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【西粟倉10の生き方:その3】
一本の丸太を余すところなく
山と人の力を活かす工場

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

工場の収益が上がるほど、山が豊かになる。

「株式会社西粟倉・森の学校」で働く意義は、自分の収入を得ることだけではありません。

間伐材を使って内装材をつくったり、生産過程で出た端材を鰻の養殖のボイラー燃料に活用したり。この会社の経済活動は森の循環を促し、豊かに育てていくことにつながっています。

今回募集するのは、その生産の現場をまとめる管理職と、加工を担当するスタッフ。

パートさんを含めると、スタッフの過半数が女性。山の資源を活かす工場は、地元のお母さんたちの力を活かす職場でもありました。



岡山県・西粟倉村。2010年の工場立ち上げから運営に携わってきた、森の学校副社長の門倉さんに話を聞く。

「森の学校では、西粟倉村をはじめ岡山県、鳥取県、兵庫県から間伐材の仕入れて、内装材や家具をつくっています。ただ内装といっても、間伐材は節が多いから、それを避けていると2mのフローリング材はとりにくくて」

そこで考えられたのが50cm四方の「ユカハリ・タイル」という製品。裏面にゴムシートが付いていて、床に置くだけで使用できる。

賃貸の家でも気軽に無垢材の風合いを楽しめるので、好評なのだとか。

実際に製品の加工をしている現場を見せてもらう。

森の学校の工場で働いているのは、約6割が女性スタッフ。子育てをしている人も多く、運動会の日は工場を動かせないほど。

初心者のお母さんたちも安心して扱えるように、機械はメーカーと相談しながらオリジナルで開発したもの。

機械の刃がむき出しにならないようにカバーをつけたり、載せるものの重さによって高さが変わる台を取り入れたり。

作業に対する不安や身体への負担など、日々の小さなストレスにつながらないよう配慮されている。

「木材の仕事は一般的には男性の職場で、女性はサポート的な役回りになることが多い。僕はそれを逆にしたかった。うちでつくる床材は、上をストッキングで歩いても破れないとか、赤ちゃんがハイハイをしても痛くないとか、そういう女性の感覚を大切にしていて」

前職では、電子部品の工場で生産管理を経験してきた門倉さん。

今の仕事をはじめるときも、一番に意識したのは人が働く環境を整えることだった。

なかでもトイレや休憩室は、気持ち良く仕事に向かうために大切な場所。そういう部分を優先して工場をつくってきたので、事務所が一番最後にできたのだそう。

間伐材を利用することで地域の森を守り、さらにお母さんたちが子育てをしながら働ける生活リズムをつくる。

一人ひとりが安全に効率的に働けるように、門倉さんは業務の改善を続けてきた。

「マネジメントって数字だけじゃない。たとえば、木を触っているスタッフのためにハンドクリームを用意してみよう、とか。そういう思いやりが、事故を減らして収益やクオリティを安定させることにつながっていくんじゃないかと思います」

まわりとのコミュニケーションを大切にしながら、チームをまとめていく気持ちがこの仕事には欠かせない。

「最初から木材に詳しくなくていいんです。まずは一緒に働く人たちに興味を持って、いろんな部署に顔を出す。チームとしての力を強化できるのは、そういう人だと思います」



今、森の学校で働くスタッフの平均年齢は38歳。流通や営業など管理職の仕事も、若い世代が中心に担っている。

そのひとりが流通部長の西岡さん。これから生産部門の管理を担う人にとっては、仕入れや加工などで連携しながら現場をつくっていく仲間になる。

「入ったときは機械も何もない、がらんどうの工場だったしね。本当に右も左もわからないところからのスタートだったんですよ。僕らは木材加工なので、よく『スギもヒノキもわからない』って言うんですけど(笑)」

森の学校は当初、間伐材を加工するための工場として発足した。内装材をはじめ、割り箸の生産にも取り組み、そこから、今の生産体制が定着するまでにはいろいろな試行錯誤があった。

「今では、内装材を取り扱ってくれるお客さんも増え、『ユカハリ・タイル』というヒット商品も生まれました。これからの10年は、各部署の連携を強化して、さらに間伐材の可能性を上げていくことに挑戦するときだと思うんです」

少しずつ培われたノウハウを活かすだけでなく、新しく入る人も自分で何かを探すような気持ちを大切にしてほしいと、西岡さんは言う。

「こういう人に来てほしいっていうのは、僕らが押し付けるものでもないし。働きながら自分で目標を見つけるほうが、結果につながると思うんです。この会社のいいところは、そうやって自分で居場所を探せる自由さだと思う」

新しく入る人は、主に生産管理の仕事を担うことになるけど、会社にはほかにもいろんな仕事がある。

お客さんと話をしてOEMの注文を受けてくる営業や、仕入れを担う流通。工場に入れば、今まさに加工されている素材に、いつでも触れられる。

ほかにも、県の内外から参加者を募り、林業や木材加工の現場を視察できるツアーも企画している。生産に関わることだけでなく、都市部の消費者とどうつながっていくかという視点もあるといい。

丸太から製品の販売まで全部が見られる会社だからこそ、新しい自分の役割を見つけるためのヒントはたくさんあると思う。

「割り箸から内装材、燃料資源まで、いろんな形のものをつくってきて。どれもこの村のものを生かして新しい価値をつくるっていう目的は一緒なんです。新しく入る人もその視点から、自分で枝葉を伸ばせる方向を考えたらいいと思います」

自分たちの働くモチベーションが、山の資源に変わっていく。

この会社の人たちが前向きで明るくいられる理由は、とても明快に感じました。

(2019/2/8 取材 高橋佑香子)

※株式会社西粟倉・森の学校も参加する、西粟倉村内の企業の合同説明会「小さな村のしごとフェス」が3/21に、大阪・心斎橋のW CAFEで開催されます。

日本仕事百貨では、イベントに参加する9つの企業を紹介しています。いろんな仕事があるので、西粟倉のことが気になったら、まずは読んでみてください。

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