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食材に「新たな価値」を
四六時中、考え続ける
食の職人集団

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

 四六時中、仕事のことを考えていたい。人生をかけて仕事をしたい。

そう思う人は、きっといるんじゃないかと思います。

私たちの暮らしのすぐそばにある「食」。その世界で挑戦したい人に、今回紹介する仕事はぴったりかもしれません。

食品の企画開発から流通までを手掛ける有限会社セレンディブ。ここで、代表とともにフロントに立つ企画営業・バイヤー担当と、会社運営を取り仕切るバックオフィス・マネージャーを募集しています。

創業から掲げる「食材の価値最大化」の仕事により力を注げるよう、会社を再構築するタイミングとのこと。職種にかかわらず、会社をともにつくっていく幹部候補となる人を探しています。

あわせて、商品撮影やパッケージデザインを手掛ける外部パートナーも募集中です。

 

牛込神楽坂駅の出口を出てすぐ。道を挟んだ向かいにあるマンションの一室に、セレンディブのオフィスがある。

インターホンを鳴らし、8階に上がる。部屋に入ると、オフィススペースのすぐそばにキッチンが見える。

「生産者さんやメーカーさんから届いた食品を調理して試食するんですよ。今日もランチでいただいたところで」

そう話すのは、代表の庄子さん。

百貨店のオリジナルギフトの企画や、生産者の6次化をサポートするなかで生まれた商品の流通化など。2004年の創業以来、セレンディブはマーケティングの視点から、食品の企画開発から流通までを幅広く手がけてきた。

取引のある生産者や食品メーカーは全国で1000社以上にのぼる。

「いまはお中元の企画を考えはじめているところで。いろいろな小売店のバイヤーから今年のテーマの連絡を受けて、私が面白い!と思う素材や生産者を紹介しながら、『こんな商品になったら面白くないですか』と、提案していきます」

「生産者さんやメーカーさんとバイヤーさんとの間に立って、いろいろな相談からアイデアを膨らませ、新しい商品を生み出す。それが私たちの仕事です」

たとえば、と紹介してくれたのは、百貨店のギフトカタログ。

北海道で育てた短角和牛と、食べる国宝と呼ばれるマンガリッツァという豚の脂を使ったハンバーグをつくったのだそう。

「昔から生産者さんのことは知っていて、いつかこの牛肉を使った商品に関わりたいと思っていたんです。加工品をつくるタイミングがあれば、ぜひ一緒にやらせてほしいとお伝えしていて」

当時、その牧場で取り扱う牛肉は業務用が中心だったそう。3年後、あらためて庄子さんから声をかけたところ「加工品、やってみようか」との返事が。念願かなって商品を企画することになった。

まずは、その生産者に興味を持ってくれそうな百貨店のバイヤーに相談。

生産量の限られた希少な牛肉を、どう加工すれば流通に乗せられるのか。放牧でのびのびと牛が育つ風景を想像してもらうには、どんな商品が良いのか。

みんなでアイデアを出し合い、ハーブを使った“草原のソース”で食べるハンバーグが生まれた。

「純粋に素材がおいしいだけでは、マーケットで評価してもらえない。おいしいことは大前提で、ほかにどんな要素があれば魅力に感じてもらえるのか。それを考えて企画や商品に落とし込み、それぞれに最適な販路に乗せて流通させるのが私たちの役割なんです」

産地、ブランド、素材の掛け合わせ、食のトレンドなどさまざまな情報を組み合わせて、食材の価値を最大化する。

少数精鋭のチームながら、セレンディブには全国各地から相談が舞い込んでくるという。

2代目社長として、4年前に経営のバトンを受け取った庄子さん。経営者とプレイヤーを兼任して走り続けるなかで、感じることがあったという。

「この仕事って、マーケティングや加工技術、流通など、さまざまなプロフェッショナルの知識が必要とされるけれど、それだけでも成立しなくて。知識があって、さらに“食への興味と感性”が必要なんじゃないかと思うんです」

食への興味と、感性?

「たとえば、国産の無農薬栽培のバナナを一本1000円で売りたいと、生産者さんから相談されたとして。一房100円のバナナの横に並んだときに、それでも『食べてみたい』と思ってもらえるような価値ってなんなのか。そんな馬鹿げたことを真面目に考えるのは、うちくらいだと思うんですよ」

「仮にそのバナナが皮ごと食べた方が美味しいものだとしましょう。ほかにない、新たな価値ですよね。『皮ごとスムージーにすれば、ほかのバナナよりはるかにおいしく、さらに食物繊維やほかの栄養素なども摂取できる』なんて話がつくれたら、1本1000円でも人気商品になるかもしれない」

これまでにない、新たな価値。その可能性を想像しては検証し、企画に落とし込んでいく。

「バナナの皮まで食べなくてもいいんじゃない?」、「1本1000円じゃなくて1房1000円でも十分じゃない?」と考えることを止めると、そこでセレンディブらしい仕事が終わってしまう、と庄子さん。

「食が好きで、一見馬鹿馬鹿しいことでも面白がって考えられる。想像力が豊かな人でないと、真面目な顔して『バナナの皮をおいしく食べるには』なんて考えるのは難しいと思うんです」

大切なのは、「バナナ1本を1000円で売りたい」という気持ちに応えられるようなアイデアを考え抜くこと。

セレンディブにはホームページもないし、表立って営業もしていないから、どんな会社かわからない。

一つひとつ、誠実に考え抜く。そんな姿勢が信頼につながって、お客さんがお客さんを呼ぶ、「知る人ぞ知る」会社になってきたんだと思う。

「『セレンディブに相談すれば、どんなジャンルの食材でも面白いものに変わるよね』と言われる存在になりたいですね。そんな“懐の大きな、食の世界のブラックボックス”を目指しています」

