求人 NEW

ローカルとメディアの
持続可能性を
現場で一緒に考える

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

「ローカルの文化や風土は、その土地で暮らす人が考えたり感じたりしたことの集合体。そういう意味では、それを伝承していく人もメディアですよね。我々の仕事は、人と人の間に、つながるきっかけをつくっていくことだと思います」

そう話すのは、株式会社ココロマチの代表・吉山日出樹さん。

ココロマチはWebメディアの黎明期から、ローカルの個性を伝え続けてきたチームです。今回はここでWebディレクターとして働く人を募集します。

これまで2つの自社メディアの運営を核に、ときにはイベントを開催したり、コミュニティの中心となる場づくりをしたり。メディアの役割を柔軟に捉えながら、活動を続けてきました。

コンテンツ数も増え、広がりや厚みも増していく一方で、今一度自分たちのあり方を見直したい、と吉山さん。

SNSなどを通じて、誰もが自由にローカルメディアをつくれる時代。それを生業とする編集者やコンテンツディレクターたちは、社会のなかでどんな役割を担っていけばいいのだろう。

一筋縄では答えが出ないこの問いに向き合いながら、新しい種を蒔こうとするココロマチの人たちに、話を聞きに行きました。



日比谷線の虎ノ門ヒルズ駅から、歩いて5分ほど。ちょうど愛宕神社と道を挟んで向かい側のビルに、ココロマチのオフィスはある。

エレベーターでビルの5階に向かうと、オフィスのドア越しに白熱した議論の声が聞こえ、様子をうかがいながらなかに入る。

「今ちょうど、新しいシステムについての打ち合わせをしていたんですよ。まあ、どうぞ座ってください」

そう言って明るく迎えてくれたのが、代表の吉山さん。

吉山さんがココロマチを立ち上げたのは1997年。銀座の魅力を伝える「銀座コンシェルジュ」というサイトの運営から、ローカルメディアの仕事がスタートした。

「当時はずっと銀座に張り付いてやっていました。街っていうのは経済、政治、文化、それらが複雑に関係してできていて、その地域のなかでしかできないコミュニケーションの密度みたいなものがある。そのおもしろさにどんどん引き込まれていって」

そこから約10年後、新たに立ち上げた「itot(アイトット)」というメディアは、分譲マンションなどのプロモーションツールとして、街の魅力を伝えるサイト。

公園や学校、商業施設などを取材し、街のライフスタイルを紹介するコンテンツを作成。物件の周辺案内としてリンクを活用できるほか、知らない街と出会うきっかけにもなる。

もともとは首都圏がメインだったものの、最近は地方での需要も高まり、サイトの制作数は累計3,000エリアを超え、コンテンツ数は約10万件にまで増えた。

そして東日本大震災を経て2013年にスタートした「ココロココ」は、地方と都市部をつなぐ移住交流メディア。

地域おこし協力隊の活動や、先輩移住者の声などを取材して伝えることで、遠く離れた地方を、より身近に感じる仕掛けづくりを続けてきた。

「これまで、いろいろな地域に広く関わってきたからこそ、第三者の視点で比較しながら、まちを語ることができる。それは我々の強みだと思います。ただ、これからはちょっと、その逆のことをしようとしているんです」

逆のこと?

「僕は今、もう一回ローカルのなかに入っていきたい。ローカルメディアっていうのは、降って湧いて消えていくようなところもあるんだけど、きちんと持続可能なものにしていくために、土地や場所との関係をつくりなおしたいと思うんです」

ローカルのなかにもう一度入り込む。その布石のひとつが、数年前から取り組んでいる「南房総2拠点計画」というプロジェクト。

南房総で活動する人を取材し、記事を通してその内容を伝えるだけでなく、地域の遊休不動産の利活用を考えるスクールを開催するなど、地元と外の人をつなぐコミュニティをつくってきた。

不法投棄で荒れた雑木林などにも足を運び、参加者と一緒に地域課題に目を向けてきた吉山さん。その時間のなかで、浮かんできたひとつのキーワードがあるという。

「これから我々が目指すのは、風土産です」

ふうどさん?

「そう。不動産ではなく、風土産。風土や文化って、その地域に暮らす人たちがみんなでつくりあげてきたものですよね。同じように、土地も本来、誰かの所有物じゃなくて、みんなのものだと思うんです。そういう考えを共有しながら、土地や建物の生かし方を地域と一緒に考えていきたい」

地域にある資源と人が健全な関わり方探りながら、暮らしの営みを続け、風土を形成していく。その出発点として大切なのは、今ある課題を広く知ってもらうことだ。

ローカルのなかに自ら入りこみ、ときにはWebコンテンツをつくったり、一緒に考え話し合う場をつくったり。

地域課題の解決のなかでメディアが果たせる役割はまだありそう。

「社会課題は簡単ではないですから、右往左往しながらやっていくしかない。そういう意味では、非常に非合理的なことをやっている自覚もあります。ただ、儲かるかどうかを行動基準にしていたら、地域との信頼関係なんか築けない。今は時間をかけて土台をつくっていくときだと思います」

