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手にとって旅に出たくなる。
そんなコンセプトのもと生まれたのが、「トラベラーズノート」。
革製のカバーに、自分好みのリフィルを挟んで、日々の出来事や旅の記録をつづる。時を重ねるほどに、ノートがまるで自分の分身のように育っていきます。

このユニークな文具を生み出したのが、株式会社デザインフィルが展開するブランドの一つ、旅をテーマにプロダクトを展開する「トラベラーズカンパニー」です。
そして、その世界観を体現する直営店が、中目黒、東京駅、成田空港、京都に店舗を構える「トラベラーズファクトリー」。
文具や旅にまつわるグッズを販売するだけでなく、イベントや展示を通じて、お客さんやスタッフが好きなものを自由に語り合う、そんなコミュニティが日々生まれています。
今回は、このトラベラーズファクトリーで働く販売スタッフを募集します。
文具や旅に、どこか惹かれる。そして、自分の「好き」を語り合うのが好きな人なら、経験は問いません。まずは、お店の日常をのぞいてみてください。
東京・中目黒。
駅前のにぎやかな山手通りを少しだけ歩き、一本路地へと入る。静かな住宅街に、トラベラーズファクトリーの中目黒店を見つけた。
扉を開けると、トラベラーズノートはもちろん、トラベラーズノートと一緒に楽しむステーショナリーや、旅にまつわる本や雑貨が、ところ狭しと並んでいる。レジの横には、手紙を書いてその場で投函できる郵便箱も。

2階にあるフリースペースから降りてきたのは、トラベラーズノートの生みの親である、飯島さん。
「なにを買うかじっくり考えたり、コーヒーを飲んで休んだり。2〜3時間、ここで過ごす人も少なくないんですよ」

トラベラーズノートが生まれたのは、今から約20年以上も前のこと。
当時、デザインフィルで海外生産管理をしていた飯島さんは、仕事で訪れたタイのチェンマイで、温かみのあるハンドメイドの工房に出会う。
その工房に頼んで作ってもらった革カバーに自社のノートを挟んでみた瞬間、「これだ」と直感が働いたという。
「タイのチェンマイでつくられた革と、日本の紙。この2つが合わさったとき、それぞれの場所がつながる、旅のようなものを感じて」
「サイズ感も、地図や飛行機のチケットを挟むのにちょうどよい。これひとつ持てば、どこへでも出かけられると、ワクワクしたんです」
その原体験から、自分たちが心から「かっこいい」と思えるものを追求し、試行錯誤の末にトラベラーズノートは誕生した。

革製のカバーとゴムバンド、リフィルというシンプルな構成。
だからこそ、素材や書式の異なるリフィルを組み合わせたり、チャームやステッカーで飾ったり。使い方は、すべてその人次第。
使い込むほどに、唯一無二のノートが完成していく。
「自分が何を好きか、どうありたいかを突き詰める。それこそがトラベラーズノートの本質です」
そう話しながら、飯島さんの手元にある使い込まれたノートを見せてもらう。カバーの革は、経年変化で色に深みが増している。
「じつは先週まで夏休みで、自転車で日本一周する旅の続きをしてきたんですよ」
「もう10年以上続けていて。東京から青森まで行ったり、日本海側を回ったり。でも、北海道とか九州はまだ時間が足りなくて。もう今年で56歳なので、体が元気なうちには終わらないんじゃないかな(笑)」
ノートには、先週自転車で旅したという福井・敦賀から岡山・倉敷までのルートや、道中で目にした風景のイラストなどが、旅の冊子のようにまとめられている。

ほかのページには、旅の記録のほかに、最近気になる世の中のトピックや趣味の音楽のことなど。ページをめくるたび、飯島さんの人となりがじんわりと伝わってくる。
「自分の頭の中をのぞかれているようで、ちょっと恥ずかしい。でも、なぜか見てもらいたくなるんです」
「ノートを見せることは、自分の内側をさらけ出すこと。その結果、思わぬ共通点が見つかったり、喜びを共有できたり。お互いを理解できる瞬間が生まれるんです。私たちはずっと、そんな開かれた自由なコミュニケーションを大切にしてきました」

旅の記録でも、日々の雑感でも、趣味のメモでも。ノートに何を書くか、どう使うかは、すべてその人次第。
自分のノートを見せると、それに応えるように、相手も自分のことを話したり、ノートを開いたり。トラベラーズノートのユーザー同士では、そんなコミュニケーションがよくあるのだという。
「みなさん、ノートをわが子のように見せてくれるんですよ」
「『トラベラーズノートを使い始めてから、生活が変わったんです』『毎日が楽しくなりました』とか、そんな声を聞くことがあって。自分の仕事が、誰かの日常に小さな幸せやポジティブな変化をもたらしていることを、実感するんですよね」
もとは中目黒から始まったお店も、今では東京駅、成田、京都へと広がり、世界中から多くの人が訪れるように。
ブラジルやアイスランドなど、はるか遠い国からこの店を旅の目的地のひとつとして訪れるファンも少なくない。
お店では、徳島の「アアルトコーヒー」によるカフェイベント、革のペンケースづくり、音楽ライブなど、旅に出たくなるイベントを月に1回開催。それらも、人を惹きつけるきっかけになっている。
「トラベラーズファクトリーには、最高の空間とスタッフ、旅にまつわるものすべてが揃っています。この場所に来れば、きっと僕たちがどんなブランドで、何を大切にしているのか、わかるはずです」
この場所で働くスタッフのひとり、入社2年目で店長を務める大澤さんに話を聞いてみる。

