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理想のライフスタイルを
楽しみたいなら
自分でつくる力をつける

※日本仕事百貨での募集は終了いたしました。再度募集されたときにお知らせをご希望の方は、ページ下部よりご登録ください。

「南房総でセカンドプレイスをはじめました。都内で働く人のワーケーションにちょうどいい物件です。私自身も春からこっちに移住して、今はリモートで仕事をしています」

ウダツの宮島さんからそんなメールが届いた。

ウダツというのは、六本木に事務所を持つ不動産会社。Webサイトには、「16㎡カプセルに詰め込まれた夢」、「アトリエのあるおひとり様の家」など、引っ越す予定がなくても興味をそそられてしまう物件が並んでいます。

賃貸や販売だけでなく、企画や施工も手がけており、中古物件特有の間取りのクセを個性として生かすリノベーションで、いろんな住宅空間をリリースしてきました。

コロナ禍で暮らしや働き方が大きく変わるなか、ウダツが新たに手がけているのが、ワーケーションなどで郊外の一軒家を貸切で利用できる「セカンドプレイス」の企画と運営。

今回は、この新規事業を一緒に担っていくコミュニティマネージャーを募集します。予約管理など、宿を運営していくような仕事もありますが、接客スタッフというよりは「ウダツのワーケーション」という新しいサービスの届け方を考える仕事です。

まだ始まったばかりの事業なので、当面は広報や営業、建築チームアシスタントなどの既存業務を兼務しながら、自分の役割を見つけていくことになりそうです。それから今回は、施工管理の担当者も募集します。

ワーケーションやリモートワークなど、暮らしと仕事を合理的に楽しむ仕組みがもっと社会に広がればいいのに。

そんな方向に気持ちが向いているなら、ぜひ読んでみてください。


新宿発、千葉・館山行きの高速バス。なのはな号という名前が、これから向かう南房総の温暖な気候を想像させる。

しばらくすると東京湾アクアラインに差し掛かり、左右どちらの窓からも海が見えた。

1時間と少しで到着したのはハイウェイオアシス富楽里という道の駅。さらに車で10分ほどのところに、2階に大きなテラスを備えた一軒家「セカンドプレイス岩井」がある。

目の前は大きく凪いだ海。庭先にはネギが育っている。

迎えてくれた代表の宮島さんにそのことを尋ねると「ああ、あれはちょっと遊びで植えてみたんです」と、楽しそうに答えてくれた。

昨年8月に竣工した新築の物件。まずは家のなかをぐるりと見せてもらう。

1階は最大6人が宿泊できるベッドルーム、階段を上がって2階には大きなテーブルを囲めるダイニングキッチンとリビングが続く。

この家の主役は2階のソファスペース。腰を下ろすとちょうど正面に海が見える。その背後にある大きな書棚には、つい手を伸ばしてしまいそうな漫画の全巻セット。

いつもとは違う環境でのワーケーション、早めに仕事を済ませたあとは夕暮れの海を見ながらお酒を飲んで、夜は漫画を読みふける。

そこで過ごす時間のイメージを掻き立てるのは、これまでウダツが手がけてきた住宅にも共通していることだ。

「自宅でリモートワークする人が増えて、住宅のニーズも変わってきました。寝室などの個室はできるだけ小さくして、リビングを広くとる。そこを家族の多目的スペースとして活用するんです」

「たとえば最近も、廊下がすごく長い中古物件を仕入れて。リノベーションするとき、それを潰さずに、幅を広げて机と本棚を設置したんですよ。そうすると、そこがただの通路じゃなく、子どもが勉強したり本を読んだりできるセカンドリビングになるでしょう」

もともと、リノベーションは自分の趣味だったという宮島さん。

中古物件特有の弱点に対して、こうすれば上手くいくという道筋が見えるとワクワクするという。

「南房総で企画をはじめたのも感覚としては同じで。岩井海岸は海水浴客も少なくて静かだし、地域で採れる野菜や魚もすごく質がいい。東京からも遠くない。目玉になる観光地はないけど、海と里山のポテンシャルが高く、土地は激安、そのギャップにまだ誰も眼をつけていない。これは何かできそうだなって」

「もともと、ウダツで物件を買ってくれた人向けの会員制サービスとして、貸別荘をやろうかっていうアイデアはあったんですが、コロナのこともあったし、ワーケーションによさそうだなと思って。まだ感触を探っているところですが、伸びそうな気はしますね」

現在、ここから車で20分ほどのエリアに2軒目となる物件を準備中。

一気に開発していくというよりは、一つひとつ手応えをたしかめながら、快適な空間づくりを進めているところ。

「なにしろ宿泊業ってはじめてだから、最初はオペレーションが大変でしたね。地元の新聞に求人広告を出して清掃を担ってくれる人を探して。それで集まってくれた地元のお母さんたちが、ゴミ出しやクリーニングみたいな部分を一緒に考えてくれて、なんとか軌道に乗ってきたかな」

