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魅力を引き出す

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

陽が昇ったら自分の仕事に向い、暗くなったら家に帰る。規則正しいリズムの中で自分の仕事を深めていく。

東京から北へ2時間ほど。

大きな空に広がる田園。春は桜の名所に人が賑わい、暑さの盛りには蛍が舞う茨城・常陸太田。

常陸大宮駅から車で10分ほどのところに、アンティーク家具の仕入れから、リペア、アンティーク家具を販売するネットショップ「ラフジュ工房」などの運営までを手掛けるラインジングプレナーがあります。

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実家の裏庭で古い家具を修理するところからはじまったライジングプレナー。

8年目のいま、扱う家具も3,000点を越え、スタッフのアイディアから、家具をみせるだけでなく、アンティーク家具との生活を提案・発信するコンテンツ「RAFUJU ROOM」、「RAFUJU MAG」もはじまりました。

今回は家具の仕上げをおこなうフィニッシングの仕事を紹介します。

朝9時。ライジングプレナーの一日がはじまります。

家具のリペアをおこなう工房を抜け、フィニッシングの工房へ。12人ほどのスタッフがさっそく家具磨きや、着色をはじめていました。

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話を聞いたのは、入社4年目の芳賀さんと、以前の記事をきっかけに入社した荒井さん。

アンティーク家具のフィニッシングは、どういう仕事をするのでしょうか。芳賀さんに伺います。

「リペアされた家具の汚れを落としたり、キズを消したり、家具に色づけをしています。そのあとは、ウレタン塗装を必要なものには施し、最後はワックスがけをして家具を磨いていきます。色づけや磨きを通して、家具を蘇らせる最後の行程を担っています。」

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たとえば、テーブルの天板は元の家具の色が残っているけれど、脚が新しい材料に修復されているときには、天板の色をもとに色を調合して、色を重ねていく。

「基本的に、赤っぽい茶色と、黒っぽい茶色の2色を混ぜ合わせて色をつくっていきます。作業はのんびりしていられないですが、一度で色をあわせるというよりは、薄い色を何度も重ねて、だんだんと色をあわせていきます。天板と脚の色があったときは気持ちいいですね。」

フィニッシングといってもワックスがけや着色をおこなうだけではなく、ソファの座面の張り替えやペンキ塗ったリメイクなどを手掛けたりもします。

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どうしてこの仕事をはじめようと思ったのですか?

「私は大学で工芸を勉強していました。福島出身なのですが、卒業したらこの近くに住む予定があったので、この辺りの仕事を探していました。そして、偶然この会社を見つけて。ものづくりにこだわってはいなかったんですけど、これならやってきたことも活かせるなと思って。それと時間の融通が利くところもいいなと思いました。」

「私は定時が17時になっていて。その時間にきっちり帰れるんです。家に帰って自分の制作などもしたかったのでありがたいなと思って。仕事と、自分のこととの両立ができるので、働きはじめました。」

何度もここにきて感じるのは、時間のメリハリがしっかりあるところ。ランチタイムは賑やかだけれど、いざ仕事がはじまると、雑談などもなく集中して仕事に打ち込む姿があります。

以前の募集をきっかけに働きはじめた荒井さん。ここで働く前はどういうことをされていたんですか?

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「以前は結婚式場で働いていて、パソコン業務を主にしていました。もっと体を動かしたいなと思って、そのあとは農業をしたりペンションやキャンプ場で働いていました。」

ペンションの仕事をしてからは、衣食住に関わっていきたいと思うようになっていったそう。家具が好きというところに行きつき、「家具」に絞って探す中でこの仕事と出会った。

記事やサイトを通して感じた印象と、実際ここへきてギャップなどはありましたか?

「いい意味でなかったですね。休みは少ないけど、それでも仕事がしたい人とか、仕事が好きな人を募集している、っていうのがサイトに書いてありました。休みがいらないわけではないけど、本当にそのままだなと。長く働くことを考えると、ここでなら正直に仕事していけるかなと思いました。」

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家具や民芸品に触れる機会が増えたと思います。自分の生活の中で、影響を受けたことなどはありますか。

「壊れたものを直しているというのが大本だと思うんですけど、ものについて色々と考えるようになりました。」

「服が破れちゃったら、どうやったら直るんだろうとか。家の掃除をするときも、洗剤を使うときに、なんの洗剤を使えば一発で落とせるかなとか。アルカリ性とかいろいろあるので、なんの汚れかを判断して、どの洗剤で落とすかを考えたり。そういう意味ではけっこう広がっているのかな。」

住まいは古い一軒家を借りて暮らしているという芳賀さんにも聞いてみる。

「ものを見る目が変わってきたように思います。量産品などにあまり魅力を感じないというか。もちろんそういうものが良い場面もあるんですけど。昔のもののつくりというのは、いまとは全然違うなって。良いものを通して『良い仕事』を感じます。まだ私は家具とかにはお金をかけられていないけど、これから自分の住む空間をつくるときには、良いものと一緒に暮らしたいなっていうのはあります。」

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いままでたくさんの家具を手掛けてきた中で、印象に残っているものはありますか?

