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人を信じる島
常識にとらわれない島
自分たちの手でつくる島

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

自分たちの社会は、自分たちでつくるもの。

言葉にするとあたり前のことのようにも感じますが、日々の生活で、その手応えを感じることは少ないかもしれません。

日本海に浮かぶ島根県の海士町(あまちょう)で出会ったのは、社会、そして未来を自分たちの手でつくり続けている人たちでした。

海士町の人口は2300人ほど。豊かな自然に囲まれたこの島では、日本各地に先駆けて、高齢化、人口減少、財政難などのさまざまな課題に向き合ってきました。

「ないものはない」という潔いキーワードのもと、島唯一の高校を存続させるため教育のあり方を変え、一次産業の価値を高める仕組みをつくり、町をあげて島外から移住してくる人たちの挑戦を応援する。

島が一丸となって行われたその取り組みは実を結び、今、海士町は地域創生の挑戦事例として多くの人が訪れる島になっています。

そんな海士町で新たにはじまるのが、島で生まれるさまざまな事業に投資をしていく「海士町未来投資基金」。

今回はその原資となるふるさと納税を活性にするため、島の人たちと商品開発に取り組みつつ、広報やマーケティングを通して島外にファンを増やしていく仲間を募集することになりました。

挑戦を続けるこの島で、持続可能な未来をつくっていくための新しい取り組みが動き出します。

  
羽田空港から1時間半の飛行機、30分のバス、3時間のフェリーを次々と乗り継いで海士町へ。

この日は海がしけていて、少しぐったりしつつ島に降り立つと、海士町の真っ青な海と、すっと抜ける気持ちのいい風が出迎えてくれた。

港から見える背の高い建物がマリンポートホテル海士

代表の青山さんは、「海士町未来投資基金」を運営するAMAホールディングス株式会社の取締役も務めている方。

青山さんが海士町に惹かれ、移住してきたのは2006年。

さまざまな活動に関わりながらこの島で暮らし、3年前からマリンポートホテル海士の経営を任されている。

「外から来た僕に大切な役割を任せてもらって、島の人たちにはお世話になりっぱなしです。40歳が近くなって、そろそろ僕らがバトンを受け取るタイミングだと思っていて。これまで走り続けてきた島の人たちのバトンを、次の世代につないでいくのが僕らの役割だと思っているところです」

ホテルの代表に加えて、観光やリネンサプライの会社も運営する青山さん。

日々の予定を聞いてみると、役場の職員が集まる打ち合わせ、盆踊り大会を復活させる集まりなど、会社のこと以外にもさまざまなプロジェクトに関わっている様子。

「移住者がいるとはいえ、たとえば島の漁師さんの数が減っている現実もあって。先輩や仲間がやってきたものがリアルに消えていくんですよね。事業やお祭り、挑戦し続ける姿勢。もちろん自分が全部どうこうできるわけではないんだけど、受け取りたくて、ついつい首を突っ込んじゃうんです」

「おこがましいんですけど、自分たちがやらないと消えてしまうっていう感覚があります。残せる可能性が少しでもあるならば、今やらないと間に合わないから」

代表を務めるマリンポートホテル海士は、現在2021年春のリニューアルに向けて大改装中。

これからの海士町にどんなホテルが必要なのか。会社のなかだけでなく、島内、島外の人と一緒に考えて続けてきた。

「たとえば1泊目はマリンポートホテルで快適な時間を過ごしつつ、2泊目は島での生活を体験したあと民宿へ。3泊目は新鮮な食材を集めてキャンプをしてもいい」

「そんなふうに、海士町全体の観光の未来を見据えて、島をまるごとホテルにする仕組みを考えてきました。その過程で生まれたのが、AMAホールディングスです」

AMAホールディングスは、海士町が100%出資する第三セクター。

役場の人や島のなかで多種多様なプロジェクトに取り組む民間企業の人、島外から応援してくれる人など。さまざまな人が集まって議論を重ねるなかで、観光以外にも、組織や業種、地域を横断して取り組むべき課題が見えてきた。

結果としてAMAホールディングスは観光にとどまらず、福祉や一次産業、島全体の人事など島のあらゆることを、行政と民間が一緒になって考えていくための組織として機能しはじめている。

  
AMAホールディングスの活動について詳しく聞かせてくれたのが、海士町で「風と土と」という会社を営む阿部さん。

トヨタを辞めてこの島に移住し、交流人口を増やす企画や人材育成など、海士町の地域づくりを中心にさまざまな仕事をつくってきた方。

「青山くんと同じように、島の外から来た僕がやってみたいということに対して、この島の人たちは懐深く応援し続けてくれたんです。温かい関係性を大切にするこの海士町が、これからの社会のモデルとなるように会社をやっています」

「僕らを受け入れてくれたことも含めて、攻めの行政があったことが海士町の最大の強みだと思います。第2の役場のような存在として、行政も民間も一緒に意志ある未来をつくり続けるための仕組みをつくるのが、AMAホールディングスの役割です」

意志ある未来をつくる。詳しく教えてください。

「成り行きに任せるのではなくて、自分たちはどういう未来をつくりたいのか、意思を持って活動していく。具体的にはこの島で、もっと多くの人がやりたいことに挑戦できるような、新しい事業やプロジェクトが生まれ続ける仕組みをつくろうとしています」

