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酸いも甘いも噛みわけて
地域の未来をつくる
人と仕事

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

たとえば地域の特産品を活かした商品開発をするとき。

商品をつくるだけでなく、売り先を探して消費者の反応を聞き、改善を重ねるところまで伴走する。道の駅の立ち上げなら、商品の選定やディスプレイの設計のほかにも、プロモーション、スタッフの育成等も行う。

そんなふうに、計画を立てて終わりではなく、地域の人たちと一緒になって事業づくりに取り組んできたのが、株式会社さとゆめです。

さとゆめは、“ふるさとの夢をかたちに”という想いで、さまざまな地域の課題解決に取り組んできたコンサルティング会社。

今年で創業から9年目。既存事業が成長してきたなかで、新たなフェーズに移行している真っ最中のようです。

今回は、東京本社を拠点としながら、リモートワークで働くコンサルタントを募集します。



地下鉄の三軒茶屋駅を出ると、きれいな青空が目に飛び込んできた。梅雨どきの久しぶりの晴れ間に、気持ちも軽やかになる。

今回は、市ヶ谷にあるさとゆめの本社ではなく、さとゆめが運営に参画するアンテナショップ「かほくらし」で取材することに。

首都高沿いを駒澤大学方面に少し歩くと、「かほくらし」の看板が見えてきた。

この日はお店の定休日。半分降りたシャッターをくぐってなかに案内してもらう。

迎えてくれたのは、代表の嶋田さん。一つひとつの事業や計画について、わかりやすく噛み砕いて話してくれる。

「さとゆめを起業したときから、自分たちの仕事を伴走型コンサルティングと呼んでいるんです。計画を立てるだけなく、事業をつくるところまで、地域の方と一緒に取り組んできました」

山梨県小菅村では、村全体をひとつのホテルに見立てるようなプロジェクトを。宮崎県日之影(ひのかげ)町では、道の駅のリニューアルプランの策定から、リニューアル後の売り場改善の実演、スタッフ研修まで。

さとゆめは、地域に伴走して事業をつくってきた。

「かほくらし」もその一つ。「都内にアンテナショップをつくりたい」という、山形県河北町の商工会の要望から始まった。

お店の立ち上げや運営支援にとどまらず、今年の4月には地域商社を新たにつくり、河北町の二次産業や一次産業まで支援していくことに。河北町内に加工場と販売拠点もつくる予定なのだそう。

さとゆめが取り組んできたプロジェクトは、計画が形になるまで3〜4年ほどかかるものばかり。最近は、ここ数年で育ててきた事業が次々と形になってきているタイミングだという。

「地域の計画・戦略の実現まで伴走する立場でスタートした会社なんですが、最近は事業をつくる会社として認識されるようになってきて。僕たち自身も、積極的に地域事業の運営や組織の経営に参画できるようになっていきたいと思っているんです」

成長スピードをあげていくためにも、このタイミングで新しい仲間を募集したい。

さとゆめで働く人にとっては、どんなことが大事なんでしょう。

「起業の経験やスキルももちろん活かせるんですが、一番大切なのは、地域を主語にして考えることだと思います」

地域を主語にして考える。

「さとゆめや代表のぼくにとってどうかではなく、地域にとって何が大切なのかを第一に考える。その地域の一員になったつもりで提案していくことが大切だと思っていて」

「自分たちの損得ばかり考えてはもちろんいけないし、地域の人が本当に望んでいることは何か、考え抜いて物事を動かしていく必要がある。どんな事業も、同じ目線に立って、まずは地域に馴染んでいくことから始まるんです」

スキルや実績があったとしても、地域の信頼を得られるとは限らない。時間もかかるし、大変なことも多いけれど、当事者として地域に飛び込み続けた積み重ねが、たくさんの事業を育てることにつながっている。

また、同時に課題も見えてきたと、嶋田さんは話す。

「これまでは計画を起点に事業をつくっていたんです。地域の課題や資源をベースに、まずは計画をつくる。計画ができたら補助金などの資金を確保して、事業を立ち上げて、最後に人材を募集する。でもそのやり方だと限界があって」

「少子高齢化が進む日本では、特に地方の人手不足は深刻です。新しい事業を生み出そうとしても、一緒に事業をやってくれる人がいない。その課題を解決するためには、人を起点にする必要があって」

人を起点にする?

「まずは地域に対して想いを持った人と僕らがつながって、コミュニティ化していく。そして、地域から具体的な課題が寄せられてきたら、その課題に関心のある人を募って、一緒に計画を立てる。そこからお金を集めて、ともに事業を立ち上げていく。お店やサービスができたら、その人自身が現場を仕切って進めていきます」

「計画ではなく、人が最初にくるやり方。そのためのプロジェクトが『100DIVE』です。今後10年かけて、育てていこうと思っているんですよ」



具体的にはどんなプロジェクトなんだろう?

