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好きの気持ちを
トウメイな箱に入れて

透明な箸置きやコースター。淡く色が重なっていたり、草花があしらわれていたり。

小さな盆栽には、箱に入った砂とミニ砂かき棒がついていて、自分で枯山水をつくることができる。

アクリルを中心とした樹脂素材でつくられた商品たち。つくっているのは、株式会社益基樹脂(ますきじゅし)という会社です。

雑貨やアクセサリー、店舗什器。最近ではIoT機器の企画・制作も。さらには、直営店「toumei」を通じてお客さんに商品を届けるところまで手がけています。

今回募集するのは、東京駅のグランスタ内に新しくオープンするお店の店長と副店長、そしてアルバイトスタッフ。お店は8月上旬オープン予定です。

樹脂という素材の可能性を広げ、さまざまなものづくりにチャレンジしている益基樹脂。雑貨やものづくりに対する、それぞれの「好き」が生きてくる場所だと思います。



御徒町駅から秋葉原方向へ高架沿いを進む。5分ほど歩いた先にあるのが、ものづくりをテーマにしたショップや工房が並ぶ「2k540」。個性的なお店が並んでいるので、ついついお店の前で足を止めてしまう。

御徒町寄りの一角にあるのが、益基樹脂の直営店「toumei」。向かい側には、商談やワークショップなどを行うための多目的サロン「toumei ha na re」がある。自社商品が入った最新型のIOTガチャ機なども設置されており、この最新型IOTガチャも独自開発したという。

ここで迎えてくれたのが、人事担当の田中さん。

今年3月に益基樹脂へ入社した田中さん。きっかけは、昨年益基樹脂と日本仕事百貨で開催したイベント「トウメイナイト」を訪れたことだった。

「もともと接客や事務の仕事をしていたんです。子どもが小学校にあがるタイミングで転職したいなと考えていたときに、日本仕事百貨の記事で益基樹脂のことを知って。イベントにも足を運びました」

「直接社長とお話させてもらうなかで、うちが向いてるんじゃない?って言われて。すぐに行きますとお返事はできなかったんですけど、しばらく考えて、やっぱりご縁かもしれないと思って入社を決めました。経験はなかったんですけど、人事いいと思うよって社長に言われて(笑)。結果的にたのしくやらせてもらってます」

1968年に埼玉で創業した益基樹脂。toumeiの店舗から歩いて数分の場所に工房付きの東京オフィスとデザインスタジオを構え、樹脂を使った商品の企画から試作、量産、販売までを一貫して行なっている。

もともとは店舗用什器の受注制作が主な事業だったそう。「もっと自分たち発信のものづくりをしたい」という思いから、カプセルトイやアクセサリー、雑貨など、樹脂素材を生かした自社製品も製造・販売するようになった。

動物をモチーフにした置物や、アクリル製の指輪、コースターや名刺入れ、キーホルダーなど。企画デザインから手がけたオリジナル商品は、なんと数百種類以上あるそう。

ガラスよりも軽く、加工法次第で色や模様がさまざまに変化するのも、アクリルならではの面白さ。

「思い返すと、昔から透明なものが好きだったんですよ。吹奏楽部だったときも、そういえば透明なメトロノーム使ってたなとか。あと個人的な話なんですが、プロポーズされたときに『ちゃんとした指輪はあとで一緒に選びたいから』って渡されたのが、アクリルの指輪だったんです…(笑)」

「いろんな運命があって、自分の好きなものに関わることができているのは、すごく幸せだなと思います。お店で働いてくれる人にも、まずは自分から樹脂製品を面白がって、興味を持ってもらうことが大事だと思っているんです」

8月上旬には、東京駅のグランスタ内に新店舗がオープンする。本業である空間演出の技術を活用して、既存の2店舗とおなじく、店舗内装や什器製作もすべて自分たちで手がけているそう。

「駅のなかに店舗を出すのは、会社としてはじめての試みなんです。特に店長や副店長として来てくれる人は、東京駅店のチームリーダーとして、お店を引っ張っていってほしいなと思っていて。もちろん私もできる限りサポートしていくつもりです」

ほかにも、静岡でアートミュージアムをつくる計画も進んでいるそう。自社スタッフでディレクションしながら、内装工事を進めているところ。

「アクリルを使っていろいろつくっていこうという発想もそうですが、新しいことにチャレンジしていく土壌があるのも益基樹脂の面白さだと思うんですよね。だからいろんなことを一緒に面白がってくれる人が来てくれたらいいなと思ってます」



人事という立場でありつつ、現場のスタッフにも近い存在である田中さん。なにか判断に迷うことがあれば、きっと相談に乗ってもらいやすいと思う。

「会社と店舗、ふたつの視点からアドバイスをくれるので、ものすごく助かってるんですよ」

田中さんの話を聞いて、笑顔でそう話してくれたのは、toumei 2k540店の店長を務める松田さん。

「最近だと、新型コロナウイルスに伴う対応で、お店を開けるのか、スタッフの出勤をどうするのか、ちょうど東京都の緊急事態宣言が出る前後で最強に困っちゃって」

「命に関わることなので、なにが最善かって判断をするのがすごく難産でした。そのときも、行政の情報を見てアドバイスしてくれたり、私や一部のスタッフが在宅でも商品を制作できるようにしてもらったり。現場だけで判断しがたいことを、まず田中さんに相談できたのはすごくありがたかったです」