「家具じゃないんですけど、恵比寿様の置物を仕上げることがあって、すごく埃まみれだったんです。これをどうにか仕上げてほしいって頼まれて。掃除して、ワックスをかけたんですけど、ワックスを全部に塗っちゃうんじゃなくて、顔の出っ張ってるところにだけささっと塗って磨き上げたら、すごく味わいがでたんです。」

「どうしたら一番よくみせられるか探り探りだったんですけど、いい仕上げができて、それがちゃんと売れていって。うれしかったですね。」

荒井さんをはじめ、家具に興味はあるけれど、家具の仕事ははじめての人がほとんどだといいます。

働きはじめて苦労したところはありましたか。

「マニュアルがないんですね。入ったときはそれがきつかったです。たとえば、ワックスをかけるのも人によってやり方が違う。いろんなやり方がある中で、自分に合うやり方を身につけていくんです。基本的なことはもちろん教えてもらえますけど、手取り足取りという感じではないです。自分の頭で考えて動ける人だといいですね。」

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あとは、「体力です。」と芳賀さん。

「ずっと動き続けているので、最初は身体中が痛くなると思います。はじめはサロンパスを身体中に貼ることになるんじゃないかな。」

家具やインテリアというと華やかに感じるけれど、重いものを運んだり体力が必要になってくる仕事。

「ものづくりというと『楽しそう』っていうイメージを持つ人が多いかも知れませんが、案外地味です。頭は使いますけど、塗って磨く。仕事の大部分は、毎日同じ作業になります。」

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色の重ね方や配合など、いってしまえば正解がない。自分で頭を使って手を動かして試して、それを何度も繰り返していく。

「高見を目指して完成度を上げようとするほど、すごく細かいことが重要になってきます。1つの家具を1人で仕上げていくので、誰かに評価されるというよりも、自分の中で『よっしゃ!できた!』って納得できるかどうか。そういう、精神的なタフさは必要かもしれないです。」

どういう人が向いていると思いますか。

「自分で工夫して、つくっていける人。自分のやり方や新しいやり方を探し出していくことに快感が持てる人ですね。あとは神経質だとちょっと厳しいかもしれないです。自分としてはこの家具をこうしたいっていうイメージはでてくると思うんですけど、家具の値段だったり、全体の方向性だったり、そのあたりは柔軟にあわせられることが求められます。」

2人はこれからやってみたいことなどはなにかありますか?

「もっと仕上げの精度をあげていきたいですね。材料の限界で、どうしてもそれに近づかないときもあるので、改良していけたらいいなと思います。家具をもとの状態に戻さなくても、いまできる一番良い状態にもっていけたら。」

千葉から常陸大宮に越してきた荒井さんはこう話します。

「私は仕事ももちろんですが、常陸大宮にもっと馴染みたいと思っていて。地域の人との交流をもっと深めたいです。ネットで探してここにたどり着いて暮らすようになって、この町が意外と好きになったので。一人暮らしをもう少し楽しく過ごせるようにしていきたいです。」

ほとんどのスタッフが車で通勤しています。2人のように住まいが変わったり、通勤の仕方が大きく変わる人もいるかと思います。

この仕事に興味のある方に伝えたいことはありますか。

「まずはやってみて欲しいというのがあります。面接後は、お互いやっていけるかどうかを試すために、一日実際に仕事を体験できるトライアルが設けられています。わたしはトライアルを通して、会社の雰囲気をよく知ることができました。その人によって何が大事かは違うと思うんですけど、ぜひ挑戦してみて欲しいです。」

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「面白いと思ったら、そこがスタートだと思います」と荒井さんは笑顔で話していました。

コツコツと一つひとつの家具に向き合い、良さを引き出していく。そんな仕事をじっくりできる環境だと思います。

メリハリを持って仕事をしていきたい人。プロの修復技術を身につけたい人。まずは一度ライジングプレナーを訪れてみてください。

(2016/2/18 吉尾萌実)