「子どものころから、文具が大好きでした。お小遣いを貯めては、持っているだけで気分が上がるような、かわいいペンやシールを集めていました」
「中学生になると、友達と手紙交換に夢中になって。ルーズリーフいっぱいに、テレビやアイドル、ハマっているお菓子など、たわいもないことを書いて、デコレーションして。相手が喜んでくれる顔を想像しながら、つくる時間が好きだったんですよね」
トラベラーズノートとの出会いは、大学時代。友人から教えてもらい、足を運んだ近くの文具店で、限定のオリーブ色のノートに一目惚れした。
「森のような、深いみどり色に弱くて。つい、買っちゃいました」
後日、足を運んだ本店は「秘密基地みたい」に感じた。
「商品がぶわーっと並べられて、上を見上げると飛行機の模型が飛んでいる。直感的に、ここで働くのは楽しいだろうなと思いました」

実際に入社してみて、どうですか?
「平日も休日も、国内外から多くのお客さまが訪れます。店内は、英語だけではなく、世界中の言語が飛び交っていますよ」
ほぼ毎日、レジは1日100~200件を超える忙しさで、イベント初日には、開店前から店頭に行列ができるほど。
スタッフ間に仕事の垣根はなく、接客だけでなく、商品の発注や陳列、月に一度のイベント準備など、それぞれがマルチタスクで、お店全体をみんなでつくり上げている。
これから入る人も、まずは店頭に立ち、実践を通して仕事を覚えていく。自主的に学び、行動できるといいと思う。
「トラベラーズノートを愛用しているスタッフも多いですよ」
複数のノートを使い分けているという大澤さん。コレクションするのも楽しみのひとつで、最近はスターバックスリザーブ® ロースタリー 東京とのコラボノートが仲間入りしたそう。
「これ、好きなページなんです」
そう言って見せてくれたのは、鎌倉旅行のページ。

あじさいを背景にしたぬいぐるみの写真、路線図、お昼ごはんのカレー、高徳院の拝観チケット。ガイドブックのように、かわいらしくコラージュされているのを見ていると、歩いている道のりをたどっている気分になる。
「どんなページにしようかな、と考える時間がとても楽しいんです。お客さまからノートの使い方を尋ねられることも多く、自分のノートを見せながらお話することもあります」
「トラベラーズノートは、ただの文具ではなく、その人の『好き』や物語が詰まった分身。お客さまが自分のノートを見せてくれるたびに、自分の『好き』も共有できるのがうれしいです」
最後に話を聞いたのが、中目黒店スタッフの江口さん。
江口さんにとっても、子どものころから、文具は個性を表現する大切な道具だったという。

「中学生のころにトラベラーズノートに出会って以来、ずっと使い続けているんです」
大学卒業後は文具メーカーで営業を経験。そんななか、日本仕事百貨でトラベラーズカンパニーの求人を見つけた。
「私にとって、トラベラーズカンパニーは憧れの『聖地』みたいな場所。記念受験くらいの気持ちで応募したのを覚えています」
入社して驚いたのは、つくる人も売る人も、みんなが心からトラベラーズノートを愛用していることだった。
「プロダクトの担当者に、紙の種類について少しニッチな質問をしてみたら、『これはコットンが入っているから書き心地がいい』とか、『インクがにじみにくい』とか一つひとつのこだわりを丁寧に教えてくれたんです」

接客するうち、そうしたつくり手のこだわりを、自分の言葉で伝えることも増えている。
「たとえば、色付きのクラフト紙のリフィルは、用紙がカラフルなので写真やショップカードを貼るだけで可愛くなって、初めての方にも気軽に楽しめるとか。革のカバーは、ガシガシ使ったり、オイルを塗ったり、自由に経年変化を楽しんでください、 とおすすめしたり」
「お客さまが、その人らしくトラベラーズノートを使えるように。相手に寄り添いながら、ノートのつくりやこだわりについて、丁寧にお伝えしています」
大澤さんのようにかわいくはできないけれど…、と控えめに話しながら、江口さんが手元のノートを開いてくれた。
「シールやマスキングテープを使ってきれいにつくるというよりは、自分が忘れないように書き留める、日記のような使い方なんです」

そこには、日常のメモやレシート、好きなYouTubeチャンネル、最近ハマっている曲、さらには「犬にハマる」といった気になるフレーズが並ぶ。
「記憶が頼りないから、ノートは私にとってもう一つの海馬のようなものです(笑)。SNSにあげるほどではないけれど、後から見返したときに『去年の今頃これにハマっていたな』と思い出すのに役立っています」
江口さんがノートを開くと、飯島さんと大澤さんが自然と身を乗り出して、手帳を熱心に眺めている。
「初めて見た!」「かわいい!」と次々に言葉をこぼすと、初めは少し照れていた江口さんも、うれしそうな笑顔に変わる。
「トラベラーズファクトリーは、好きなものを心から語れる場所。何かひとつでも『これが好き!』って言える人なら、この世界観にきっと共感できると思いますよ」

ノートから映し出される、一人ひとりの個性や人生そのもの。
国境や年齢、立場の壁を越えて、人と人とがつながるトラベラーズファクトリー。その中心には、自分の「好き」を素直に表現し、相手の「好き」を心から受け止めるスタッフの存在がありました。
心がワクワクしたら、その直感に従って、ぜひ仲間に加わってみてください。
(2025/08/20 取材 田辺宏太)


