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地方で働くきっかけの4ヶ月
スキルや技術を学びながら、
地方創生の第一線で働く

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「地方って、自分の座標をすごく持てる場所だと思うんです。自分ができることを見つければ、社会やコミュニティに必要とされて居場所ができる。そのきっかけとして、このスクールで過ごす5ヶ月間を使ってほしいですね」

そう話すのは、あわえの代表・吉田さん。

株式会社あわえは、「日本の地方をもっと元気に 地方の力で日本を元気に」を掛け声に、地方へのサテライトオフィス誘致のコンサルティングや人材育成など、さまざまな取り組みを行っている会社です。

そんなあわえが、過去4期にわたって主催してきた“クリエイターズスクール”。

海も山も渓流も美しい徳島県の港町を舞台に、写真や映像の撮影・編集、ライティングといった技術を学んだのち、OJT形式であわえの仕事に携わる研修事業です。

大浜海岸

今回はスクールの第5期生として、5ヶ月間のスクールに参加する人を募集します。希望すれば、スクール終了後もそのまま働くことができるそうです。



徳島空港から車を走らせること1時間半ほど。

山の中の道路を走るうちに、遠くに海が見えてくる。あわえのある美波町は、ウミガメも産卵にくる美しい海が自慢の小さな漁師町だ。

町の細い路地をゆっくり進んでいくと、あわえのオフィス「初音湯」が見えてくる。

明治時代に建てられた銭湯をリノベーションしたオフィス。こちらでまず、代表取締役の吉田さんにお話を聞く。

もともと美波町出身の方。あわえを含めて2つの会社を経営していて、全国を行き来する毎日だそう。

吉田さんがあわえを設立したのは2013年。それまでは東京で立ち上げた「サイファー・テック」という情報セキュリティソフトを開発・販売する会社をメインに働いていた。

「ただ、東京ではたくさんの会社に埋もれて優秀なエンジニアが全く採用できない。ほとんどの会社と同じく、人材面で一番苦労していました」

転機となったのは、サテライトオフィスをこの町につくったこと。海も山も川も近く、サーフィンやキャンプを楽しみながら働きたい人を採用しようとはじめたこの取り組みが、大当たりする。

「まだ地方創生という言葉もない時期でした。そんな課題解決の選択肢が過疎地にあるなんて、どの本にも書いていない。想像できなかったことが起きたんですよね」

地域にも変化が生まれはじめる。若い社員が地元のお祭りで責任者を務めたり、地元の中学校でITの授業をしたりすることで、町も活気づいていった。

MCS3_秋祭り参加_2016

「これって、地方にとっても企業にとってもすごくハッピーなことなんじゃないかって。地方×企業の掛け算が生み出す可能性はすごく大きい。美波だけじゃなく、世の中に広めていこうとあわえをつくりました」

以来、あわえは「日本の地方をもっと元気に 地方の力で日本を元気に」をテーマに、全国の自治体に対するサテライトオフィスの誘致コンサルティングをはじめとして、広く地方創生に取り組んでいる。

今回募集するクリエイターズスクールも、地域に入り込んで魅力を掘り起こし、情報として発信する人材を育てようとはじまったもの。

卒業生の進路はさまざまで、あわえに残る人、全国各地の地域コーディネーターや移住サポーターとして働く人、ローカルメディアに入った人もいる。

「地方で働きたい、ソーシャルやパブリックの領域に入りたい。動機はなんでもいいと思うんです。そういう人たちが足を踏み入れる最初のきっかけになれたらと思っています」

スクールではまず、地方創生やプロモーションについて学び、写真や動画、ライティングや編集の技術を習得する。

「僕たちは知識と技術を教えます。ただ、その技術はあくまで手段でしかないと思っていて」

手段でしかない?

「大事なのは、自分で色々なところに足を運んで、ここにはこんないいものがあると気づけること。技術はその表現方法に過ぎません。自分がいいな、と思うものに気づく能力がすべてのスタートになると思っています」

過去のスクールでは、地元の消防団を取材してプロモーションビデオをつくったり、地域ブランディングのための冊子をつくったりしたそう。

そしてスクールの後半では、サテライトオフィス誘致や美波町の広報など、OJT形式であわえの実務に携わってゆく。

「こんな四国の果ての会社に、全国、それに海外からも人が来て一緒に仕事をしている。このマーケットはすごく大きいということを、仕事を通じて知ってほしい」

そして、美波に暮らす人たちと話す時間も大切にしてほしいという。

「美波は今、いろんな想定外が起こっている町なんです。たとえばサテライトオフィスで都会からやってきたWeb会社が共同でカフェを開いたり。どんどん人口が減る過疎の町で、ですよ」

「常識からすると信じられないことが起こる町です。一人ひとりが面白い。この町に暮らす人たちと話せば、新しいものの見方に触れられる。美波でスクールを開く意味ですね」

きっと地域に入り込んで生活することになるから、とても忙しい毎日になると思う。それにスクールといっても、スキルアップを保証するようなものでは決してない。

「たった5ヶ月で、立派な人材になんてなれないんです。だからパブリックやローカル、ソーシャルの領域での生き方や働き方の基礎をしっかりと身につける、はじまりの時間にしてほしい」

