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【西粟倉11の挑戦:その9】
届けたい
森の中へと誘う音

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

音楽を聴くと、その曲に触れていたときの情景がふわっと浮かぶことがある。自由に出かけることが難しい日々のなか、音楽を通して旅する気分を味わい、満たされることもありました。

音を鳴らせば、森のなかにいるような気持ちになれる。そんな心地よい楽器とおもちゃづくりをしている人たちがいます。

mori no oto(モリノオト)は、岡山・西粟倉村で木製の楽器と音の出るおもちゃをつくっている会社です。

今回は地域おこし協力隊として、木製楽器の営業や広報、イベント企画などに携わる人を募集します。



取材先は、その昔小学校の理科室だったという工房。大きなガラス窓から日の光がいっぱいに差し込み、部屋のなかにはシャーシャーと木を削る音が響き渡っている。

暖かな笑顔が印象的な代表の石川さんに話を聞いた。

「最初ここへ来たときは、僕自身も地域おこし協力隊やったんです。そこからずっと、山のなかで暮らしながら、西粟倉村の木を使って楽器をつくっています」

家電メーカーのプロダクトデザイナーとして働いていた石川さんが西粟倉村に拠点を移し、mori no otoとして活動をはじめたのは2014年のこと。

「家電と違って、木は節があったりするでしょう。人間と一緒で、それぞれ違う特徴があっておもろい。この地域の木を使えば、いろんな人が楽しめるものをつくれるんじゃないかって」

カチカチ、シャカシャカ、コロコロ。これらはすべてmori no otoの楽器の商品名。

名前の通り、叩いたり、振ったり、簡単な動作を通して、温かな音色が響く。

木目を活かした優しい風合いも魅力のひとつ。コロンと置いて愛でてもいい。

mori no otoの事業は大きく3つに分かれている。小型楽器のオンライン販売。幼稚園や公共施設への大型楽器の販売・レンタル。そして、楽器づくりを体験できるイベントやワークショップの運営だ。

最近、さらに新しい動きがあったことを、石川さんはうれしそうに教えてくれた。

「これから先も西粟倉で暮らしていくつもりなので、古い家を買ったんです。非常に恵まれた物件でね、農業をするスペースと蔵がセットで付いていて。ちょうど、大型楽器のショールームがなかったので、その蔵を展示・体験ができる空間にしちゃおうと」

そうして生まれたのが、展示ギャラリー「音蔵(オトノクラ)」。春ごろのオープンに向けて準備を進めている。

音蔵の入り口には、“森のオトクラベ”というひと際目を引く楽器がある。西粟倉一帯で採れたケヤキ、杉、桜、檜などの枝が吊り下げられていて、硬さや長さの違いから、叩くと異なる音が響くのだとか。

「あれを見ると子どもたち、叩きまくるんです(笑)。直感や本能が働くんかな」

「音蔵を楽しんでもらったあとは、となりにある納屋で楽器づくりのワークショップをするのもいいなと考えていて。いつもワークショップの終わりには合奏するんですよ。そのときのみんなの笑顔を見ていると、自分もすごく楽しい。森の音を五感で体験していただくツアーやね」

子どもの手にすっぽり収まる小型楽器から横幅160cmを超える大型楽器まで、幅広く製作しているmori no oto。「音旅(おとたび)」と名付けたワークショップでは、実際にそれらの商品に触れて楽しむことができる。

紹介したい商品も、それを伝えるための環境も充実しつつある。そんななか、コロナ禍の影響で仕事の在りかたに変化があったという。

「幼稚園なんかの施設が閉まっちゃって、大型楽器に触れてもらう機会がぐんと減ったんです。イベントやワークショップもできなくなってしまった。今の時代にマッチするような、新しいアプローチの仕方が必要なタイミングなのかなと」
  
これから仲間に加わる人と、ぜひ一緒にやりたいことってありますか?

「今は発信ができてないんですよね。SNSを通して現場のライブ感を伝えるとか、オンラインでワークショップできへんかなとか考えています。デジタルに強い人が来てくれて、mori no otoのことを伝えていってくれたらええな」

製作も一部サポートしながら、主に担当してほしいのは、音の楽しみを伝えることだという。

石川さん自身もアイデアは膨らませている。たとえば、リモートでワークショップができるように、手づくりキットの販売を始めたところ。

そのなかでも人気商品のバードコールを取り出して、実際に演奏してくれた。

木のブロックをねじると、ヒューヒューと優しいさえずりのような音がする。森のなかで鳴らすと、小鳥が寄ってくるのだそう。

楽器を演奏する石川さんの表情は、本当に生き生きしている。

自分の手でつくり、そのものの良さについて身を持って知っているからこそ、伝え方にも深みがでるのだと思う。取材中、商品について楽しそうに話してくれた石川さん自身が、それを体現していた。

一緒に働くのは、どんな人がいいでしょう。

「楽器って言葉で表現しきれないというか。音や質感って、実際に叩いて伝えていく作業がどうしても必要になります。せやから、歌って踊れる営業マンみたいな人がええな(笑)。まぁ、一番はね、mori no otoの製品が好きで、響きの心地よさを理解してくれる人がいい。そしたら自然と、伝え方も変わってくると思うんで」

1人で奏でる音も良い。だけど、2人、3人と異なる音が重なり合えば、新しいハーモニーが広がる。合奏を楽しむかのように、いろんな人と関わり合いながら働く石川さんの姿が印象的でした。

mori no otoのつくるものやコンセプトに興味が湧いたら、ぜひ石川さんと話してみてください。

(2021/2/8 オンライン取材 惣田美和子)
※写真は、ご提供いただいたものを使用しています。




※特集ページでは、西粟倉村という地域のこと、村内のほかの企業についても紹介しています。合わせてご覧ください。

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