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【西粟倉11の挑戦:その7】
森から未来の子どもへ
信頼のなかに生きていく

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

林業というと、山で木を伐る作業のイメージはすぐに湧いてくる。

一方で、その仕事がどこから来て、どこにつながっているかは、あまり知られていないかもしれません。

今回紹介する株式会社木の里工房木薫(もっくん)は、木を切るところから、加工して届けるまでを自分たち担う会社。今回はここで林業担当として働くスタッフを募集します。

木を伐るという仕事の前後にある、人とのつながりを感じられるものだと思います。



木薫の工房は、西粟倉駅のそばにある。

西粟倉村出身の國里さんは、22歳のときに村の森林組合に就職。その後、林業から木材加工、つくった製品を届ける営業まで一貫して担う今の会社を立ち上げたのが、15年前のこと。

木薫がつくってきたのは、子ども用の家具や遊具。次の春には、念願だった自社経営の保育園もオープンする。

小さいうちから木に親しむことで、日本の森を育ててくれた先人たちの思いに触れるきっかけになればと、製品をつくり続けてきた。

「やっぱり林業って一代で終わる仕事ではなくて。おじいちゃんたちが木を植えてくれたから今の森がある。その責任を背負ってくれっていう話ではないけど、次の世代に残していく誇りを感じられる仕事だと思います」

今回は、一連の仕事のなかでも実際に山に入って木を伐る、林業部門の募集。

ものづくりのためだけでなく、間伐を行うことは、森の生態系を守り、獣害や自然災害を防ぐことにもつながる。

体を使うハードな仕事のイメージもありますが、未経験からでも挑戦できるのでしょうか。

「そんなに筋肉モリモリである必要はなくて。若いうちに体の使い方を覚えれば、70歳くらいまで現役でやっていける。1年もやれば体が慣れてきて、3年くらいで一人前になるような感じです」

一日の終わりにはほどよい疲労感と、作業した分だけ景色が変わる充実感を味わえるのもこの仕事の醍醐味。

自然を相手にするからこそ、状況に応じて、チームで連携しながら作業を組み立てていく柔軟さも大切になる。

「どの木をどういう方向に伐り倒すか。これを考えるのに5分かかっていたら赤字です。まわりの人が次にどう動くか、呼吸や空気感も少しずつ覚えていってほしいですね」

チームとしての信頼関係がないと、安全に作業が進められない。自分勝手な行動をとれば、事故につながることもある。

「現場は僕らの所有物じゃなく、山主さんからお預かりしているものだから、現場を汚さないとか、失敗して周りの木を傷つけてしまったときはちゃんと報告するとか、当たり前のことをきちんとする。山主さんに満足してもらえる仕事をしないと、この村の森は守っていけません」

西粟倉村では2008年から、百年の森林構想というビジョンを掲げて、村の自然環境を未来につなぐ取り組みを進めている。2019年には、SDGs未来都市のひとつに選ばれた。

ローカルベンチャーなど先進的な取り組みが注目される一方で、その中核をなす林業や木材加工の当事者たちは、ほんの2、3年前まである問題を抱えていた。

「森林計画を立て、木を伐り、加工し、販売し、エネルギーとして活用する。ここ十数年で本当にいろんな会社ができたんですけど、実は今まで横のつながりがまったくなくて」

「木を伐る人は何に使われるかわからないし、加工している人たちは伐っている人たちがどれだけ汗をかいているか知らない。お互いの苦労を知らないから、まあ正直ちょっとギスギスしていたんですよ」

本来は森を守るという同じ目標があるはずなのに、村のなかでの足並みがうまく揃わない。

そんな様子を見て、近隣の事業者が西粟倉の山主さんたちに営業活動をする動きも出てきた。

「本当に幕末みたいなイメージですよ。薩摩と長州が対立している間に、外から入ってこようとする勢力もある。このままじゃいかん、坂本龍馬が必要だということで、同じく林業をしている青木さんや森の学校と相談して、協同組合立ち上げのために動きはじめたんです」

それはちょうど百年の森林構想から10年が経った2018年ごろのこと。まずは西粟倉で森づくりに関わる人を一堂に集めて話をしようと、“あわくら荘”で会食の場を設けた。

「まあ最初はケンカ腰というか、言いたいことを言う。だけど、熱い議論をしているうちに『あいつらも汗かいて頑張ってるんだな』っていうことがお互いに見えてきて。そこからは話が早かったですよ」

役割は違っても、同じ目標に向かっていく仲間として。森林計画から、林業、木材加工など、森づくりに関わるひとつのチームとして担っていく。そんな「チーム西粟倉」が最初に取り掛かったのは、村内に向けた情報発信だった。

西粟倉の森のことや、それぞれの会社が担う役割、強みを広報誌にまとめて伝えていくことに。

「最近は僕らが声をかけなくても、自発的に一緒に何かやろうっていう声が上がるようになって。もうほとんどわだかまりはないと思います」

「この協同組合を立ち上げるために、人を集めたのは僕かもしれないけど、それをグッと固める求心力になったのは理事長の青木さんです。地元の先輩で昔はやんちゃしていたけど、芯があって頼もしい兄貴分みたいな人。彼がいなかったら出来なかったと思う」

國里さんの話を聞いていると、まわりの人とどんなふうに関係を築いてきたかが伝わってくる。

地元の先輩や、山主さん、かつて木を植えてくれたおじいちゃんたち。上の世代が流した汗を知っているからこそ、次の世代に何か残したいという思いが生まれる。

その姿を通して、林業という仕事の根っこにあるものが見えたような気がします。

(2021/2/3 取材 高橋佑香子)
※撮影時はマスクを外していただきました。




※特集ページでは、西粟倉村という地域のこと、村内のほかの企業についても紹介しています。合わせてご覧ください。

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