求人 NEW

マイペースな人びとと
商店街のような会社
自分の生業Xに出会うまち

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「うちのスタッフはみんなちょっと引きこもりで…(笑)」

グリーンノートレーベルで働く人たちは、口を揃えてそう言う。

まちづくりの会社なのに、引きこもり?ちょっと意外な組み合わせでおもしろい。

港町の景観が美しい富山県射水市に拠点を持つこの会社では、カフェやホテルなどの「場」を企画開発して、社内のスタッフがそれぞれの店主として運営しています。

だから事務所でデスクを並べて仕事するより、それぞれの拠点で働く時間のほうが長くなる。

それぞれが自分のペースで、仕事に向き合う。引きこもりというのはある意味、自分の仕事に熱中している状態なのだと思います。

自分の「場」を盛り上げることで、まちに賑わいを生む。まちづくりに「プレーヤー」として関わりながら場づくりをプロデュースする会社です。

今回募集している職種はふたつ。ひとつは、新しくできた「水辺の民家ホテル」のマネージャー。もうひとつは、建築や空間デザインを伴うプロジェクトのディレクターやプロデューサーを目指すアシスタントディレクター(AD)です。



高岡駅から、ゆっくり走る万葉線に乗って30分ほど。新湊のまちに着いたのは夕方だった。

道路の真ん中で大胆に眠る猫を横目に、通りをテクテク歩く。のどかだなあ…、と夏の日差しに少しぼんやりしながら路地を抜けると、突然映画のワンシーンのような景色が広がった。

小さな漁船が浮かぶ川、街を映す水面、時折つないである漁船が風に揺れてギッギッと音を立てる。

今日宿泊させてもらうのは、その景色を眺めながら過ごせる、「水辺の民家ホテル カモメとウミネコ」。新しく入る人の仕事場になるところだ。

漁師さんが住んでいた古民家をリノベーションした一棟貸しの宿。

大きな梁や、二階のベッドルームへと続く階段には古材の味わいが感じられる一方で、道具の揃ったキッチンや、ホーローのゆったりした浴槽付きのお風呂は使い勝手がいい。現代の住宅での生活に慣れている人や、海外からのお客さんも、きっと安心して過ごせる。



一夜明けて会いに行ったのは、グリーンノートレーベルの代表・明石さん。

明石さんは広島で生まれ育ち、美術大学でプロダクトデザインを学ぶ。その後、東京でまちづくりのコンサルタントの仕事をしていた。もっと「プレーヤーとして」地域に関わりたいと、このまちに拠点を移したのは2010年のこと。

今は射水市だけでなく、富山、氷見や高岡などの県西部にエリアを広げている。

古い町家やビルをリノベーションして、まちの価値を高めるのが会社のミッション。空間デザインやインテリアコーディネート、そこで展開する事業の経営計画やブランディングまでプロデュースしている。

「何かやってみたいんだけど…、っていう漠然とした相談でも気軽に応じて、ゼロから一緒にプロジェクトをつくり出すこともあります」

クライアントワークとしての「場」づくりのほか、5人いる社員のうち4人が、カフェやホテル、移住支援拠点やコワーキングスペースなど、自社で企画開発した「場」の運営を自ら担っている。

「それぞれの場のディレクターが後任を育て、今度はプロデューサーとして次のプロジェクトを担当してもらうのが、会社の成長イメージなんです。ただ、ひとつの『場』を実際に経営するのは大変なことで、思うようにやりたいことを加速させるのは難しくて」

「さらに言えば、拠点のひとつcafé uchikawa六角堂の館長の北原くんは、六角堂が好きらしくて家に帰らないんですよ(笑)。『場』を自分の城のように感じてくれるなら、それはそれでいいことだから、僕からあんまりこうじゃなきゃだめだっていうことは言いません」

たしかに、会社から与えられた役割というより、「自分の店」という意識でいるほうが、主体的に取り組めて楽しそう。

そうやって自分で自分の適性や能力に気づいてほしいというのは、代表の明石さんの願いでもある。

「僕は業界経験より好きになれることのほうが大事だと思うんです。目の前の仕事に熱中できる人であれば、建築を知らないとか、デザインソフトが使えないとかはまったく問題ないと思います」

「まちづくりや、空間デザインに興味があるけど、何を目指したらいいかわからないっていう感じでちょうどいい。好奇心があって、いつもキョロキョロ何かを探しているような。そういう人が『どうやら、自分で何かに気づいたらしい』って感じた瞬間が、僕は好きなんですよ」

アシスタントディレクターとして働く人は、新規事業が生まれたときのディレクター候補でもある。今は想像もつかないような、自分の生業が見つかる可能性も大きい。

「仕事を通じて、自分の好きなことがはっきり見えるようになってくれたら、僕もうれしいです」



まさにそんな働き方をしてきたのが、新卒でアシスタントディレクターとして入社し、この春から水辺の民家ホテルのマネージャーになった西田さん。

西田さんは、大学時代に学んでいたものづくりの道へキャリアチェンジを考えているそう。新しく入る2人は、その仕事を分担しながら、徐々に引き継いでいくことになる。

「ホテルの仕事は、まだ全部が出来上がっているわけではなくて。広報とか、雪の降る季節の対応とか、これからアレンジしていく部分もたくさんあるんです」

「日々の仕事は1日2組限定だから、スピード感よりも丁寧さのほうが大切かな。お客さんが何を求めているのか、立ち止まって考えてみるような。今日は家族連れが宿泊されるからちょっとベッドを近づけておこうとか、そういう気遣いが生かせる場所だと思います」

