※このイベントは終了いたしました。
こんにちは。日本仕事百貨編集長の中川晃輔です。
近年、かつては一部の人に限られていた仕事が、広く一般に広まってきているように感じます。
言葉を書いて発信していくライターもそのひとつ。WebメディアやSNSなど、誰もが気軽にアクセスできる媒体が増えていることが大きな理由かもしれません。ブログの私的な文章が人の目に留まり、ライターの仕事をはじめたという知り合いもいます。
これを書いているぼく自身、根っからの「書き手」ではありませんでした。いろいろな人に出会い、話を聞いて、自分の見える世界をもっと広げたい。その延長線上に伝える手段として「書く」ことがあった。そういった感覚を、実は今でも持ち続けています。
日本仕事百貨のスタッフは、インタビューや写真撮影など、記事作成に必要なすべてのことを担当者一人ひとりが行うため、広義の編集に携わる“編集者”という肩書きを名乗っています。
聞いて、見て、感じて、風景や空気感を切り取り、文章に込める。記事作成のあらゆるプロセスをひとりで担うからこそ、さまざまな角度からその土地や人の魅力に光を当てたり、深掘りできたりする。
もしもこのプロセスを分業してしまったら、何かがこぼれ落ちてしまうような気がします。
そんな日本仕事百貨らしい「編集」のプロセスを、一緒に体験してみませんか。今回は「しごとゼミ −地域を編集するゼミ− 」の受講生を募集します。
ゼミは全3回。二箇所のフィールドにまたがって開催します。
まず第1回目は、東京・清澄白河「リトルトーキョー」での座学とワークショップ。記事の執筆や写真撮影、インタビューやデザインなど、さまざまなスキルを組み合わせることで、地域を「編集」する仕事に携わっている3名の講師を招き、学びを深めます。
講師はこちらの方々。
岩手県奥州市を拠点に、託児所を併設したカフェ「Cafe & Living UCHIDA」やWebマガジン「OSHU LIFE」の運営、岩手県紫波町の酒蔵をテーマにした冊子「ツギヒト」の制作など、さまざまな分野でデザイン・編集を手がけている川島佳輔さん。
雑誌「ソトコト」の編集や日本各地のおすすめの品を集めた物産展「ちいさな、風土展」の企画運営を経て、ANA機内誌「翼の王国」での連載など、その土地土地の魅力を軽やかに伝えている山本梓さん。
神奈川県横浜市を拠点に、暮らしの視点から絵本やアートブックなどをてがけるひとり出版社「三輪舎」の運営、地元である茨城県とともに「茨城県北クリエイティブプロジェクト」Webサイトのディレクションなどを行ってきた中岡祐介さんという3名です。
冒頭の1時間は、3名の講師の方々がどのように編集や地域に関わる仕事をはじめ、今のスタイルを築いていったのか、その過程での苦労や葛藤、醍醐味も交えながらお話を聞きます。
その後は一方的にプレゼンテーションを聞くだけでなく、ショートインタビューの実践や小グループに分かれての質疑応答など、考えたり感じたりしたことをお互いにやりとりできるような場にしたいと考えています。
そして2回目と3回目は、東京を飛び出し、茨城県日立市へ。この地でさまざまな生業を営む人たちをインタビューし、記事を書きます。
7月のはじめに事前視察ということで現地を訪ねたのですが、海の目の前で小さな宿を営むオーナー、茨城の面白い企業と若者をつなぐ人、昼はデザイナー、夜はスナックのママという2枚の名刺を持つ人など、いろんな働き方をしている方と出会いました。
「魚を捌くのが好きと見せかけて、実は包丁を研ぐ時間が一番好きな社長」や「定年後にりんご園を継いだジャズ好きな夫婦」など、こぼれ話や脇道にそれた話もこれまた面白い。
ここではそのすべてを紹介することはしません。そんな一つひとつの出会いを楽しみながら、ゼミ受講生のみなさん自身でこの土地の物語を深掘りして伝えてもらえればと思っています。
作成した記事は、日本仕事百貨編集長の中川が一つひとつ目を通してフィードバック。最終的には日本仕事百貨にコラムとして掲載します。
移住定住ポータルサイト「Re:BARAKI」や、茨城の企業の想いを伝える仕事メディア「いばしごと」など、茨城県北地域にはさまざまなメディアが存在しています。コラム作成がきっかけとなって、その後の仕事の機会も生まれるかもしれません。
東京駅から日立駅までは、特急でおよそ1時間40分。都心で働いている人であっても、週末に通うこともできる距離ですし、二拠点生活も実現しやすい地域だと思います。
今回の取り組みは「茨城県北クリエイティブプロジェクト」の一環です。編集を学ぶことはもちろん、ここで得た経験やスキルを日立市という場所で発揮するきっかけにもなればと思っています。
日本仕事百貨らしい「編集」を学びたい。活動の拠点を増やしたい。日立の人に興味がある。
そんなふうに、地域や編集に興味があって、ゆくゆくは自分の仕事や暮らしに取り入れていきたいと考えている方は、気負わずにぜひご参加ください。
記事を書くところまで実践するのは難しいけれど、講師の話を聞いたり、現地でのフィールドワークに同行したりしたい!という方は、聴講生として関わることもできます。
