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どんな希望もお任せあれ
100人100色の
住まいづくり

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

設計デザインを手がける会社にとって、施工事例は会社の“らしさ”を表す顔。

畳や障子が印象的な和テイストに、キッチンカウンターがかわいらしいカフェ風の空間、隠れ家のようなダークトーンの部屋。

株式会社ニューユニークスが運営する「nuリノベーション」は、ひとつのこだわったデザインを提供するのではなく、100人100色のリノベーションを形にすることを“らしさ”にしてきたリノベーションブランドです。

物件探しのサポートから設計デザイン、施工、インテリアコーディネート、アフターサービスまで。すべての過程をワンストップで手がけて、フルオーダー型のリノベーションを実現しています。

個性豊かなお客さんの「こんな暮らしがしたい!」という要望を、どうしたら実現できるだろう。そんなふうに考え続けるなかで、さまざまなデザインが生まれてきました。

今回募集するのは、設計デザイナーとそのアシスタント。どちらの職種も、一年以上の実務経験がある方に来てもらいたいとのことです。



JR恵比寿駅から歩いて10分ほど。ニューユニークスは、明治通りに面した12階建てのビルにオフィスをかまえている。

ホテルのようなしつらえのフロントで入館カードをもらう。エレベーターに乗って5階で降りると、立派なエントランスがあらわれた。

日の差し込む明るい空間に、整然と並べられた家具とグリーン。洗練された雰囲気に少し緊張しながら待っていると、スタッフのみなさんがやってきた。

あとからお茶と資料を持ってきてくれた方は、新卒スタッフとのこと。

「この業界ではなかなかないんですけど、うちは毎年新卒採用をしていて。会社の平均年齢は30歳くらいです」

そう話すのは、リノベーション事業部の責任者を務める森さん。

もともと、不動産デベロッパーのリノベーション部門が運営するブランドだったnuリノベーション。

事業の普及にともない、6年前に分社化。現在ではマンションを中心に、戸建てやオフィスのリノベーションまで、年間およそ100件のリノベーション案件を手がけているという。

そんなnuリノベーションの特徴は、フルオーダー型のリノベーション。

ホームページには、600件以上の施工事例が紹介されている。

木のあたたかみを感じる北欧風のデザインから、小上がりの畳スペースが印象的な和テイスト、落ち着いたバーのような部屋まで。本当にさまざまなテイストの事例を手がけているんですね。

「“nuリノベーションらしいデザイン”というのは定めていないんです」

「リノベーションって、お客さまの好みや価値観、理想の暮らしとか、自分らしさをかなえる手段だと思っていて。そういう意味では、お客さま一人ひとりのご要望をすべて反映するのが、うちの特徴だと思います」

nuリノベーションでは最初の打ち合わせで、お客さんの好みや希望を2時間ほどかけて、じっくりとヒアリングする。

「うちにいらっしゃるお客さまは、個性の強い方がすごく多くて。お客さまごとにいろんな事例があって、刺激的で楽しいですよ」

たとえば、と見せてもらったのは、ある施工事例の写真。

すごい、真っ黒ですね。

「はい。床も壁も天井も、トイレやお風呂場に至るまで真っ黒なんです」

「最初の打ち合わせで『寝室とLDKがあればいい。全部任せるから、とにかく黒くして』と。これはもう、菅谷にしか任せられないなと思ったんですよね」



そう森さんから話を振られたのは、この案件を担当したチーフデザイナーの菅谷さん。

“真っ黒に”というとてもシンプルなリクエスト。一体、どんなふうに考えていったんですか?

「まず、黒といってもどこまで黒くしていいのか掴めなくて。設計前のヒアリングでは、間取りやデザインといった希望以外の、お客さまご自身のことについて伺っていきました」

nuリノベーションでは、デザイナー自身が細かなヒアリングをおこなう。

どんな仕事をしているのか、趣味は何か。出勤時間や外食の頻度、家族の利き手まで。「そんなことまで聞くの?」という話題から、本音がぽろっと出てくることがあるのだそう。

「今回のお客さまは、ジュエリー会社の経営者。ずっと白や木で統一されたお店で過ごしてきたとのことで。とにかくその空間と真逆にしたい、と思っていたそうです」

「それなら、ほっこり系と言われるような素材や色、明るさも一切なくそうと。そのうえで、どの黒をどう使うのが理想的なのか、イメージをすり合わせていきました」

事前に商品や建材をくまなく調べ、あらゆる黒い素材を用意して打ち合わせに臨んだそう。そこでのヒアリングをもとに図面を考えて、また打ち合わせをして…と繰り返す。

照明は生活できる最低限の光量に抑え、床と壁は塗装の色番を一つずらすことで絶妙に色合いを変えた。理想の“黒”が見つからないときは、自社の施工管理チームと相談して、自分たちで上から黒く塗ったのだとか。

