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保存食にひと工夫
おいしい日常は
いざというときの力になる

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「おふくろの味」という言葉があるように、食事には、懐かしさや安心感をもたらしてくれる力があるように思います。

災害時でも、慣れ親しんだ味でほっと一息ついてほしい。

杉田エースが手がける長期保存食「イザメシ」には、そんな想いが込められています。

普段から台所に置いておけるよう、パッケージはインテリアに溶け込むかわいらしいデザインに。化学調味料を使っていない商品も多く、素材の味を楽しめる豊富なラインナップが特徴です。

昨年12月には、イザメシをアレンジしたメニューが楽しめるカフェ「IZAMESHI Table(イザメシテーブル)」が新宿にオープンしました。

今回は、イザメシテーブルのメニュー開発や調理などをおこなうマネージャーを募集します。経験は少なくても、やってみたいという気持ちのある人を求めています。

まだ始まったばかりのイザメシの挑戦。どちらも、今後に向けた大きな一歩を担っていく仕事だと思います。

 

イザメシテーブルがあるのは、新宿三丁目駅A1出口の隣に建つ、新宿マルイ本館。エレベーターで5階にあがると、すぐにお店が見えてきた。

入り口の両脇には、イザメシのラインナップがずらりと並んでいる。

ハンバーグに生姜焼き…。保存食にこんなメニューもあるんだ、と眺めながら店のなかに入っていくと、「こんにちは」と杉田エースの加藤さんが声をかけてくれた。

広報や運営スタッフとして本社と店舗をつなぐ役割を担っている加藤さんに、お店の一角でお話を聞くことに。

「実は杉田エースは食品会社ではなくて、今年で創業86年を迎える建築金物の専門商社です。物干金物やカーテンレール、アウトドア商品まで、暮らしに身近なものを多く扱っています」

建築金物の業界でトップシェアを誇る杉田エース。

どうして、まったくジャンルの異なる保存食を手がけることになったんだろう。

「きっかけは、東日本大震災でした。震災後にビニールシートやロープなど防災商品の需要が急増して。各メーカーの在庫がなくなり、得意先であるホームセンターなどの小売店に商品を供給できなくなってしまったんです」

「ただ、私たちは商社であり、ものをつくる技術はない。ものがなくて困っているという声に対して、自力では応えられないもどかしさを感じていました」

何かできることはないかと考え、保存食に注目。一通り集めたものを、実際に試食してみた。

「当時の非常食って、ご飯やパンなどの主食が大半で、おかずのメニューはほとんどなかったんです。いざというときも、日常と同じようなおいしいご飯を食べてほしい。そう思い、保存食をつくるようになりました」

食品業界から転職してきた担当者のもと、納得する商品をつくるために、工場と何度もやりとりを重ねたという。

発売開始から5年経った今では、肉じゃがやぶり大根などのおかず、マフィンやあんこ餅といったスイーツ、うどんや缶詰まで、50種類を超える商品を販売している。

パッケージも、スーパーで売っているレトルト商品みたい。初めて見る人は、保存食だと気づかなそうですね。

「私たちは、日常でも気軽に食べてほしいという想いから、食卓に溶け込むようなデザインを意識しているんです」

保存食には「もしものときの備え」というイメージがあるものの、イザメシが目指すのは、普段から食べられるもの。

体調を崩してしまったときや、忙しい日のご飯にも。常備しておいて、使った分だけ買い足せば、3〜5年の保存期間を切らすことも防げる。

普段から使うことで、取り扱いにも慣れておける。非常時という落ち着かないときに、いつも食べているご飯の味がするだけで、ちょっとした安心にもつながると思う。

「普段から食べたいと思ってもらうために、味にもこだわっています。なるべく化学調味料は使わず素材の味を活かしていて、形や食感もできる限り残しているんですよ」

「発売以来、イザメシの認知度は少しずつ上がってきました。ただ、もっと若い世代の人にも知ってほしいと思っていて」

備蓄の意識が高まるファミリー層だけでなく、一人暮らしの若者にも活用してもらいたい。

そこで新たに始めたのが、イザメシテーブルだった。

「このお店を通じて、保存食に興味がなかったお客さまにもアプローチしていきたいんです。保存食も身近な存在なんですよ、と伝えたい」

カフェのフードやスイーツは、イザメシをアレンジしたもの。

たとえば「スパイシーチキンカレー」は、イザメシで展開する「ヨーグルトが隠し味のスパイシーチキンカレー」のルーをそのまま使用し、ターメリックライスや副菜を添えて提供している。

「具材の骨つき手羽元も、イザメシに使っているものを使用しています。自宅で食べたときにお店と同じ味だと思ってもらえるように、味はできる限りそのままにしているんです」

さらには、具材を少し足してつくるアレンジレシピも。

「たとえば、このミネストローネ。もともとはまったく別の保存食なんですよ」

なにをアレンジしているんですか?

