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シンプルに考えて
家も働き方も自由になる

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家を購入するとき。

平凡な空間ではつまらない。凝ったデザインの部屋でも住みづらい。

極端な空間ではなく、デザインと住みやすさの両立を実現して家づくりしているのが株式会社ウダツです。

ウダツは、リノベーションの会社。

都内の物件を中心に仕入れから設計、施工、販売まで一貫して手掛けています。

自分たちですべて取り組んでいるからこそ、低投資でも高感度な完成品をつくって、しっかりと利益をあげることができる。

今回は2つの職種を募集します。

ひとつは現場監督。仕入れた物件の工事がスムーズに行くように現場を管理します。

もうひとつは広報・販促スタッフ。完成した物件にインテリアの搬入搬出をおこなったり、内見用の動画をつくったり、Webサイトを更新したり。販売担当に橋渡しするような役割です。

最初から最後まで家づくりのことが知りたい人にとって、またとない環境。未経験も歓迎です。

 

地下鉄出口から地上に出ると、六本木ヒルズが見える。

ふたつの通りが交わる六本木交差点は、いつ来ても賑わっている。

駅から一本裏の通りに入っていく。

飲食店の並ぶ路地に、赤い煉瓦調のビルを見つけた。

1階がイタリアンのお店、2階が音楽教室になっていて、ウダツはその上の3階。

エレベーターで3階へ向かい、事務所の扉をノックする。

スタッフの方が迎えてくれて、案内された席で待つ。すぐに代表の宮島さんがやってきた。

「普通のリノベ再販業者っていうのは、でかい会社は別として、不動産を仕入れて、工務店に外注してつくってもらうのが一般的なんです」

「でもうちは、誰が住むかわからないなかで仕入れをして、企画して、リノベして、お客さんに販売するところまで全部やっています」

もともと不動産業界で働いていた宮島さん。

ずっと建築に興味があり、20代の頃から古いマンションを買っては、職人さんと一緒にリノベした空間で暮らすのが趣味になっていた。

まわりを見渡すと、新築物件も業者が企画するリノベ再販物件も、どれも同じような間取りや設備で面白くない。

無垢材やタイル、ステンレスなど、使い込むほど味わいが増す本物素材でつくられたリノベ再販物件をやってみたいと思った。

2010年にウダツを創業。まずは分譲マンションの一室を購入した。

全部わかっていたほうが武器になると思った宮島さんは、工務店へ外注せず、素人ながら自分が現場監督として現場に行き、職人さんとリノベしたらどうだろう?と考える。

「解体も職人さんに教わりながらやってみたんです。『トラック一杯分のゴミを捨てると5万円も取られるの!?』みたいな。解体工は一日いくら、トラックはいくら、部屋からの運び出し、廃棄物の処分費用はこれくらいかかるって、ものすごい勉強になった」

リノベーションにはどんな作業があってどれくらい費用がかかるのか、全体像が見えてくる。

将来的に人に頼むにしても、費用の相場がわかっていれば交渉もできるし、判断もできる。

何より自分でつくりあげていくことが楽しい。

ウダツがつくる物件の特徴は、わかりやすさ。

リノベ再販事業のひとつである「WHITE BOX」は、まさにその姿勢を表すもの。

無垢材の床に白い壁と天井。生活動線への配慮を優先し、余計な装飾を省いているのが特徴だ。

部屋の個性を主張するのでなく、そこに住む人の暮らしが映えるキャンパスのような、シンプルなデザインを心がけてつくられている。

最近は、自由が丘にあるマンションの2室をリノベーションした。

「ここは昭和47年にできた建物なんですね。目黒通り沿いで、最上階のルーフバルコニーからの眺めもよく、共用部分の管理も丁寧に行き届いていて。住民の方が愛着を持っている良いマンションでした」

「ただこの二部屋は、戸境壁にトンネルのような大きな穴が開いていて。新築当初に二部屋買った人が、その二つを扉続きでつかっていたんです」

それぞれ60平米の部屋と90平米の部屋。トイレは各部屋についていたけれど、風呂とキッチンは片方ずつしかなかった。

もともとは大家族が住んでいた間取り。部屋の広さはあっても、家族の少ない現代の都心では広すぎて使いづらいからほとんどニーズがなく、買い手も見つかっていなかった。

そこでウダツが買い取り、リノベーションして独立した二つの物件として売り出すことに。行き来するトンネル穴をふさいで2室に分割、それぞれ必要な設備を工事した。

「今の若い人たちは、新築を買って高いローンを支払い続けるよりも、リーズナブルな値段かつ味わいのある中古物件に住みたい人も多い。家よりも暮らしにお金をかけたいとか、そんな人たちのことを想像しながら工事しました」

結果として、完成した二つの部屋は即完売。

「うちは昭和40〜50年代の旧耐震物件をリノベすることが多いです。古いものを一新してこそ意味があると思っています」

旧耐震の物件を買う競合業者は少ないので、比較的安く買うことができる。工事も外注せずに自分たちで手掛けているため、高価な材料や設備を採用し、手間をかけて施工しても、トータルコストは低く抑えることができる。