グリーンノートレーベルでは、今後「水辺の民家ホテル」のように、古民家をリノベーションしたホテルをシリーズとして展開していく。

ホテルのマネージャーになる人は、予約管理や接客、掃除など日々の業務と並行して、新しい拠点の企画にも携わる。

銀行の融資を得るためのプレゼン資料をつくったり、備品のアメニティや食器を選んだり、掃除の順序やチェックイン作業などのオペレーションを考えたり。ホテルの開業準備は多岐にわたる。

「みんなそれぞれ離れた拠点にいるので、わからないことは自分で調べるっていうことが多いかもしれません。間違えたらちゃんとダメなところを社長が教えてくれるから、まずはやってみるっていう感じで」

自分の拠点を持つホテルの仕事と、アシスタントディレクターとしていろんな拠点を回る仕事、両方経験してみてどうでしたか。

「やっぱり自分の『場』があるっていうのはうれしいですね。ADの場合は毎日それぞれの拠点の業務をちょっとずつやるので、いろんな人と出会って自分の人脈が広がっていく実感はありました」



ADとして働く人にとっては、日々の仕事の現場にもなる各拠点。少しかけ足ではありますが、そのメンバーを紹介します。

まずは明石さんの話にも出たカフェ、六角堂の北原さん。

「僕は5年前に日本仕事百貨の記事を見て入社したんですけど、いい意味でも悪い意味でも、そのころの六角堂ではなくなってきたと思います」

六角堂にはもともと「スタッフは男性のみ」「サンドイッチ専門店」など、そこで過ごす時間を特別なものにするための独特なコンセプトがあった。

北原さんはそのコンセプトを少しずつ多様化しながら、3代目の店長としてお店の再スタートに取り組んできた。

オーガニックの食材を使うという基本ルールは尊重しながら、新たにディナーメニューをはじめたり、国産クラフトビールを生で提供できるようにサーバーを導入したり。

新しい挑戦に、社内の反応はどうでしたか?

「最初、明石は少し難色を示してましたけど、ちゃんと実績を出したら理解してくれるし、もとからちょっと友達みたいに感じるところもあって話はしやすかったです。ほかのスタッフも、上下とか横の関係というより、違う拠点を任されている店主としてお互いの判断や仕事をリスペクトしあっている感じがします」

会社がひとつの商店街で、そこにいろんなお店の主人がいるみたいな感じですね。

「あ!それは近いかもしれないです。役割やミッションは違うけど、協力して盛り上げていこうみたいな感じはありますし」



民家ホテルとカフェ六角堂は徒歩圏内にあるけれど、ほか2つの拠点は別のまちにある。行政区分としてのひとつの「まち」での活動ではなく、飛び地的にそのコミュニティが広がっているというのもおもしろい。

次にお会いしたのは、氷見市IJU応援センター「みらいエンジン」で、氷見市の魅力を発信したり、移住希望者に暮らしや仕事の情報を届けたりする仕事をしている藤田さん。

「移住支援の仕事って、がんばったぶんだけ自分の友達が増えるのがいいなと思うんです」

まちづくりというより、友達づくりなんですね。

「そうそう。僕は本当に自分のためにこの仕事をやっています(笑)。結局まちづくりには正解がないし、自分がやりたいことを表現するエネルギーで、まち自体が盛り上がっていけばいいと思っていて」

「うちの会社での働き方にも、マニュアルとか正解はないから、自分で考えることは多いですよ。だから、はじめてでよく分からないことも楽しむくらいのつもりでいたほうがいいかもしれない」



最後に紹介するのは、高岡市の拠点・コワーキングプレイスCOMSYOKUで働く大坪さん。

「もともと僕は藤田のいる氷見の拠点の担当だったんですけど、こっちの企画ができて担当が変わって。氷見が楽しくなってきたころだったので、最初はちょっと『マジかよ〜』って思いましたけど、今は楽しいですよ」

射水市で生まれ育ち、Uターンで入社した大坪さん。昨年から任されることになったこのコワーキングスペースを、同じような仲間が「帰ってこられる場所」にしたいという。

「僕は18歳のときに『何もない』のがいやで富山を出て。いざ都会に出てみたら、地元のいいところもちゃんと見えるようになった。いまだに全部が好きなわけではないですけど、嫌いになりきれないからこの仕事をしているんですよね」

同じ思いを抱えて都会で働いている人が、地元でも自分らしく働けると思ってもらえるように。

たとえば、起業という選択肢に関心を持ってもらうためのスクールを開催したり、それぞれの特技を活かして働けるように地元の人とつないだり。

ワークスペースとして開放するだけでなく、イベントなどを通じて関わりを生み出す企画をあたためているという。

拠点をひとりで任されるということ。

プレッシャーももちろんあるだろうけど、自分でやっているという実感はきっと前に進むエネルギーになると思う。

「ADとして入る人も、いつかは自分の場を持つことになると思います。というか、いろんな拠点を見ていたら、たぶん自分でやりたいってなると思いますよ。僕自身がそうだったので」

ここにいる自分が楽しく過ごすために。自分のペースで仕事ができるからこそ、熱量を保っていける。

仕事を楽しむプレーヤーたちの、「場」づくりはまだまだ続きます。

(2019/7/23 取材 高橋佑香子)

※9月27日(金)には、グリーンノートレーベル株式会社の明石さんをゲストに、しごとバー「ぼくの秘密基地ナイト」を開催します。応募を考えている人も、そうでない人も、遊びに来て下さい。

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