求人 NEW

地球に足をつけて
ともに生きる
おいしい物流倉庫

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

自分の仕事や働き方を探すとき、「なにをするか」から考える人は多いと思う。

今回の取材を通して感じたのは、どう生きていきたいかを想像するところからはじめてみるのもいいかもしれないということ。

株式会社がいあプロジェクト(以降、GAIA)は、御茶ノ水と代々木上原でGAIAという自然食品店を切り盛りする会社。神奈川・伊勢原に倉庫をかまえ、オンラインショップGAIAネットの運営もしています。

今回募集するのは、GAIAネットの倉庫で発送業務や事務を担当する人。

倉庫で働いている人たちは、日々の仕事に淡々と取り組んでいます。これからは地域に根付いていくために、マルシェや加工品づくりに取り組むことも考え中。

週末は仲間と一緒に畑を耕したり、生産者を訪ねたりすることもあるかもしれません。

地に足をつけて、ともに生きる仲間を募集します。
  

新宿から小田急線に乗って1時間。町田、海老名を通り過ぎ、伊勢原という駅で降りる。

バスで20分ほど揺られると、渋いバス停と紅葉した山が出迎えてくれた。

時間はちょうどお昼どき。

バス停の目の前にあるGAIAのカフェスペースには代わるがわるにスタッフがやってきて、まかないを食べている。

今日の献立は銀杏のサラダと黒豆納豆。大根と煮た鶏は、週末に自分たちで絞めたものなんだそう。

毎日まかないをつくっているのは、代表の清水さん。

「自分はつくるのが好きだから。つくってるときがものすごく楽しいわけ。こんな天気のいい日にさ、大根洗ってさ。干すっていっても立てかけるだけなんだけど、その瞬間が好きなんだよね」

お気に入りのスペースだというウッドデッキで話を聞かせてくれることに。するすると言葉が出てきて、まるで落語を聞いているかのよう。

「小さいころから生き物をとって食べるのが好きで。どじょうを食べたりしてたね。実家が米屋なんだけど、裏の顔でラブホテルもやってて。商売人のせがれとして育ったの」

将来は百姓になろうと考えていた清水さん。ある日雑誌でGAIAがオープンしたという記事を目にして、惹かれるものがあった。

「本当にかっこいい店だったの。入ったらもんぺ着たお姉さんがいてさ、ほぼなんにも売ってないのよ。野菜と古着と本がちょっと並んでてさ」

「平飼いのたまごが1個50円。それにイラスト付きのかわいいPOPがついてるのよ。50円のたまごを売るのにそこまでするのかって、商売人の息子だから気になっちゃって。すごいかっこよかったんだよね」

どうにか週1日アルバイトをさせてもらうことになった清水さん。

しばらくして立ち退きが決まってしまい、次の場所を探して手続きをしているうちに、いつの間にか代表になってしまったんだそう。

「たまたまなっちゃったのよ、26歳のときに。借金もあったから、商売しないとと思って一生懸命働いてきたよね。人とは違うことをやって、唯一無二の自然食品店にしようと思ってさ」

御茶ノ水でも代々木上原でも、それぞれ町に暮らす人に合わせた商売を考え、続けてきた。

中心になっているのは無農薬で育った野菜やオーガニック食品、環境に配慮してつくられた雑貨など。

飲食店を運営したり、ほかにはないものを仕入れてきたり。不動産屋をやろうと考えたこともあったんだとか。

「自分たちはモアベターショップだって言い方をしてるんだけどね。少しでも、よりよいものを売っていると」

「自然食品店ってお金を稼がなくてもいいっていう風潮があるのよ。僕はこの業界でも稼ごうと思ってやってきたよね。でも今、自然食品店は変わらないとやっていけない時期にきてると思うよ」

食べるものや身に着けるものに関心を持つ人は増えてきている。大手スーパーがオーガニック食品の専門店をはじめたり、コンビニで無農薬野菜を目にしたりすることもある。

「すごくいいことだと思うよ。自然食品店ってさ、スナック的なのよ。店主がお客さんと話して、あんたのところで買うしかないわねって。そうやって個人に吸引力があるお店は生き残るんだよね。チェーン店以外はそうしないとやっていけないと思うんだよ」

GAIAネットがはじまったのはとても自然な流れだったそう。今ではほかの自然食品店や飲食店への卸しが9割を占めていて、売上も大きくなってきた。

「僕、もう2年後には社長辞めるって言ってるんです。社長は交代する。自分の人生これだけじゃないって思って。もちろん完全に離れるわけじゃなくて、関わり続けるんだけど」

「大きく変わってきている物流業界のこの先のことは、僕の頭だと考えきれなくて。一回り下の人間にバトンタッチします。この仕事は大好きで自分のこととしてやってきたんだけど、もっといろいろやってみたいじゃない」

楽しみながらも、とにかく一生懸命にやってきた24年間。

その先のことは決めているんですか?

