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ふたりの佳き日に
想いを重ねて

ふたりと、ふたつの指輪。

誓い合ったあの日も、これからの日々も、ふたりとともにある指輪。

結婚指輪は、やっぱり特別なものだと思う。

株式会社PERCHが届けるのは、「YUKA HOJO」と「birds」の2つのブライダルリングのブランド。

手仕事からうまれる指輪は、洗練されたデザインのなかにも、どこかあたたかさがあります。

直営店は持たず、国内30店舗、香港と台湾にそれぞれ1店舗ずつの取扱店、オンラインでは日本とアメリカで販売しています。

今回募集するのは、営業企画・生産管理を担うスタッフ。

ブランドを広めていく仕事と、指輪を滞りなく届ける仕事です。

小さなチームで運営するため、ブランドの施策検討から、数字管理、取扱店の対応、指輪の検品出荷までと幅広いし、できることも多い。

指輪を心待ちにするふたりを想像し、自分の思いを重ねられる人は、気持ちよく働ける場所だと思います。

 

東急田園都市線の用賀駅から、歩いて13分ほど。緑が多い住宅街のなかにPERCHのアトリエがある。

アトリエを訪ねるのは2回目。「お久しぶりです」と代表の北條さんがあたたかく迎えてくれる。

これまでにいくつもの婚約指輪、結婚指輪といったブライダルリングブランドのデザインとプロデュースをしてきた北條さん。

「YUKA HOJO」は、自身の初ブランドとして2014年に立ち上げた。

「最初に入った工房がブライダルリングをつくっているところで、かれこれ20年以上指輪をつくり続けています。でも、私としては、自分のことをジュエリーデザイナーだとはあまり思ったことがなくて」

「『YUKA HOJO』のコンセプトで、会社の理念でもある“Light inside you”というメッセージを届けるのが私の仕事。『一番美しいものは、あなたの心のなかにある』と伝える媒体が、私にとって指輪だったんです」

メッセージを届けるための指輪。「YUKA HOJO」の指輪の一つひとつには、名前とストーリーが添えられている。

たとえば、「MOON SONG」と名付けられた指輪。

「月明かりの下、ふたりの間に流れる優しくて静かな時間。大好きな人と交わす、言葉のいらない会話。ふたりだけの音は、どんなメロディでしょう」

「この指輪にはそんな言葉を添えています。この情景は、きっと誰もが思い浮かべることができる。どんな国籍の人も、平安時代の人も、千年後に生きている人だって、愛しい人を想う、同じ気持ちを分かち合えると思うんです」

指輪に込められた、シンプルで、普遍的なメッセージ。指輪自体のデザインもすっきりとしていて、どの年代、性別、国籍の人の指にもすっと馴染む。

PERCHの指輪の原型はどれも、ロウソクのようなワックスを削ってつくられる。

一般的な指輪の幅はだいたい3mm。手作業での原型づくりは、0.01mmの精緻さが求められるそう。

最近ではCADで行われることが多いこの工程も、PERCHでは手仕事から生まれる温度や自然なゆらぎを大切に、形にしている。

北條さんと数名のスタッフが、この工程に携わっている。

そうして形になった指輪がふたりの元に届けられる。

「私たちが届ける結婚指輪というもの自体が、あまりにも幸せなもの」

「この仕事は、ふたりの人生の大事な瞬間に関わらせていただける、とても幸福な仕事だと思うんです」

人生の最良のときに交わす指輪をつくる人が、そう思ってくれていることにうれしくなる。

2022年にリリースしたブランド「birds」は、アトリエのスタッフみんなで、コンセプト設計からデザイン、広報を行っている。

「ブランドをつくることも、自分ひとりで経験するのはもったいないんじゃないかって。スタッフにも、この感動とかうれしさを経験してほしい」

「だから、新しいブランドのディレクションもスタッフの古宮に任せています。あとは、まだブランドを知らない方にも、届けていきたい。新しく入る人と、その機会を増やす取り組みをしていきたいと思います」

 

PERCHでは、新しく2つのブランドのリリースを準備中。

1つは北條さんがブランドディレクションをし、もうひとつは入社6年目の古宮さんが担当する。

今はブランドの世界観を思案しているそう。昔から好きだった古典作品、最近習いはじめたお琴など、自分の好きや好奇心を伸ばしながら、その糸口を探している。

「『徒然草』や『奥の細道』が好きで。日常のふとした、ささやかな美しさに気づくきっかけになるようなものにしたいと思っています。来年か再来年にリリース予定なので、まだまだこれからです」

ブランドディレクションと、営業企画・生産管理を兼任している古宮さん。今後は、ブランドディレクションの比重を増やす予定。

営業企画と生産管理、それぞれ何をするのだろう。

「営業企画の主な仕事は、お取扱店とのコミュニケーションです。新商品や新企画にともなうお店へのアナウンスと広報、時にはお店へ出向いて商品説明会を開催することも。素材相場の変動に応じたプライシングなど、数字に関わる業務もあります」

最近は、アメリカでのオンライン販売に関わる仕事もしたそう。

「サイトの英訳、越境ECの構築、アメリカの法律に合わせた利用規約やポリシーの作成など。弁護士さんや翻訳家さんといったさまざまな専門家のみなさんの知恵をお借りしながらつくりました」

「はじめてのことばかりで、完成したときには『やっと、できた!』と感慨深い気持ちでした。この前、アメリカに初回のお届けもしました。今も海外の方からのお問合せが度々あって、これからはそういったみなさまに届けるのも大切な仕事です」

今後はポップアップなど、お客さんと直接会って話す機会もつくっていきたいそう。

一方、生産管理は、工房への発注、発送、検品と、指輪をちゃんと届ける仕事。

「ここでとくに大切なのが検品ですね」

検品?

