ゐ処のできるまで
2022/7/16
7月16日 土曜日
母校、アウトドア専門学校の同期に仕事のお誘いをもらい、滋賀から白川郷へ出稼ぎにやって来た。
茅葺き集落からは離れ、ぐんぐんと山奥へ車を走らせる。崖みたいなところに道が続き、何百メートルか下に勢いよく川が流れているのが見えると、ちょっと背中がひゅーひゅーした。
ようやく到着したのは、大きくて太いブナの森にあるキャンプ場。ここで3日間、管理人をする。

滋賀へ越してからは、より一層ゐ処のことを考え取り組んでいたけれど、そこから少しばかり頭も身体も距離を置いてみる。
出稼ぎのお供に、読みかけていた本を携えてきたから、せっかくなので開く。
伊藤 洋志 著の「イドコロをつくる」という本。(て、ゐ処のこと考える気満々)
文字を目で追ってゆくと、次第に落ち着いてくる。本を読むことは、自分とじっくり話をするようなことだなあ、それも普段は隅に在るような自分と。

気掛かりなことは、移動中や別のことをしている時に考え、何か思いついたらメモを取るくらいがちょうどいい。
ひとつを深めて考えたい時も、いっそ煮詰まらないうちに、一度ぱっと離れてしまうのが良いのかもしれない。
これからゐ処をやる自分にとっても、たまに違う環境に身を置くことや、人に会いに行くことは欠かさず大事なことと改めて思った。

本の文中にこんなことが書かれていた。
「正気を失いそうになったらまずは歩こう」
目に留まったので、ボールペンで線を引いといた。今の自分には大袈裟かもしれないが、いつぞやには必要な言葉になるかも。
さてと、帰ったらまたぼちぼちやるかあ。
『ゐ処のできるまで』は、日本仕事百貨のメールマガジンで紹介してきた『山のサハラさん』シリーズの続編。全国を旅するように働いてきた店主の佐原さんが、滋賀・永源寺で飯屋を構えるまでの日常を綴った日記です。