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どんな仕事をして、どこに住んで、なにを食べるのか。私たちは日々、いろんなことを選択しています。
でもその選択肢って、本当に自由に選べるだけの幅があるんだろうか。
どう働いて、生きていくのか。
その選択肢を広げるために、徳島県神山町でWeb制作の技術を身につける塾が今年もはじまります。

どんなふうに生きていくのか、本気で考えて実験している人たち。
Webの制作会社というよりも、この言葉のほうがモノサスを紹介するのに似合っているような気がします。
今回はモノサスが運営する「神山ものさす塾」の参加者を募集します。まずは半年間、給料をもらいながらWeb制作の技術を学び、フロントエンドエンジニアになることを目指します。
Webの仕事をしているけれど環境に納得できていない人、経験がないけれど興味がある人は、選択肢の1つとして考えてみてください。
東京・代々木の静かな住宅街。ここにモノサスのオフィスがある。
DIYでつくってきたオフィスで、まずは代表の林さんに話を聞かせてもらう。

「毎回いろいろな挑戦をしています。3回目の今回は、今のモノサスに必要な人。フロントエンドエンジニアとして活躍できる人を育てます」
これまでの1期、2期ともに開催場所は徳島の神山町。Webの技術を身につけるのであれば、わざわざ田舎に行かなくてもできるような気がします。
「ものさす塾に行ってみようと思う人って、少なからず人生を変えようとしているんです」
「ただ仕事のスキルを訓練しても、実は人生そんなに変わらないんじゃないかって思うんですよ。神山という田舎で生活をすることで、お金だけがあっても本当の意味で幸せになれないっていうことを経験できるんです」
神山は徳島市から車で1時間ほど。周りを山で囲まれたふつうの田舎に見えるこの町には、アーティストやクリエイターなど世界中から移住者が集まっていて、さまざまな価値観を持つ人と出会うことができる。

林さん曰く、Web制作をクリエイターとして続けていくとき、一部の有名人をのぞけば年収が頭打ちになる時期がやってくるという。
この中でより幸せに生きていくためには、収入を上げることばかりではなく、お金の使い方を考える必要がある。使い方がうまくなれば、それほどお金が必要ではなくなるかもしれない。
モノサスには東京のほかにも大阪や山口、神山、そしてタイにも拠点があり、さまざまな働き方と暮らし方をしている人がいる。
たとえば神山では月に3万円もあれば一軒家に住むこともできる。働く場所の選択肢があるということは、家賃や食費など、使うお金も自分で決めることができるということ。
自分にとってどんな状況が幸せなのか。自分の「ものさし」を持てるようになれば、日々の選択も自分らしくなっていく。

モノサスでは今年の1月から、勤務時間を全員フルフレックス制度に移行。働く曜日や時間もスタッフそれぞれが考えて、自分で決めることができるようにした。
「給料をもらうという権利のために、働く義務を果たす。会社のために義務感をもって働くうちは、自分の幸せのものさしを見つけようがないんだって気がついたんです。義務と権利から、自由と責任の関係に移行しているところです」
働く時間を自由に決められる分、ちゃんと働くという責任を果たす。
制度を変えたことで出てきた課題もたくさんあるそう。みんな試行錯誤しながら制度を自分なりに使おうとしている様子。
結果として就業時間が変わらなくても、それが与えられたものではなくて、自分で選んで決めたことだから、納得感も生まれる。
「前より自分のスタイルが表面に出ている人が多くなったように感じます。自分はこんなふうに働くんだって、ちゃんと考えているってことだと思いますよ」
そう話してくれたのは、神山ものさす塾3期の塾長を務める伊藤さん。

「制作者として生きていくものだと思っていたんですが、ここではリーダーや部長という役割でマネジメントをする機会を用意してもらいました。制作者の視点のほかにも、組織の在り方や一緒に働く人との関係が自分にとってものすごく刺激的でしたね」
社内で働いているスタッフには、未経験で働きはじめた人も多い。経験の浅いメンバーたちに教える経験をするうちに、教育というテーマに興味を持つようになった。
「教え方を工夫しながら、相手が成長していくことに達成感があるんです。業界的にも人材不足と言われている中で、教育という側面に力を入れていくことが必要だと感じています」

