求人 NEW

食の力が“わざわざ”を生む
人と地域のご縁を結ぶ場所

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

縁結びで有名な出雲大社に、日本一のしじみ漁獲量を誇る宍道湖。

日本海の風が吹き込む島根県の東部エリアに、この春、新たな場が生まれます。

その名も「WINDY FARM ATMOSPHERE」。

プロジェクトを手がける株式会社バルニバービは、都心を中心に展開する90以上の飲食店に加え、淡路島の「Frogs FARM ATMOSPHERE」など、食を通じたまちづくりに取り組んでいる会社です。

出雲大社から車で19分ほどの日本海沿いに、レストランやホテル、道の駅をオープンし、その後は公園や農園に加え、住居エリアも整えていく予定とのこと。

今回募集するのはレストランとホテル、道の駅で働くスタッフ。希望に応じて配属が決まりますが、いろんな施設で働いてみたいという人も歓迎です。

食べることや人と関わることが好き、地方で働くことに興味があるという人に、ぜひ知ってもらいたい仕事です。



たくさんの人でにぎわう渋谷駅。

改札を抜けて、宮益坂方面の出口へ。地上に上がり、目の前の明治通りを原宿方面に歩くこと、およそ5分。

左手に見えてきたのは、MIYASHITA PARK。公園に加えてハイブランドのショップやレストラン、ホテルなどが集まる大型施設だ。

3階にあるのが、バルニバービが立ち上げたレストラン「NEW LIGHT」。

店内に入ると、温かみのあるライトで照らされた客席に、バーカウンターやオープンキッチンが一度に見渡せる。気楽にくつろぎながら、食事を楽しめそうな雰囲気。

一番奥にある個室で迎えてくれたのは、バルニバービの役員兼、運営子会社のバルニバービウィルワークス代表の石倉さん。

石倉さんが飲食の道に進んだきっかけは、学生時代のアルバイトだった。

「一生懸命サービスしたことに対して、お客さまが目の前で喜んでくれたり、また足を運びに来てくれたり。そしてお金までいただける。なんて楽しい仕事なんだ、と思ったんです」

大手企業に内定が決まっていたものの、飲食店で働く楽しさが忘れられず、大学卒業後は、アルバイト先に社員として就職。

年数を重ね、店舗運営など責任ある仕事を経験するなかで「みずから経営をしてみたい」という思いが芽生えてきた。

経営者はどんなことを考えているんだろう。外の会社も見てみようと、転職活動をしたなかで出会ったのがバルニバービだった。

「当時はまだ小さい会社で、最初から社長と面接でした。いろんな会社を受けたんですけど、うちの代表の話が一番理解できなくて(笑)。逆に興味が湧いて、入社しましたね」

新店舗の店長からはじまり、鹿児島にある鹿屋体育大学の食堂や、健康志向のレストランなど、あらゆるプロジェクトで経験を積んでいった。

バルニバービが展開する店舗は、レストランやカフェ、居酒屋、和食店などさまざま。同じ名前のお店でも、場所によってそれぞれの雰囲気は異なる。

「立地や働く人が違えば、お店ごとにできることもきっと違う。うちは、そこで働く人たちがやりたいことを実現していけるお店、会社でありたいんです」

たとえば、店舗ごとに異なるメニュー。近年の食品価格の高騰で仕入れコストが上がっても、店ごとに工夫を凝らし、原価率は変わっていないという。

信じて任せてもらえるからこそ、自分たちの頭で考える。それが結果となり認めてもらえたら、大きなやりがいになるんだろうな。

「あと、普通なら出店を考えないバッドロケーションもポイントで」

たとえば、北千住にある「アダッキオ」というピザ屋さん。50年以上続いた蕎麦屋を改装してつくった。

「駅から遠くて、近くを歩いているのは近所の住民くらい。普通なら出店を考えないけど、社長は絶対出店する、と。実際やってみたら、めちゃくちゃ売れまして」

「バッドロケーションだとまず賃料が抑えられる。加えて、飲食店をつくることで人が集まり、その場所に新たな価値が生まれて、まちづくりにもつながっていくんです」

一方で、今いるNEW LIGHTは都心の一等地。バッドロケーション戦略で成果を収めてきたバルニバービには、こういった一等地での出店を依頼されることもあるのだとか。

「ここ数年、都心部だけで飲食業を続けていくのが本当に正しいのかと思うようになって。日本全国に視野を広げると、環境や食材が豊かでも、その良さを活かしきれていない場所がたくさんあることに気づかされました」

地方にもバッドロケーション戦略を広げていこうと考え、最初に取り組んだのが淡路島。

玉ねぎなど有名な特産品はあっても、観光客は少ない。まずはレストランをつくり、その後にホテルなどを段階的に増やしていき、今では10店舗以上を淡路島で展開している。

その後、淡路島の成功例を知った自治体から、バルニバービへの問い合わせが相次いだという。

そこで新たに取り組むことになったのが、「WINDY FARM ATMOSPHERE」のプロジェクト。エリア内にレストランやホテル、道の駅をつくり、ゆくゆくは住居も建てていく予定。

「ここは、日本海・砂浜・崖という珍しい環境が揃っている場所。崖がキーコンセプトで、レストランとホテルの名前に『CLIFF』を入れています」

くり抜かれた崖のなかにつくられたホテルの部屋は、全室露天風呂つき。崖から日本海を眺めながら、ジャグジーを楽しめる。

ホテルの上に立つレストランは海に面したテラス席も。夕陽を楽しみながら、おいしい料理やお酒を味わうなんて最高だろうな。

「ただ、出雲大社や縁結び空港、宍道湖などの有名な観光スポットはすべてこの場所より東側。これまで出雲大社までだった観光ルートを、さらに西へ足を運んでもらう工夫が必要で」

