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建築をあきらめない

やっぱり、建築設計を仕事にしたい。

そう思っている人に知ってほしい会社があります。

FESCH(フェッシュ)一級建築士事務所。新築物件の建築設計や内装施工を手がける設計事務所です。

代表の安井さんは、もともと建設の現場で働いていました。本格的に設計を学びはじめたのは、30歳のとき。

「ずっとやりたくてやれなくて、無理だろうって諦めていて。でもやっと自分の仕事にできた設計は、やっぱり楽しくて仕方なかったんです」

今回は、そんな安井さんのもとで働く設計と施工管理のスタッフを募集します。設計だけ・施工管理だけではなく、両方の役割を横断していきたいという人を求めているとのこと。

いま設計を仕事にしている人はもちろん、大学で設計を学んだけれど今は設計の仕事から離れている人も。

そして何より、設計が好きという人に読んでほしいです。



よく晴れた日の午後、電車を乗り継いで千住大橋駅へと向かう。車窓からは満開の桜の木がいくつも見えて、気持ちがいい。

駅の改札を出て5分ほど歩いていくと、6階建てのビルを見つけた。FESCHの事務所はここの5階に入っている。

ガラス張りの扉を開くと、事務所スペースでは5人のスタッフが黙々と働いている。

代表の安井さんがこちらに気づいて立ち上がり、打ち合わせスペースへと案内してくれた。

レコーダーやカメラを準備する間、今日はどんな仕事をしていたのか尋ねてみる。

「今日は…午前中、とあるマンションのオーナーさんから『駐車場のモルタルが割れて困っている』って電話がかかってきて。ちょっと行ってきたところです」

えっ、安井さんが現場まで行ってきたんですか?

「そうそう。知り合いづてに『困ってるなら安井さんって人を紹介してあげるよ』って言われたみたいで(笑)水道管が破裂したとか、電球がつかなくなったとか、そういう連絡が結構くるんです」

「僕も鍵の交換くらいなら鍵代だけで交換してあげられるし。何かあったら建築事務所に頼めばなんとかしてくれるっていうのが、本来の建築士の形の一つじゃないかなあと思うんですよね」

安井さんが建築の仕事に関わり始めたのは、19歳のとき。

「高校を卒業して整備工になったんです。ただ、3ヶ月くらいで仕事を覚えて飽きちゃって。それで施工会社を経営する親戚のおじさんに誘われて行ってみたら、めちゃくちゃ面白かったんですよね」

現場の職人さんのもと、コンクリートを運んだりパーツを組み立てたり。仕事はきつかったけれど、知らないことが山ほどあってまったく飽きなかった。

「足場がとれて建物の全貌が見えたときに感動したんです。あのコーキング、俺がやった!みたいな。それで、ちゃんと建築やってみようと思って」

そうして現場監督になるべく専門学校に入り、卒業後はゼネコンに就職。

マンションなどの大きな建物も担当できるようになると、安井さんの興味はやがて設計へと向かっていった。

そこで安井さんは、一級建築士の資格をとって小さな内装設計・施工会社に転職する。設計も経験したのち、27歳で会社を立ち上げた。

「独立したら、だんだんと住宅や店舗、オフィスとか、きちんとした設計を求められる案件が増えてきて。そこで独学の限界を感じたんです」

独学の限界?

「一所懸命やってるのに、なんで建築家みたいに格好よく設計できないのかわからなかった。設計ってセンスだと思っていたから、これはキツいなって感じ始めて」

経営者として進み続けるか、一から設計を勉強するか。2つの選択肢があった。

「設計者としての自分を確かめずにいたら後悔するなって。ラストチャンスだって思って大学に入ったのが30歳のときでした」

資格も経験も意味がない。出来るか出来ないかは二の次にして、あったらいいなと思う建物を考えられるようになったとき、設計がぐんと面白くなった。

「建築って、こういう空間をつくりたい、この人がこういう風に使えるようにしたいという思いや希望がまずあって、それからどうやってつくる?って考えていくべきだったんです」

「そのことに気づいて初めて、今までの技術や経験が生かせるようになった。幅が一気に広がったんですよね」

卒業後、晴れて設計が本業になったのは34歳のとき。建築設計事務所で7年間働いてから、2014年に独立する。

「ずっと設計をやりたくて、やれなくて。でも実際に設計をやってみたら、現場監督の経験も役立った。何より自分の好きなことでもらえる給料ってめちゃくちゃうれしいんですよ」

「だから今回の募集は、設計の経験者はもちろん、施工管理しかやったことがないからと設計を諦めていた人にも来てほしくて。その経験も全然生かせるってことを伝えたいです」

FESCHでは、設計だけ担当する物件もあるし、施工管理まで担うこともある。

社内で施工管理の経験者は、安井さん一人。最近は設計の案件も増え、工事の規模も大きくなってきたので、施工管理の経験者が入ってくれると心強い。

「うちの工事はすべて自社物件だから、設計図に込めた意図まで聞くこともできる。施工管理をしながら、将来的には設計もできるようになれば面白いんじゃないかなって」

安井さんは、設計にあたって“話を聞くこと”をとても大事にしているという。

「お客さんの言葉を咀嚼して、ずっと考えて、思ってもみないより良い形があれば実現する。それが建築士だって気持ちが根底にあります」

たとえば、お客さんが『中庭がほしい』と言ったとき。

その『中庭』とは、お客さんの知っている建築言語のひとつでしかない。その言葉をどんなイメージで使ったのかを丁寧に聞いて、実感に沿った言葉が出てくるまで掘り下げていく。