どんな半年間になるんでしょう。
「現場でバリバリ働けるエンジニアを育てることを1つの目標にしています。自分自身で働き方を選択できるだけの技術を身に着けてもらいたいと思っています」
自分で働き方を選択する。
「うちの会社にもいろんな人がいるように、Webの仕事って時間や場所を選ばずにできることが多いんですよね。だから本来であれば、自分でこういう生き方をしたいんだ!っていう理想を実践することもできるはずなんです」
組織や環境によって働き方は変わってくる。自分で選ぶために、まずは見合った能力や技術が必要になってくるそうだ。
「今この業界でフロントエンドのエンジニアが不足しています。専門用語で言うと、JavaScriptとPHPがかけて、バックエンドもある程度理解している。ちゃんとついてきてもらえれば、この半年でそこまでできるような内容にはするつもりです」
まだ知識や経験が足りないと思う人には、いい機会になると思う。最初は基礎的なことも教えるので、覚悟があれば未経験でも参加できる。
「Webの仕事はやっぱり楽しいって思ってもらえるように。人生が変わる、っていう言い方は大げさな気もするけど、やっぱり変わると思いますよ」
伊藤さんはたのしく話をしてくれる一方で、指導者としては厳しい一面も見せるそう。
1期に参加して伊藤さんの厳しい指導を受けていたという、小宮山さんにも話を聞かせてもらう。
前職は映像をつくる仕事をしていた方で、塾を卒業してから東京のオフィスでコーダーとして働いて、1年が経った。

「映像は一直線に内容が進んでいくんです。でもWebって、ユーザーが自分で選んで、いろいろなところに動けるじゃないですか。そういう部分が可能性というか、おもしろいなと思いました」
まったくの未経験で飛び込んだから、大変なこともたくさんあった。授業が終わってからも復習をしないと追いつかないような時期もあったそうだ。
「コーダーってタグを打っていくので、文字と戦うような感覚があって。もともとタイピングが遅かったので、まずはそこからでした」
「教えてもらってつくったものが、すぐ形になって動きだす。Web上でできることを自分で広げられるのがすごく魅力的で。モノサスでつくり手としてやっていこうと思いました」

「うちの部署はみんな仕事が好きなんです。同じコーディングでもいろいろなジャンルがあって、ディレクション寄りだったり制作側だったり、それぞれ得意な部分があるんですよ」
「いい意味でマニアっぽいというか。僕はなんでしょうね… 設計するのが好きなので、システムマニアですかね(笑)」
コーディングファクトリーに限らず、モノサスにいる人はそれぞれの個性が生きた働き方をしているように思う。
毎日更新されるホームページにもその雰囲気がにじんでいて、つくっている人の存在が感じられる。

半年間を過ごす神山での生活について話をしてくれたのは、2期生として入った羽賀さん。
今は東京のオフィスで、プランナーの見習いとして働いています。

直感を信じて知らない世界に飛び込んだ羽賀さん。神山で過ごす半年間は、新鮮なことの連続だった。
「最初にびっくりしたのは、家を探すところからはじまったことですね(笑)同期と一緒に標高600メートルのところにある、周りは杉の木しかないような家を借りました」
「町の人から猪の捌き方を教わったり、コンポストを手づくりしたり。本当にはじめて経験することばかりでした。家の周りに食べきれないほどなっていた柚子をお祭りで販売したんですが、町民のみなさんに本当にたくさん助けてもらいました」

「学んで暮らして、それぞれが自分で考えて、進んでいく道を選択する過程をともに過ごしました。それが僕にとって一番刺激を受けたことかもしれません」
「まだまだ何かできるわけではないんですけど、塾でお世話になったモノサスの人たちと一緒に働いてみて、選んでよかったなって思ってます」
自分の生き方を、自分で選ぶ。
モノサスでその選択をすることにいい予感がしたら、まずは会いにいってみてください。
(2017/5/18 中嶋希実)