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「船出は、1993年。これから世の中がどんどん変わっていく気がして、社名を『ケイオス(chaos)』にしました。カオス、混沌のことですね。不安がるんじゃなくて、楽しんでみたい」

当時32歳だった澤田さんが「店づくりは、街づくり」ということばを胸にはじめた株式会社ケイオス。

航跡をふりかえると、毎日、毎週、毎月、毎年。小さな変化の積み重ねが、2024年に続いていました。

2023年にケイオスへ仲間入りした川又(かわまた)さんは、こう話します。

「大丈夫かな?と思うこともある。いや一人だったらムリかも。だけど、仲間といっしょにつくれるから、不安以上に楽しみです」

変化って遠くから眺めているから不安で、飛びこむと楽しいのかも。

2024年7月、「ゆめが丘ソラトス」が横浜市泉区にオープンします。

ケイオスは5年間かけて、食のプロデュースに取り組んできました。

ここで、立ち上げから共に働く「食べるコミュニティマネージャー」を募集します。食べるのが好き、生産者さんと話すのが好き、お料理するのも好き、そんな人を探しています。

応募資格は、社会人経験があること。職歴は問いません。今何ができるかよりも、これからどうなりたい? 経験値よりも、吸収力が大切になると思います。



大阪・北浜にあるケイオス本社を訪ねる。

オフィス街でありながら、ゆったりと川が流れ、個人店のカフェやレストランが建ち並ぶ心地よいエリア。

「このまちなみにケイオスの原点があるんです」と、澤田さん。

「32歳でリクルートを退職して起業しました。はじめの10年間は資金繰りがカツカツで、まちづくりに関わる仕事もなくて。自主プロジェクト『淀屋橋WEST』を立ち上げ、周辺エリアのプロデュースに取り組んだんです」

まちへの想いを企画書に爆発させると、38店舗がお店を構えることに。まちは華やぎ、通りが明るくなった。

「店づくりは、街づくり」が形になった瞬間だった。

その頃からまちづくりの依頼が増えていく。大阪のグランフロント、東京の新丸ビル、名古屋の大名古屋ビルヂング… と、まちの顔とも言える商業施設のプロデュースを手がけるように。

2024年は、4月に名古屋の中日ビル、7月にKITTE大阪と、食のプロデュースを手がけた商業施設がぞくぞくオープンする。

商業施設のプロデュースは次のような流れで進む。

はじめにエリアを調査し、商業施設のコンセプトをつくる。それからゾーニングといって、施設内のレイアウトを組んでいき、入居テナントとの調整までを行って、ケイオスは仕事完了。商業施設はグランドオープンを迎えていく。

今回募集するゆめが丘ソラトスも「食のプロデュース」の依頼からはじまった。

「建設地は、相鉄線のゆめが丘駅と地下鉄ブルーラインの下飯田駅のあいだ。ユニクロや無印良品が入居して、シネコンも併設されて… と、ここまでは日本各地にある商業施設と重なります」

「そこで相鉄さんは、食で特徴を生みたいと考え、ケイオスに依頼されたんです」

ゆめが丘ソラトスは、ケイオスにとってはじめての郊外型プロジェクトだった。

「プロデュースを依頼された食ゾーンは面積がかなり広く、駅周辺に住む方だけでなく、広域での集客を見込む必要がありました」

横浜市泉区はマイカーを所有する世帯が多く、約10km先にはテラスモール湘南もあることから「生活用品の購入」にとどまらない価値を生みたい。

調査を行うと、泉区は横浜市にあって農業が盛んなまちであり、たくさんの生産者さんがいる。一方で、横浜や東京への通勤圏として、住みはじめた人たちが多いこともわかった。

そこで澤田さんが提案したのは「おいしい」を合言葉に、笑顔が生まれるコミュニティづくり。

全国から集められた豊富な品揃えの食料品が並ぶスーパーに加えて、ローカルとサステナビリティをキーワードに、泉区だからこそできる3つのゾーンを企画。地元の農家さんや地元産品を並べる生産者直売エリア、つくる過程をライブで味わえるブルワリー、生産者自ら料理を教えるコミュニティ・シェアキッチン。地元の人が愛着と誇りをもてるようなマーケットをつくりたい。

これまでの商業施設のような「売る人と買う人」や「育てる人と消費する人」という関係を超えてみたい。せっかく同じまちで暮らし働いている人どうし、いっしょに何かつくれたら。

「地元の農家さんを数百軒訪ねると、こだわりを持ってつくられている野菜や果物がたくさんあったんです。その声を、きちんと聞こえるようにしたい。農業体験をすることで、学校帰りの子どもたちが畑で『こんにちは』と農家さんにあいさつできるまちに。今まで寝に帰っていた大人たちが、料理教室で隣り合って意気投合。いつかクラフトビールで乾杯できたら」