島根の観光は車で巡ることが多い。そこで、気軽に立ち寄りやすい道の駅をつくることに。

地元の特産品を販売しつつ、ハンバーガーやコーヒーなどの店舗が入る予定。

ほかにも、海を目の前にしたブランコがあるフォトスポットや、ドライブインシアターなど、「この場所だからこそ行きたい」と思えるような斬新なアイデアも構想中だ。

施設ができれば、人の流れも地域の雰囲気もガラッと変わる。面白そうに感じる一方で、地域の人たちはその変化に不安を覚えるかもしれない。

「まちづくりには地元の人たちと関係を築くことがとにかく重要で。意見をもらいつつ、こちらのアイデアも伝えて、一緒に進めていくことが大切ですね」

より良いまちにしていきたいという願いは、きっとみんなに共通している。

だからこそ、地域の集まりに参加したり地元の情報を集めたりと、地道な行動を重ねて信頼関係を築くことが求められる。

「食べることと、人を喜ばせることが本気で好きな人と一緒に働きたい。ここだと、普通の飲食店ではやらないことも自分たちで考えていく必要があるので、コミュニケーション好きであることもポイントですね」

「むずかしさはあるけれど、これまで培ってきたノウハウを活かす新たなチャレンジなんです。これで出雲を盛り上げられたら、僕たちの強みや自信にもつながっていくと思います」



次に話を聞いたのは、入社6年目の星さん。出雲にできるレストラン「GARB CLIFF TERRACE」の責任者になる方。

GARB CLIFF TERRACEは、渋谷のNEW LIGHTをモデルにしている。星さんは現在、NEW LIGHTでサービススタッフとして働きながら、店づくりについて研究しているところ。

「学生時代のアルバイトから正社員になって、ずっと北千住のアダッキオで働いてきました。ただ、GARB CLIFF TERRACEは規模がかなり大きくて。楽しみな反面、不安も大きいですね」

地方のプロジェクトに興味はあったものの、石倉さんから責任者として誘われたとき、自分には経験が足りていないと感じて悩んだそう。

しばらく考えた結果、20代のうちに新しいことにチャレンジしてみたいと思い、責任者を引き受けた。

「NEW LIGHTのシェフも出雲で一緒に働く予定で。今はいろんな試作品を食べながら、メニューについて相談しています」

昨日試食したのは、島根産アナゴのフリット。食感はふわふわで、臭みもなく、別の産地のものよりもおいしく感じたという。

「宍道湖で採れたしじみの出汁も飲んでみたんですけど、本当においしくて。島根の食材でどんな料理が提供できるのか、楽しみです」

魚介類のほかにも、ミニトマトや出雲牛、ネッカ卵など。地元産の安心でおいしい食材をふんだんにつかったメニューを開発中だ。

使う食器も、出雲の特産品である「出西釜(しゅっさいがま)」を使用。 

観光客に料理を楽しんでもらうことはもちろん、地元の人が島根の良さを再発見することにもつながるかもしれない。

「『わざわざ来たい』と思えるような、『わざわざ』をつくり出したいんです」

わざわざ、ですか?

「アダッキオで働いていたときも、なかなか足を運ばない場所にこんなに人が来てくれるんだ!と、驚きました。そんな場所になればいいなと。ここから島根の魅力がどんどん広がっていくようなスポットにしていきたいです」

早く現地に行って、もっとイメージを膨らませたいと、星さんは話していた。



「これから地元が盛り上がっていくと思うと、楽しみでしょうがないです」

そう話すのは、先週入社したばかりの島根出身の櫻井さん。

2ヶ月ほどNEW LIGHTで研修を受けたのち、道の駅にできるコーヒーショップでバリスタとして勤務する予定。

島根のカフェでバリスタとして働きながら、いずれは独立してカフェを開こうと準備をしていた。ところがコロナ禍の影響を受け、安定した給料を得るために工場などで働くことに。

「諦めがわるかったんで、なんとかバリスタとして食べていける道がないかと、『島根、バリスタ』でしょっちゅう求人検索をしていましたね」

そこで見つけたのが、今回のプロジェクト。

「だんだんと島根に観光客が戻ってきていることを感じていましたし、こんな施設が出雲にできたらまちがもっと盛り上がる。しかもバリスタとして働けるし、こんなチャンスはないだろうと思って、奥さんにも相談せずに応募しました」

「独立前にこういうレベルの高いところで働いて、経験を積むのはすごく貴重な機会だと思うんですよ。僕は30代ですけど、島根の若い人たちにもこのプロジェクトのことを知ってほしい」

地元で暮らしたいと思っていても、仕事がなければ外に出ていくしかない。新しい働き口が生まれたら、地方に住み続ける人も増えていく。

「NEW LIGHTに来て一週間が経ちますけど、料理やサービスのクオリティとスタッフの熱量がすごいんですよ。出雲にこんなお店ができて、同じような仲間が増えたらと考えると、ワクワクしますね」

櫻井さん曰く、現地はまだ何もない場所。たくさんの人でにぎわう様子を見たとき、どんな気持ちになるんだろう。

 

取材終わりにつぶやいた、石倉さんの一言が印象的でした。

「『おいしい』の力って、すごいですよ」

石倉さんはさらりと言ったけれど、これまで数々の場所で成果を出してきたからこそ、自信を持ってそう言えるのだと思いました。

食で出雲を盛り上げたい。そんな熱い想いを持つ仲間が待っています。

ピンと来た人は、ぜひ一歩踏み出しみてください。

(2023/1/23 取材 小河彩菜)

※撮影時はマスクを外していただきました。

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