ゐ処をひらく
2023/9/3
今回の日記では、5月に北軽井沢で開催した「かこむ仕事百貨」でご一緒したときのことを書いて届けてくれました。
9月3日 日曜日
パタパタと過ごしていたら、だいぶ日が経ってしまった・・・ 夏も終わろうとしている今日、新緑の季節にひらかれた、かこむ仕事百貨を振り返る。

かこむ仕事百貨では、ゐ処として飯をこしらえに参加させていただいた。夜のおでんと、朝飯は自家製の燻製鯖茶漬けを、それぞれおよそ100食分。
初めての出店、かつ滋賀から北軽井沢への長旅付きということで、気持ちは暫しドキドキを超えていた。
開催中は、殆どの時間を厨房の中で過ごしたので、焚き火にあたっていた皆さんの表情や、声までは聞けていない。
けれど、緩んだ表情で「おでんください」と寄ってくださった方々をみて、いい時間を過ごしているに違いはなさそうだった。

わたしが新潟にあるアウトドア専門学校に通う学生だった頃。小学生の子らとキャンプで過ごした最後の夜に、キャンプファイヤーを囲んだ時のことだ。
ある男の子が、熱いくらいの火を見つめ、誰に伝えるわけでもないが、はっきりとこう呟いた。
「本当に大切なものが見える気がする」
進路を考える時、仕事を考える時、暮らしを考える時。こういった節目には、自分が何を大切にしていきたいかをよくよく考えた。
この先も続くそんな試行錯誤で今、滋賀に暮らし、夫と二人でゐ処を商っている。

まさか飯屋をやるなんて、学生だった頃には思いもしなかったけれど、悩んだりスッタモンダしていた道中で日本仕事百貨の皆さんと出会え、かこむ仕事百貨に参加させていただいたことは、とても感慨深いものだった。
10月1日、ゐ処は一周年を迎える。
またそのことも、じっくり振り返ってみたい。
『ゐ処をひらく』は、日本仕事百貨のメールマガジンで紹介してきた『山のサハラさん』シリーズの続編。全国を旅するように働いてきた店主の佐原さんが、滋賀・永源寺で開業した飯屋『ゐ処』をいとなむ日常を綴った日記です。