ひとつの記事を作成・掲載するにあたっては、何度も案を練ったり、校正を重ねたりとかなりの時間を要すると思います。ぜひ、ご自分の現状に照らし合わせて、よい関わり方を検討してもらえるとうれしいです。
この取り組みから生まれる新たな出会いを、ぼくたちも楽しみにしています。
ゼミスケジュール
第1回 10/5 (土) 17:00-21:00 @リトルトーキョー(東京・清澄白河)
3名の講師とともに、地域で編集に関わるとはどういうことかを考えていきます。一方的に話を聞くだけでなく、ショートインタビューの実践や小グループでの対話を交え、密なやりとりが生まれる場にしていきます。
第2回 11/2-3 (土日) @日立市
地域をめぐり、日立市の魅力を探ります。第1回の講師である中岡祐介さんにもお越しいただいて、取材のデモンストレーションなどを行う予定です。夜は地域の方を招いた懇親会も開きます。
ここでの経験をもとに企画を膨らませ、最終回の実践へと臨みます。
第3回 12/7-8 (土日) @日立市
いよいよ各自の実践です。3人一組に分かれ、一人ひとりがインタビューや写真撮影などすべてを行います。後日記事を作成し、校正を経て完成したコンテンツは、日本仕事百貨に掲載します。
場所
第1回 東京都江東区三好1-7-14 リトルトーキョー3階
第2回・第3回 茨城県日立市
参加費
受講生:¥32,000(税込・3回分)
聴講生:¥18,000(税込・2回分)
聴講生(学生):¥13,000(税込・2回分)
※実習生の募集受付は終了しました。聴講生は引き続き募集中です。
学生の方は5,000円の割引を適用いたします。
9/4(水)追記
※東京・清澄白河での第1回講座のみの参加枠を新たに設けました。地域でのフィールドワークやインタビュー実践には参加できないものの、地域の編集に興味があるという方はぜひご参加ください。参加費は5,000円(税込)です。
※交通宿泊費・食費は各自ご負担いただきます。ただし、第2回は東京・清澄白河から現地まで、無料バスが出ます。
※第3回は実践がメインのため、聴講生はご参加いただけません。
※参加確定後、ご入金方法をご案内いたします。
必要なもの
・ノートパソコン
・カメラ(第3回の実践において必要になります。数台のみ貸し出しも可能ですが、数に限りがあるため、なるべく持参いただけるとありがたいです)
・レコーダー(iPhoneなど、録音機能のある機器でも可)
定員
受講生:9名 聴講生:11名程度
応募者多数の場合は、エントリー内容にもとづき選考させていただきます。
募集期間
2019/8/15(木)〜2019/9/17(火)
※募集終了いたしました。
対象となる方
・日本仕事百貨らしい「編集」を学びたい方
・インタビューや写真撮影、執筆やデザインなど、複数スキルを活かしたい方
・移住に限らず、地域で拠点や仕事を増やしたいと考えている方
・日立市という土地やそこで暮らす人に興味がある方
講師
川島 佳輔(かわしま・けいすけ)
アートディレクター/編集者 1988年生まれ。東北・おもに岩手をフィールドに、グラフィックやウェブのデザインを通じて、地方をデザイン視点で豊かにする取り組みを行っている。2016年COKAGE STUDIO inc.設立。2017年岩手ADC賞受賞。同年6月にカフェと託児所Cafe&Living UCHIDAをオープンした。最近はもっぱらカフェの皿洗い。
山本 梓(やまもと・あずさ)
編集者/文章を書く人/ときどきチーママ。 1985年、東京都生まれ。雑誌の編集を経て、独立。フーテンの寅さんにあこがれている。日本各地の友人におすすめの品を手配してもらう物産展「ちいさな、風土展」や「ちいさな、風土酒場」を勝手に開催。山口県萩市や福岡県北九州市などで、ポップアップスナックのチーママとして出店。夢は、森の中のおばあちゃんラジオDJ。
【ブログ】
http://jamamotocapisa.goat.me/
中岡 祐介(なかおか・ゆうすけ)
株式会社三輪舎・代表取締役、編集者。カルチュア・コンビニエンス・クラブ㈱に8年間勤務後、子どもの誕生を機に三輪舎を2014年に開業。〈おそくて、よい本〉をモットーに出版・編集した書籍に『本を贈る』、『つなみ』、『ロンドン・ジャングルブック』。1982年生まれ、茨城県ひたちなか市出身、横浜市港北区在住。2020年は茨城で本のイベントを開催したい。
ファシリテーター
中川 晃輔(なかがわ・こうすけ)
日本仕事百貨 編集長。千葉県柏市出身。全国各地を訪ね、いろんな生き方働き方を紹介している。
インタビューで人と深く関わったり、その土地の風景や雰囲気を写真におさめたり、過ごした時間を振り返りながら記事を書いたりする「編集」のプロセスは、それを通じてその場所やそこで暮らす人に対する親しみが増していくように感じます。これは、日本仕事百貨の仕事を通じてぼく自身が実感してきたことです。みなさんと一緒に日立市でどんな時間が過ごせるか、今から楽しみにしています。
茨城県北クリエイティブプロジェクトについて
茨城県では、クリエイティブな仕事をする人たちが働く場所や時間にとらわれず、あたらしい働き方を生み出すための取り組みを進めています。
詳しくは下記Webサイトをご覧ください。