教えてくれたのは、担当の生田さん。日本仕事百貨の記事をきっかけに、今年の3月に入社した方。

「簡単にいうと、課題を解決したい地域と、その課題に共感した人をチームにして、一緒に事業化を目指していくプロジェクトです」

100DIVEは、さとゆめと一般社団法人ALIVEの協働事業。2030年までに、100の地域で100の事業をつくることを目標に掲げている。

プログラムは、3ヶ月間で全5回。今年は長野県の小海町と信濃町、茨城県大子町の3地域を舞台に、テーマに沿ってチームごとに事業プランをつくっていくことになる。

小海町は特産品の「鞍掛豆」を使った商品の開発と販路開拓、信濃町は森林を活かした新しいビジネスモデルの考案、大子町では古民家を活用した場づくりなどがテーマになっている。

完成したプランは、地域のキーマンや自治体の首長にプレゼンテーション。マッチングが成立すれば、さとゆめとともに資金調達から事業化まで進めていく。アイデアを出すだけでなく、参加者と地域、そしてさとゆめが三位一体となって事業を実現していくプロジェクトだ。

たくさんの人が関わり、地域の将来を左右する事業が生まれるかもしれないプロジェクト。責任も大きそうですね。

「正直プレッシャーはあまりなくて(笑)。地域の人たちの熱い想いが、プロジェクトを動かす何よりの原動力になるんですよね。その本気に応えたい、なんとか形にしたい!という想いは強いです」

参加者も、プロボノや副業など、多様な関わり方ができるような形にしていきたいそう。

「いきなり地域に飛び込むのもいいですけど、まずは今住んでいる場所から、できる形で地域と関係を深めてもらうことも大事で。そこからだんだんと、地域で挑戦したいことに取り組む人が増えていったらいいなと思っています」

前職は教育関係の仕事をしていたという生田さん。30歳のとき、島根に移住したことがきっかけで、地域での事業づくりに興味を持ったそう。

「移住するまでは、東京で働いていて、生まれ育ったところもベッドタウンで。地域に対する思い入れってあまりなかったんです」

「でも島根で暮らすなかで、自分がいる地域に思い入れを持つ人にたくさん出会って。成り行きまかせに未来を待つだけじゃなくて、こういう地域をつくっていきたい!って、主体的に未来を語る人が多いと感じたんです」

その未来をつくるサポートがしたいと、さとゆめに入社。

働き始めて、どうですか?

「今はプロジェクトに関するさまざまな調整の仕事が多いですね。明確な指示をもらうことはないので、担当する事業に責任を持って、自分から周りに投げかけて進めていくことが大事だなと」

「難しいのは、地域の人の声を聞きつつ、忖度しすぎないことです。さまざまな事情があるのはわかるけれど、いま最適解とされていることが、本当にその地域の未来のためになるか。しっかり考えて、僕たちも応えていく必要があると思っています」

あらゆる希望を叶えようと、言われた通りに動くだけでは、さとゆめが関わる意味はなくなってしまう。地域のなかに入りつつ、客観的な視点で何が必要なのか、見極めることも必要なんだと思う。



最後に話を聞いたのは、同じく日本仕事百貨の記事をきっかけに入社した田房さん。

地域で事業を動かす人たちをサポートする役割の生田さんに対して、田房さんは、自らも地域に入って事業を動かしている人。

「名刺の肩書きはコンサルタントになっているんですけど、私は自主的にプロデューサーと名乗っていて。コンサルって言葉に違和感があったので、変えてみました(笑)。やっていることはあまり変わらないんですけどね」

違和感、というと?

「コンサルタントって、事業計画をつくって地域の人に渡して、はい終わりってイメージがあって。それを受け取った地域の人はどうしたらいいの?ってなるじゃないですか」

「さとゆめは、その計画をどう実現するか、というところまで責任を持っている。入社のきっかけも、そこに惹かれたからだったんです」

現在取り組んでいる仕事のひとつは、森林を活かした地域づくり。長野県信濃町で長年取り組まれてきた森林セラピーのノウハウを、ほかの地域や企業に広める役割を担っている。

出張も多く、週に3回出張することもあるそう。

現地ではどんなことをするんですか?

「地域の人が自分たちで事業を進められるように人材育成講座を開催したり、事業者さんを招いてモニターツアーをしたり、さまざまですね」

「意識しているのは、『こういう悩みを持っています』と地域の人から相談されたとき、本当にそれが根っこの部分なのかどうか、ちゃんと考えること。病気でたとえると、薬で症状だけを一時的に抑えるのではなく、生活習慣から見直す、みたいな発想です。よく話を聞いて調べて、一緒に考えるようにしています」



最後に、どんな人に入ってきてほしいか、あらためて代表の嶋田さんに聞いてみた。

「地域に貢献したいとか、地域で何か起こしたいって想いが強くないと、きびしいと思います。地域によっては、合意形成をしようにもステークホルダーが多くてなかなか事業が進まなかったり、やっと通ったと思った提案が行政の理論や地域のしがらみで止まってしまったり。うまくいかない、地味で大変なことが山ほどあるんです」

「そこにストレスを感じる人たちもいるかもしれないけど、僕らはそれありきで仕事を受けている。むしろそれをやりたいって想いがあるんです。そういうややこしいことが起きたら、『俺の出番だ!』みたいな感じですね(笑)」

地道で泥臭い、難しい事情や背景があるから、地域は課題を抱えている。

そこにあえて切り込んでいく仕事は、生半可な姿勢では取り組めないけれど、やりがいも大きなものだと思います。

酸いも甘いも噛みわけて、地域と伴走していった先にしか見えない“ふるさとのゆめ”があるのかもしれません。

(2021/6/28 取材 杉本丞)
※撮影時はマスクを外していただきました。

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