求人 NEW

ふるさとの夢を
かたちにするため
さとゆめは新たなステージへ

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「自分たちがアクションの熱源になる。そしてより多くの人が、自分の故郷や第二の故郷に向き合って、ふるさとの夢をかたちにしていく。そんな未来を思い描いているんです」

そう話すのはさとゆめ代表の嶋田さん。

さとゆめは、“ふるさとの夢をかたちに”という想いのもと、地域の課題解決に取り組んでいる事業プロデュース会社です。

戦略策定はもちろん、商品開発から販路開拓、店舗やホテルの立ち上げに運営支援まで。

計画で終わらせず、地域の事業を「かたち」にするまで伴走するのが特徴。

さとゆめは創業11年を迎え、新たなステージに入ろうとしているところ。

今回募集するのは、事業プロデューサー。戦略策定、サービス開発、空間デザイン、収支管理、法務対応など事業にまつわるすべての業務に関わります。

あわせて、コーポレートスタッフと、北海道厚真町・茨城県大子町・山梨県小菅村に駐在する現場ディレクターを募集します。



東京・市ヶ谷。

都営新宿線の市ヶ谷駅で降りて、地上へ出る。7分ほど歩くと、さとゆめの本社があるビルに到着。

話を聞いたのは、代表の嶋田さん。熊本に出張中とのことで、オンラインで話を伺う。

嶋田さんがさとゆめを立ち上げたのは、11年前。

もともと、行政への政策策定のコンサルティング会社に勤めていたけれど、計画止まりで終わってしまうことに違和感を感じていた。

しっかりと計画から実行までを支援したいという想いから、さとゆめを創業。

地域に人を呼び込むためのイベントの企画や、特産品を使った商品開発からスタートした。

地域に伴走するうちに、アンテナショップやホテルをつくったり、運営会社を立ち上げて事業を黒字化させたり、その伴走距離は伸びていく。

活動は広がり、これまで関わってきた自治体や地域は、北は北海道から南は沖縄まで、およそ50。

「いくつかのプロジェクトが地域創生の成功事例として認めてもらえて、さとゆめの強みともいえる柱ができてきたんです」

たとえば、山梨県小菅村という人口700人の村全体をひとつのホテルに見立てた、地域分散型ホテル「NIPPONIA 小菅 源流の村」。

村の古民家を宿泊施設とし、運営やガイドのスタッフは全員が村人、食材も小菅村の農家が栽培したものを使うなど、小菅村の魅力を存分に味わえるホテルだ。

「古民家を活用した分散型ホテルは増えてきているんですが、都市型のホテルでは実現できない、地域住民も巻き込んだ運営のあり方について、これという正解がまだ出ていなくて。運営面も含めて理想のあり方を、しっかりと形にしていきたいと思っているんです」

地域に滞在できる施設をつくるだけでなく、そもそもどんな地域にしたいのか、コンセプトやビジョンを構築し、それらを実現するためにアンテナショップや地域商社を立ち上げる。

やっと見えてきた得意分野を軸に、今後はこれらの中核事業を社内チームにわけて進めていくという。具体的には、地域構想チーム、地域経営チーム、そして事業創造チームの3つだ。

「およそ10年、自分たちが先陣を切って関われたのは50地域ほど。でも世の中には1700の自治体があって、さらに数万の集落があって。僕らがやれることなんてもう本当ちっぽけで」

「だからこそ、今のままのやり方じゃダメだと思って。もっといろんな人に自分の経験やノウハウを伝えて、主体的に地域に関わっていく人を増やしていきたいんです」

チームを分けて地域に関わることで、それぞれの知見を蓄積し、専門性の高い人材を育てる。

チームで培った知見と人材から成功事例を積み重ね、再現性のある事業モデルができたら、もっとふるさとの夢がかたちになる。

ゆくゆくは社内外関係なく、ポジティブに地域に向き合う人を増やしていきたい。

そんな嶋田さんの熱い想いがチーム制に込められている。

嶋田さんはどんな人と一緒に働きたいですか。

「前向きに地域課題に向き合える人ですね。たとえば、地域に100軒の空き家があるなら、それを使ってホテルをやったらおもしろいんじゃないとか。課題として見るんじゃなくて、課題を事業の資源として見る」

「それって簡単じゃないんですけど、課題が大きいほどやりがいを感じられる人だといいですね。計画戦略をつくって、事業を立ち上げて運営まで伴走して。ビジネスモデルや収支構造も未知のことが多いから、いろんな経験ができておもしろいと思いますよ」



次に話を聞いたのは、入社6年目になる小川さん。

今回のチーム編成では、地域商社やアンテナショップなど、経営の視点から地域全体の中核となる組織・拠点をつくっていく、地域経営チームのリーダーとなる。

生まれ育ったのは、東京の多摩ニュータウン。

小さい頃はタヌキが走っていたようなまちに駅ができ、橋ができ、道路ができ。瞬く間にまちが変化していった。

「住んでいる人の意思と関係なく、決められた都市計画が次々と実現されていく。まちの合意形成とか声って、一体どう反映されてるんだろうと気になって」

大学で政策科学を学び、大学院で自治体の計画策定を手伝ったことがきっかけで市場調査会社へ。

仕事は楽しかったけれど、計画だけでなく、実行まで深く地域と関われる仕事はないかと探していたときに、日本仕事百貨の記事でさとゆめに出会った。

「入社してみたら、実行って大変だなって(笑)。しかも実行して終わりじゃなくて、その先までずっと続いていくので」

初めて関わったのは山梨県小菅村の地域商社、株式会社源の運営支援。

村が出資した会社で、道の駅と、道の駅に隣接する温浴施設、森の遊び場と釣り場の運営に加え、村の情報発信やコンテンツ造成なども担っている。

「当初は組織内でうまく意思疎通がいかない部分もあって。マーケティング担当だったはずが、どう会議を組むかとか、いかにみんなの意見を漏れなく吸い上げていい意思決定をしていくか考えたり。想定外のこともたくさんありましたね」