「図面を描くよりも、お客さまの希望を叶えるためにはどうしたらいいか考えるほうに時間をかけます。これはどの案件においても言えることですね」

「ただ完成後の内覧では、お客さまに『もっと黒くできたよね』と言われてしまって。洗濯機だけ、黒いものがどうしても見つけられなかったんです」

おお、そこまで突き詰めて。

「やっぱりみなさん、自分の理想を形にするためにいらっしゃるので。でも『仕上がりはきれいだし、まあいいんじゃない?』と言ってもらえました(笑)」

お客さんの「こうしたい!」にとことん向き合う。

そのために、打ち合わせ回数の上限はもうけていない。お客さんによっては、一年近くじっくり打ち合わせを重ねる人もいるのだそう。

また、フルリノベーションの評判を聞きつけて、たくさんの要望を抱えてくる人も少なくない。それらをすべてそのまま叶えることが、常に最善ではないという。

「お客さまの要望をそのまま図面に反映すると、配管の関係で難しかったり、金額が跳ね上がったりするケースがほとんどなんです」

「ただ、すぐに無理だと諦めてはいけなくて。ちょっと大変でも、こういうやり方はどうだろうって粘り強く考え続けることが重要ですね」

たとえば、お客さんから「金属製の扉をつくりたい」という要望があったとき。

その「金属」という言葉を、お客さんはどういう思いで使ったのか。丁寧に確かめていく。

「もしも『金属の質感を出したいんだよね』ということだったら、木でつくっても同じような雰囲気が出せるし、費用もちょっと安く抑えられますよって提案できる」

「本質的な希望が見えていれば、叶える方法は一通りじゃないんです。そうやって現実的な面に折り合いをつけながら取り組んでいます」

聞いたことをそのまま実行することが、お客さんの希望を叶えることではない。

設計デザインのセンスや技術はもちろん、打ち合わせでのヒアリング能力や、施工管理の知識など。自分の引き出しを開け閉めしながら、「こうするともっとよくなるかも」と考え続けることが大切なのかもしれない。

「うちは、どのデザイナーもお客さまへのプレゼンで複数案出していて。1案目は要望を丸々叶えるもの、ほかの案は要望を噛み砕いた上で、現場からの意見などを踏まえて『こうしたらもっと良くなりますよ』と提案するような案です」

「デザイナーはいろんなことに興味をもって、いろんな考え方ができる人がいいと思います。デザインやクリエイティブは好きだけど、お客さまに自分の好みを押し付けることはしない。そのバランス感覚を持っていることが大切かもしれないですね」



そんな菅谷さんのもとで、アシスタントデザイナーとして経験を積んでいる真っ最中なのが、入社1年目の花立(はなたて)さん。

「大学では建築を学んでいました。設計課題に取り組むなかで、リノベーションという手法に興味を持って」

リノベーション会社を中心に就職活動をするなかで見つけたのが、ニューユニークスだった。ホームページに並んださまざまな施工事例を見て、興味を持ったという。

「一つひとつの施工事例の印象が全然違っていて、すごく個性的だなと思ったんです。画一的なものをつくるよりも、いろんな家をたくさんつくりたいと思っていたし、ここなら目の前のお客さまのために働けそうだなって。ほぼ直感で決めて応募しました」

設計職のスタッフたちは、担当のデザイナーにそれぞれアシスタントがついて、チームとして活動している。

アシスタントは、パースや図面の作成といった仕事をはじめ、日々の電話対応、打ち合わせ用の資材サンプル発注や細かな調べものなど、さまざまな業務を担っている。

なかでも花立さんが大切にしているのが、接客。

「入社して感じたのが、この会社はお客さまとの時間をすごく大切にしているということ。わたしはお客さまのお出迎えも担当しているんですが、それってお客さまと最初に出会う顔を任せてもらっているんだと思うんです」

「だからちょっとでも楽しい時間にできたらと思って、外でお待ちしながら『今日はどんなことを話そうかな』とか、必死に考えています。とはいえ、毎回すごく緊張しちゃうんですけどね」

アシスタントは入社後、早い段階からお客さんとの打ち合わせにも同席する。ヒアリング内容を書類にまとめたり、変更点を図面に反映したりする仕事を担っていく。

水道の配管やコンセントの位置、ユニットバスやシステムキッチンのバリエーションの多さ。実際に図面を描くことで身についた知識は多い。

それだけではなく、過去の作品を見て勉強したり、先輩デザイナーはもちろん、営業スタッフや施工管理チームの会話から新しい知識を得たり。花立さんは、日々いろんなことにアンテナを張っている。

とはいえ、まだまだ引き出しを増やしている最中。接客や図面作成の際に、難しさを感じることもあるそう。

「物件はいくつも同時進行していますし、まだ経験も浅いので。いそがしいし大変だなって思うこともあります」

「先輩たちは相談したら意見をくれますし、現場にもたくさん連れていってもらえるので、吸収できることはとても多くて。わたしも早く、こうしたらもっとよくなりますよって提案できるように、力をつけていきたいです」

 
取材を終えてエレベーターに向かうと、出入り口に「100個の笑顔」と名付けられたボードが掲げられていました。

「1年の間に100人100個の笑顔をつくるのがnuリノベーションの目標で。今後、この笑顔を倍にしていこうと新しい仲間を募集することにしたんです」とスタッフのみなさんが教えてくれました。

目の前のお客さんの、理想の暮らしを実現する。

そのためには、デザインセンスに加えて、相手の想いを聞いて、引き出しのなかから最適解を探し続ける粘り強さや、柔軟さが大切なのかもしれません。

ニューユニークスの個性豊かなデザインには、そんなデザイナーのみなさんの姿勢があらわれているように感じました。

(2019/12/16 取材 遠藤真利奈)
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