「5ヶ月は長いようであっという間。でも地方で働く最初のきっかけとしては、十分な土俵はあると思っています」



今回スクールの講師となるのは、あわえの社員の皆さん。

この日お話を聞いた社員の齊藤さんは、カメラ撮影を教えてくれる予定。写真集を出版したり、個展を開いた経験も持つ方だ。

「技術的なことはもちろん、一番肝心なのはどれだけ地域の中に入り込めるか。カメラを持ってどんどん町へ出てもらいたいです」

技術の習得は難しくない。カメラを持って町を回る中で、まずは地域の人に顔を覚えてもらうことを目標にしてほしいそう。

「何度も足を運んで関係性をつくれれば、ふとした表情や地元の人しか知らない景色を見せてもらえる。相手に響く深い写真を撮れると思います」

きれいな写真を撮ることよりも、「この地域と深いつながりをつくれた」と言えるような関係性をつくってほしいと齊藤さん。

「技術を目当てに来ることもできると思うんですけど、それだけの関係性で終わってしまうのはもったいないかな。地域に入り込んで生活するってどういうことなのかを学ぶ時間にしてほしいですね」



続いて、第4期の卒業生とも話してみる。

現在あわえの広報として働く彌野(やの)さんは、前回の記事を見て応募を決めた方だ。

「撮影やライティングを学べるのが面白そうだなって。地方創生とかビジョンよりも、これならわたしもできそうっていう気持ちで応募したんですよ(笑)」

はじめの2ヶ月は、カメラ撮影・編集やillustratorの使い方、ライティングといった座学を受けながら、課題をこなしていった。

その集大成としてつくったのが「yoridori」という冊子だ。

これは「odori」という町内の産直レストランに食材を卸す生産者たちの特集冊子で、完成したものはレストランのお客さんの手に渡ることになる。

彌野さんたちスクール生は、プロのライター同行のもとそれぞれの職場を訪ね、4時間ほどかけて取材。写真と文章で人となりを紹介していった。

「誤植がないか怖かったですけど、完成したときはほっとしましたね。文章だけ、写真だけじゃなくて、一つの冊子として完成まですべて学べたのは大きかったです」

そうして基礎技術を学んだあとは、OJT形式であわえの実務にシフトしていく。彌野さんはスクールで学んだことを生かしつつ、美波町の広報をはじめとした仕事をしたそう。

「本当に目の前のこと一つひとつに必死で。先輩たちと自分の間に大きなスキルの差があって、自分に対する苛立ちも感じました。でも今は、逆にその期間があって良かったです」

「小さな仕事ひとつでも、あわえはどんなアプローチの仕方をしているか、その裏にはどんな考えがあるかを見せてもらっていたなって。地方で働く心構えをつくってもらった気がしています」



遊亀(ゆうき)さんも、同じく4期生の一人。今はあわえの営業企画補佐として、サテライトオフィス誘致のコンサルティングなどをしている。

もともと美波町出身の方。大阪の大学を卒業してそのまま銀行の営業として働いていたものの、いつか地元に帰りたいという気持ちはずっと持っていたそう。

「夏に地元に帰ったら、町の叩き上げの人間がやるはずの祭りの責任者を、全然知らない人がやっていたんですよ。外から来た人が責任者になるなんて、今までありえなかった。本当の意味で大きな変化が起きていると感じました」

「その責任者がサテライトオフィスの社員と知って、調べてみるとあわえという会社がサテライトオフィスを含めて町おこしに取り組んでいる。しかも人材募集をしている。地元でこんな面白いことが起きようとしているチャンスを逃したら、二度と帰れないと思って連絡しました」

遊亀さんは、スクールの中でもOJT期間での学びが大きかったそう。

たとえば、と教えてもらったのが昨年末に開催したイベント。行政からの「サテライトオフィスを地元の人に身近に感じてもらえるイベントを開いてほしい」という依頼を担当した。

「上司の確認を取りながら、企画の立案から開催まで丸ごと自分で進めていきました。大人向けに説明会を開いても誰も来ないだろうから、子ども向けのイベント、それも親に『今日こんな人が学校に来てね』って伝えてくれるようなものにしようと」

相談先のサテライトオフィスは、IoTを扱う会社。発信器に近づくと音が鳴る技術を利用して、鬼ごっこをしようという案が生まれた。

「一度も企画書をつくったことがなかったので、社内にある資料を参考にしながら手探りでつくって。行政や学校にも折衝しに行って、開催までこぎつけました」

「銀行の営業は、やることがシンプルだったように感じます。地方で働いていると、今回は町内会長にも話しておこうとか、田舎独自の気遣いやバランス感覚も求められる。同じ営業でも全然違うんやなって思いますね」

今は、県内を含めて全国に足を運ぶ日々。この仕事をどう思っているだろう。

「うーん… 僕のやっている仕事って、同じ仕事をしている人がほとんどいないんですよね。本当に自分という人間が求められているって感じられる仕事だと思います」

「暮らしの面でいうと、休日に祭りの関係で集まったりして結構忙しいですよ。僕は皆の顔が見れて楽しいですけど、それが苦だったら過ごしづらい。ほかの世代との関わりはすごく多いので、都会とは全然違います。それも楽しめる人がいいと思いますね」

ただスキルを学ぶだけでなく、町に住む人たちとつながりながら地方の第一線で働く機会はなかなかないかもしれません。

地方をフィールドに働くということが選択肢の一つになる。そんなきっかけの5ヶ月になりそうです。

(2018/7/9 取材 遠藤真利奈)

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