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断らない印刷加工屋

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

切れ目のたくさん入った紙を広げると、ふんわりと繊細な立体になる「空気の器」。田植えやお花見、さらにはアポロの月面着陸など様々なシーンが1/100で再現できる、小さな小さな紙模型「テラダモケイ」

雑貨屋さんやミュージアムショップで、目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

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うっとり、ワクワクするような商品を手がけているのが、福永紙工株式会社
紙の可能性を追求し続けている、印刷加工の会社です。

今回は、そんな福永紙工のものづくりを支える、企画営業を募集します。

何十年と変わらないようなパッケージの印刷や、前例のないような無理難題まで、様々な仕事があるようです。

目の前の仕事に丁寧に向き合って働きたい人。紙が、印刷が、デザインが、好きで好きでたまらない人。

ぜひ最後まで読んでください。

東京都、立川市。

駅から歩くと15分ほど。都心から離れ、ゆるやかな時間の流れる住宅街の中に、福永紙工はありました。

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入口にはトラックが横付けされて、たくさんの紙が積み上げられています。その奥にある工場からは、機械の音が聞こえてきました。

オフィスはどうやらこの工場の上。

階段をあがって、扉をあけると代表の山田さんが迎えてくれました。

「来週からはじまる展示会の準備が佳境なんです。『かみの工作所』が10周年なので、いつもより派手にやるぞ!と、気合が入ってるんですよ」

社内で作られた商品が並ぶオフィスでお話を伺いました。

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「かみの工作所」は、デザインディレクター、萩原修さんが営む「つくし文具店」との出会いから、10年前にはじまったプロジェクト。

デザイナーと一緒になって、「空気の器」など、今までになかった紙ものを生み出しています。

後日伺った展示会では「スーパー ペーパー マーケット」と題して、スーパーマーケットに模したブースを展開。

みなさん立ち止まっては、楽しそうにじっくり眺めていました。

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創業53年を迎えた福永紙工。

工場とオフィスが一緒になった、40名ほどの小さな会社です。

特に、こだわりの色でオフセット印刷をする特色印刷や、厚紙への印刷、細かな形にも対応した型抜き加工、箔押し表現や折り加工が得意なんだそう。

デザイナーさんをはじめ、日本中から絶大な支持を集めています。

「かみの工作所」をはじめとした新しい事業は、あくまで社内の仕事の半分くらい。もともとやっていた「町の印刷屋さん」としての、下請けの仕事も継続しています。

お菓子屋さんや薬屋さんなど、多摩地域で古くからお付き合いのある会社を中心に、20年以上の取引先なんて当たり前。創業当初の50年前から仕事をしている会社もあるんだとか。

「ずっと変わらないパッケージだからこそ、毎回同じ色を出せるように工程管理に気を配っています」

そう語るのは、今回募集する職種「企画営業」をしている京野さん。

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クライアントやデザイナーさんの話を聞いて、どんなものにしようか一緒に考え、実現させる仕事です。

「冬場には、紙が乾燥しすぎて不良品が多く出てしまったことがありました。納品予定日に数が間に合わないときは『次回多めにつくりますから』と交渉することもあります」

落ち着いていて、とても頼もしく感じます。

そんな京野さんが入社したのは今から10年前。

結婚を機に転職し、「かみの工作所」が始まるタイミングで福永紙工に入社。まずは現場を学ぶため、半年ほど工場で経験を積んだそうです。

「紙積みから、印刷、抜き加工や貼り加工も、一通りやりました。山田には『営業で入ったことは誰にもいうな』と言われたんです」

言ってはいけない?なぜなのでしょう。

「本気じゃないと思われて、職人たちから何も教えてもらえないんです。盗めるものは盗めっていうことでやってましたね」

「紙の扱いにも慣れたので、営業に移ってからも、デザイナーさんに重さや質感など、わかりやすく伝えられるようになりました」

昔からの取引先である、封筒や名刺の会社を2年ほど担当。そこで一般的な工程管理を学んだあと、かみの工作所から派生したお客様の担当になります。

リピート製品と新しい製品では、求めているものの違いに驚いたそう。

「新しいお客様は、時間がかかってもいいから、どうしてもこれをつくりたい!というニーズが多かったんです。金額、納期、クオリティー、どれが一番大事なのかを、まず最初にお聞きして、相談しながら進めていきます」

現場を経験していたからこそ、お客様の思いもわかるんだとか。

紙製の名刺入れをつくったときには、こんなエピソードも。

「機械を通すためには、どうしてもこれくらいの大きさは必要ですよ、という最低限の紙のサイズがあるんです。だからこれくらい小さいと、1枚の紙に1面でつくるよりは、4面取ったほうが効率的ですね、といったアドバイスもできました」