「お客さんは、市街地で子どもを安全に遊ばせるために『中庭がほしい』と言ったのかもしれないし、家の中の通風を良くしたかったのかもしれない。友達の家で中庭を挟んだ子ども部屋を見て、いいなと思ったのかもしれない」

「その上で、本当は子どもが遊ぶための場所がほしいと思っているのであれば、すごく大きな天窓をつけて外とつながるような広いリビングをつくったらどうでしょうか、という提案もできるわけです」

法律、予算、構法や構造。あらゆる制約をクリアして、お客さんが本当に望む空間をつくりあげていく。

その姿勢は、現場でも同じこと。

「設計者は設計思想を練って現場に伝えることが重要だし、施工者はどのしたらその設計思想を体現できるかをサポートすることが重要。施工ができるから設計ができるのではないし、設計ができるから施工ができるわけでもなくて」

「こうしたいって理想と、現実の法律や構造を並べて練る。ここが一番面白くて、一番苦しいところなんですけどね。でもそれぞれが知恵を持ち合うことができれば、おのずと良い建築は生まれると思うんです」

安井さんの話を聞いていると、「自分の仕事はここまで」という境界がないんだな、と感じる。

そんな姿勢があるから、ほかで断られてしまった案件の相談もよく舞い込んでくるという。

どんな案件でも、知恵を絞って何度も繰り返し考える。安井さんの言うとおり、とても一筋縄ではいかない仕事だと思う。

「みんな『アイデアが出ない…』って苦しみます。でも僕もすぐに出来たわけじゃないし、ロングスパンで考えてもらえればと」

fun=楽しむこと、entertainment=楽しませること、surprise=驚かせること、challenge=チャレンジすること、hospitality=相手のことを考えること。

屋号にもなっているこの「FESCH」さえ守れれば、自由に考えていい。

それにFESCHでは裁量労働制をとっているから、時間の自由もつくりやすいと思う。

「月の3分の1しか出社できなくたって、ちゃんと仕事をしていれば何の問題もないなって。売上や人員配置から見ても、難しくはないかなって思っています。ただやる以上は責任と自由を考えて、マジの裁量労働制を目指してくれって言っていて」

「大変だと思いますよ。でも、それこそ面白いんだって思える人には合っているんじゃないかな」



そんな安井さんと一緒に働く一人が、玉城さん。

前回の日本仕事百貨での募集をきっかけに入社した方で、「緊張しています」と言いながら、じっくりと考えて話してくれた。

「大学のデザイン学部で建築を学びましたが、卒業後は建築にほとんど関係のない会社に入りました。自分はセンスがないし、考えるのは好きだけど形にできないし。建築、向いてないなって」

「でも、淡々と事務作業をこなすなかで、このまま続けていいのかなって思ってしまって」

FESCHの求人を知ったのは、そんなとき。ホームページにあった「建築はあくまで問題解決の手法の一つ」という言葉に惹かれた。

「本当の解決方法を提案していける事務所なんだと思いました。もうやらないって決めた建築だけど、試す資格があるのならもう一回頑張ってみようって思ったんです」

入社して最初に担当したのは、築48年のビルの共用部改修。右も左も分からないなか、周りの助けを得ながら図面を考えていった。

「安井さんには、年月の経った良い雰囲気のある空間を改修する意味を考えるようにとずっと言われていて」

空間を改修する意味。

「でも私は全くアイデアが浮かばなくて。試験的に天井を壊したときに、躯体が綺麗な状態だったんです。それを見て安井さんが『すごい空間発掘した!』って」

玉城さんはそのとき、天井をスケルトンにして天井高を取ることが目的だと思っていたそう。

ところが安井さんは『躯体には手を加えないで、遺跡の発掘現場のように照明を当てよう』と言い始めた。

「最初は意味がわからなかったんです。でも実際にライトアップされたとき、あっ、そうかって思って」

「今ある空間に似た雰囲気でつくることがデザインなんじゃなくて、建物の歴史を受けて、今、デザインする。建物に対するリスペクトが感じられたんです。オーナーさんもすごく喜んでいるのをみて、私は気づきが甘かったなってすごく感じました」

様々な経験を積んだものの、入社して1年経った今でも、会心の案を出せない自分がもどかしいという。理想と現実のギャップは、想像よりも大きかった。

「私はまだ、中庭をつくりたいと言われたら中庭をつくっちゃうんです。目の前の人の話をよく聞いて、自分で噛み砕いて理解しないと、いいものはつくれないんだなって思います」

「でも、そこをちゃんとできるようになれば私にも建築ができるかもしれないっていう…希望、というか」

希望。

「ここで学んだ考え方があれば、どこでもやっていけるんじゃないかって。今は本当に大変だけど、ここに来てよかったなって思うんです」

FESCHで働くことは、自分の可能性をもう一度確かめることだと思います。

きっと時間はかかるだろうし、失敗もすると思う。主体的に動く姿勢も求められます。

それでもやっぱり建築設計を仕事にしたい。そう思える人には扉が開かれていると思います。

(2019/04/05 取材 遠藤真利奈)

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