磨」「組み立て」の三つの工程からなる。

まずは、プラスチックの素材から「フロント」と呼ばれるメガネの大枠を削り出し、耳にかける部分の「テンプル」など、細かな金属パーツを製造する。

次に、それらのパーツをいくつかの工程にわけて磨き、組み立てと検品を経て、製品を出荷する。

研磨はメガネを綺麗に仕上げる大切な工程。ものづくりの面白さを感じられるため、まずはここから入ってもらう。

「研磨作業は、バレルと呼ばれる福引きのガラポンのような機械で全体的に研磨をかけて、細かな部分をぼくらが手で磨き上げていきます」

「まずはパーツごとの部分的な研磨から。やり方を教わって実践しながら、1週間くらいは横について確認して。問題なければ100回に1度チェックする形で、徐々に習得してもらいます」

各パーツをすべて磨き上げられるようになるには、1年ほど経験が必要。教えるノウハウもあるので、未経験でも安心して挑戦できると思う。

「ひたすら磨き続けるので、集中力も必要です。でもその分、一人ひとり研磨の美学があって。ぼくは購入したメガネの仕上げが気になると、会社で磨いてしまいます(笑)」

特にこだわった工程の一つを見せてもらう。

「フロントとテンプルをつなげる『すり合わせ』って加工なんですけど、実はここ、人の手で全部つなげているんです」

フロントとテンプルが均一な太さでつながっていて、言われないと気付かないくらい滑らかな仕上がりだ。

製造の過程でパーツごとの大きさにブレが生じるため、片方を太くして、最後は人の手で仕上げる必要があるそう。

「この工程に特化した専門業者がいるくらいで。自社で手がけるメーカーはほとんどない。だからこそ内製化にチャレンジしようと、社長と二人で2年前にはじめました」

本などを読みながら、まずは手探りで削ってみる。

使う道具を見直したり、研磨剤や回転数などを調整したり。試行錯誤を繰り返しながら、新たな方法を編み出していった。

「最初はものすごく時間がかかって。これでどうやって量産化するんだって笑っちゃうくらい遅かったんです」

とものりさんの話を聞いていると、ゴールが見えない途方のなさを感じる。途中で心が折れることはなかったんでしょうか。

「無理だと周りから言われながらも、95%まで内製化できた経験があるので。工夫を積み重ねれば、いつかできるようになるってマインドがあるんです」

「それに、メガネに打ち込む社長の姿がかっこよくて。自分もこうなりたいって思えるのが、ここで働く原動力になっていますね」

 

最後に話を聞いたのは、同じく研磨を担当している高溝(たかみぞ)さん。

福井市出身で、昨年マーベルはじめての新卒社員として入社した。

「小さいころからものづくりが好きでした。でもこれからはスマホやAIの時代だから、手を使った仕事は減っていくのかなと思っていたんです」

「そんなときにマーベルを知って、がっつり手でつくれる仕事があるじゃんって(笑)。メガネづくりを体験させてもらって、面白かったので入社を決めました」

手を使ったものづくりに惹かれて入社した高溝さん。

入社して驚いたのは、メガネづくりの現場でよく見られる、やすりがけの工程がほとんど残っていないこと。

「やすりがけは職人らしい作業なので、見た目はとてもかっこいいんです。でもそれって実は効率悪いよねって」

「手でやることに固執しないで、無駄なものはきっぱり捨てる。はじめは驚きましたけど、だからこそ、これだけ高品質のメガネづくりができるんだと思いました」

入社して1年半。いまは最後の仕上げである「ツヤ研磨」を担当している。

「自分では磨けたと思っても、光を表面に当てると全然磨けていなくて。とものりさんレベルになると、すべての溝をほぼ均一に磨くことで、濡れたような質感になるんです」

「一部分でも大変なのに、全面を仕上げられるのはすごいなって。ぼくも早くそのレベルの研磨ができるようになりたいです」

高溝さんは、どんな人が合っていると思いますか?

「入社前に、わりとイケてる会社だなと思ってたんですけど、実際に入ってみてもそれは感じますね。パーティも多いので、みんなでワイワイ働きたい人は合うと思います」

「あと、毎週水曜に全社員が一人ずつスピーチをする時間もあって。緊張するけど、勉強にもなります。そういうことも楽しめると良いんじゃないかな」

ときに伝統や常識も疑い、新たな方法を生み出す。できるはずないと言われることにも、果敢に挑戦する。

代表の石山さんをはじめ、そんな風土がマーベルには根付いていると感じました。

世界一を目指すチームで、メガネづくりに向き合う仲間を待っています。

(2025/10/1 取材 櫻井上総)

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