実店舗は、2k540全体の方針もあって4月上旬から5月末まで閉店するという処置をとっていたそう。その間もできるだけお客さんとのつながりが途絶えないよう、オンライン販売を中心に工夫を重ねてきた。

もともとはtoumeiのお店に通っていたことがきっかけで働きはじめたという松田さん。

「前職で働いていた場所がこの近くで、知り合いから面白いお店あるよって、よく勧められていたんです。それであるとき仕事帰りに寄ったら、商品もお店の雰囲気も素敵で、引き込まれちゃって」

特にこの商品に惹かれたんですよね、と教えてくれたのが、アクリル製の指輪。

「アクリルってキーホルダーとかのイメージはあったんですけど、身につけるアクセサリーとしてもこんなにおしゃれなものができるんだって」

「機械で最後まで完成するわけじゃなくて、本社工場のスタッフが磨いたり、お店のスタッフが箔を押したり。人の手が加わったものづくりの結晶なんです。売るだけじゃなくて、ものづくりをしているっていう感覚を持って働けるのも、面白いなと思いました」

箔押しも、作業するスタッフによって風合いに違いが出てくるそう。店頭のスタッフそれぞれの手によって、一点モノの商品ができあがる。

今回募集する人も、まずは既存の2店舗で商品や制作作業のことを学びつつ、新店舗のオープンに向けて準備していくことになる。

2k540は比較的ゆったりとした場所だけれど、新しい店舗は大規模な駅のなか。まわりの雰囲気もお客さんの層も、かなり違ってくるはず。

「慌ただしい気持ちで来られる方もいらっしゃると思うんです。それでも、店内では可能な限りゆったりした気持ちで商品を見てもらえるような場所にできたらなと思っていて」

たとえば、と話してくれたのが、以前松田さんが接客したお客さんの話。

「60代くらいの男性で、指輪のところでずっと悩んでらっしゃったんです。お会計のときにギフト用でとおっしゃったので、どなたかに差し上げるんですかって聞いたら、照れくさそうに妻に…って教えてくれて」

「誕生日プレゼントでアクセサリーをあげたいけど、奥さまは金属アレルギーらしくて。樹脂だったらそれを気にしなくていいからってことで、選んでいただいたんです。小さな声ではにかみながら話してくださったのが、なんだかすごくうれしかったんですよね。大切な人に贈るものをちゃんと選べるような雰囲気っていうのは、大事にしていきたいなって」

toumeiでは、お客さんに対して積極的に声をかけにいくことはしないそう。

気軽に、自分のペースで商品を見てほしいからだという。

「ちょっと急いでいたり、気持ちがささくれ立っている人も、ついつい長居しちゃうみたいな。心がやわらぐような雰囲気を大事にしたいですね。トウメイが持っているその魅力みたいなものは、引き継いでやっていけたらいいんじゃないかなって思ってます」



最後に話を聞いたのは、toumeiでアルバイトスタッフとして働いている小村さん。週2、3回の頻度で働いているそう。

「以前はアパレルのお店で働いたりしていました。もともとアクセサリーをつくることも好きだったので、接客しながらものづくりもできるのはすごくいいなと思って」

「お客さまから声をかけていただいてお話させてもらったことって、記憶に残るんですよね。たとえば、少し前に女性のお客さまからキーホルダーの柄について相談してもらったことがあったんです」

お客さんが悩んでいたのは、0から9までの数字がひとつずつ彫られているキーホルダー。アルミ箔が押してあるものや、押し花風に植物があしらわれているものなど、おなじ数字のなかでもいくつか種類があった。

「両親の結婚記念日にひとつずつプレゼントしたいんだけど、どの柄がいいと思いますかって。お父さまにはヤブジラミっていう野草をモチーフにしたものを選んでいらっしゃったので、草花でお揃いになったほうが素敵だなと思って、お母さまにはカーネーションのものをおすすめしたんです」

「お客さまもいいですねって言ってくださって、お買い上げいただいて。後日もう一度ご来店してくださったときに、わざわざ報告してくれたんですよ。両親もよろこんでくれましたって。商品を通じてそういったコミュニケーションができるのも、お店の雰囲気があってこそなのかなって感じています」

お客さん自ら、自分の「好き」を見つける。そんな余白がtoumeiにはある。

もしかすると、樹脂という素材にも余白があるのかもしれない。透明だし、形も色も、さまざまに変えることができる。素材の特徴と、お店のあり方がつながっているからこその心地よさもあるんだろうな。



隣で話を聞いていた店長の松田さんも、こんなことを話してくれました。

「ここで働く人にとって大事なのは、トウメイの商品を好きになってくれることだと思うんです。私たちの接客は、積極的に話さないぶん、一瞬の人と人の心のやりとりが大事だと思っていて。この人本当にアクリルのこと好きなんだなとか、楽しそうに説明してくれるなとか、そういうことって伝わるんですよね」

「きっと私たちのつくるものを好いてくれる人だったら、お店の雰囲気にも自然とあっていくんだと思うんです。トウメイが好きで、その新しい顔になる場所を一緒に面白がってつくりたいっていう人が来てくれたらうれしいですね」

透明だから、すっと心に届く。

素材も、お店も、そして働く人も。ほどよい余白を大事にしている、そんな場所なのだと感じました。

この空気感を心地いいと思う人は、きっといると思います。

(2020/6/5 取材 稲本琢仙)

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