求人 NEW

トウメイの船に乗り
ものづくり好きたちは
どこを目指す?

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「ぱぱぱぱぁ〜ん」

思わず脱力するようなセリフとともに、カプセルが飛び出す。コンセプトは、購入者と会話するIoTガチャマシン。

えぇ〜?なんだこれ!(笑)

驚きと、笑いと、もう一回やらせて!という気持ちがないまぜになりながら、開発・製作を手がけた吉田さんを見ると、ニヤリと笑っている。

自分の頭で発想したアイデアを、自分の手で形にして、リアクションも直接感じる。

今回紹介するのは、そんなものづくりの楽しさを全部味わえる仕事。

百貨店の什器から、かわいらしい雑貨、IOTガチャマシンの企画、製造まで、アクリルなどの樹脂素材を使ってできることを幅広く形にしてきた株式会社益基樹脂(ますきじゅし)。

東京駅のそばに新しくできるお店で働く人をはじめ、卸や製造、IOTガチャマシンの企画・製造を行う子会社「つつう株式会社」の仕事など、いくつかの職種でスタッフを募集しています。

いろんなチャンスがある会社だと思うので、何かピンとくるところがあったらアクションを起こしてみてください。


JR御徒町駅と秋葉原駅をつなぐ高架下にある「2k540」は、ユニークなものづくりのお店が集まるストリート。

御徒町寄りの一角に、益基樹脂の直営店「トウメイ」がある。新しく入る人は、東京駅近くのお店ができるまで、ここで働きながら仕事を覚えていく。

こぢんまりとした店内には、アクセサリーやステーショナリーなど、小さなグッズがたくさん。

いろいろ目移りしてしまいそうな空間で迎えてくれたのが店長の河瀬さん。

お店では、もう一人のスタッフの方が商品の袋詰め作業をしている。

「ピアスのチェーンをつけたり、箸置きの箔押しをしたり、接客以外のちょっとした制作の作業をすることもあります」

お店には金箔を圧着するための機械が置いてある。熱で圧着するので、専用のグローブをつけ、箸置きやコースターに模様をつけていくのだそう。

花や自然をモチーフにした図案。アクリルという素材のせいか、日本の伝統的な文様のようでいてどこか身近な存在感がある。

ガラスよりも軽く、扱いやすい。色や模様を重ねて楽しめるのも、アクリルならでは。

「花の写真をプリントしたものは母の日などのギフトに人気です。最近は結婚式の引き出物にしたいっていう相談を受けることもあるんですよ」

そんなニーズに応えて、来月にはお店の向かいに益基樹脂のショールームを兼ねた店舗が新たにできるという。打ち合わせなど、お客さんとより深いコミュニケーションがとれるようになる。

埼玉に本社を構える益基樹脂。東京には小さな工房付きのオフィスと販売の店舗があり、企画から試作、量産、販売までを一貫して行えるのが、この会社の強み。

「規模が小さいので、現場間の距離も近い。お店から出た意見がすぐに企画に反映されるのはいいところだなと思います。先日も、日報に書いたお客さんの声がきっかけで、名刺入れの部品を改善することになって」

「マニュアルがしっかりあるわけではないので、新しく入る人も、一緒にお店をつくっていくことを楽しめるといいなと思います。売ることよりも、商品を知ってもらうような気持ちで。あと欲を言うと、英語ができるとうれしいです…!」

たしかに、東京駅近くだったら英語も活かせる機会も多そう。


河瀬さんとそんな話をしながら、お店から歩いてすぐのところにある東京オフィスへ。

ビルの8階にあるオフィスにデスクを置いているスタッフは全部で7人。ビルの屋上にあるミーティングルームで、代表の吉田崇さんに話を聞かせてもらう。

「益基樹脂はこれまで、店舗の空間演出に使うような什器の受注制作をしてきたんですけど、もっと自分たちでものづくりをしたいという思いもあって。10年くらい前から自社製品もつくるようになったんです」

テーブルには、吉田さんたちが企画した動物のフィギュアが並んでいた。

美術館などで販売されているカプセルトイのシリーズ。それぞれの生き物の特徴をとらえながら、フォルムはシンプルにまとめられている。透明な樹脂素材は軽やかで、独特の存在感がある。

「樹脂って素材だけでも何百種類もあるし、構造とかを工夫すればいろんなことができると思いますよ。このカプセルトイも、関節が曲がるようにしてくださいとか、デザイナーさんにいろいろお願いしてつくったんです」

立体的に立ち上がった動物たちをよく見ると、ほとんどは平面のアクリル板を組み合わせてできている。

もともと益基樹脂が多く手がけてきた樹脂製什器による空間構成も、基本的には平面の組み合わせ。サイズ感は違うけど、発想は似ているところもある気がする。

「これから新しいお店も出すし、商品開発にも力を入れたい。うちは一見するとポップなデザイン色が強い会社に見えるけど、実はガッツリエンジニアリングな仕事も多いんですよ」

「3D設計や回路、組込みソフトウェア開発など、さまざまな技術知識が必要なんです。なのでエンジニア的な発想でものづくりに関わってくれる人がいたら、もっと広がりが出るんじゃないかと思います」

お店やショールーム、これからお客さんとのタッチポイントが増えていく。

商品のオリジナリティだけでなく、自分たちで売るということも吉田さんたちが大切にしていることのひとつ。

「卸だけではリアクションがつかめないんですよね。自分たちのつくったものが、誰に・どんなふうに届いて、その商品をどう感じてくれたか。という結果を、現場にフィードバックしながらものをつくっていきたいんです」

つくり手と受け取り手の間に、どうやってコミュニケーションを生み出すか。

突き詰めて考えていくうちに、吉田さんが出した答えは、自動販売機をつくるということ。

しかも「つつう」という子会社を立ち上げるほどのプロジェクト。なぜ自販機を?