「労務や財務、組織の成り立ちや人のモチベーションを保つコミュニケーション。組織を支えるために必要なことは、地道に何でもやっていきました」

今では、以前よりも売上と利益を確保するための行動を源の人たちが自ら考え、経営的にも右肩上がりになってきている。

「村の人が本当に頑張ってくれて。素晴らしいことだらけですね」

また小川さんは、山形県河北町(かほくちょう)の地域商社「かほくらし社」と、東京の三軒茶屋にあるアンテナショップ「かほくらし」の支援にも入っている。

さくらんぼやお米などの農業が盛んな河北町。

都内にアンテナショップをつくりたいという町の商工会の要望から、2019年にプロジェクトが立ち上がった。

出店場所を決めることに加えて、どんな物をつくり、どう発信していくか。

さらには家賃や人件費などをカバーするための商品の量と単価、利益を想定するところまで、外部パートナーとチームを組みながら、あらゆることを同時進行で進めていく。

「単純に計画を考えて終わるコンサルではないと、地域の方も私たちのことをよくわかってくれていて」

「地域の人の納得なしでは進められないので、丁寧なコミュニケーションが大切ですね」

2021年にはマーケットインの視点で地域産業を再構築するべく、かほくらし社を立ち上げて、商品開発やテスト販売も開始。

地域商社のアンテナショップ事業部として、町との連携をより強固に、生産から販売の現場までをつなぐ商社になっている。

地域経営チームが掲げるミッションは、地域の事業を強くする価値をつくり出すこと。

新しく入る人には、地域の事業を“なんとかする”ことに一緒に取り組んでほしい。

「同じ地域で、同じプロジェクトをやっても毎年結果が違うんです。いけると思ったら、思ってもみなかった段差があったりして。タフな仕事ですね(笑)」

「でも、地域の何かが変わっていることを実感できることが、やっぱりうれしいです」



小川さんと同じように、仕事のやりがいについて楽しそうに話してくれたのは、入社5年目の俣野(またの)さん。

主に宿泊系事業の立ち上げを担当していて、今後は地域の資源を編集して新規事業をつくる事業創造チームのリーダーになる。

俣野さんは現在、「沿線まるごとホテルプロジェクト」という宿泊を含めた観光事業に関わっている。

きっかけは、JR東日本から東京・奥多摩を通るJR青梅線沿線を活性化したいという相談を受けたこと。さとゆめが共同出資で取り組んでいるプロジェクトだ。

「青梅線には駅が13個あって、それぞれの駅周辺には異なる特性を持つ集落がいくつもあるんです。人口4000人ほどのまちに、楽しめるスポットがいっぱいあるなと感じています」

「僕らが関わる地域では、いわゆる“観光地”でない場所や、まだまだポテンシャルを活かしきれていない場所が多いです。実際に足を運んで、まだ光が当たっていない地域文化などを見つけて、新たに人を呼び込める仕組みづくりを目指しています」

奥多摩にはすでにある自然のアクティビティに加え、最近は移住してきた若者が新しい地域の文化をつくりだしていく動きもできつつある。

たとえば、鳩ノ巣駅の地域で活動している兄弟のわさび農家。

奥多摩へ移住してきてわさび農家となり、わさびの魅力を広めるべく、わさび田をめぐるツアーをさとゆめと一緒に企画。

ただ、仕組みを整えても、駅から現地まで向かう交通機関がないことも多い。

そこで、電動の自動車や自転車を駅に配置するなど、観光客がストレスなく楽しめる仕掛けも取り入れている。

ほかにも、さまざまな事業を手掛けている俣野さん。

北海道厚真町の人材派遣業もそのひとつ。

厚真町と北海道内外の都市部で複業する人をマッチングするなど、新しい働き方にチャレンジしたい人をサポートする。

人材派遣業は、さとゆめとして初となる試み。新たな事業がまた、広がっていくんだなあ。

事業創造チームでは、日本各地の海の灯台を使った新しい観光事業を国と進めているところ。

「事業を起こすって、当たり前なんですけどすごく大変で。地域の方との調整をしたり、収益性を考えたり、法的に大丈夫なのか確かめたり。扱うことが本当に多岐に渡っているんです」

「チームで領域に特化することで、より精度高く加速して事業を進めていけると期待しています。みんなまだまだ若いですけど、地域に向き合う気持ちは強く持っているメンバーなので、どんな状況も前向きに楽しめる人と一緒に働きたいですね」



最後に嶋田さんの言葉を紹介します。

「ふるさとがないとか、ふるさとを捨てたとか。ふるさとって、ネガティブな文脈で語られることが多いですが、“ふるさとの夢をかたちに”というさとゆめのミッションって、すごくポジティブだと思うんです」

「将来的には、社員だけでなく、いろんな人がふるさとの夢をかたちにする“さとゆめ”というムーブメントがどんどん広がっていって、さとゆめという会社は相対的に小さくなっていく。そんな状態になるといいなと思っているんです」

次はどんな地域で、どんなことを始めるのか。

目指しているところは大きいけれど、さとゆめだからこそ目指すことができ、手が届く。そんなふうに感じました。

(2023/4/11 取材 小河彩菜)

さとゆめはかこむ仕事百貨2023に出展します。詳細はこちらをご確認ください。

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