「料理の学校に通って、ちゃんと勉強したいなっていうのはあるよね。加工所をつくって、地域のおばちゃんたちと栗餡のもなかをつくるのもやりたい。やっぱりものをつくるのは好きなんだよね」

会社の事業としてやるのか、個人で仕事をつくるのか。興味を持ってくれるスタッフと週末にはじめることもあるかもしれない。

「しっかり働いて、休みの日には一緒に畑とか果樹園をやりたいよね。ときどき農家のところに行ったりするんだけどさ、やっぱりかっこいいんだよ、つくる人ってさ」
  

清水さんから代表のバトンを受け取るのは、取締役の佐々木さん。

ふだんは事務所スペースで商品の仕入れや管理、問い合わせなどを担当している。

5人の子どものお母さんで、柔らかい雰囲気がありながらテキパキと仕事を進めていくのが印象的。

大手のシステム会社で働きながらGAIAに外部スタッフとして関わるようになり、1年後に転職をしたそう。

大きな会社から転職することに、不安はなかったんですか。

「なにをするにも時間がかかることがすごく嫌だったんですよね。ここは清水までの距離が近いし、判断も早い。気持ちがいいなと思って。最初は本屋を任せられて、わからないことばかりでしたけどね」
  

会社にとっても佐々木さんにとっても、大きな転機となったのは2011年の震災。

「当時の事務所は東京のど真ん中で、帰るにも帰れない。そんなときに限ってものすごく注文が来るんです。自分もどうしたらいいかわからなくて。人間のいろんな感覚が麻痺しちゃってるんだと気がつきました」

「周りに自然があれば、水は山に汲みに行けるし、次の日に太陽が昇れば自分でどうにかすることができるのにって。土のものも扱っているのに、地に足がついていないんじゃないかと思ったんです」

縁があった伊勢原の土地。

周りは山に囲まれていて、夜には星がきれいに見える。なにより空気が気持ちいい。

「7年経って、ようやく感覚がつかめてきたところです。倉庫業を自分たちでやることも、地元の人たちとの関係も」

佐々木さんはすぐ近くに家を購入し、この集落で暮らしている。

田舎に住んだことはなかったから、近所の方との距離感をつかむには時間も必要だった。

「こういう人間関係もあるんだなって、住んでみないとわからないこともありました。話を聞いていると、ここは歴史もあっておもしろい土地なんですよ」

「この先のGAIAを考えていくときに、地域に根づくことを大切にしてきたいと思っているんです。ローカルベンチャーじゃないけど、地域と関係をつくっていきたいなって」

具体的に考えていることのひとつが、週末にマルシェを開催すること。これまでも年に1度は開催してきたけれど、より気軽に立ち寄れる場所にしていきたいと考えている。

慣れない仕事でもあるので、あたらしく仲間に加わる人にも積極的に関わってもらいたい。

清水さんと同じように、仕事だけの関係というよりも、一緒に畑を耕すことも楽しんでくれる人がいたらいいな、と話してくれた。

従業員を募集するというよりも、一緒に生きていく仲間を探しているように聞こえる。
  

次に話を聞かせてくれたのは、倉庫で荷受けとピッキングの担当をしている武田さん。

佐々木さんと同じ時期に入社して、12年前からGAIAで働いている方。

それまでは2、3年で仕事を転々とする生活をしていたそう。

「派遣で紹介されたところで働いていました。扱っているものに興味を持てなかったり、一緒に働いている人に心を開いたりできなくて。周りは華やかな人たちなのに、自分だけくすんでいるというか。なんか違うなって」

ある時期働いていた職場の近くにGAIAがあって、なんとなく立ち寄っていたそう。それから6年ほどして、次の転職先を考えているときにふと頭に浮かんだのがGAIAだった。

「昔から社長がごはんをつくってくれて、ほかのスタッフと他愛もない話をしながら食べていたんですよね」

「なかには環境とかに詳しい人もいて。私は詳しくないまま入ったけど、それでも誰も気にしないんですよ。自分がくすんでるかどうかなんて、関係ないんだっていうか」

事務所を伊勢原に移転することになったのは、仕事をはじめて5年ほど経ったころ。

仕事のために住む場所を変えるのは、これまでの仕事では考えられないことだったそう。

「みんな優しくて、真面目に働く人が多いんです。やっと居心地のいい場所が見つかった感じがしたんですよね」

「いそがしくて帰るのが遅くなることもあります。大変ですが、おいしいごはんに釣られているところがあるかもしれませんね」

スタッフによってはヴィーガンを徹底している人もいるけれど、武田さん自身はそこまでストイックな食生活をしているわけではないそう。

「買うものをよく見るようにはなりました。どこにお金を落とすのか、考えるようになったというか」

清水さんや佐々木さんに誘われて、休日を使って生産者に会いに行くこともある。

山梨でびわ葉エキスをつくっている方の工房を訪れたときのこと。1人でびわの葉を1枚1枚ていねいに乾かして、焼酎をにつける作業をしていることが印象的だった。

「こういう暮らしをしている人がいるんだなって。全部は真似できないけど、自分なりに取り入れられるヒントがあって。以前と比べたら、安心して生きていけるようになったのかもしれません」

ふだんの仕事についても教えてください。

「発送業者さんが来る時間が決まっているので、それまでに荷物をまとめていきます。考えていることの8割は間違えないように。あとは効率を考えて淡々とこなしてゆく作業がほとんどです」

そう話しているあいだにも、次々とトラックが出入りをしている。大量の荷物をさばくために、どうしたら効率がよくなるかを常に考えて行動しているそうだ。

「自然食品と聞くと、ふんわりした感じを想像するかもしれません。でも体力があって、テキパキした人に向いている仕事です。整理整頓が得意な方なら、きっと小さな喜びを見つけながら働けると思います。基本的にほがらかで、正直な人たちが集まっていますから」
  

ここで生きていくことにいい予感がしたら、清水さんたちに会いに行ってみてください。

ほがらかなみなさんと、おいしいごはんが迎えてくれると思います。

(2018/12/27 取材 中嶋希実)

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