それは結果として、お客さんの買い求めやすさにもつながっている。

シンプルに考えるからこそ、住み手も自由になれる。

ウダツの働き方も、先入観にとらわれず柔軟なものだと思う。

基本的にリモートで仕事を進めており、内見案内も物件に設置しているカメラとスマートフォンを使って遠隔で対応。また、宮島さんが物件を購入するときも、360度カメラを使って内見し判断しているのだとか。

一方で物件が完成したときには、現地にみんなが集まって引き継ぎイベントをおこなっている。建築チームがどこに気をつけて工事を進めたか、見えない床下はどうなっているか、近隣住人はどんな人たちかなど、販売する営業チームに対してあらゆる情報を共有する。

 

現在は7〜8物件が並行して進行中。担当する物件も増えてきたので、新しく仲間を募ることになった。

現場監督の光畑(みつはた)さんにも話を聞いてみる。

「工事を進めていくときは、無駄なスペースを設けないことが大事だと思っていて。仕上がってしまったら、誰が見ても形ってわかるじゃないですか」

たとえば、床下配管を今より数センチ高く配置してしまうと、そのぶん床の仕上がりも高くなって見栄えはよくないし、天井も低く感じて使い勝手もわるくなってしまう。

シンプルな空間だからこそ、いかにきれいに納めることができるか、細部が肝になる。

「前職は同じ業界の大手にいました。私は設計を担当していたんですけど、施工に関しては完成するまで現場に3回くらいしか足を運ばないみたいな。ほとんど工務店に丸投げだったんです」

5年ほど前、現場をもっと見たいと思うようになり、ウダツと出会う。

「入社初日に『とりあえず解体している現場があるから行ってこい』って言われて(笑)。解体の手伝いから始まりました」

2ヶ月ほど先輩について回り、仕事の流れを覚えていった光畑さん。

初めてひとりで担当した物件は、経堂にあるマンションのメゾネットタイプの部屋。

浴室が部屋の真ん中にあり、当初はそれを撤去して広いリビングにする予定だった。ところがいざ浴室の壁を取り壊そうとしてみると、その壁は構造壁で壊すことができないものだとわかる。

「建物の強度に影響が出てしまう。壊せなくとも、よいプランニングができないか、すぐに方針転換しました」

宮島さんたちを交えて話し合い、浴室の分厚い構造壁を逆に活かして防音室をつくることになった。

「工程も組んだことがなかったので、どの作業にどれくらい時間がかかるかも探り探りで。最後のほうはスケジュールが詰まってしまって、それも大変でしたね」

「完成したときはうれしかったです。やっぱり自分が最初から最後まで関わっているので。ずっといるから驚きはないんですけど、終わってみたら『ああ終わった、納まった』って。ほっとした気持ちでした」

自分たちで工事に取り組んでいるからこそ、ハプニングもつきもの。想定外のことも楽しめる柔軟さは大事だと思う。

 

物件が出来上がった段階では、まだ真っ白な箱の状態。

ここから営業チームに引き渡すまで、物件の販促を担当しているのが、入社4年目の皆川さん。

仕事内容について教えてもらう。

「たとえば、物件が解体されるときから完成するまでの数百時間を現地に設置してあるカメラで動画に収めています。お客さんが物件を購入するための検討材料になるように、その動画を1分程度に早回し編集してホームページに掲載するんですよ」

「きれいな完成物件が出来上がるまでのすべてを見せることで、お客さんもより安心できるのでは、という着想です」

また、完成した物件に家具や植物などのインテリアを置き、住む人が暮らしを想像しやすいようにするのも仕事。

「その空間で暮らしたらどんな風景が広がるか。リアルに想像できるから大事なんです」

たとえば使い込むほど味が出る無垢材のフローリングが部屋のコンセプトだった場合。ロングライフな家具をつくり続けているカリモクや天童木工などと相性が良い。

「宮島が個人的に飲んだお酒の瓶とか、どんどんストックしています」

「自分も個人的に買ったり飲んだりしたものも、パッケージだけ取っておくこともある。あとは展覧会で買ったポストカードとか。収集癖もあって、自宅は物だらけですね(笑)」

新しく入る人も個人の趣味を活かせるかもしれない。物件に合わせて住む人を想像し、インテリアや小物を選んでいけるといいと思う。

内装が出来上がれば搬入する。成約すれば搬出。搬出した家具は、倉庫に戻さず次の物件にそのまま搬入できると効率も良い。その合間に動画の撮影・編集もしたい。

パズルをするような仕事。これらを主に皆川さんひとりで対応している。

「ロジカルに考えられる人のほうが良いと思います。インテリアの搬入搬出のスケジュールを組んだりするのも未だに苦労しているので」

「個人的にnotionを使ってうまくできないかとか、試行錯誤中です。ツールを使って、効率よく考えるのが得意な人が来てくれるとありがたいですね」

 

建築や不動産の業界は、歴史があるからこそ多くの慣習が残っている。物理的な制約のなかでデザインするから、動かせない部分も多そうに感じる。

でも建築や不動産は、もっと自由に考えていいんじゃないか。

ウダツはシンプルで力強い考え方があるからこそ、良い仕事につながっていると思いました。

(2023/07/04 取材 杉本丞)

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