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むずかしい物件ほど楽しい
リノベーションの答えは
現場にある

※この仕事は募集終了いたしました。ご応募どうもありがとうございました。

仕事、楽しい?という問いに、「いやあ、いろいろ大変だよ」と答える人がいる。

一概には言えないかもしれないけれど、それって、もしかして「やりがいがあって、楽しい」っていう意味だったのかな。

「大変」と「楽しくない」は必ずしも一致しない。「楽」と「楽しい」もまた、一致するとは限らない。

今回の取材を通して、そんなことを思いました。

紹介するのは、株式会社ウダツ。中古物件の仕入れから、デザイン、リノベーション、販売まで一貫して行う会社です。

無垢材の床や、暮らす人のスタイルに合わせたユニークなコンセプト。最初から最後まで、自分たちで全部やるからこそ、こだわりを大切にした空間づくりができるのかもしれません。

不動産的な視点で物件を見る目と、現場で必要な技術を両方鍛えられる仕事。

全部やる、という大変さもありますが、いつか自分で独立して家づくりに携わってみたい人にとっては、得るものが大きい職場だと思います。

今回は建築チームのアシスタントを募集します。未経験でも挑戦できるので、これから業界を目指したいという人も、続けて読んでみてください。



東京・六本木。

地下鉄の出口から、飲食店の並ぶ通りを歩いて3分ほどのところに、ウダツの事務所はある。

ここを訪ねるのは2度目。代表の宮島さんは「最近どう?」と気さくに声をかけてくださる。

「前に話していた本駒込のメゾネット、工事が完了して買い手がついたんですよ」

その物件というのは、文京区の高級マンションで最上階という好条件にもかかわらず、間取りの真ん中に茶室風の部屋があったり、137平米の広さにもかかわらず2LDKしかなかったり。

個性が強すぎて、やや難アリな中古物件を仕入れて、リノベーションの施工中だという話でしたね。

たしか、リビングがふたつある家にする計画だったかと。

「そう。完成してリリースしたら、本当に二世代同居の家族が購入してくれて。同時にそれぞれの友達が訪ねてきても、別々のリビングでゆったり過ごすことができる。狙いにバチッとはまってうれしかった」

暮らす人が、家でどんな時間を過ごすか。そんなストーリーに合わせて、ウダツの家づくりは考えられていく。

たとえば、「お料理教室ができる家」や、「フリーランスな二人のための家」など。

大きなキッチンや、ふたり分の書斎は、誰もが必要とするものではないかもしれない。

一方、そんな生活を渇望している人にとっては、まさに自分のための物件。自分にぴったり!という感動が、家を買うという選択のハードルを越える力になっていく。

ここに住みたいと思うのはどんな人か。宮島さんは現場で物件を見たときからそのイメージを膨らませているのだという。

「今手がけている物件は築48年のマンションで、最上階の7階と8階につながるメゾネット。もともと間取りの真ん中にお風呂があったんですが、それを壊して広いリビングをつくるつもりで仕入れました」

ところが実際に解体に入ってみると、ブロックだと見込んでいたお風呂の壁がコンクリートの躯体で、壊せないことがわかった。

このままでは、広いリビングをつくるのは難しい。

そこで宮島さんが考えたのは、逆にそのコンクリート壁を家の魅力に変えていく方法。

「そうだ、防音室にしようと思って。メゾネットだから下の階も自分の家だし、間取りのど真ん中だから、横にも音が漏れづらい。趣味で楽器やカラオケをしているとか、音楽をつくる仕事をしている人には最高じゃないですか」

建てられた年代の流行や元の住人の嗜好を反映した間取りが、リノベーションのネックになることも多い。

それを無理やり打ち消すのではなく、逆手にとって新しい魅力に変える。隠れた答えを見つけるような家づくりの話は、聞いているだけでもおもしろい。

「不動産売買だけやっている営業マンだったら、問題のある間取りをどう生かすか現場で想像するのは難しいと思う。僕たちは自社で施工まで全部やっているから、わかることもあって」

「みんなが『どうにもならない』と思っている物件の価値に気づいて、相場より安く仕入れられる。それを狙い通りのユーザーに届けられることって、すごく楽しいんですよ」

買い手がつけば、次の物件を仕入れる投資ができる。以前は月に1軒ほどのペースで仕入れをしていたけど、最近は物件数が増えて現場の担当を増やす必要が出てきた。



ウダツの建築チームは現在3人。うち、2人は女性なのだそう。

現場監督とアシスタントで協力しながら、現地調査から図面の作成、見積もり、資材の発注など、職人さんがスムーズに作業できるように工程を考えていく。

現場の話を聞かせてくれたのは、昨年の秋から入社した現場監督の光畑さん。

光畑さんはここに来る以前、マンションのリノベーション会社で設計を担当していた。

大手の会社では月に5本ほどの案件を担当するために効率重視。現場でつくっている人の顔が見えず、流れ作業のように感じることもあったという。

「そんななかで職人養成の講座に関わったことがあって。講師になってくれる大工さんや職人さんと話をしていて、一緒に現場をつくってみたいと思うようになったんです」

設計だけでなく、全部を見通せる環境で家づくりをしてみたい。そう考えてウダツに入社。

「入社初日から現場に行って、ベテランの職人さんたちと一緒に解体の作業や壊れた廃材の運び出しをやりました。緊張しましたけど、『やってみろ』って道具を渡されて。職人さんにコツを教えてもらいながら、自分で手を動かすのは面白いなと思います」