そうしてめざしたいコミュニティの形が鮮明になるにつれ、ある「?」が浮かんできた。

「ケイオスの本業は、プロデュース。これまでも商業施設がグランドオープンするところで、お客さまに運営を引き渡していきました。だけど…」

「企画を終えた段階でゆめが丘ソラトスのバトンを相鉄さんにお渡しするだけでは、食のコミュニティが絵に描いた餅(もち)で終わってしまうのでは?」

相鉄さんも同じ気持ちだった。施設の維持管理はお手のものだけど、ゆめが丘ソラトスに必要なのは、コミュニティマネージャーだった。

「絵に描いた餅で終わらせたくない。コミュニティ運営までケイオスでやりますって、ゆっちゃったんです」

ゆっちゃった。

「ゆっちゃって、やっちゃったんです」

プロデュースした商業施設のコミュニティ運営に携わるのは、澤田さんにとってもはじめてのこと。だから内心「大丈夫かいな」という思いも、ないわけじゃなかった。

でも、変化を楽しんでみるのがケイオス。これまでだって、毎日、毎週、毎月、毎年。小さな変化を積み重ねてきた。その積み重ねが、ゆめが丘ソラトスに続いている。

「だから、今日もケイオスは変わりたいんです」

今回募集する「食べるコミュニティマネージャー」は、どんな仕事をしていくのだろう?

「おいしいが大好きな人たちがつながるコミュニティ『Foodies’ Community』の顔となる人を育てたい。地域の生産者さん、ビールをつくる人、料理教室を利用する人、相鉄さん、そしてまちの子ども。いろんな人とゆるくつながりつつ、農業体験を企画したり、クラフトビールをつくるイベントを開いたり、さまざまな食の活動を通じて、まちの人といっしょにコミュニティを育んでいく仕事です」

コミュニティを管理するイメージを思い浮かべるかもしれない。だけど「管理するー管理される」というより、このまちに暮らし働く人どうしで「いっしょにつくる」仕事になりそう。なにより、おいしいごはんが好きな人がいい。

だから職歴は問わないし、「コミュニティ運営任せて!」と自信満々な人より、むしろ「人と関わるのは好きなほうだと思うけど、わたしにできるかな…?」と思っている人にこそ、まずは応募してみてほしい。

時期は、できれば7月下旬のグランドオープン前から仲間入りしてもらいたい。もちろん前乗りも大歓迎。

期待していることがある。

「ゆめが丘ソラトスを、一人称で語れる施設にしたいんです。資料に書かれた説明書きを読み上げるんじゃなくてね。これから働くあなたが自分の身体で体験したこと、農家さんと、お客さんと、起こしたことを、自分のことばで語ってほしい」

まずは2年間で、ゆめが丘ソラトスのコミュニティを育ててほしいと澤田さん。その先は、これから働く人の希望次第。もちろんゆめが丘ソラトスでの仕事を続けることもできるし、ケイオスの東京オフィスや大阪本社で全国のプロジェクトに関わることもできる。

ケイオスは、こんな2年後を見ている。

「企画だけで施設の差別化ができる時代は終わったんじゃないかな。これからは『絵に描いた餅を食べられる餅にする人』が社会に必要とされると思うんです」



ゆめが丘ソラトスのコミュニティをつくる同僚、川又さんにも話を聞いた。

「今は毎週出張で泉区に行っています。7月に入ったら、ぼくもゆめが丘ソラトスを駆け回っているんじゃないかな」

出身は千葉。前職はSoup Stock Tokyoを展開するスマイルズで10年勤めた。

転職のきっかけは、2023年10月にオープンしたケイオス初の自社経営飲食店「京都ワイナリー 四条河原町醸造」を日本仕事百貨で目にしたこと。

京都ワイナリーは飲食店でありながら、店内でワインを醸造している。お客さんが参加できるワークショップも開催。店内でつくるから、酸化防止剤も最小限に。タンブラーでテイクアウトして、鴨川で味わえるライフスタイルも提案している。

仕事を選ぶうえでは「誰と働くか」を大切にしてきたという川又さん。

「イタリアンやワイナリーにはそこまで触れたことがなかったんですけど、食べるのも人と接するのも好き。澤田さんのもとで働いてみたい、面白そうじゃんと思ったんです」

これから働く人は、京都ワイナリーでのワークショップに参加したり、大阪本社を定期的に訪れたり。そうしてケイオス流を学びながら、ゆめが丘ソラトスの運営に臨んでいく。

未来の同僚に伝えたいことがある。

「経験があってもなくてもサポートします… というか、いっしょにやりましょう。ぼくと年が近い人なのかな、もっと若い人なのかな。わからないけれど、同じほうを向きながら、横並びでいけたら」

これまで接客を通じて、目の前のお客さんが喜ぶ仕事をしてきた川又さん。相鉄さん、農家さん、テナントさん、まちの人… さまざまな人と関わるゆめが丘ソラトスは、自身にとっても大きな変わり目。

「転職とか新しいことをはじめるときって、不安もあるけど、それ以上に楽しみで」

目標がある。

「学校帰りの子どもが農家さんにあいさつする、住んでいる人が『ここ選んでよかった』と、ふと思う。まちのなかに『おはよう』が増える。そういう頭に描いているシーンを形にするだけじゃなく、想像していなかった明日を見てみたい。思っていた以上じゃん、ってみんなで笑えたら」

変化って遠くから眺めていると不安だけど、飛びこんだらきっと楽しい。

2024年7月、「ゆめが丘ソラトス」が横浜市泉区にオープンします。

(2024/4/21 取材 大越はじめ)

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