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ともに働く、ともに生きる

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「なにをしていると充実しているか、楽しいのかっていうのはほかの人とは違うはずで。自分の感覚、自分のものさしがわかると、どう生きるか選べるし自由だと思うんです」

株式会社モノサスは、Webのマーケティングと制作を事業の中心にしている会社です。

代表の林さんが話してくれたのは、Web制作のことというより、生き方のこと。いつも会社のメンバーのこと、働くことや生きることについて考えている方なんだと思います。

今回はモノサスが運営する「神山ものさす塾」の4期生を募集することになりました。4ヶ月間徳島の神山という山間の町で生活をしながら、Webのディレクター、エンジニアとして仕事ができるように知識や技術を身につけていきます。

より自分らしく生きることを考えてみたい人には、いい機会だと思います。

  

モノサスの本社があるのは東京・代々木の静かな住宅街。

中庭には緑が茂っていて、会社っぽくない感じ。扉を開けると、PCに向かって黙々と作業するスタッフの姿が目に入る。

「前回の取材はもう1年も前になるんだね。よろしくお願いします」

代表の林さんは徳島の神山町やタイにある拠点を行き来していて、直接会ってゆっくり話を聞かせてもらうのはたしかに久しぶり。

「ここ最近、会社のビジョンを明確にしてこなかったんです。大切さはわかっているものの、出せなかった。メンバーを対等な人間と考えたときに、価値観を与えるって僕のなかで馴染まなかったんですよ」

モノサスでは1年半ほど前からフルフレックス制度を導入。社員は出勤する時間や曜日が会社から指定されていない分、どんなふうに仕事をするかを自分で決めて働いている。

給料をもらう権利のために義務として働く関係から、自由を行使して行動に責任をとる関係へ。

林さんは一緒に働くメンバーが、どうしたらより自分の時間を生きていけるかを考え、制度や会社との関わり方を試行錯誤し続けている。

「組織に関わる個人をよくしていきたいんです。会社や社会から与えられた価値観ではなくて、自分が何をして生きていると充実するのか。自分のものさしがわかれば、自分で選んでいくことができるんです」

自分がなにをしていると幸せなのか、どう生きていきたいかを考える。

そう話しているうちに、徳島や山口に移住したり、マイプロジェクトをはじめる社員が出てくるようになった。結果、モノサスの事業は少しずつ広がってきている。

「会社を必要とする人って、会社から必要とされることをやろうとするんです。それだけだと、実は会社はよくならない。求められてもいないことをしていかないと、会社って発展していかないんですよ」

「だから最近は、会社がなくても生きていけるような人と働きたいと思って。今回の神山ものさす塾では、そんな人たちに育ってほしいんです」

会社がなくても生きていける人。

それは自分で食べていけるだけのスキルを身につけること、そのマインドを身につけるということでもある。

「お互いに対等な関係でいたいから、社員がやりたいことをやってほしい。でもやっぱりビジネス的に大丈夫なのかとか、気になって言っちゃうじゃないですか。会社がなくても大丈夫な人であれば、こちらも無責任でいられるし、自由にやってもらえるって思うようになったんです」

自分で生きていけるスキルやマインドを身に着けていく。そうすると、みんな独立してしまうような気もする。

そんな人たちが、あえてモノサスに所属しているのはなぜだろう。

「モノサスをいかに良質なフィールドにしていくかっていうことだと思います。フィールドっていろいろな要素で構成されているもので。その場所の空気みたいなものかな。まだまだ、これからつくっていくところですけどね」

仕事や所属する組織を選ぶとき、給料や勤務地などの条件ももちろん大切なこと。

モノサスの人たちはそれ以上に、社内や社外にどんな人たちがいるか。だれとともに働くか、生きていくかを考えている人が多いように感じる。

お互いに依存せず、あえてここに居ることを選ぶ。

良質なフィールドも、会社から与えられるものというより、そこにいる人たちでつくっていくものだと思う。

「50人や100人くらいの規模だったら、実は自分の一挙手一投足が組織全体に影響を及ぼせるし、実際に及ぼしている。みんな会社に関われることに気づいていないんですよね」

「たとえば普段の仕草とか態度とか、ちょっとしたことが、実は組織や自分のまわりのコミュニティをよくする。そういう意識を持ってもらえるといいなと思ってます」

この話を横でうなずきながら聞いていたのが、神山ものさす塾の塾長を務める伊藤さん。

「うちの会社って仕事人として成立している、独立してもやっていけるようなデザイナーやディレクターが何人もいるんですよ。彼らと一緒だと、いいクオリティの仕事ができるんです」

「阿吽の呼吸というか、お互いに尊重しあえる。それがよりよい仕事を生み出す土台であり、僕がこの会社に所属し続ける理由なんだって、話を聞きながら気が付きました」

伊藤さんはこれまで、スキルが上がるごとにいろいろな会社を転々としてきた人。ここ8年ほどはモノサスに腰を据えていて、今はマイプロジェクトとして教育に関わる仕事をつくっている。