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そんな京野さんの下で働くのが高橋さん。

日本仕事百貨の記事を読んで転職を決意したそう。もうすぐ入社してから2年になります。

「前職が大阪だったので、ダメもとで土曜日に面接をしていただけませんか?と聞いたら快く良いと言ってくれて。会社が休みの日なのに、社長と常務が出てきてくれました」

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大阪では印刷会社で営業をしていた高橋さん。納期や他社との競争に追われる毎日。仕上がりを確認できないまま、仕事が右から左へと流れていきました。

「自分で手配した印刷物が、いつの間にか納品されているのが、なんだかすごく寂しくて。知らないところで、ものが出来上がっていくことがショックだったんです」

ここだったら、自分がやりたいものづくりができるかもしれない。

そんな想いで福永紙工にやってきました。

企画営業の仕事は、京野さんが窓口になり、担当に割り振っています。

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高橋さんはデザイナーさんとの新しい仕事が多いそう。

「パッケージをつくるのは、前職でやっていたような、規格サイズのある冊子印刷とは違って。形も大きさも、毎回お題が違うので、一つ一つ考えて、現場の人に相談しています」

印象に残っている仕事を見せてもらいました。

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大分県立美術館のオープンに合わせたお菓子のパッケージなんだそう。パールの印刷が上品な光沢を放っています。

「普段は家具をつくっているデザイナーさんだったので、発想が自由で。かなりの無茶振りをされましたね(笑)」

「全部特色でやりたいんですけど、という相談をされて。予算が大変なことになっちゃいますよ、と説明したんです」

一般的に使用されているインクでは出せない色を表現するために使用されるのが「特色インク」。

きれいな色は出せるけど、その分価格は高くついてしまうことも。

どうしたら価格を抑えながら色を再現できるんだろう。

職人さんと試行錯誤し、一般的なインクで求めている色になるべく近い色を再現しよう、ということに。

パールの部分だけは特色を使う事でイメージに近いものになりました。

「印刷現場も、こういう難しい案件があると燃えるみたいです(笑)」

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「私だけだったら、すべて特色でやらなくちゃ、と思い込んでいたかもしれないです。でも『できないものはできないけど、じゃあこういうふうに工夫しよう。これだったらできるよ』と現場から言ってもらえると、本当に心強いですね」

最初から「できない」ということは簡単。でもそこで終わらせないチャレンジ精神こそが、福永紙工の最大の武器なのかも。

オフィスと工場が近いから、気軽に相談することが出来るんですね。

「でもタイミングが大事なんです」

タイミング?

「みなさん職人なので、『今、印刷機回してて忙しいから後にして』って言われて落ち込んだりして(笑)仕事が落ち着いた夕方を狙って話しかけています」

そして案件ごとに最適なものを考えて、デザイナーさんやクライアントさんと、職人さんをつなぐ。

まるで相手が言葉にできないことまで補える通訳のよう。

実際に工場を見せてもらいました。

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積み上げられた紙、インクの香り、機械の音、働く職人さんたちの姿。

あの商品はここでつくられていたのか。なんだか胸がいっぱいになりました。

この仕事には、どんな人が合っているのでしょうか?

山田さんに聞いてみました。

「たとえば今、印刷会社にいるけど、窮屈さを感じていて、くすぶっている営業さん。必死でやっても値段勝負になってしまったり。本当は実力も感性もあるのに、活かしきれていないような人っていると思うんです」

「そんな状況でも、やっぱり『紙や印刷、デザインが好き』っていう思いで働いている人。そんな人に届いたらいいな」

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やっぱり一番大切なのは、好きという気持ち。

「発注から納品まで、最後まで見届けられるのは、やっぱり幸せですよ。縦に入れるか横に入れるか、発送用のダンボールへの入れ方まで指定してね(笑)」

「普通の印刷会社にいたら、もらうのはクレームくらい。でもここでなら『この間の印刷、お客さんにすごく褒めてもらったよ』なんて言ってもらえて。達成感や充実感は非常にありますね」

今では、「どこに頼んでもダメだった。でも福永紙工さんならできると思って」なんて全国から声をかけてもらうそう。

まるで紙ものの駆け込み寺。

「難しい仕事は全部こっちに回ってきて(笑)」

すごく大変なんだけどね、なんて嬉しそうに話してくれます。

同じ品質ものを何十年もつくり続ける仕事から、出来るかどうかわからない、0から1を生み出す仕事まで。

結果だけ聞けば、なんだか華やかなイメージもある。でもそのほとんどは地道な苦労の積み重ね。

柔軟に、目の前の仕事に丁寧に向き合える人だったら、自分次第で可能性はどこまでも広がるはず。

山田さんは「みんな、自分が福永紙工の社長だと思って行動してくれ」と社員さんたちに話しているそう。

いろんな仕事がやってきます。一つ一つ向き合うことは大変です。でも責任をもって納得いくまでできると思います。

クライアントさん、デザイナーさんと職人さんをつないで、印刷加工の未来を一緒につくってみませんか?

(2016/6/15 今井夕華)

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