ゐ処のできるまで
2022/7/4

7月4日 月曜日

ようやく部屋も片付き、合間にふうと茶をすする時間が持てるようになった。新しい家族との暮らしや仕事にも馴染んできて、楽しむ余裕も。

食卓の窓から見える山を眺め、抜ける風に当たっていると、なんとも落ち着く。これからここが自分の家か。

滋賀での仕事先は、ゐ処にほど近い温泉宿。そこで、お客さんに朝食を出す役になった。

初出勤の日には、職場の人から「どっから越してきたん?」とか「出身はどこなん?」と話しかけてもらい、わたしが話し、その人も話し、色々な話をした。

仕事をするまでは、どんな人達が住んでいるのかも分からず、ゐ処のできる地域の輪郭すら掴めなかったけれど、一人ひとりと話して人となりを知ってゆくと、自分の存在も生き生きしてくるようだった。

だから、知らない土地で仕事をするのは面白い。

明日からは、この前梅を仕入れさせてもらった梅農家さんのとこで、1週間ほど梅干に使うシソ摘みの仕事をやらせてもらえることになった。

重たいもの持てます、軽トラ運転できます、虫平気です。スキルだとか大層なものを持ち合わせてなくとも、良い縁と身ひとつで仕事を得られる。

とても、有り難い毎日。

気を抜くと、ゐ処そっちのけでどんどん仕事を詰め込んでしまいそう。

8月には、少しでもゐ処の開業費に充てようと、病院の中の厨房で皿洗いの仕事もはじめる。皿洗い得意です。

そんなこんな、周りの人のお陰でもって、わたしは元気にやっている。

佐原 真理子ゐ処 Instagram

続きを読む>>
HOMEへ>>

『ゐ処のできるまで』は、日本仕事百貨のメールマガジンで紹介してきた『山のサハラさん』シリーズの続編。全国を旅するように働いてきた店主の佐原さんが、滋賀・永源寺で飯屋を構えるまでの日常を綴った日記です。