道具の使い方や名前、壁の立て方や排水の回し方など、多岐にわたる仕事を、今まさに現場で覚えているところだという。

現場監督の仕事のひとつは、職人さんたちが効率よく仕事ができるようにスケジュール管理や資材の手配をして、進行状況を細かく確認していくこと。

資材の調達が遅れてしまうと工期が延び、コストがかさんでしまう。

「電気屋さんやクリーニング屋さんなど、いろんな職人さんが出入りするので、交通整理をするように全体のスケジュールを考えないといけなくて」

「実際に現場で指示をしていると、職人さんの反応がダイレクトに伝わってくる。大変なお願いをしてピリピリさせちゃってるなと感じることもあります。いい面も大変な面も全部直接感じられる」

ピリピリさせちゃったときはどうするんですか。

「もう、本気でお願いするしかないですよね(笑)」

年齢も経験もはるかに上の職人さんたちに、やり直しをお願いすることもある。

そんなときは、頑なに自分の考えを通そうとする人よりも、明るく前向きにコミュニケーションが取れる人のほうがうまくいくのかもしれない。

「排水管の組み方ひとつにしても、職人さんによってやり方が違うこともある。どのやり方にするか決めるのは難しいんですけど、最初から否定するんじゃなくて、まずは一通り全部吸収してから判断できるといいですよね」

「仕事をはじめたばかりで覚えることもたくさんあって、今は大変です。ただ、この期間を過ぎたら楽しみが増えるんじゃないかと思っています」

楽しみ?

「具体的な目標があるわけではないんですけど、もともと設計はできるし、これから現場も見られるようになったら自分でできることの選択肢が広がる。それに、せっかくこの会社にいるから、ゆくゆくは不動産も勉強したいですね」

ウダツの事務所では社長の宮島さんや仕入れの営業担当、現場監督も机を並べて働いている。

仕入れから施工まで、お互いの状況を近くに感じながら仕事ができる環境でもある。

ときには営業担当も事務所を出て、現場で作業を手伝うことも。

次に話を聞いた営業の藤田さんも、ちょうど現場に手伝いに行って戻ってきたところだった。

少し疲れている様子の藤田さんに、「元気がない、元気が!」と宮島さんが笑っている。普段の事務所の雰囲気を感じられるようで、なんだか微笑ましい。

藤田さんが入社したのは一昨年の4月。それまで家づくりの経験はなかったものの、日本仕事百貨で紹介されていたウダツのことを知り、楽しそうだなという印象を受けたことが応募のきっかけになった。

「不動産の営業っていうと、どうしてもお金とか数字の世界なので温かみがないイメージもありますよね(笑)。そういうなかで、たまに現場の職人さんに会って、つくっている様子を知れるのは、この会社のいいところだと思います」

営業担当が現場に行くのは、単純に人手が足りないからではない。

天井を外すことで梁の構造がわかったり、床下の構造が見られたり。解体するタイミングでしか見られない家の仕組みをインプットすることも、営業として物件を見る目を養うことにつながる。

リノベーションで水まわりやキッチンの配置を動かせるかどうかは、梁の位置や床下に空洞があるかどうかで変わってくる。

「仕入れのときに、もとの物件の床をトントンと叩いてみて、空洞があるのかコンクリートが直に張ってあるかを考えるんです。あとで実際に解体の現場に行くときは、答えあわせをしているような感じで」

解体を見ているからこそ、古い物件が現代風の住まいに生まれ変わるのを見ると感動すると、藤田さんは言う。

「リノベーションという分野で競合する会社はたくさんあって、センスのいい物件を出しているところも多い。それでも、うちのように無垢材にこだわってつくるところはまだ少ないし、内装のクオリティはウダツの強みだと思います」

「宮島さんたちは、どういう人が住むかを一番に考えてデザインをして、実際にそういう人が買いにくる。本当にすごいなと思います。僕もここで働いている以上は、いつかはそんな企画ができるようになりたいです」



最後に宮島さんが、一緒に働く社員への思いを話してくれました。

「今働いているメンバーはきっと、ウダツで何十年もキャリアを積み上げるっていうよりも、『いつかは自分で』という思いが強いんじゃないかな。たしかに、ここで全体を見通せるようになれば、建築の仕事に携わるうえで強みになると思う」

「仕事を選ぶときに、大変か大変じゃないかっていうより、楽しいか楽しくないかっていう基準で考えられる人がいいですよね。楽しいことをやってみたいっていう人のほうが成長できる」

大変だけど楽しい。

その感覚にピンと来るなら、きっとウダツという職場を楽しめると思います。

(2019/1/29 取材 高橋佑香子)

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