「『濃厚トマトのスープリゾット』という商品です。白身魚や野菜を少し足すだけで、リゾットがミネストローネとしても楽しめるんですよ」

一口いただくと、野菜の旨みをいかした、素朴な味わい。玄米やもち麦が、スープにとてもマッチしていた。

ほかにも、サバの味噌煮でつくるサバサンドや、プレーンデニッシュでつくるパンプディングなどのデザートメニューも展開している。

保存食を普段の食事に取り入れる発想は今までなかったけれど、こうしてお店で食べることができると、実際にやってみようという気持ちにもなりやすい。

今回募集する人には、新宿の店舗で調理部門のマネージャーとして業務に従事しながら、お店の新しいメニューの開発もお願いしたい。

「お客さまにいろいろなアレンジ方法を知って楽しんでもらうために、もっとたくさんのメニューを開発していきたいんです」

グランドメニューのブラッシュアップや、季節やイベントに合わせた限定メニューなど。保存食という枠にとらわれずに、イザメシの楽しみ方を提案していくような仕事だ。

「お店に行ってまた食べたいと思うレベルのメニューを提供したい。どんなに美味しいレトルト商品でも、そのまま出すだけのお店だったら、お客さまは満足できないですよね」

とはいえ、あくまでイザメシを広めていくためのお店だから、自宅で再現しづらいほどの難しいアレンジもできない。

美味しさと再現性を両立するメニューを考えるのは、なかなか難しそうです。

「一般的なメニュー開発とは、また違った大変さがあるかもしれませんね。制限があるなかでのアイデアを問われるので、より発想力が磨けると思いますよ」

「それに、メニューを開発して終わりではなく、盛り付け方やマーケティングなど、メニューをどう伝えていくかという部分まで携わってほしくて。今後はワークショップなどの企画も検討中です。きっといろいろな経験が積めるんじゃないかな」

フードコーディネーターとして独立したい人や、自分のお店を持ちたいと思っている人なら、将来必要なノウハウの一部を身につけることができそう。

それにチームメンバーには、マーケティング担当や飲食店の運営アドバイザーなど、さまざまな分野の専門家もいる。困ったことがあれば気軽に相談できる環境だと思う。

「コミュニケーションをとりながら、一緒に頑張っていきたい。いろいろなジャンルの料理に興味があって、どうアレンジしたらイザメシでそれを表現できるのか。試行錯誤するプロセスを一緒に楽しんでくれる人が来てくれたらうれしいですね」

 

現在、イザメシテーブルで働いている社員は1人。

誰よりも大きな声で「いらっしゃいませ」とあいさつをしていたのが、藤田さん。このお店について教えてもらうことに。

「保存食を使った飲食店は、イザメシテーブルが日本で初めてなんです。この業界をここからどれだけ大きくしていけるのか、自分も携わりながらいろいろ挑戦してみたいと思って、入社しました」

今は主にホールを担当し、簡単な調理もおこなっているという藤田さん。

キッチンスタッフは、どんな仕事をしているんですか?

「開店が10時なので、それに向けて仕込みをします。イザメシをそのまま使っているメニューも多いので、ほかのお店と比べると調理自体は楽な部分が多いと思います」

イザメシをあたためて盛り付けたり、付け合わせの副菜やスイーツをつくったり。土日は特にお客さんが多いので、時間帯を問わず忙しいという。

今回新しく入るマネージャーには、まずはすべての調理を習得してもらい、その上でスタッフのマネジメントも担ってほしいそう。

「シフトを見て、誰にどの業務をお願いしたらうまくお店が回るかとか。お店全体を見て、スタッフの管理や育成をおこなっていく役割です」

調理も行うけれど、メインはスタッフのマネジメント。

将来独立を考えているなら、運営やメニュー開発、ブランディングなど、さまざまな知識やスキルを身につけられる環境だと思う。

「イザメシテーブルはまだスタートしたばかり。メニューや運営体制を含め、今後変わっていく部分もきっと多いはずです。新店舗の計画もあるので、やる気次第でいろんなことにチャレンジできると思います」

「僕自身、入社するまで保存食のことは何も知らなくて。イザメシを初めて食べたら、想像以上にすごく美味しくて、保存食の見方が変わったんです。これからもっと多くのお客さまに、そんな体験を届けていきたいですね」

 

今回の取材を経て、保存食は私が思っていたよりもっと身近で、日常の生活に続いているものなんだと思いました。

保存食の可能性に、どこまで挑戦できるだろう。

それをわくわくしながら考えられる人にとっては、きっと楽しい仕事だと思います。

(2020/03/12取材 鈴木花菜)

※撮影時にはマスクを外していただいております

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