先代から積み重ねてきたつながりから生まれる仕事もある。

見せてくれたのは、別のギフトカタログ。醤油や塩レモンで味付けされた鮪がパウチになっている。水産高校の学生と協力してつくった商品なんだそう。

きっかけは、「高校生とコラボしたギフトをつくりたい」という百貨店からの相談。庄子さんの頭に浮かんだのは、学生たちがマグロ解体ショーをおこなうという愛媛・宇和島の水産高校だった。

「10年ほど前、ショーの相談で先代がその学校を訪れていて。『いつか一緒に商品もつくれたらいいね』と学校の先生と話をしていたそうです」

「今回のギフトの相談があったとき、宇和島の学生さんのことを思い出したんです。当時の先生がまだ在籍していらっしゃるとのことで、やってみませんか、とご連絡したところ、ご快諾いただけて」

学生たちにとってははじめての商品企画。苦労もあったけれど、なんとか形にすることができた。

「近くの水産会社がマグロの調達をしてくれたり、地元のテレビ局がマグロ解体の様子を取材してくれたり。企画を知った人が次々と『なにかできることはない?』と声をかけてくれたんです。学生のみなさんと、地元の人の思いが詰まった商品になりましたね」

先代からのつながりを含め、庄子さんの頭のなかには「いつか一緒に仕事をしたい」という人がたくさんいるのだそう。

今回募集する職種のうちのひとつ、企画営業・バイヤーを担う人は、庄子さんとともに全国の産地を巡り、商談を経験しながら、実践的に企画に関わっていくことになる。

答えのない課題に、知識と経験、想像力で向き合っていく。口で言うのは簡単だけれど、仕事に熱意をもって向き合える人でないと、正直しんどさを感じる仕事だと思う。

さらに2月からは、経理や人事などバックオフィス業務のシステム化を担当する人も加わる予定。会社を支えるスタッフの一人が家庭の事情で退職してしまったこともあり、フロントに立つメンバーが商品企画の仕事に力を注げるよう、体制から整えていきたいとのこと。

会社として成長していくための大切なタイミング。加わる人は、庄子さんの「右腕」を目指すくらいの気持ちで臨むのがちょうどいいかもしれない。

「ただ、」と庄子さん。

「生きている間は、誰しも『食』と離れることはできなくて。子育て中、離乳食を食べさせてあげる経験だって、新たな価値を生み出すヒントになるのかもしれない。すべての経験が仕事に活かせるからこそ食の世界は面白いし、走り続けられるんだと思います」

 

食の世界は、暮らしそのもの。アンテナを張れば際限なく情報を得られる世界。

暮らしと仕事と、連続した感覚にもなりえるからこそ、とことん向き合っていける醍醐味もあるんだと思う。

一緒に働く人たちはどんなことを考えているんだろう。

前回の日本仕事百貨の記事を読んで、昨年10月に入社したという、バックオフィスの井出さんにも話を聞かせてもらう。

「記事に出てきた日本地図を見て、少人数でこんなにもたくさんのお客さまと仕事をしていることに驚いて。それを取り仕切る社長が女性というのも魅力的でした」

「あとは、自分の仕事がどんな役割を果たしているのか、ちゃんとわかった上で仕事をしてみたい、という気持ちもあって。自分に足りないものがきっと見える。成長のためのチャレンジだと思って応募しました」

主な仕事は、発注書の作成や受発注の管理など。

発注書に決まったフォーマットはなく、会社ごとに作成しているそう。番号ひとつ間違えると、先方の事務処理に大きな影響を及ぼすこともあるため、気は抜けない。

加えて、アナログな作業を必要とする業界でもある。いまでも発注書のやりとりはファックスが多い。文章で伝えるのが難しいことは先回りして電話したり、資料を見ながら一緒に確認したりと、細やかな配慮が必要とされる仕事だ。

目の前の仕事が全体のプロセスのなかで、どのような部分にあたるのか。先輩たちに確認しながら、ひとつずつ身につけてきた。

「もう、日々勉強ですね。消費者へ商品が行き渡るまでが私たちの仕事だと思うと、勉強するべきことは山ほどあって。社長とも距離が近いので、ちょっとした会話を聞くだけでも参考になるし、面白いなと思います」

どこで素材が生まれて、誰が加工して、どのように届くのか。この仕事に就いてから、食品パッケージの表示や、原産地の情報もチェックするようになったそう。

そんな井出さんには、今後取り組んでみたい仕事があるんだとか。

「学生時代に勉強していた、アニマルウェルフェアに関わる商品開発をしたいと思っていて。放し飼いでのびのびと育った動物たちの商品をつくれたら、日本の農家さんの飼育方法の選択肢も増えると思うんです」

新しいことをはじめるには、スキームからつくる必要がある。まずは一歩目として、庄子さんの出張に同行するなかで考えを深めたい、と井出さんは話していた。

仕事への気概と、プロとしてのスキル、食の世界への飽きることない興味関心。よくもわるくも整っていない環境で、自ら問いを立て、考えていく。セレンディブで求められるものは、決して簡単なものではないと思います。

人生をかける仕事をしてみたい。そう思う人にとって、ここで過ごす時間は有意義なものになるように感じました。

(2022/1/6取材 阿部夏海)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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