「それが、話すと長いんだよね(笑)。益基樹脂は、言ってみれば什器の製作を通じて店舗空間の演出をやってきた会社なんです。それで店舗空間の究極の形は自販機かなと思って」

たしかに、一番ミニマムで効率のいい形かもしれませんが、直営店のよさでもある「買い手とのコミュニケーション」は難しそう。

「今つくっているのはガチャガチャマシンだけど、しゃべるんです。音声を通じて売り手から話しかけることもできるし、いつ誰が購入したのかという記録もとれる。IOT、人工知能、フィンテックなどの最新技術を使ったゴテゴテのハイテクマシンなんですよ」

「このガチャマシンも企画から製造まで全て自分達の手でやっています。まぁやりすぎってみんなに言われますが(笑)。」

吉田さんが考えているのは、クリエイターが作品を販売する場所をとして、ガチャガチャを活用すること。空港など店舗以外の場所でも、お客さんと出会う場を仕組みとしてつくっていく。

店舗での委託販売だと、つくり手から直接見えづらいお客さんとの接点も、遠隔データ通信ができることで、随時把握していくことができる。

来年の量産化に向けて、すでにいくつかの施設から設置のオファーが来ているという。

遊び心のある企画や、細部にユーモアを感じさせるグッズ。

アイデアはすごくポップだけど、吉田さんは特許戦略のノウハウを持っている戦略家でもある。そのバランスがあるからこそ、ビジネスとして成り立っているんだろうなあ。

「僕が何か企画を立てるときは、実現するまでしぶとく粘り続けますよ」

そう話す吉田さんが次に手がけるのは、アートミュージアム。

「これも話すと長いんですけど、僕はずっとホテルをやりたいと思っていて。この前たまたま静岡にいい物件があったんですけど、うちはまだホテル業の資格がないので、今回はミュージアムという形に」

ホテルもミュージアムも、樹脂とはまた全然違う文脈ですね。

「会社として提供したいものを突き詰めていくと、結局は時間なんですよ。楽しい時間」

すべては楽しい時間をつくるためのものや空間づくり。そう言われてみると、ガチャガチャの企画にも共通する根っこがあるかもしれない。

それにしても、どんどん新しいアイデアが生まれる会社ですね。

「スタッフは呆れてますよ。はぁ〜?って(笑)」

少数精鋭のチームなら、確実に巻き込まれますしね(笑)。

樹脂製品だけをつくる会社だと思って入ると、ギャップがありそう。新たなチャレンジを一緒に楽しむマインドを持った人のほうがいいと思う。

「働いているうちに役割が変わっていくこともよくあって。店舗でアルバイトをしていた子でも、能力があれば正社員やデザインの仕事に起用しています」

「今回入る人も、最初からすごく高い能力を持っているよりも、共感しあえる人のほうがいい。会社はひとつの大きな船みたいなもので、その船に乗って一緒に進んでいくメンバーなので」


ここにいると、退屈しないだろうな。一緒に働いている人たちは、実際どう感じているんだろう。

次に話を聞いたのは、今回募集する職種のひとつ、制作スタッフの河本さん。

「この会社のいいところは、ものづくり好きな人が集まっているところ。共通の話題も多いし、話していて楽しいんです」

主に商品の受注や出荷、商品にプリントを施すための機械の調整などを担当している河本さん。もともと服づくりの勉強をしていたという。

デザインや企画に携わりたいという気持ちはなかったですか。

「樹脂と服では素材が違いすぎて、つくる側で携わるイメージは持てなかったんです。ただ今度、刺繍の技法を取り入れた商品をつくることになって。『ああっ、布に触れる…!』と思って、手を上げて企画をやらせてもらうことになりました」

思わぬところでスキルが活かせる。それもこの会社のよさかもしれない。


そんな環境でステップアップしてきたのが、デザインを担当している泉さん。

美大でものづくりを勉強していて、卒業と同時に上京。仕事を探しているときにトウメイのお店に出会い、店舗のアルバイトとして働きはじめた。

「販売の仕事をしているときから、いつかはデザインをという気持ちはあって。開発会議にも出て、少しずつ自分でも新商品を提案したりしていました」

「アクリルって、ちょっとチープなイメージだったんですけど、カットと印刷を組み合わせるだけでいろんなことができる。今度は『曲げ』とか、別の加工の可能性も探りながら新しいものをつくろうと工夫しているところです」

希望していたデザインの仕事をスタートした泉さん。

さらに今度は、新しくできるショールームの内装や什器のデザインも任されることになっているという。

不安です!と言いながら、表情はすごく楽しそう。

大変なんだけど、嫌いじゃないから手を動かしちゃう。ものづくり好きな人って、そういうところがある気がする。

多様性のあるチームであるからこそ、いろんな可能性を試せる。アナログからデジタル、小物から空間まで、益基樹脂が次に手掛けるのはどんなものだろう。

一人でつくるのも好きだけど、みんなでつくるともっと楽しい。

この会社で力を発揮できるのは、そんな楽しさを知っている人かもしれません。

(2019/10/11 取材 高橋佑香子)

※11/9(土)には、益基樹脂のみなさんをゲストに、しごとバー「トウメイナイト」を開催します。なんだか陽気な会になりそうな予感がするので、ぜひ気軽に立ち寄ってください。
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