そういえば、宮島さん自身も近くに移住したんですよね。

「そうです。今は週2日だけ都内に通って、あとはリモート。実は5年くらい前から遠隔コミュニケーションができる体制は社内にあったんだけど、みんなテレビ電話は照れくさいからって活用できてなくて。コロナをきっかけに、それが当たり前になったのは収穫ですね」

営業担当も、自宅にいながらリモートでも物件を案内するようになった。その“スマート内見”のシステムが、このセカンドプレイスにも生かされているという。

「入るところから案内してみましょうか」と、宮島さんに誘われて、もう一度玄関に。

「予約した人は、事前に送られたパスワードで玄関のキーボックスを開けて中に入る。玄関にはタブレットがあって、立ち上げると六本木のオフィスとビデオ通話でつながる。それでうちのスタッフと話をしながら、遠隔でチェックインができる」

「さらに、このタブレットを空間にかざすと、あらかじめ用意した空間の3D画像とリンクするようになっていて。雨戸の開け方とか、オーブンの使い方とか、オフィスにいるスタッフがそばで指差すような感覚で説明できるんですよ」


この仕組みを整えるために、いろんな製品やサービスなどを吟味しながら、予約管理やリモートチェックインなどのオペレーションを担ってきたのが、3年前からウダツで働いている皆川さん。

リモートでの運営はどうですか。

「最初は目が届かないことによるトラブルもありましたね。なので、ゴミの分別とか、備品の使い方とか、気をつけてほしいことはチェックインのときに丁寧にアナウンスして、改善してきました」

「オープン前には、僕も妻とここに泊まってみて。オーブンやテレビなど、家中の設備を自分で試しました。自分がわかっていないと説明もできないので。食器類も、ここでどんな料理をつくるか想像しながら吟味したんです」

もともとインテリアの配置を考えたり、写真を撮ったりするのも好きだったという皆川さん。

ウダツに入ってからは、物件の写真撮影やWebページの更新、Google広告の運用などを担当してきた。新しく入る人は、まずは皆川さんと広報業務を分担しながら仕事を覚えていくことになる。

「僕も写真のプロだったわけではないですし、Web広告のノウハウもここでやりながら身につけました。最近は物件写真を3D展開で紹介する需要が大きいので、ITに関する作業も抵抗なく覚えてもらえるといいなと思います」

皆川さんは大学でデザインを学んでいて、その後、知人の紹介でウダツに入った。入るとき、どんな期待がありましたか?

「自分で手を動かしてものをつくるのが好きで、リノベーションにも興味があったんです。ウダツは営業から施工までいろんな現場を見られるって聞いて、それがいいなと思って」

そういえば以前、バックオフィス担当の方も、現場でフローリングのワックスがけをした話を聞かせてくれたことがあった。

メインで担当する以外の仕事も楽しめる人だといいのかもしれない。

「僕もときどき手伝いで現場に行きますよ。職人さんたちがどんどん壊していく解体の現場で、フローリングの長いやつをせっせと運んだり、ゴミを集めたり。いつも埃だらけになってやっています」

床や天井をはがした状態の家を知ることで、リノベーションの引き出しも増える。

また、立場の違うスタッフの仕事を知ることは、メンバーの相互理解にも大切なこと。

とはいえ、忙しいスケジュールのなかでのマルチタスクは大変じゃないですか?

「僕は前職が特殊だったので、あまり感覚が参考にならないかもしれません。ウダツに入る前は個人事業主で2年半民泊をやっていて、なんでも一人でやっていたあのころに比べたら、先輩がいるだけでかなり心強いです(笑)」

「宮島さんも、会社のみんなも、『やったことなくて大変かもしれないけど、これが実現したら楽しそう』っていうことに対してすごく前向きで。そういう雰囲気に影響されて、僕もやってみようって思えているところはあると思います」

一緒に話を聞いていた宮島さんが続ける。

「こんなに全部見られる会社って、珍しいですよ。よく『現場の全部を知りたいです』ってうちに来てくれる人もいるんですが、知りたいっていう意欲だけではちょっと物足りない。うちもワークショップではないので、見て知ったものをどう活かすか、その先が大事なんですよね」

「僕は前から、みんなうちで経験を積んで独立すればいいと思っていて。ワーケーションもリノベも、僕らがやっているのを見て楽しそうだなと思ったら、ここで力をつけて、自由にやればいい。最初から楽はできないけど、やる気になれば力をつけられる環境はあると思います」

ウダツで働いてきた先輩たちは、在職中に建築士の資格を取って独立したり、県外からリモートワークをしたり、自分のキャリアプランやライフスタイルに合わせた働き方を見出した人も多い。

業界経験があれば、最初からある程度自立して仕事ができるかもしれませんが、経験が浅い人はまず、先輩たちと一緒に現場に行き、仕事を覚えるところから。

その先に、理想のライフスタイルを自分でつくる力が身についていくのだと思います。

(2021/4/27 取材 高橋佑香子)
※撮影時はマスクを外していただきました。
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