ゐ処のできるまで
2022/8/22
8月22日 月曜日
稲穂がぽったり垂れてきたのを見て、あちゃ〜と思うところまできた。
空の様子も秋へと変わりつつあり、トンボがわんさか飛んでいる。
ゐ処の準備の状況はというと、飲食店営業許可をとる為に保健所や消防署に相談しながら書類をつくったり、左官職人のお義父さんにつくってもらう土間のカウンターテーブルの製作がスタートしたり。
それから、飲食スペースの他にも図書室や古もの屋を設けるので、その空間をせっせとつくっているところ。

とある時、ふと作業をする手を止め頭を上げたら、外では夫が草むしりをしてくれていて、土間でお義父さんがカウンターテーブルをつくってくれている、自分が動きを止めても周りは動き続けているということが、変だけども不思議に思ったことがあった。
二十歳そこそこから、いつかは商売がやりたいと一人の頭の中で考えていたことだったことと思い返せば、感慨深く、身が引き締まるようだった。

そんな中、飯屋をやるわけなのに、この頃は手には軍手、頭には手ぬぐい姿での作業が続き、もっぱら料理をしていない。
今心配なことといったら、自分がつくる飯を人様に食べてもらって大丈夫なのかと今更思うことと、経理のこと。
でも、始めてみないことには自信も何もつかないだろうから、少しずつでも日々やってみるしかないなと開き直ってみる。
ちなみに、本オープンの目標日とした10月1日 土曜日は、カレンダーに書かれている六曜の「友引」という日だった。
どんな日なのか調べてみたら、こうあった。
「相打ち勝負なしの日のこと、つまり良いことはないが悪いこともない日のこと。また、友を引き寄せる日」

身を引き締めたかと思ったら、なんだ、肩の力が抜けた。
今まで六曜のことは全く気にしてこなかったけれど、友引の日に開業できるとはいいなと思った。
ゐ処が、様々な人にとって日常に在る場所になれたら本望。
そのために、小さく飛んで、細く長く続けていきたい。
『ゐ処のできるまで』は、日本仕事百貨のメールマガジンで紹介してきた『山のサハラさん』シリーズの続編。全国を旅するように働いてきた店主の佐原さんが、滋賀・永源寺で飯屋を構えるまでの日常を綴った日記です。