ゐ処をひらく
2023/4/24
4月24日 月曜日
この間から、鶏の雛を飼いはじめた。
きっかけは、卵の価格の高騰だったけれど、それが起こる以前から、夫が飼いたい、飼いたいと言っていたのだった。

鶏インフルエンザの関係で規制が厳しくなったのか、雛を譲ってくれるところがなかなか見つからず、だいぶ探した。ようやく見つけた先で、白いの、黒いの、顔が丸いの、青い卵を産む種類の、4羽の雛たちを家に連れて帰ってきた。
段ボールに入っていた雛を、初めて抱っこした時には驚いた。雛の身体がとても温かかったから。
血が流れているのだから当たり前だけれども、金魚しか飼ったことのなかった自分には、それが一番印象に残った。

店をひらいてからというものの、新電力の会社から「うちに乗り換えたら電気が安くなりますよ」といった営業の電話がかかってきたり、投資を勧められたりする。
それらも良いかもしれないが、ひとつ、鶏を飼うこともまた、良いものなんじゃないか。

飼っている雛はたったの4羽、鳴きはじめるまでは雄か雌かも分からないので、きっと卵はわずかしかとれない。
けれどそのわずかでも、スーパーで買う必要が無いと思うだけ、わたしは気が楽になる。
そんなことをぐちゃぐちゃ人間が考える中、鶏は只々そこに居るだけ、餌をついばんでいる。
『ゐ処をひらく』は、日本仕事百貨のメールマガジンで紹介してきた『山のサハラさん』シリーズの続編。全国を旅するように働いてきた店主の佐原さんが、滋賀・永源寺で開業した飯屋『ゐ処』をいとなむ日常を綴った日記です。