奈良市と日本仕事百貨が共同で行うサテライトオフィスプロジェクト。
日本仕事百貨のメディア上で特集ページを開設し、奈良市のいいエリアや、オフィス、物件を紹介する記事を公開しています。
2025年2月19日には、日本仕事百貨のオフィスがある清澄白河のリトルトーキョーで、トークイベント「サテライトオフィスをつくる まちの個性を活かす-奈良編-」を開催しました。
第1部のキーノートトークでは、日本仕事百貨の代表・ナカムラケンタと、今回のプロジェクトディレクターで奈良市在住の大越はじめが「サテライトオフィスとはたらき方」というテーマを掘り下げました。
第2部では、奈良市をフィールドに、サテライトオフィスをかまえる「まち」についてお話しました。
なぜサテライトオフィスが必要なのか。なぜ奈良なのか。
新しいはたらき方のヒントにもなると思います。
まずは第1部。聞き手は、日本仕事百貨の中野です。
――まずは自己紹介からお願いします。
ナカムラケンタ
日本仕事百貨という求人サイトを運営している株式会社シゴトヒト代表のナカムラケンタです。
日本仕事百貨では、必ず現地で取材をして、その仕事の大変なところも含めて、ありのままを紹介するということを大切にしています。
今夜はよろしくお願いします。
大越はじめ
こんばんは。大越はじめです。
もともと日本仕事百貨で4年ほど働いていて、2017年に奈良に移住をして、いまは編集者をしています。
――よろしくお願いします。まずはケンタさん。今回のプロジェクトに至った経緯について教えてください
ナカムラケンタ
まず僕たちが、とても奈良に興味があるんです。
わたしたちの拠点は東京の清澄白河にあるんですが、もともと関西支社を出すならどこなのかってことは考えていて。
大阪も素敵なまちだと思うんですけど、東京と同じような風景が広がっているし、京都は観光客が多そう。
奈良は、都市としての機能がありながらも、自然が豊かで、空気もいいなと思っていました。
大越はじめさん
そうですよね。
出身は奈良ではないんですけど、奈良の山が見えるとほっとします。
奈良市の真ん中には、平城宮跡があります。
まちの中心なので、開発をすればいろいろビジネスチャンスがあると思うんですけど、そこが空洞になっている。
でも、そんな余白があるからこそ内省しやすい空気があって。仕事をする場として、生活をする場として、すごくいいと思う。
ナカムラケンタ
もう一つ、僕が興味を持っている理由は、これからの可能性を感じるエリアだと思うから。
わたしたちが清澄白河に来たのは7、8年前。ブルーボトルコーヒーが来たタイミングとほぼ一緒だったんですよ。
当時は東京の東側は全然注目されてなくて、いわゆる下町だったんです。
でも、ブルーボトルコーヒーができてから、コーヒー屋さんや、焙煎所、蒸留所や醸造所がたくさんできて、素敵なレストランも増えて、今では完全にクラフトフードのまちになりました。
奈良も、おもしろい人たちが集まって、まちが変わっていくような気配を感じていて。
そんなときに、奈良市さんと縁があって今回のプロジェクトがスタートしました。
――そもそも支社を持つ意義はどんなことがあるでしょう?
ナカムラケンタ
やっぱり、直接会って話ができるというのが大きいですよね。
余談ですけど、日本仕事百貨は最初の5年ぐらい、東京仕事百貨って名乗っていたんです。すると、関西からはあまり依頼が来ない。でも、日本仕事百貨にしてから、ご依頼が増えていきました。
一緒に仕事をする上で、身近に感じられるかどうかって大事なことだと思っていて。名前を変えるだけじゃなくて、拠点をおくことで、さらに身近に感じてもらえる。そこにいるからこそ築ける関係性っていうのはあるのかなと思います。
――サテライトオフィスの具体的なイメージはありますか?
ナカムラケンタ
町屋をリノベーションして、オフィスにしたいですね。
オフィスという機能だけではなく、イベントをしたり、東京の本社から来た人が寝泊まりできるスペースがあってもいい。
そんなオルタナティブなオフィスのあり方は、会社のブランディングという面でもとてもいいと思うんです。
――コロナ以降、リモートワークが推奨されるなど働き方が変わってきていると感じます。今後のトレンドはどのような変化をしていくと思いますか?
ナカムラケンタ
昨今のニュースを見ていても、企業の姿勢として「ホワイト化」していかないと、立ち行かなくなると思ってるんですよね。
さらに、環境や社会的意義、ガバナンスといった非財務的なことが、事業に結びついてないといけない。
企業として意義のあることが求められるし、従業員の満足度も高めていく必要がある。そういう意味でも、奈良に支社を構えることは最適かなと思っていて。
奈良なら満員電車に乗らなくてもいい。なんなら呑んで帰れるし、電車に乗らないこと自体がエコロジカルでもある。
日本仕事百貨では、会社の近くに住むと家賃補助を多く出すようにしています。
つまり、歩いて通勤できることを推奨してるんです。それは、従業員が健康でいられることにつながる。奈良はそれが叶えやすい環境だなと思います。
大越はじめさん
新卒の段階で、すぐ辞めてしまう人が多くなっています。
辞める前提でとりあえず給与が高いところを選ぶ、という方も一定数いらっしゃる。
それって、会社が代替可能になっているとも言える。
そんななかで、社員にとって、ここで働きたい、この人たちと仕事したい、と思えるような、代えがたい会社になることが必要になってくるはずなんです。
その点、奈良にはまちにアーカイブがたくさんあります。
お寺がいっぱいあったりとか、もし燃えちゃったら2度と元に戻らないものの蓄積がすごくあって。まち自体が代えが利かないものであふれている。
あとは、移住したときにすごく友達をつくりやすいんですよ。
友達が全然いない状態でまちに入っても、コミュニティの入口がいくつかあって、そこから数珠つなぎで広がっていく。
それは働く人の安心感にもつながるし、そこでビジネスが生まれることもたくさんあるんです。
(文章:中野悟史)
当日の様子はYouTubeでアーカイブ視聴することができます。
〈特集ページ〉つくる?サテライトオフィス 社員も社長も会社も変わる
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