都心の住宅街を歩いていると、コンパクトなお家が増えているように感じる。
そのなかでも、黒い格子の扉があるお家が印象に残っています。
玄関の前に開き扉があることで、上品さが増しているように思う。
家そのものがすべてと思っていたけれど、まわりのエクステリアがもたらす作用に気付かされました。

onewayは、家やマンションのエクステリアの設計・施工管理を手がけている会社です。
お客さんの目線に立ち、限られた予算のなかでも、かっこよく機能的な空間をつくりあげています。
もともと大手ハウスメーカーの関連会社で働いていた代表の石井さんが、2023年に創業しました。B to Bの案件を中心にしつつ、個人宅の仕事も増やしているところ。
今回は、施工管理スタッフを募集します。
未経験の方も歓迎です。
まずは石井さんのもとで仕事を覚えていきます。慣れてきたらお客さんとの打ち合わせから入り、設計者とともに、どんなエクステリアにしていきたいか考え、形にするところまでできます。
住み手と同じ目線に立って、暮らしを想像することが大切。
ものづくりに興味があり、顔の見える関係性で働きたい人におすすめです。
相鉄線の三ツ境駅からバスで5分ほど。
二俣川ニュータウンという閑静な住宅街の一角に、ブルーグレーのマンションが見える。その1階にあるのが、onewayの事務所。

入り口を探していると、広報・事務スタッフの菅原さんが玄関まで出てきてくれた。
中に入ると、部屋のリビングには神棚が祀られ、対面の壁には、オレンジ、赤、ピンクのチンパンジーの絵。日光東照宮の三猿に似ているけれど、ニカッと白い歯が見えている子もいるし、違うのかな。

「なんでチンパンジーなの?っていろんな人に聞かれるんですけど、そんなに意味はなくて。なにもないと殺風景なオフィスでしょ」
そう話すのは、代表の石井さん。よく通る声で、自分の意見をはっきりと話してくれる。

石井さんはこれまで20年以上にわたり、設計やデザイン、施工管理、営業などを行ってきた。
基本はハウスメーカーから設計図がきて、その指示どおりに進めるため、暮らす人の顔やどんな生活スタイルなのか、わからなかったそう。
「エクステリアは住宅の豪華さ、優雅さを際立たせてくれる存在です。住んでいる人だけじゃなく、周りの人にも見られますよね。家そのもののイメージにつながる、大切な顔になる部分なんですよね」
「日々の暮らしをすこし豊かに彩ってくれる、そんなエクステリアをつくりたい。そのためにはもっとお客さまの近くで仕事がしたいと思ったんです」
そこで、当時同じ事業者で働いていた設計士の栗原さんと菅原さんに声をかけ、onewayを立ち上げる。
「1年目は、ほんと辛かった。最初の施工につながるまで半年以上かかりましたね。それでもいろいろなご縁に助けられましたし、ついてきてくれた社員にも感謝しています」

一つひとつの案件に真摯に取り組み、だんだんと安定して依頼が届くようになった。
現在、活動しているエリアは、神奈川県全域と東京の多摩エリアなどの都内近郊が中心。
安定した売り上げを確保するためにも、ハウスメーカーや地元のゼネコンなどB to Bの依頼が9割を占めている。戸建てのエクステリアなどが多いという。
大小あわせて年間100件以上の案件があり、常に5〜8件ほどの現場が同時に動いている。
一方で、今後はお客さんとより近い距離で仕事ができるB to Cの案件を増やしていきたいと石井さん。
「僕らは大手ハウスメーカーよりは値段が安いけれど、工務店よりは高い。価格は抑えたいけれど、自由度高くカッコよくしたいってお客さんが多いんですよ」
都心は人通りも多いうえ、住宅周辺の面積も限られる場所が多い。
たとえば玄関前に大きな壁をつくることで、家の中が見えないようにするのと同時に、エレガントな雰囲気も演出できるという。
また、樹木や草花などの植栽でも家の印象は大きく変わる。
「自然な風合いがあって比較的管理しやすいアオダモとか、枝先だけに葉がつく木を数本組み合わせた寄せ株をよく使います。植物を入れると、あたたかみのある空間になるし、これを二等辺三角形に配置すると、空間に奥行きも生まれるんです」

とくに印象に残っているお客さんがいるという。
「30代前半ぐらいのご家族で、新築の家を建てたばかりの方がいて。予算はきびしいけど、かっこよくしたい。生まれたばかりの子どももいらっしゃって、成長しても暮らしやすいエクステリアにしたいという要望でしたね」
「僕も幼稚園生の子どもがいるので、実際に住んだときの悩みとか、かっこいいけどこれは使い勝手わるいですよ、とか。正直にお伝えするんです」
はじめは玄関前をスロープにする計画だったが、石井さんの提案で3階段に変更。
スロープは一見すると便利で安全そうに思えるが、実は角度がつくと危ないこともある。
「2段目のスペースを広くしたので、そこにベビーカーが置けます。段差は低く設計して、子どもが歩けるようになってからも使いやすいようにしました」

