求人 NEW

DEAN & DELUCA
AND…?
食のよろこびをつなぐ拠点へ

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「DEAN & DELUCAって、誰のものでもないと思うんです。僕たちバイヤーだけじゃなく、食材の生産者、職人、シェフ、パティシエ、いろんな人が一緒になっていいものをつくり届けていく、プラットフォームのようなブランドを目指していきたいです」

1977年、ニューヨークで生まれたDEAN & DELUCA。創業者の名前を冠したマーケットストアで、地中海食材をはじめ、つくり手の思いが詰まったものを世界中から集め届けてきました。

その考えを受け継いだお店が日本にオープンしたのが2003年。今では首都圏を中心に、さまざまな街の日常に溶け込んでいます。

目にも美しいデリやスイーツが並ぶショーケース、めずらしい調味料の数々など、日々の食卓に新しい発見やよろこびを届けてくれるお店です。

20周年を迎える今年、自分たちが提案できる食の可能性をもっと広げようとさまざまな挑戦をはじめています。

そのうちのひとつが、新しいバイヤーを迎えること。今回は、スイーツの仕入れや商品企画に携わる人を募集します。

必ずしも同業種の経験がなくても構いません。

ほかの業界でMDをしていた人、今はレストランやパティスリーで働いているけどバイヤーに転向してみたいという人。さまざまな経験を活かして、新しいDEAN & DELUCAの形を考えていける人を求めています。

12月半ば。学芸大学駅から歩いて5分ほどのところにあるお店を訪ねた。

DEAN & DELUCAで働く人たちにとって、クリスマスからお正月に向かうホリデーシーズンは、一年でもっとも忙しい季節。

普段はバックオフィスで働くメンバーも、役職の上下を問わず、店舗へ応援に駆けつける。

ブランド企画室統括の宮嶋さんも、例外ではない。

大変ですね。

「いやいや。こんなこと言うと怒られちゃうかもしれないけど、楽しくてしょうがないですよ。僕はもともと売り場で働いていたし、自分が選んだ商品を手に取るお客さんの顔が見えるのは、この仕事で一番楽しいことです」

もともと店舗スタッフとしてDEAN & DELUCAに入社した宮嶋さん。MDアシスタントを経て、現在はバイヤー・MDチームの統括を担っている。

「企画担当だからといって、仕入れだけやって『あとは店舗でよろしく』っていうことは絶対にないです。ときにはお店に立って、お客さんや売り場の雰囲気を直に感じる。DEAN & DELUCAらしさって、そんなふうに掴んでいくものだと思います」

DEAN & DELUCAが日本でスタートしたのは、今から20年前。

オリーブオイルやパスタなどの地中海食材に、ヨーロッパ諸国の伝統菓子、輸入食材を豊富に取り揃えている一方で、出汁やお味噌、和菓子など日本の食材も扱っている。

本場のスタイルを真似るだけでなく、日本にあるべきDEAN & DELUCAの姿を模索してきた。

「食材を本質から考えるというのは、DEAN & DELUCAらしさのひとつです。お客さまも本質が伴った商品を求めてくださっている。ただ、ブランドとして進化し続けていくためには、その“らしさ”をアップデートしていく必要があるんです」

新しいDEAN & DELUCAの価値を探るため、最近はシェフやパティシエなど、社外のつくり手と共同で企画を進めることも増えてきた。

老舗メーカーや熟練のつくり手だけでなく、若手を応援することも、自分たちの存在意義だと宮嶋さんは言う。

たとえばコロナ禍で休業中のレストランと一緒につくったパスタソースは、その反響を受けてほかのレストランからも手が挙がり、シリーズ化することに。

シェフのアイデアと、小売店としてのノウハウ。お互いの強みを掛け合わせて、新しい価値をつくるプラットフォームでありたいと宮嶋さんは言う。

「シェフの方たちと仕事をすると、昔から知っているはずの食材の新しい魅力を教えてもらうことが多いです。逆に、僕たちはシェフではないからこそ素朴な疑問をぶつけられる。立場が違うからこそ、得られる刺激もあると思います」

「とはいえ相手はその道のプロなので、生半可な気持ちでは相手にしてもらえない。こっちもちゃんと勉強して『ほかには出してないけど、あなたのところなら卸すよ』みたいに言っていただけるように、信頼関係を築くことがバイヤーの役割だと思います」

バイヤーというと、“もの”を仕入れるイメージもありますが、どちらかというと大事なのは“人”をつなぐ役割なのかもしれませんね。

「本当にそうですね。いろんなつくり手さんと出会うことで、僕たちも成長させてもらえるし、新しい企画を考えるモチベーションにもなります。そこに貪欲になれるほうがいいですね」

「僕たちはメーカーではなくてセレクトショップなので、お客さまは常に新しい発見を求めていて。やっぱり、いろんな面で欲がないと、企画し続けるのは難しい。まあ欲だけで作戦がないと、『それはお前が食ってみたいだけだろ』って怒られて終わるんですけどね(笑)」