島で暮らす人、移住してくる人。そして、さまざまな経験を経て島にUターンしてくる子どもたち。

阿部さんが挑戦を後押ししてもらったように、やりたいと思うことを応援する仕組みをつくる。

島の人たちによるサポートに加えて、資金面で大きな後押しになるのが、新しく設立する「海士町未来投資基金」。積み立てたお金を、島でなにかはじめようという人に投資することで、新しい事業やプロジェクトが生まれるきっかけを継続的に生み出していきたい。

「課題解決をモチベーションに生まれる仕事も大切です。それに加えてこれまでのやり方にとらわれず、こうしたい、やってみたいというワクワクする想いから生まれるポジティブなチャレンジが、この島の未来をつくっていくと思うんです」

投資の資金源となるのは、ふるさと納税。島外の人たちが信託として預けてくれたお金を、島の未来のために投資していく。

今回募集する人は、ふるさと納税の金額を増やすことで、未来の土壌となるような原資づくりを担うことになる。

  
島のふるさと納税については、海士町が地元だという役場の柏谷さんが詳しく教えてくれることに。

名刺には「交流促進課長」ともうひとつ、「ホテル魅力化特命担当」という肩書きが記されている。

「最近海士町では、半官半Xを推進するという独特な条例を制定しました。役場の中で机に座って仕事をするのではなくて、農家へ出向いてき野菜の集荷をしたり、特産品の販売店に立ったり。これからは役場の面々が、島でさらにいろいろな役割を担うようになっていきます」

攻めの行政の挑戦は、止まらずに進んでいる。

ふるさと納税に関しては、どんなふうに取り組んできたんでしょう。

「海士町を応援してくれる方にお礼を送る仕組みは動いていますが、正直、戦略を練って取り組めているわけではありませんでした。ここ何年かで力を入れはじめて、30年度にようやく3000万円が集まる取り組みにまで育ってきたところです」

今扱っているのは岩牡蠣や白イカなどの海産物、島でのびのびと育った隠岐牛やお米などの地場産品。さらに海士町の地域通貨である「ハーン」も人気商品なんだそう。

今回募集する人の仕事のひとつは、島のさまざまな人と話しながら、商品のラインナップを増やしていくこと。

そしてつくった商品を多くの人に知ってもらい、ふるさと納税のスキームにより応援していただける人を増やすこと。

お金をもらってお礼をするという仕組みではあるものの、単に商品を売るというよりは、海士町の魅力を伝えて、海士町ファンを増やしていくような仕事だと思う。

「商品開発とかマーケティングの経験のある方が来てくれたら助かりますが、僕らも一緒に取り組みますから、想いがあれば未経験でも大歓迎です。この島は、挑戦できる島ですから」

ふるさと納税についてはほかの自治体でもさまざまな取り組みが行われているものの、海士町にとっての正解を誰かが知っているわけではない。

常識やこれまでのやり方にとらわれず、考え、実行し続ける。それが島の未来に、ダイレクトにつながっていく。

やりがいのある仕事だからこそ、背負う期待はとても大きい。

  
海士町での1日目を終え、夜は島民の憩いの場だというスナック「ルーマー」へ。

扉をあけると、若い方から大先輩まで幅広い世代の人たちがにぎやかに話をしている。

どうやらみんな顔見知りのようで、1人がマイクを手に取ると、みんなで手拍子をしながらの大熱唱。そのなかには、楽しそうにボンゴを叩く町長の姿も。

「ここにはみんなが集まるから。スナックで町の大切なことが決まっちゃうこともあるんですよ(笑)」と、ご一緒した方々が楽しそうに教えてくれた。

  
ぐっすり眠って翌朝の取材は、スナックでご挨拶を済ませた町長から。

役場で出迎えてくれた町長の大江さんは、とても気さくに、そして熱を込めて質問に答えてくれた。

町の大切な機能を担うAMAホールディングスには、地元の方だけでなく、移住してきた人も関わっているのが印象的でした。

「彼らは地元の人にはないものを持っているから、それを発揮してもらいたいんです。そのために活躍の場を提供するのが私らの役割でもありますから。動きやすいように人を紹介するし、積極的に予算もつけます。まずはね、来るもの拒まずっていう姿勢を持っているんですよ」

来るもの拒まず。

そこまで人を信じられるこの町の空気は、どこから生まれているんだろう。

「いろんな失敗談はありますよ。だけどね、島が好きだと言って来てくれた人である以上、ほっとくわけにはいかんでしょう」

「わが家は悩み相談所みたいなところでね。挑戦してみたけど思ったように所得が上がらないとか、移住したけど家族がうまくいかないとか。最終的に島を出ていく人もいます。だけど、意欲のある人はしっかり支えてあげたいじゃないですか」

  
挑戦しつづける島。

そこにはまっすぐ人を信じ、優しく、そして熱く生きる人たちがいました。

この島の新しい挑戦に、頼もしい仲間が加わることを楽しみにしています。

(2020/3/17 取材 中嶋希実)

AMAホールディングスに関わるメンバー大野さんに、オンラインで開催中のしごとバー「オンライン集落の未来ナイト」に出演していただきます。日時は4/16(木)20:00-21:00。こちらのURLから、ぜひご覧ください。

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