ほかにも「玄関の中に額縁のような窓があるので、そこから見える景色を美しくしてほしい」とのリクエストを受けた。
そこで、石井さんは庭にコハウチワカエデを植えることに。秋には真っ赤に紅葉し、お客さんも季節を感じることができてうれしい、と喜んでくれたそう。
「家の周辺すべての設計・施工を手がけたんですが、そのお客さまが『onewayにお願いしてよかった』と言ってくれて。やっぱりうれしいもんですね」
新しく入る人は最初の3ヶ月、石井さんとペアで現場をまわりながら仕事を覚えていく。仕事の流れは、職人や材料の手配から始まって、施工スケジュールの確認、現場での進捗確認、品質チェックまでを行う。
1年ほど経験を積んだら、徐々にB to Cの案件も担ってほしいと石井さん。
住み手の家族構成や生活スタイル、デザインの要望や機能性、予算などをヒアリングしつつ、対面やオンラインで提案を重ねていく。仕事としては営業的な側面もある。
すでに図面がある場合は、数週間程度の打ち合わせで着工することもあるけれど、お客さんのイメージが定まっていないときは、1年以上かけてじっくり提案していくこともある。
石井さんの隣でうなずきながら話を聞いているのが、設計担当の栗原さん。
新しく入る施工管理スタッフの方も、設計図の作成を依頼したり、現場の相談をしたりと関わる機会は多いと思う。

栗原さんも最近B to Cの案件に挑戦しているところ。今まさに担当している案件について教えてくれた。
そのお客さんは、隣の家とのあいだに、目隠しになるぐらい大きな壁を取り付けたいとのことだった。
「いろんなお話を聞いていくなかで、そこまでお金をかける必要はないんじゃないですかって言ったんですよね。僕だったらわざわざそこにお金かけないですって」
「そしたら、お客さまも『確かにそうよね』って考え直して。予算を抑えてメッシュフェンスだけ取り付ける方向で進んでいます」
正直に何度も話し合うからこそ、お客さんも柔軟に発想することができるし、納得する選択につながるように感じる。仕事内容は違っても、施工管理スタッフに共通する大切な根っこだと思う。

栗原さんは、大学では建築を学び、ゼネコンやホテルの内装を手がける会社で施工管理として働いていた。現場よりも数字や構造力学に関心があり、石井さんが当時所長を務めていた事務所に設計士として転職。
「ただ、本社とスムーズな連携が取れず、モチベーションは下がっていくばかりでした。今の環境で成長はむずかしいと感じていた矢先、石井が独立するって話を持ちかけてくれて。ぜひって感じでついていくことにしたんです」
以前の職場では、B to Bの仕事がほとんどで依頼どおりの図面を仕上げていくことが大切だったが、それが流れ作業のようにも感じていた。
onewayで手がけるB to Cの案件は、10枚の図面を書いても契約につながるのは1〜2件ほど。
「時間をかけて提案しても受注につながらなかったときは、やっぱり大変だなって思います。でもお客さんの意見を直接聞けるのっておもしろいですし、それが形になったときはやりがい感じますね」
最後に話を聞いたのは、事務手続きや広報をしている菅原さん。
基本リモート勤務のため、顔を合わせる機会は少ないけれど、書類手続きなど、事務的な仕事でわからないことがあれば、なんでも相談に乗ってくれる。

高校で建築インテリアを専攻し、設計関係の会社に就職。退職後は石井さん、栗原さんと同じ事務所で働き、石井さんの独立を機にonewayへ。
請求書や元請への報告書の手続き、電話対応など。ほかにもホームページやSNSで施工事例の紹介や、お客さんに提案するカタログ資料の作成も手がけている。
「たとえば、いまって機能門柱が人気なんですよ。表札、ポストのほかに宅配ボックスが一体になったタイプもあって。カタログには縦横奥行きを図と数字を載せているんですけど、それだけだとイメージしづらいんですよね。なので、2Lペットボトル何本分ってイラストも添えたりして、工夫しています」

ほかにも、郵便ポストや芝生の色味など、できるだけ写真と現物でギャップのないように、展示会などで実物を撮影して掲載している。石井さんや栗原さんと同じように、お客さんの立場に立って働いているように感じる。
「まだ始まったばかりの会社なので、体制も整えている最中です。請求書の発行なんかも本当はシステムを導入したいんですけど、お願いしている職人さんはFAXに慣れていらっしゃるので、簡単に変更できない部分もあったり」
「未経験の人ならきっと色々わからないこともあると思うので、報告、連絡、相談ができる方がいいですね。逆に私たちも新しく入社した人が、困りごと、不安なことを気軽に話せるような環境をつくりたいと思ってます」

取材の途中で、onewayらしさって何だと思いますか?と尋ねてみた。
みなさん仕事内容は違うけれど、「お客さん目線に立って考えることですかね」という返事が返ってきました。
住み手のことを考えて、お家の顔をつくりあげていく。
未経験の人にも、ぜひ挑戦してみてほしい仕事です。
(2026/07/03 取材 小菅綾香)