自分がいいと思ったものを、どのタイミングで、どう伝えるか。そこまで考えるのがバイヤーの仕事。そう話す宮嶋さんも、感覚を掴むまでいろんな人にたくさん怒られてきたという。

誰も最初からうまくできるわけじゃない。

それでも臆さずに人と向き合える人が、新しいプラットフォームとしてのDEAN & DELUCAには必要なのかもしれない。

 

現在MDとして働いているメンバーは7人。デリやベーカリー開発のメンバーも入れても、9人ですべての商品を考えているという。

ほとんどが現場からの抜擢というなか、唯一中途採用でチームに加わったのが内田さん。

前職は製パンメーカーで企画開発に携わっていたものの、もっと食卓全体の提案をしてみたいと選んだのが、今の環境だった。

現在はほかのメンバー2人と分担して、スイーツの仕入れを担当している。

国内外の生産者から買い付けをしたり、国内のパティシエと共同で商品開発をしたり。セレクトから生産管理のような部分まで、業務は多岐に渡る。

内田さんが最近担当したのは、新しいフィナンシェの開発。

もともとはマドレーヌなどいろんな焼き菓子の詰め合わせだった商品を、フィナンシェ5種類のセットにリニューアルしたのだそう。

「私と製造工場だけでは、リニューアル方針を考えるのが難しい面もあって、社外のパティシエさんに相談しました。そこでまず指摘されたのは、フィナンシェに使うバターの焦がし具合でした」

そもそもフィナンシェは、焦がしバターとアーモンドの風味が特徴の焼き菓子。

従来の商品は、その根幹であるべきバターの風味が弱い。もっとしっかり焦がして風味を出してはどうかというアドバイスを受け、試作を重ねることに。

「一度、バターを限界までしっかり焦がしてみたら、今までよりコクのある風味が出てきて。それでいっそ、フィナンシェだけで勝負してみようということになったんです」

パティシエの言葉を工場に伝えたり、スケジュール管理をしたり。プロジェクトに関わる人と人の間に立つ調整役のような面もある。

「つねに誰かとコミュニケーションをとる仕事だと思います。そこが面白さでもあり、難しさでもある。担当する食材のことだけじゃなくて、人と話すのも好きな人のほうがいいのかもしれませんね」

内田さんがスイーツ担当として関わる取引先は、パティスリーや和菓子店の菓子職人から、スイーツの製造工場までさまざま。

相手の個性や、仕事の流れに合わせてコミュニケーションをとる姿勢が大事だという。

「忙しいから、話は手短に。という方もいますし、商談の前に必ず1時間雑談をする方もいます」

1時間。何を話すんですか。

「いろいろです。経営の悩みとか、出張先でのこととか。一見、業務に関係ないような話でも、その人が今意識していること、次に取り組むテーマのヒントが隠れていることもあるので、コミュニケーションは大事にしようと思っています」

内田さんがスイーツ部門のMDとして働きはじめて、まもなく4年。

前職でも商品企画に携わっていたため、応用できる経験もあったものの、DEAN & DELUCAならではの環境に慣れるまでは大変さもあったという。

「特に1年目は、ホリデーシーズンなどの繁忙期が、いつどんな感じで来るのか分からなくて、その都度必死で対応していた記憶があります。研修などで売り場に入ってみると、思った以上に細かい作業を現場で対応することが多くて驚きました」

大手のメーカーで働いていた内田さんからすると、違和感を感じる部分もあったそう。

「たとえば以前は、仕入れた商品にわざわざ自社バーコードを貼るというオペレーションがあって、繁忙期はそれが大きな負担になっていました。メーカーがつけているバーコードをそのまま使えないのかな?と思って提案してみたら、意見が採用されて。現場からもすごくよろこばれました」

長く続けていくうちに慣れてしまう不便さは、どんな職場にもある。

そこに気づき、改善するきっかけをつくれるのは、中途採用で入るメンバーの強みなのかもしれない。

入社前は、DEAN & DELUCAのヘビーユーザーというわけではなかった内田さん。先入観がない分、入りやすい面もあったそう。

今、自分がつくっていく側になってみて、DEAN & DELUCAはどんなブランドだと思いますか。

「リアリティにこだわるのは、DEAN & DELUCAらしさだと思います。たとえば写真一枚撮るときも、その食材が生まれた土地の食卓を忠実に再現しようとするし、ルーツや本質から企画を考えようとするので手間がかかる。コストや納期を優先してクオリティを妥協するということはありません」

「正直、なんでそこまで?と思うこともありますが、ここまで信念を持って、何かをやり通せる職場ってなかなかないと思います」

ルーツや本質を大切に、食のよろこびを届けたい。

ブランドの根っこにある考えを進化させていくために、DEAN & DELUCAは、今までよりもさらに広い視野で門戸を開こうとしています。

セレクトショップからプラットフォームへ。食を愛する人が交わる、新しい場づくりに一緒に取り組める人を待っています。

(2022/12/16 取材 高橋佑香子)

この企業の再募集通知を受ける

おすすめの記事