コラム

あのひとのライフスタンス
SAIBOKU 笹﨑 浩一さん

ライフスタンスとは、生き方に対する姿勢や態度のこと。

「あのひとのライフスタンス」では、さまざまな企業の代表や社員の方に、ライフスタンスにまつわる3つの質問を投げかけました。

5月27日から6月13日までの3週間、1日1回、その答えをご紹介していきます。

人生に影響を与えた本や、今の仕事を選んだ理由、勝負飯など。いろいろな人のライフスタンスにふれて、自分の生き方働き方を考えるきっかけにしてみてください。

Q1.生き方働き方に影響を与えた本は?

『潜水服は蝶の夢をみる』/ジャン=ドミニック・ボービー

脳梗塞の後遺症によって身体の自由を失った著者が、唯一動かすことができた「左瞼のまばたき」によって執筆した本です。自身が置かれた環境の描写、揺れ動く感情の吐露、そして追憶。ユーモアやアイロニーを交えながら美しい文章が綴られています。 副読本としてヴィクトール・フランクルの「夜と霧」を合わせて読むと、この本の美しさは「不条理な人生に対する著者の態度」から来るものだと気づかせてくれます。生き方、働き方にどこまで影響を受けたか定かではありませんが、ひとりの人間の在り方として、彼が世界を見つめた眼差しでもって、世界と対峙できたらと願わずにはいられません。

Q2.今の仕事と、その仕事を選んでいる理由を教えてください。

今の仕事:生産、加工、販売、総務、人事、財務など会社全体を見ています。またブランディング領域、SDGs推進室、商品開発のなどの要所の責任者をしつつ、グループ4社の経営もしています。 直近の問題意識は「人」そのものです。人が活きる環境づくりや、わたしも含めた人の成長あるいは成熟に向けて会社としてどうあるべきかを考えています。

その仕事を選んでいる理由:創業者が祖父にあたります。全く別の道を歩んでいましたが2011年の東日本大震災をきっかけにサイボクに入社しました。スタッフと共に働く過程で、一次産業やモノづくりの尊さを知り、そうした仕事に従事する方たちが報われるような社会をつくりたいという思いがこの仕事を選び続ける動機になっています。 また、この仕事につかなければ「食」、「命」に向き合う機会はなかったように思います。このもっとも身近で、もっとも重要なテーマに出会えたことを有難く思っています。

Q3.勝負飯またはほっとしたいときに食べるランチは?

「のスた」細麺の塩

店主は寡黙で多くを語りません。リソースをラーメンそのものに全振りしており、店内には曰く言い難い緊張感が漂っています。一口目で脳内に「Ornette Colemanのアルトサックス」が響き渡り、二口目で「店主が積み重ねてきた時間」を体感できるラーメンです。私にとって空腹を満たす以上の意味を持った孤高のお店です。

笹﨑 浩一 株式会社サイボク代表取締役
株式会社サイボクにて、代表取締役兼グループCEOを務める。

ライフスタンスをテーマにしたイベント「Lifestance EXPO 2024(ライフスタンスエキスポ)」が6月14日〜16日の3日間、東京・品川の「THE CAMPUS」で開かれます。

ライフスタンスエキスポでは、THEやUka、銀座木村屋総本店など、さまざまな企業の企業文化を知ることができる「カルチャーパネル」を展示。

ほかにも、社員とお茶やお菓子を囲んで語らえる「茶話会」や、各社の想いの詰まった商品の販売、特別ゲストによるトークイベントなどが行われます。

いろんな企業の文化や価値観を知ることで、自分が「はたらく」上で大切にしたいことや、自分の「ライフスタンス」を考えるきっかけになるかもしれません。

いろんな生き方、働き方を伝えている日本仕事百貨も協賛企業として出展予定。あの人のライフスタンスで紹介した企業も出展します。

入場料500円で誰でも参加可能です。気になった方は、ぜひ会場に足を運んでみてください。

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