「指輪の原型はアトリエで、製品となる指輪は信頼のおける工房の職人さんが1本1本を仕上げます。手仕事でつくられる指輪には、ひとつひとつ違った表情があって」

「それが魅力でもあるのですが、お客さまが注文された指輪のイメージと同じ指輪をお届けしなければいけません。肉眼では分からない差も、丁寧に確認することでブランドの品質を守っています」

サイズや刻印、傷、表面のデザインの確認などの検品は、2名のスタッフで必ずダブルチェックを行う。

「お客さまにとって、一生涯の1本。同じ温度で、大切に、責任を持って送り出すことを意識しています」

古宮さんの仕事を聞いていると、指輪の先にいるふたりをどこまでも想像する仕事なんだなと思う。

この姿勢は、取扱店舗や工房といった、PERCHの仕事に関わる全員に一貫している。

「取扱店の方が接客中にかけてくる、不明点を尋ねる電話を受けたとき、自分が全く違う業務をしていたとしても、どれだけ取扱店の方に寄り添って、その先にいるお客さまを想像して答えられるか」

「ちっちゃいことなんですけど、その積み重ねで信頼関係とか、最終的に何かお客さまに伝わるものがあるんじゃないかなって思うんです」

 

最後に話を聞いたのは、入社して半年ほどの伊藤さん。

生産管理と指輪やブランドの運営に関わるさまざまなデザインを担っている。

以前は、別の業界でデザイナーとして働いていた。

日本仕事百貨に掲載されていたPERCHの求人から、「ここでなら永く使い続けられるものづくりに携われそう」と応募。熱意が伝わり入社が決まった。

永く使い続けられるものづくり。

先日、そのことを実感することがあったそう。

「修理のためにお客さまの指輪をお預かりして。それを工房に依頼する前に検品をしていました」

「それが新品の指輪とは全然違う表情になっていて、すごく美しかったんです」

槌目模様の「PASSAGE OF TIME」という指輪。お客さんが何年も着用した指輪は、小さな傷や経年変化によって、やわらかい光沢を持っていた。

それは、ふたりの重ねた時間そのものが指輪に宿っているようだったという。

「これまでアトリエにある新しい指輪しか見たことがなかったので、こんな変化があるのかと感動して。永く使い続けるものの価値や、つける人によって、同じ指輪でも違う表情に育っていくのはおもしろいなと思いました」

「あと、この話をしたら、ほかのスタッフのみなさんがうれしそうだったのが印象的で」

隣にいた古宮さんも「うれしかったですね」と話す。

届けたふたつのリングが、ふたりの暮らしのなかにちゃんとあること。そういった時間のなかで育つ指輪の魅力を伊藤さん自身が気づいたことも。

PERCHの仕事は、ふたりの手元に届けて終わりではない。

サイズ直し、リング表面のつや出し・つや消しなど、安心して身につけ続けられるサービスがあり、お客さんと長い関係を築いている。

そういった修理の対応や検品、発送、備品の発注など、生産管理が担う仕事は多い。決まった業務でありつつ、改善やイレギュラー対応をアトリエ内で話し合うこともしばしば。

「ひとりで黙々と、自分の業務だけをするという感じではありませんね。小さなアトリエなので、運営に関わることはなんでもやる」

「初めての業界で覚えることが多いのは覚悟していましたが、想像以上でした(笑)。各業務フローをまとめたマニュアルがあります。それもすごく詳細な。最初こそ驚いたけれど、今はとても助かっています」

たとえば、発送業務ひとつをとっても、納品先の店舗や会社によって異なるルールがあり、包み方も決まっている。

細かな仕事の一つひとつが、指輪を心待ちにするふたりへと、確かにつながっている。

 

PERCHでは、2つの新しいブランドの立ち上げや海外での販売に力を入れたりと、さまざまな動きがはじまっています。

きっと、PERCHのみなさんにとっても、新しく入る人にとっても、たくさんのはじめてに出会うことになるはず。

石橋を叩いて渡るような人が向いているのかなと思ったけれど、北條さんがこんな言葉をかけてくれた。

「やってみたらできることっていっぱいあると思うんです。伊藤さんは、いきなり名刺にデザイナーっていれて、今日からデザイナーですって。古宮さんは、ディスプレイや撮影が未経験から全部トライして、なんでもこなしてくれています」

「とにかくまず手を動かして考えてみましょうって。やったら意外とできるし、夢中になってやりはじめたら、どんどん自分で探していけると思う。気持ちをもって、トライしてくれる人に出会えるとうれしいです」

背中を押された人は、ぜひ挑戦してほしいです。

(2025/05/28 取材 荻谷有花)

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