ゐ処をひらく
2022/11/7
11月7日 月曜日
おぼつかない毎日ではあるけれど、冬になる前にどうしても行きたかった場所へ行ってきた。
そこは、ゐ処をはじめる前に5シーズン働いた、八ヶ岳の山小屋。小屋番の仲間達に会いに、夫のつるちゃんと共におよそ1年ぶりの山登り。
いやあ、体力が落ちていて情けないほどに疲れた、疲れた。
挙句は、登山道の途中で、自分のザックをつるちゃんに背負ってもらう始末。

ゐ処をやっていくにも、もちろん大変なことはあるにも、良くも悪くも慣れが出てきた頃。
けれど、店を離れて山へ分け入れば、一人では無事に目的地へ辿り着けない。
それに、いくらへばったって自分の足で歩かないといつまで経っても着かないし、一歩一歩でしか進めない。
そんな当たり前のことを再訪した八ヶ岳で思い知らされ、「調子には乗ったらあかんぞ!」と言われた気がした。誰に謝ったらよいか分かりませんが、なんかもう、すみませんでした…

そんなことがあってすぐに思い返したのは、ゐ処オープン初日の朝。
左官職人のお義父さん(夫のお父さん)に、こんな話をしてもらった。
「真理子ちゃん、自分で仕事していく中で、何が一番、大変やと思う?」
「勤めてたら、会社にはルールがあって、上司が居て、出社や退社の時間も決まってる。せやけど、これから真理子ちゃんは、自分で自分のことを監督せなあかん。それが実は、難しいんや。早いとこ、自分の中に監督をつくらなあかんで」

改めて、はっとする。
お調子者の自分を、まだまだ監督しきれていないことを、下山しながら反省。
なんで山に来てこんなことを思ったのかは分からないけれど、やっぱり八ヶ岳に来れてよかったなあと思ったのだった。
さて、筋肉痛が治らないうちに帰るかな。
『ゐ処をひらく』は、日本仕事百貨のメールマガジンで紹介してきた『山のサハラさん』シリーズの続編。全国を旅するように働いてきた店主の佐原さんが、滋賀・永源寺で開業した飯屋『ゐ処』の日常を綴った日記です。