今回の神山ものさす塾も伊藤さんが企画して、社内で交渉を続けたことで開催が決まったそうだ。

前回3期生として時間をすごした人たちは9人中7人がモノサスに入社、引き続き一緒に働くことになった。

「半年間で、どの会社でもweb制作できるよう最低限必要なスキルを身につけてもらいました。それでもモノサスを選んでくれるっていうのは、やっぱりうれしいですよね」

「それでも塾の中で教えられること、身につけられることって本当に限られているんですよ。なにが一番大事かって、勉強し続けるスタンスや周りに対する好奇心。そのためにも、神山で開催する意味があると思っています」

徳島県神山町は、まわりを山に囲まれた川沿いの田舎町。

ここにはアーティストやクリエイター、自分で事業をはじめる人など、さまざまな人が移住している。モノサスもここにサテライトオフィスを構えていたり、フードハブ・プロジェクトという農業や食に関わるプロジェクトにも大きく関わっている。

もともと住んでいる地元の方とも関わることが多く、さまざまな暮らしや価値観に出会う機会がある。

「3期生はこれまでで一番好き勝手なやつが集まってきて、喧嘩ばっかりしてました。それでも仕事になるとすごく力を発揮する。あの半年で、僕が彼らにたくさんのことを教えてもらいましたね」

  

3期生代表として話を聞かせてくれたのが門脇さん。そのままモノサスに入社、今は東京でコーダーとして働いている。

大学を卒業して航空会社に就職。いわゆる順当なルートをたどってきたんだそう。

「前職は大きな会社だったこともあって、個人がいかに組織に溶け込むかが重要視されていました。組織にあわせて自分を形成していくっていうことに違和感を感じるようになって」

そんなときに目にしたのが、日本仕事百貨で紹介していた神山ものさす塾のこと。

「最初はめちゃくちゃ不安でした。お金をもらって勉強できて、全然知らない土地に行く。正直、ちょっと怪しいかもって。それでもやってみるしかないって応募したんです」

塾の期間中はWeb制作の基礎から実践まで、伊藤さんによるスパルタな指導が続いた。

「勉強も大変でしたが、暮らしも濃密でした。最初から本気で関わろうって雰囲気があったので、塾生同士、言いたいことを言い合っていましたね」

最初の1ヶ月は全員で共同生活、その後は自分たちで家を探して生活をしていた。

たとえばシェアしていた車の使い方など、小さなことから大きなことまで、山ほど喧嘩をしたんだそう。

「喧嘩するほど仲がいいというか。大人になってからこんなにも濃厚な、兄弟みたいな友達ができることって、そんなにないと思います。本当に素直な態度でいられるので、とても大切な人たちです」

塾の卒業が近づいてくると、それぞれが次の進路を考えるようになる。

これまでの卒業生には別の会社でWebに関わる人もいれば、神山に残ってカフェを開いた人もいる。

門脇さんは最初、大学時代を過ごした京都に行こうと考えていたそうだ。

「父親がシステムエンジニアをしていて、この先どうしようかと相談したんです。そうしたら横で聞いていたお母さんが『あんた舐めとったらあかんで』ってめっちゃ怒られて。未経験で育ててくれた人たちを大切にしなさいって」

「今、Webの仕事はすごく楽しいです。私の手でものをつくっていくことに、私の存在意義がある気がして。会社のみなさんも、個人をすごく尊重して仕事を振ってくれます。自分のことを温めてくれている感じがして、うれしいんです」

  

モノサスに残ることは決めたものの、東京ではなくタイにいったメンバーもいる。

諸戸さんは早い段階から、タイの拠点で働くことを決めていたそうだ。

「前は映像制作の仕事をしていました。神山ものさす塾はWebの知識とか技術を学ぶ場だと思っていたんです。実際にはそっちよりも常に人間性を問われているような時間でしたね」

1ヶ月の共同生活が終わったあとの家さがし。諸戸さんは人づてにお願いをして、古い旅館の一室に下宿させてもらうことになった。

「ふつうは不動産屋に行けば、紹介してくれるじゃないですか。そういうプロセスじゃなくて、自分で人をつなげて、生活に必要なものを自分で獲得していくというか。下宿先のお父さんとお母さんにも、本当の家族みたいに接してもらいました」

卒業制作では自分からディレクターに手を挙げたという諸戸さん。

意見を出し合いながら、対等な関係でものづくりをしていく過程では、やっぱり喧嘩が耐えなかったそう。

「最後にはすごくいいものができました。結局は人と人のコミュニケーションがいかにとれているか。それで最終的に仕事の質も決まってくるんだと知りました。だれと働くか、どんなふうに関わるかで仕事も変わってくるんだって」

タイでは現地のスタッフや日本にいるメンバーとコミュニケーションを取りながら仕事をする日々。言語や生活のトラブルなど大変なことも、なんだかんだ楽しんでいるそうだ。

  

ともに働き、ともに生きる。

自分がどんなフィールドで生きていくのか、まずは自分のものさしをじっくり見つめてみるのもいいと思います。

モノサスのWebサイトを覗くと、ここがどんなフィールドなのかを感じることができますよ。

(2018/6/8 取材 中嶋希実)

※7月11日現在、サーバー障害につきモノサスのWebサイトが閲覧できない状態になっています。近日中に復旧するそうなので、どんなWebサイトなのかを楽しみにお待ちください。
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