とはいえ、スタッフみんなでそれに没頭してしまうと、持続可能な事業に必要な収益を維持できず、根本が揺らいでしまう。

地域への思いをモチベーションにする一方で、役割を自覚して仕事を着実に進める意識も欠かせない。



そのバランスをうまく自分のものにしながら働いているのが、ディレクターの増田さん。今回新しく入る人と、一番近くで仕事を進めることになる。

増田さんはもともと、地元の南房総に関わりたいという理由でココロマチに入社。コンテンツ制作のかたわら、南房総でのスクール運営にも携わるなど、マルチに業務を担っている。

自社メディアの運営のほかにも、クライアントワークで紙媒体を手がけるなど仕事は幅広い。現在メインの仕事は、全国各地のitotの編集ディレクションやコンテンツ制作だという。

まずは、その流れを教えてもらう。

「itotは、分譲マンションなど不動産会社が販売する物件を中心に、周辺エリアを紹介していくメディアです。営業担当から案件を引き継いだら、まずはターゲットとなる購入検討者の理解を深めます。この物件を選ぶ人は、どんなライフスタイルを送りたいんだろうと、想像しながらリサーチしていくような感じです」

その後、物件を中心に紹介するエリアを決め、ポイントとなるお店や学校、公園などをピックアップ。ときには地域のキーマンにインタビューをしながら、雰囲気を伝えていく。

エリアは首都圏だけでなく、地方都市を取り上げることも。現地での取材はライターやカメラマンに依頼して進めていく。

「ときには読み方すらわからない地名とか、仕事を通じて初めて知る街も多いです。どんなコンテンツにするか、インターネットや口コミを手掛かりに情報を集める場合もありますが、クライアントとなる不動産会社の方から、ローカルな意見を引き出してまとめることもよくあります」

ディレクターが直接取材をするのではないからこそ、クリアな解像度で完成形を想像しながら、準備と段取りをしていく。

街にはそれぞれ、魅力的なスポットや印象的な人との出会いがたくさんある。そのなかでエリアガイドとして何を選び伝えるか、クライアントの意向も踏まえながら柔軟に考えていく必要がある。

「新しく入る人に、同業種の経験はなくても大丈夫だと思います。場合によっては、アシスタントのような立場から仕事を覚えてもらうこともできるので。今までの実績よりも、着実に仕事を進める誠実さのほうが大切だと思います」

「ライターさんやカメラマンさんはもちろん、ときにはクライアントとなる不動産会社の担当者や取材先のお店や街の人など、外部の方とのやりとりも多い仕事なので、人とのコミュニケーションは丁寧に進めていきたいですね。ちゃんと『ありがとう』と『すみません』を言うとか、基本的なことから」

実は今、社内で専任のディレクターとして働いているのは増田さん一人。月に十数件の案件を担当し、ほかは営業などの担当者が兼務する形で、コンテンツづくりを進めている。

「特にitotでは、いろんなライターさんが記事を書くので、文体のばらつきなど改善したい課題はあるんですが、現状、立ち止まって考えることが難しい面もあります」

「積み上げてきた実績がルール化している部分もあって、本当はちゃんと見直したほうがいいのかもしれません。新しく人が入ったら、そういう部分も一緒に考えていきたいですね」



新人ならではの素朴な疑問が、チームに新しい糸口をもたらすこともある。

ココロマチでは、新卒採用者の研修として、自社メディアのあり方を考えるという課題がある。昨年の4月に入社した営業担当の山岸さんも、それに取り組んだ。

「課題をやりはじめたときは、itotにこんなコンテンツがあったら素敵だなって夢を膨らませて考えていたんですが、最終的に発表としてまとめようとすると、じゃあどうやって収益化していくの?っていうところで立ち止まってしまって、難しかったです」

「ただ、最初からそうやって考える機会をもらえたことで、自分がこれから担当する営業の仕事が、事業のなかでどういう意味を持つのか考えるきっかけになりました。今もまだ経験は浅いんですが、手をあげればいろんな仕事を経験させてもらえて。そこはこの会社のいいところだと思います」

今は営業をメインに、ときにはコンテンツ制作や編集の仕事に携わることもあるという山岸さん。もともとは大学でまちづくりを学んでいた。

itotのクライアントである不動産会社の担当者とコミュニケーションをとるなかで、メディアとまちづくりの関係を理解するようになったという。

「私たちの仕事のスタートには、不動産会社や自治体の方の思いがある。その街をより魅力的に紹介したいっていうクライアントの意図を汲みながら、コンテンツとしてどう伝えるか。毎回答えが違っていておもしろいです」

新聞や雑誌など、有料で販売する媒体と違って、閲覧無料のWebメディアを事業として運営していく以上、クライアントとの関係づくりはとても大事なこと。

とはいえ広告的な役割に寄りすぎず、コンテンツを通して人と人のよい出会いにつなげていこう、自分も読み手もワクワクするようなものをつくろうという想いが、メディアとローカルとの関係をよりおもしろくしていくのだと思います。

今まで積み上げてきたところから、一歩踏み出して、さらに持続可能なメディアへ。

ココロマチの新しい挑戦に、一緒に取り組める人を探しています。

(2021/10/19 取材 高橋佑香子)
※撮影時はマスクを外していただきました。

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